呉の駿動
北斗ちゃんが話し合いを終えて引き揚げに入ろうとした時に傅士仁が跳んで来る。
「(。-∀-)どうした?」
「ε(´皿`;)で、伝書鳩ですよ♪来ました彡」
「(^。^;)へ?だから何よ?訓練の一貫何だからそりゃ来るだろう?」
「(メ゜皿゜)んにゃあ違います!マジです!マジ!」
「(*゜ー゜)ププッ…またぁ、あれだろ?あれ!担ごうって算段だろ!」
「(メ゜皿゜)この顔がそう見えますか?ひとまずこれを御覧下さい!!」
「(‘∀‘; )若君!取り敢えず確認が先です!」
「( ・∀・)あぁ…判った。ふむ…ふむふむ…」
「… Σp(`□´)q ナニィィイイイ!!」
「( ゜ ω ゜ ;)坊どうした!!」
「( ♯`艸´)何だ??」
「(;゜д゜)アッ….子龍からだ!呉が大挙して国境付近を窺っているらしい…」
「(; ゜ ロ゜)ナン!(; ゜ω ゜) デス!!(; ゜艸 ゜)トー!!」
「(‘∀‘ ;)こりゃ大変だ!さっそく各城に警告を!」
「ヾ(◕ 0 ◕;ღ)マテマテ!!それは子龍がやってくれとる!!」
「( ;^ω^)閣下!すぐに防衛体制を敷かねば!」
「(;`艸´)糞がぁ!呉の奴等め!」
「ヾ(◕ 0 ◕;ღ)マテマテ!!慌てるニャ!軍儀が先だからニョ…」
「(♯`皿´)ノゴルァァァァァ!!落ち着き為されい!何を泡喰っとるかぁ!」
匈奴の血を引く傅士仁は一番に頭に血が昇ると思いきや意外にも冷静である。実はこの人、公安で常に索敵を行っていたので、細やかながら細かい機微には長けていた。
『国境を越えた』と『国境を窺う』の言葉尻の間には、途方もない大きな開きがある事を理解していたのである。
しかも小競り合いならまだしも、大戦に為る場合、頭…つまりこの場合でいう所の関羽総督、或いは若君に為るにしろ、その落ち着きを促し、冷静な判断をさせる事が重要であると肌で感じていたのだ。
彼は顔や体格に似合わず、知的な立ち回りが出来る男であるが、やはり騎馬民族の血が流れている分、その空気を感じ取り、本能でその一挙手一投足を決めるのが早かった。
その彼の瞬時の判断が、落ち着いて行動する事に在ったのだ。
「ღ(◕ 0 ◕;ღ)傅士仁ちゃんのいう通りだから、まだ慌てなくて良い良い♪♪」
北斗ちゃんも皆を抑えに掛かり、ようやく座が落ち着きを取り戻した刹那の事で在る。今度は伝令が慌てて跳んで来る。
「( ;`Д´)田穂殿が戻られました!」
「(。・"・)なぬ♪田穂が?直ぐ呼べ!」
「( ;`Д´)ハハッ!」
「( `ー´)殿!ただいま戻りました!」
「(・"・。)田穂よく戻った!今、第一報を受け取ってこちらは大騒ぎだ!いったい何があった?」
「( `ー´)ハァ…一昨日の軍儀にて孫権の号令一過、急遽侵攻に向けたゴーサインが出ました。呂蒙軍3万、朱然軍5千、潘璋軍5千、蔣欽軍5千、周泰軍1万、孫皎・馬忠軍5千で総勢6万です!」
「(*`艸´)グヌゥ~孫権め!」
「(‘∀‘ ;)待って下さい!一昨日って…侵攻速度が早く在りませんか?もう国境付近まで来ているのでしょう?」
「( `ー´)…申し訳御座らん。わしのミスです。虞翻や陸遜の動きに惑わされ、呂蒙を見過ごしました。奴は病に臥せっていると掴んでいたので…」
「(*`艸´)小賢しい手を使いおって!」
「(๑→ܫ←)フフッ…何か似たような事する人が呉にもいるのね♪」
「(*`艸´)若!笑っとる場合ですか!」
「ღ(◕ 0 ◕*ღ)まぁまぁ…爺ぃ~落ち着けって!6万か…ちと多いな?で動きは?」
「( `ー´)呂蒙は狼煙台を回避して陸地伝いをこちらに向かっています!狙いは江陵かと!後の3万は周泰が公安に、他が南郡を目指す模様…」
「"(◉ε◉*)えっ?それってニャンか可笑しな動きだニャア…」
「( `ー´)しかし確かですぞ!」
「(*`艸´)奴らしいではないか?欲を掻きおって!」
「(‘∀‘ *)閣下!若は分散させ過ぎている事に懸念を感じておられるのです!そうですよね?」
「(◉ε◉*)そうなんだよなぁ~江陵だけ!とか公安だけ!とかなら納得がいくんだけど、分散しちゃったら攻めあぐねると想うんだ!こちらが野戦で受けるとは限らないんだからね?」
「( =^ω^)ホホホッ…若!いい所に気づかれたのぅ…まさにその通りですな♪」
「(‘∀‘ )伊籍殿に同意!」
「(*`艸´)判った!呂蒙は儂が何とかしよう♪3万ならば、こちらは地の利も在るし、同数なら負けはせぬわっ♪」
「ε(´皿`*)閣下!駄目です♪向かい討てば兵が死傷します!若の目的に反します!」
「(*`艸´)グヌゥ…それはそうだが、相手は待ってくれんぞ!まさか籠城せよとでも?」
「ღ(◕ 0 ◕;ღ)待て待て爺ぃ~、傅士仁ちゃんの言う通り何だってば!前に言ったろう?相手をいなせって♪」
「(*`艸´)若!籠城せよと!」
「ღ(◕ 0 ◕*ღ)待て!そうじゃ無い、あくまでもいなすの♪爺ぃ~は3万で国境に出庭って貰う…当初の予定通り、馬良と共に対峙せよ!でも相手を押し込んでは引き押し込んでは引きしていなしてくれ!為るべく遠隔射撃に撤して兵を失う事が無いようにね♪頼むよ!」
「(*`艸´)ふぬ…判った!心得ましたぞ♪」
「( =^ω^)となると私は籠城して守りに徹するかのぅ♪」
「ღ(◕ 0 ◕;ღ)老師頼みます!僕は傅士仁と共に南郡城に戻ります…ゴニョゴニョゴニョ…」
「( =^ω^)フォフォ…判り申した!お任せあれ♪」
「ღ(◕ 0 ◕;ღ)では皆、頼むぞ♪」
「(*`艸´)若!任せておけ♪逐一、馬良の言う事を聞けば良いのだろう?さすれば江陵は安泰…若は公安と南郡を頼むぞ♪」
「ε-(◉ε◉*)フゥ~簡単に言ってくれるね♪まぁ、でも任せてよ!何とかするさ!後、皆に言っておく!敵はこれで全部だと想うな…」
「…忘れてないか?虞翻と陸遜を!奴等は必ず仕掛けて来るから、念頭に置いておいてくれ♪状況の変化や危機の際は、伝書鳩だ!多めに連れて行く事!いいね?」
「「「おお!!!」」」
江陵城は途端に慌ただしくなる。兵には急遽集合が掛けられ、やがて関羽総督は馬良を伴い、先発した。
「( =^ω^)若!お気をつけて♪」
「ღ(◕ 0 ◕;ღ)あぁ…老師もね♪」
「ε(´皿`*)若、行きますぞ♪」
「(◕ 0 ◕*)うん!行こう♪田穂!お前も来い♪」
「( `ー´)無論です!」
三人は慌ただしく馬に乗ると江陵を飛び出そうとする。そこへひとりの男が馬の嘶きと共に立ちはだかる。
「(-ω-*)北斗ちゃん!あちきも一緒に♪」
「(◕ 0 ◕*)さ、弎坐…待て!お前は駄目だ、これは戦争なんだぞ!」
「(-ω-;)嫌です!一緒に♪あちきが行けば、手当てが出来ますし、薬もほらこの通り!」
「(◕ 0 ◕*)うん!判った♪仕方ない…付いて来い、でも絶対に前には出るなよ!」
「(-ω-;)勿論!あちきも命は惜しい…」
こうして四人は一路、南郡城に急行する。その先に何が待ち受けているのか、まだこの時には一寸先は闇であった。
彼らが江陵城と南郡城の中間地点に到達した頃、前方と後方から馬に跨がった騎馬兵の軍団が迫って来る。まさに挟み討ちといった具合にグングンと迫って来た軍団はあっという間に四人を囲い込んでしまった。
傅士仁は咄嗟に若君を庇うように、その前に立ちはだかり、田穂は若君の後背を守る。弎坐も勇敢にもその中間に立ち、三角錐を形成して太子を守らんとする。
ところが肝心の北斗ちゃんは突如、笑いだしてしまった。傅士仁は怪訝な表情で想わず振り向く。後の二人も同様である。
「(◕ 0 ◕*)フフフ…悪い悪い!言ってなかったね♪味方さ、僕が老師にゴニョゴニョ呟いていたろう?」
「( ;゜皿゜)(`ー´)…ああ確かに!」
「(;-ω-)??」
弎坐だけは居なかったので判らない。
「(*m_ _)m{{ 若君!出戻りですが宜しく!」
「(*m_ _)m{{ 若君!お待たせ致しました!」
江陵方面からの軍団は関平と共に総督に返した4千…これは元々費観が連れて来た兵である。当初は6千であったが2千は叔父上達の護送で成都に帰してしまっている。彼らは江陵で騎馬し武装していた。
一方の南郡方面からの軍団は、太子護衛の3千…これも同上の通りである。こちらも武装騎馬兵として到着した。総勢合わせて7千の騎馬軍団である。
「(◕ 0 ◕*)あぁ…宜しくね♪皆、御苦労様!予定通りだね♪到着したって事は、張嶷や鞏志はもう臨戦態勢に入っているんだな?」
「(*m_ _)m{{ はい!御両名とも既に態勢を整えられております♪」
「(◕ 0 ◕*)良し!ならば安心だな♪時間が惜しいから僕らは此れから公安に向かうぞ♪」
北斗ちゃんの指示によって、7千4名の騎馬軍団は一路、公安に向かう。傅士仁は溜め息混じりに呟いた。
「ε- (´皿`*)若君!先走り為さるなよ♪こう言う事は端から言っておいて下さいや!」
「(◕ 0 ◕;)あぁ…すまんね、気をつけよう♪時が惜しかったのだ!」
「ε- (´皿`*)頼みましたぞ♪」
「( `ー´)それにしてもなぜ公安なんです?」
「(◕ 0 ◕*)あぁ…それね?南郡城は壕に囲まれた鉄壁の城だ!張嶷達には籠城する様に伝えてある。江陵は何を言っても爺ぃ~が居るからな!馬良の言う事を聞いてさえくれれば、呂蒙には遅れを取るまい…」
「…それに比べてあの二人がいるものの、公安は砦で兵も少ない。さすがの二人でも苦戦するだろう!何より、傅士仁はあの界隈には長けており、兵も懐いている。意気高揚にもなるし、地の利を心得ている者が居れば頼もしい。そういった理由だ!」
「( `ー´)判りました!あの辺りは確かに不穏ですからな…陸遜や虞翻が出没しても可笑しく在りません!配下に引き続き見張らせていますから、直に報告が在るでしょう♪」
「ε- (´皿`*)成る程…そういう事ならワシも力を尽くすと致しましょう♪」
「(◕ 0 ◕*)あぁ…頼む♪費観や費禕も心強い事だろうよ!」
「(-ω-*)♡二人に会えるとあちきも心強いデシ♪」
「(◕ 0 ◕*)だね♪結成時の仲間だからな♪」
「( `ー´)ですな!馴染みですからな♪で!二人にも連絡は取ってあるのですな?」
「(◕ 0 ◕*)うん♪老師が伝書鳩を飛ばしてくれた筈だ♪」
「(-ω-;)北斗ちゃん…ちと聞いていいっすか?」
「(◕ 0 ◕*)何だい弎坐?」
「(-ω-;)皆、全然気にして無いので言いますが、アレ何すか?」
弎坐は空を見上げながら指を差す。
北斗ちゃんはチラッと天を仰ぐ。
「( `ー´)…確かに!私も違和感は在りましたが…」
「(◕ 0 ◕*)あぁ…二人は知らなかったね♪あれは僕の新しい守護天使さ♪大地と言う。僕の飼っている鷹だ!最近はキュキュ君て呼んでやってる♪その方がご機嫌が良いんでね?」
「( `ー´)ホォ♪」
「(;-ω-)にゃるほど…」
キュキュ君こと大地は、青空に雄大に翼を棚引かせて、気持ち良さそうである。時折、旋回しながら、騎馬軍団を追うように付いて来ていた。
北斗ちゃん達は、先を急ぐ様に馬を跳ばす。
公安砦はもう目と鼻の先に迫っていた。