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大地と共に

「Σ(´□`ノ)ノニャンだってぇ~♪」


皆に介抱されてようやく意識を取り戻した北斗ちゃんは、糜竺の肩に留まっている鷹を見つめた。


彼は鉤爪を器用に後に持って行き、身体をカリカリと掻いている。そしてこちらを見て、キュキュと鳴く。


まるで小馬鹿にされた様に想えて、北斗ちゃんは苦虫を噛み潰す。皆、そんな彼を心配そうに眺めていた。


「(;´□`)若君、大変申し訳御座いません!」


糜竺は自分の不得と認めて平謝りである。


「(。-∀-)♪否、気にするな!例の伝書鳩…否、鷹だから伝書鷹なのだな?まさか鷹だとは想いもしなかった…良く見たら可愛いもんじゃないか♪」


彼はそう言うと、胸の辺りを撫でてやろうと、指先を持って行く。その余りにも不要意な愛情表現は、鷹にとっては迷惑だったらしい。その尖った(くちばし)で、ツンツンと(つつ)かれた。


「c(>_<。)シ* あ、痛たたた…」


彼はその瞬間、目から火花が飛び散った。そんな彼を鷹はキュキュと鳴きながら眺めていた。


「(*´□`)若、悪気は無いのです!まだ仕込みが浅く、暫く馴れが必要かと♪」


糜竺はそう申し訳無さ気に答える。今はそれが精一杯なのだった。


「( ・∀・)良い良い!僕も少々大人気無かった。しかし立派な鷹だな♪大空を舞う姿は雄大にさえ感じた。しかしこいつ見た所、何も身につけて無いが…」


北斗ちゃんは鷹の脚の辺りを眺めながら、精査している。


「(*´□`)殿!これは伝書鷹では無いのです!無論やらせようとすれば、出来ます…たぶん。けれどもまだそこまでは仕込んでおりませぬ♪」


糜竺はそう説明してくれた。


「(^。^;)え?じゃあこいつはどうして僕のところに来たんだい?否、襲ったのじゃない事はもう判ったが、こいつ僕を見つけて降りて来たように見えたが…」


「ああ…( ;゜皿゜)ノシ そいつは私から説明します!」


傅士仁はカッカッカッと笑いながら、話し始めた。


「( ;゜皿゜)ノシ こいつぁ、元々この私が山で捕らえて馴らした奴でして、本来の目的は鷹狩りです♪けれども、今回総督閣下のご依頼で、貴方を守る為に江陵からずっとここまで追跡して来たのです…」


「…無論、最大のパフォーマンスを発揮させる為に、時々この私の肩で休憩させましたが、糜竺殿の伝書鳩の仕込みの応用で、随分と大人しく従う様になりましたな…以前はもっと荒々しかったのです…」


「( ・∀・)僕を守るだって?どうやって僕を見分けさせたんだ?」


「( ;゜皿゜)…貴方の臭いですかな?後こいつは視覚にも優れていますから、一度味方と認知した者は襲いません。教え直さない限りはね…」


「…こいつは貴方に危害を加えると判断した標的を襲うように訓練しました。誰も襲う事無く、済んで幸いでしたな?」


博士仁はそう説明を終えると、大口を開けて笑っている。北斗ちゃんは、やれやれと言った顔である。


むしろゾッとしたのは鞏志である。話しを聞いていると、詰まる所は、糜芳か自分がその標的であった訳だから、心穏やかでは無かった。


彼は想わず鷹の鉤爪を見てドキドキする。別に(やま)しい事が有る無しではなく、人とはそう想うものらしい。


いずれにしても、北斗ちゃんは今後四六時中、この鷹と寝食を共にする事になる。傅士仁が鷹の名前を教えてくれた。それは『大地』であった。


この広い中華の大地を、所狭しと羽ばたく様にと名付けたらしい。北斗ちゃんは、鷹を見つめると、「(。-∀-)宜しくね、大地♪」と声を掛けた。鷹は知ってか知らずか、キュキュと鳴いた。




南都城の政務の間には、鞏志を始めとして、糜竺・傅士仁・張嶷・関平が集まっている。彼は閃きに依る今後の方針を宣言する。


鞏志は既に立ち合っていたので承知している。張嶷はというと、意外にもアッサリ「(´▽`)御意♪」と答えた。北斗ちゃんは想わず、「(。-∀-)え♪いいの?」と口走る。ところが、彼は『(´▽`)何で?』という表情でこちらを見ている。


『(^。^;)こいつのアッサリ感はまじだな…』


北斗ちゃんはそう認定した。


『(。-∀-)♪今後は念頭に置こう…』


彼は張嶷の横顔を見つめながら、そう想った。


「(*゜ー゜)ところで…君はこれからどうしたいんだ?」


北斗ちゃんは尋ねた。


関平は腕を組んで聞き入っていたが、自分の事だと認識したのか、不意に顔を上げると、皆が既に注目している。


「(*^-^)そうですな…私のお役目は、当初はその鷹と一緒だったのですが、途中で方針が変わりましてね…皆まで言いますか?」


彼は既に兄貴分となった傅士仁に尋ねた。


「( ;゜皿゜)そうだな…減るもんじゃなし!」


「(*^-^)分かりました!父の分も暴れて来いとの仰せでした♪」


北斗ちゃんはまたまた苦笑いを禁じ得ない。


「(*゜ー゜)プハハ…御苦労様♪でも助かったよ!」


そう労うに止めた。


関平は養子となったその日から、片時も父の傍から離れないと誓っているため、ここには残れないと告白した。そしてこう提案してくれたのである。


「(*^-^)荊州を抜けるまでは、私が糜兄弟をお送り致そう。益州に入れば安全ですから、後は糜竺殿だけでも安心でしょうから!」


「( ・∀・)それは助かる!関平宜しく頼むね♪」


北斗ちゃんはおもむろに頭を下げた。


「(*^-^)滅相も無い事!」


彼は畏まって照れている。


「(。-∀-)♪それで糜竺、伝書鳩ってもう使えたりするのかい?」


「(*´□`)ええ、勿論!実はこれまでも丞相宛の文は、ほぼ全て伝書鳩です♪伊籍殿に頼まれて、董允殿との文のやり取りにも使っています。あれ?確か若君直属の費禕も丞相とのやり取りに使っていた筈では?」


「Σ(´□`ノ)ノ何だってえ~!!」


北斗ちゃんは驚きの余り、口をアングリと開けている。呆けているようでみっとも無い。彼は慌てて、口を閉じると、今までの謎が解けた気がしていた。途端にほくそ笑む丞相の顔が浮かんで来る。


「(*゜ー゜)…恐らくは、あの絹の書簡は事前には用意出来ないだろうから、準備していたものだろう、それは間違いない。けれども、そんな便利な物があるのなら、教えてくれても良さそうなものだが、黙っていたところを見ると、僕に内緒でやり取りしていた事は明白だ…」


「…趙雲がアッサリと兵と合流したり、張嶷の絶妙な追加投入も余りにも見事過ぎた。費禕が丞相と定期交信していたというのも初耳だしな!今回の事だって、費観が合流した時に可笑しいとは想ったんだよ!…」


「…良心的に考えて、今までは個人的な文通や通信として使っていたものを、あの糜竺の発案から、ネットワークとして使い始めたとしたのなら、今回の事だって納得は出来るな…しかしいったいどうしてくれようか!?」


彼はそこまで思考を辿り着かせると、それ以上の追求は止めた。皆、悪意で行っていた訳ではない。誰の為と問われるならば、『北斗ちゃん』の為なのである。彼は感謝こそすれ、追求やましてや糾弾などとんでもない事だと気が付いたのだった。


今までの歴史書を(かんが)みても、暴君と言われる人達は、このような些末な事に腹を立てて、それが高じて結局は亡国の道を歩んでいる。


『除け者にされた』そう考えて腹を立てるのは狭量の暴君の振る舞いである。寛大な君主は、こんな時には、影で黒子のように支えてくれる配下達の真心に涙する筈…彼はそう感じていたのであった。


「まぁ(^。^;)…急に涙は出ないけどね!」


彼は苦笑する。けれども、そんな便利なものがあるなら、自分も使いたい。これは道理である。


『(^。^;)そう言う事なら構わないだろう…』


彼はそう想い、質問する事にした。


「(。-∀-)♪それって今後、僕も使えたりするのかな?」


彼は口に出してから少し、しまったと気がつく。『今後』を入れた事で、彼らに『今まで独占しやがって(*゜ε´*)!』と思われないか不安に感じたのである。




言葉尻とは本当に注意しないと色々な所に地雷が埋まっていたりする。でも結局はそれは相手次第でもあるという事だ。相手がどこの地雷に反応するか判らないからである。


『(^。^;)僕も使えたり…』という所に(おもね)りを感じて、(さげす)む人だっているかも知れないのだ。結論から言うと、却って余り気にしない方が良いのかも知れない。


割と相手の表情や態度から理解してくれる場合も多々あるからである。それに気にし過ぎると、(しゃべ)る事すら出来なくなる。それでは本末転倒なのだから…。




幸いな事に糜竺は全くと言って良い程、気にしていなかった。


「えぇ…(*´□`)当然ですな!むしろ今後は、若君からの指示が重要と成ってきます。ですから、我々としても若君が積極的に使いこなせる様に成って頂きたいと切に願う次第です♪」


彼はそう言うと、笑みを浮かべた。


「(。-∀-)♪話を聞いていると、江陵と公安は出来るらしいけど、南郡は無いのだろう?」


「(*´□`)…否、否、江陵城と公安砦だって大した羽数はおりませんよ♪まだまだ増やさねば、物の役には立ちませぬ。悠長に双方向通信してる場合では在りませんからね!立て続けに送らねば成らない事も在りますゆえ…」


「…今回はたまたま既に使用したルートを飛びましたから成功しましたが、鳩に教え込むのに時間が掛かるのですよ♪」


「(。-∀-)そうなのかぁ♪でも不思議だよね?鳩さんはどうやって目的地を認識しているのかしら…」


「(*´□`)若君…それは帰巣本能を利用しています♪例えばこの南郡城で飼い始めた鳩を、我々がわざわざ江陵まで運んでから、手離すのです…」


「…すると鳩は自分の巣に帰りたいもんですから、帰巣本能を働かせて戻って来ます♪簡単なカラクリはこんなところですな♪」


「(。-∀-)へぇ~♪じゃあ汎用性は無いんだね?返事に同じ鳩は使えないのか…」


「(*´□`)まだ全容が解明された訳では在りませぬ…只、一度行った所に行ける鳩もたまにおりますが、確実にそこに行くかは怪しいですからな…」


「…そんなあやふやな確率に大事な情報を乗せられませんから、必然的に確実を期すならば、数を沢山訓練して、使い捨てさえ覚悟せねば成らないのです♪」


「(。-∀-)なんかそう聞くと微妙に思えて来たが、荊州の三地点を結ぶだけなら、鳩の返却も楽だし、使い勝手は良さそうだね♪」


「(*´□`)仰有る通りかと!!」


「(。-∀-)じゃあ早速取り掛かろう♪」


「(*´□`)コツは伊籍や費禕も理解しておりますから、江陵と公安の量産は彼らにやらせます!南郡城は私がやりたい所ですが、生憎(あいにく)成都に向かわねば成りませんから、子龍殿にお聞き下され!」


「(。-∀-)ハハハ♪まさか趙将軍が鳩を飼育しているなんてな…何かメルヘンだニャン♪」


「(*´□`)…否、それは言わぬが華ですな♪」


『( ・∀・)…どうせなら弎坐にやらせたいとこだが、今は医療技術に磨きを掛けさせた方がいいだろうな…華侘先生の件もあるし、僕も一度江陵に戻らねば成らんだろう…』


北斗ちゃんは考えた末にこう結論を出した。


「(。-∀-)判った♪伝書鳩の件は僕の護衛兵にひとまずやらせよう!但し、管理は鞏志と張嶷で頼む♪僕は遊軍だからな…留守にする機会が多くて無理だもんね!」


「(゜Д゜#)…仕方在りませんな♪管理だけなら!」


「(´▽`)意外と面白そう♪兵の訓練の合間に取り組みましょう!」


「(。-∀-)で…この大地君は傅士仁が面倒みてね♪」


「( ;゜皿゜)あ!そらぁ駄目ですな!若君に馴れて貰わねば成りませんからな♪暫くは寝食を共にして頂かねば♪」


「(^。^;)え!まじで?キュキュ君、怖いんですけど?」


「( ;゜皿゜)大丈夫ですよ♪第一、鷹は我ら匈奴の血を引く者にとっては、力ある者の象徴ですからな♪名誉な事なんですぞ!」


「(^。^;)あら?そうなの…でも僕、遊軍で留守が多いしな…」


「( ;゜皿゜)カカカッ、残念ですな!その手は喰いませんぞ♪ど~ぞ肩に乗せてお越し下さい…何の問題も在りませんな♪」


傅士仁は、どうやら北斗ちゃんの操縦術が堂に入って来た様である。若君の傍に着く者にとっては、このくらいの心得が無いと煙に巻かれてしまうからだ。


『(^。^;)まじかぁ…キュキュ君コミなのね…』


北斗ちゃんは参っていた。彼はまだこの鷹という動物には馴れていない。逃げ切れず、目を回したトラウマが未だに抜けないのであった。

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