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遊び心

南郡城の(あるじ)と成った北斗ちゃんが、あの後直ぐに手掛けた事は、公安砦の費禕と江陵城の馬良、近郊の森の騎士・趙雲を集める事だった。


勿論、南郡城からも主要メンバーの鞏志・傅士仁・張嶷を集めている。


皆、急な呼び出しにも拘わらず、然したる不満を表明する者は無く、(むし)ろその目は輝きに満ちている。またぞろ何をしでかすのかと、期待に胸を膨らませているのだ。


北斗ちゃんも期待を一身に受けているのを肌で感じてとても心地好く、満足感に溢れていた。


「( ・∀・)皆さ~ん♪ご機嫌よう☆彡」


「「「ご機嫌よう♪」」」


「(。-∀-)今日はですねぇ~♪とっても良い事を思い着いちゃったので発表しま~す!」


北斗ちゃんはとてもご機嫌な表情で宣う。


「(*゜ー゜)ププッ…ねぇ~聞きたい?聞きたい?」


彼は猫なで声で言いながら皆の顔を覗き込む。


「「「(;´∀`)聞きたいで~す♪」」」


皆、お約束なのでそう答えるが、大の大人が付き合うには少々しんどい。


「(。-∀-)そうか…じゃあ仕方ないね♪発表しちゃうからよ~く聞いてね♪」


北斗ちゃんはかなり勿体振る。


『『『(O.O;)(oo;)アハハハハ…』』』


皆、早く本題に入る事を切に願って止まない。


「( ・∀・)テケテンテンテン…」


北斗ちゃんは語り出す。


それを聞いて停士仁はとても嫌な顔をする。彼は前に散々ぱら昔話という名の、皆目検討もつかない話しで言い含められているので、その二の舞を予感していたのである。けれどもどうもそれは違った様であった。


北斗ちゃんはリズム良く勢いをつけると、その後は愉しそうに独壇場を決め込んだ。


「(。-∀-)では発表しま~す♪」


皆、いよいよかと真険な眼差しで太子を見つめた。


「( ・∀・)これから時間の許す限り…トーナメント方式の大会を開催しま~す♪まずは各城で予戦会を行い、最終的にはその城の代表者が集って、御前試合をやるので、皆奮って参加する様に♪…」


「…て言っても幹部は除外ね♪兵だけ参加の大会だから、それを良く心得るように!でも兵を鍛えるのは貴方たちの役目だから、優勝した者たちは勿論、それを指導した者たちも表彰するからね、プライドとプライドを互いにぶつけ合って、せいぜい気張っておくれ♪どう?面白い発想だろう!」


北斗ちゃんはそう述べると反応を見た。皆、意外にもポカンとした表情でこちらを見ている。


『♪(#^ー°)vやんややんや、さすがは若!お見事です♪』と言われるか、或いは『えぇ((゜□゜;))!!』と大騒ぎになるかと踏んでいた北斗ちゃんは、この余りの乗りの悪さに絶句していた。


『ありゃあ…(゜Д゜≡゜Д゜)゛?外しちゃったかな!良い思いつきだと思ったんだけどなぁ…』


彼は少々がっかりしてブツブツ呟いている。


『(‘∀‘ )おい!貴殿の出番だ…』


気を利かせた費禕が博士仁の身体を肘でツツく。彼は、『ε(´皿`*)ああ…』と呟き、ポンと手を打つと、火事場の糞力くらいに気合いを入れた。


「ε(´皿`*)いやぁ~それは素晴らしい♪あれでしょう!格闘ですな…さすが若君♪ワシの苦労を見ていられなくなったのですね?でも対戦で鍛えるとは考えましたな!こりゃまた一本取られました♪」


傅士仁の変り身は意外に早く…


「ゞ(^o^ゝ)≡(/^_^)/" ア、ホレ♪♪」


と今にもかっぽれを踊り出しそうな勢いである。


趙雲は『(; ̄^ ̄)どこで間違ったんだ…こいつは?』という様な、気妙な顔でそれを眺めている。


鞏志は、配下達の役割分担がしっかりしていて、絶妙なその連携に舌を巻いて感心していた。


傅士仁の陽気な景気づけに気を良くした北斗ちゃんは、気持ちを持ち直すと話しを続けた。


「o(^-^o)(o^-^)o傅士仁ちゃん惜しい!ザンネ~ン…でもいい線だよ♪実際、この思いつきは、貴方の苦労から発想したものだからね☆彡 でもそれだけじゃないんだな…」


「…考えてみたら、この発想って他のものにも応用が効くんじゃないかと気がついたんだよ♪勿論、ひとつは武闘大会だ。武器有りと素手での格闘に分けて、腕を磨けるだろう?…」


「…そして次に、伝書鳩伝言ゲームさ♪これは各城の鳩を増やし、その技量を競う事になる。枠は問わない。多くの鳩を、ちゃんと帰巣させたグループの勝ちとする…」


「…枠を問わないのは、意外性を買っての事だ。世の中捨てたもんじゃない、予想外の能力が発揮されたり、素晴しいアイデアが捻出される事もある…」


「…そして次の部門は建築部門だ。家を建てる競争だよ♪もちろん早さだけでは無く、その丈夫さも評価基準となる。なんせそこに実際に住む人の命が賭かっているからね…」


「…土嚢を造り、運ぶ競争もする。これは河川を制御出来ぬ今、手探りの試みだが、やらぬよりは良い。ほら、これで今、困っている事のほぼ全ては解決に向かうぞ!…」


「…基本理念は何か目的意識を持たす事さ♪そして同じやるなら愉しくやる方が絶対にいいよ!やり甲斐を持たせる事は人を前向きにさせるし、第一他人にやらされている感が無い分、自分で達成のために知恵を絞るだろう?自分はやった、やり遂げたという達成感を持たす事もこの大会の意義(コンセプト)のひとつさo(^-^o)(o^-^)o♪」


北斗ちゃんはこれでひと通りの説明を終えた。座は今度こそ、やいのやいのの大喝采である。ゞ(^o^ゝ)≡(/^_^)/"


「(´▽`*)いやいやこれは考えましたな…愉しく皆を競わせるか…賞金が出るなら皆も頑張るでしょうし、良い提案かと♪やる気の向上と問題の解決をセットにするとはね…私は賛成致します!」と馬良。


「(‘∀‘ )そうですね、武闘会は兵達にとっては華やかな御疲露目の場ですからね。後の伝書鳩や建築、土嚢(どのう)等は、我々官僚も率先して参加し、教える方向を取れば、兵達も行動基準に迷う事は避けられましょう♪その意義、目的意識を念頭に置いたアイデアは素晴しいものです。称賛致します!」と費禕。


「ε(´皿`*)ワシも異議無しじゃ!兄貴も参同してくれるに違いない♪何より兵の眼の色が変わるのならば、やり甲斐は有るという物だ!張嶷、お前もそう思うだろう?」


「ですねえ…(´▽`)私は鳥の補獲は得意分野です♪アハハ…そう見えないっすよね?もち、食うの専門ですが、そういう事なら協力出来ます!なぁに五体満足で捕えるなら、この張嶷さんの十八番(おはこ)ですから、期待して下さいな?」


「(*´o`)へえ~♪人は見掛けに寄らないって本当なんだな…判った、張嶷頼むぞ!」


北斗ちゃんも謝意を示した。


「(*´◯`)えぇ♪…うち(南郡)はあらゆる意味で遅れを取っていますが、負けませぬ…」


彼も既に立派な南郡城の一員であった。そんな皆の気持ちを誇らしそうに眺めていた鞏志も、役に立たねばと口をついた。


「(゜Д゜*)若君、私も遅ればせながら、お役に立ちたいと存じます。実は私が武陵から連れて来た(こころざし)組は、建築のスペシャリストです。土木工学の知識も多少ありますので、お役に立つかと!」


「(゜ロ゜;ノ)ノえ~、まじでぇ~それ凄いじゃん♪じゃあ、皆と協力してどんどん建て物ぶっ建てちゃってよ!聞いてみるもんだねえ~皆も各城に持ち帰ったら広く協力を要請してみてくれ☆ミ これは嬉しい驚きだ…」


北斗ちゃんはウンウンと相槌を打ちながら、その反応の良さに一定の満足を示した。


皆、最期に自然と仮面の男にその眼差しは注がれる。


「( ̄^ ̄)ウオッホン!私は無論の事、賛成です。若君が皆のやる気を引き出そうとするその姿勢には正直、心を打たれました。私も協力出来る事が在れば、どんどん協力致しましょう♪趙広にも手伝わせますゆえ、遠慮無くこき使って下さい!彼自身の成長にも成りますからねo(^-^o)(o^-^)o♪」


趙雲は割と地味だが、適格に物事を捉えている。けして自分が目立つ事はせず、若い者達の自由闊達な意見を遮らない。


勿論、暴走する余り、変な方向に皆が進もうとした時には、正しい道に戻る様に諭す事こそが、自分の本分であると心得ていた。だからこそ彼は、皆の意見を阻害しないで聞き手に廻る。


若君のこの大変希抜なアイデアは、一見"遊び心"満載過ぎて危うそうに見えるが、その根底に在るのが、皆のやる気を引き出そうとする意気高揚である。


恐らくは、相当に悩まれたに違いない。そしてここ荊州に来て、様々な経験と苦労を重ねられた結果として、この"大会"という名の解決策に辿り着かれたに違いないのだ。


若君御本人がいみじくも述べた様に、この解決策には様々な利点が見込める。まず問題が解決に向かうで在ろう事、皆それぞれが目的意識を持てるで在ろう事…それはやり甲斐、前向きさ、考える力、達成感、そして愉しさである。


そして何よりもこの経験が、未来ある若者たちにとって、今後の貴重な糧になる事であった。その若君も決してアイデアを出すだけのお人では無い。


言い出した以上は全体をコントロールして、目配り、気配りをしなくては成らないし、進歩状況を見極めた上で、軌道修正も試みなくては成らないのだ。


しかもこのお人は、それだけでは物足りなくて自分も一緒になって走り出すに違いない。


『( ̄^ ̄)…それがこの人の魅力でもあるのだろう…』


趙雲は想う。


彼の周りには、その姿勢に感化された人々が徐々に(つど)って来つつある。まだそれはほんの小さな芽が芽吹いただけであろうが、今既にこれだけの人達に囲まれているのだ。


その一人一人の顔を眺めていると、皆、それぞれが強制されている感がまるで無い。その生き生きとした表情は、やり甲斐を感じている者の姿であろう。そして恐らくはこの自分ですら、その感化された者のひとりなのだと趙雲は想う。


この芽吹いた新芽達が、今後どんどん増えて、花を咲かせた時には、きっと我が国にとって大いなる幸せと成るで在ろう…そう彼は感じていた。

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