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新たなる旅立ち

鞏志は既に北斗ちゃんがとても気に入り、その配下に丸く収まっている。北斗ちゃんも彼を既に信頼に足る男と認めていた。


糜竺はひとまず事が丸く収まった事に安堵していたが、急に気がつく様に言葉を発した。


「(*´□`)!若君、まだ黄金旗を掲げておりませんぞ!急がねば成りません!」


「( ・∀・)ん?そんなに慌てなくても、張嶷は強硬はせぬだろう!まだいいんじゃね?」


「(;´□`)アハハハ…そうでは無いのです!」


糜竺はその根拠を示す様にゴニョゴニョと言葉を続けた。


「(^。^;)!!ニャンだってぇ~!」


「(;゜Д゜)ハァ??」


北斗ちゃんは勿論の事、鞏志もかなり度肝を抜かれている。


「(*゜ー゜)…傅士仁の奴、いつの間にか雲隠れしてると想ったら、そんな悪巧みをしていたのか?僕に隠れて、そんな愉しい事をひとり占めするとは怪しからん!!」


「(;゜Д゜)否、否…うちの連中はもうちゃんと理解してるんですがね?話し合い済みなんすが??えぇ~(絶句)」


「( ;・∀・)こりゃあ遺憾!ひとまず黄金旗を持って、城壁に行くぞ…」


北斗ちゃんは傍に掲げた黄金旗を引き抜くと、とっとと走り出す。鞏志も糜竺もその後に続いた。


「¶ヾ(゜д゜ )三( ゜д゜)ノ¶"?何じゃこりゃあ…」


「(´_`。)げげ、うちの連中がぁ!」


「(*´□`)うわぁ~こりゃあ酷い…」


南郡城守備隊は城壁に行くまでも無く、道中に観る限りに於いては、ほぼほぼ壊滅状態である。皆、一発で殴られて昇天している。但し、気絶させられているだけで命に別状は無かった。


その中のひとりが意識が戻りそうな具合だったので、鞏志は抱き起こして頬を叩く。


「(゜Д゜#)おい!大丈夫か?誰にやられた!」


「(o;д;)oハイ!いきなり赤ら顔の恐ろしい男が部下を引き連れてやって来まして、こういうのです!本日は守備隊の力量を検分致す…拒否権は無い!これは強制である!と…」


『(^。^;)おやおや…訓練と宣うとは傅士仁も大義名分には気を使うのね、こりゃあ馬良辺りの入れ知恵だな…多分♪』


北斗ちゃんは吐息を吐く。


「(゜Д゜#)でどうした?」


「(o;д;)o観ての通りです♪ありゃあ相当訓練されてますな…特に赤ら顔の男と耳にまである頭巾を被った青い服の男の二人が結構な強者でして…我らの武闘派も瞬殺されました…」


「(゜Д゜#)…判った!とにかくそのまま寝てろ♪起きるなよ!またぶん殴られたらまじで死ぬぞ♪判ったな?お前らも起きるな!死んだ振りをしておけ!私が事態を収拾する!良いな!」


「「\(~ロ\)(/ロ~)/ふぇ~い!」」


『(^。^;)いやぁ~こら一難去ってまた一難だな…』


北斗ちゃんは再び駆け出す。鞏志は走りながら、苦虫を噛み潰したような顔をしてこちらを観ている。当たり前だが、済んだ事は仕方ない。


糜竺は最早、事の成り行きが予想以上で青ざめた顔で無言を貫く。改めて武官の容赦の無さを想い知る。


そしてその驚きは彼らが城壁に到着した時に頂点に達した。彼らが城壁の上から眺めた景色はさぞかし壮観だったに違い在るまい。


『ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!…』


鞏志は絶句して固まっている。


『( ̄□ ̄;)!!あんぐり!』


糜竺はその有り様を観てポカンと呆けていた。


『(^。^;)うわぁ~こりゃあ何ともはや…』


北斗ちゃんでさえ、その壮観さに驚きを禁じ得なかった。


そこには旗差しものを持った大軍が、殊更にひしめき合い、ここ南郡城を取り囲んでいたのである。その総勢2万5000…壮観な筈である。


『趙』の旗1万、『張』の旗1万、そして『費』の旗5千であった。趙雲・趙広、張嶷、費観の軍勢は城を囲んで『エイエイオ~』と勝利の雄叫びを挙げている。


『(^。^;)だからぁ皆、過保護なんだって♪』


北斗ちゃんは汗を拭いながらも、満面の笑みを浮かべていた。過保護なのは判っている。しかしながら、それだけ皆が自分を大切に想っている事が嬉しかったのだ♪


此れだけの数の者達が、自分の為だけに集まってくれているのだから、これ以上の喜びは在るまい。彼はそう感じていたのである。


彼は結果的に、城壁に黄金旗を掲げて、皆の気持ちに答える為に、手を振り続けた。皆、やいのやいのと大騒ぎである。


良く観ると、城門の近くには二人の男が頼もしそうに若君を見上げている。それは傅士仁と関平であった。


関羽総督は6千の兵を返す際に、自分の子息・関平をその兵の中に大胆にも紛れ込ませたのである。これは当然の事ながら傅士仁が一枚噛んでいないと出来ない相談であった。


つまりそれだけ関羽と傅士仁の固い絆は再構築されたという証でもあったのだ。関羽は彼を認め、傅士仁も総督に一目置いた上に、描かれた大胆な絵図だったのである。




「( ;゜皿゜)ノシ この機会に南郡城の兵の性根を一気に変えさせましょう♪」


「(*`艸´)何だ!何か策が在るのか?」


「( ;゜皿゜)ノシ 大軍で囲み城攻めをします!」


「( ;^ω^)!!何じゃとぅ!」


「( ;゜皿゜)ノシ 否、老師…まじじゃ在りません!ですが、性根が悪いなら一気に叩き潰して根性入れ直せば、後々事態の収拾が楽ですし、根性悪く無くても、なまくらな身体に気合いを入れてやれば済む事!訓練と唱せば後々の落ちも上手く着きますし、場合に依っては、若君の手助けにもなりますからな…一石二鳥といった所です♪」


「(‘∀‘ )あ、それいいんじゃないすか?面白そうです♪しかも我らの軍も、最近実施訓練に欠けてますから、意気高揚にも宜しいかと!私は賛同致します♪」


「( =^ω^)そら面白そうじゃ♪フォフォ、わしも同意しますぞ♪」


「(*`艸´)何だ♪お前、狡いぞ!そんな美味しそうな事をやりたがるとは?儂にやらせろ♪…もとい儂は遵守であったな…総督の立場が怨めしいわい、ガハハハハ♪判った!許可しよう♪せいぜい派手にやると良いぞ!責任は儂が持ってやる♪」


「( ;゜皿゜)ノシ 有り難く♪閣下!どうせです♪御子息を参加させては?経験にも成りますし、閣下の気持ちも少しは晴れましょう♪これで即ち、一石四鳥の計となりますな♪」


「(*`艸´)ガッハハハハ♪お前言うね!だが、良いぞ良いぞ!それも許可しよう♪せいぜい息子と一緒に暴れて来い!」


「( ;゜皿゜)ノシ 御意!お任せあれ♪」


「(*´□`)…アハハハ」




こうして江陵城の三銃士に依る、深夜の悪巧みがここにその結晶として昇華された。傅士仁も関平もその意図を正しく理解して、大盤振る舞いに及んだのであった。


「(´▽`)貴方が費観殿ですか?始めまして!私は張嶷と申します♪その若さで公安城主とは、相当なやり手なのですね?」


「(・・*)あぁ…貴方が張嶷殿!こちらこそ噂は兼がね…我らは丞相の小飼も同然ですから、兄弟同然!ご謙遜なさるな…今後ともチーム北斗ちゃんですからな♪宜しくお願いしたいものです♪」


「(´▽`)チーム北斗ちゃんですか…良い響きですな♪確かに仰有る通りかと!こちらこそ良しなに♪」


「(・・*)では!私は費禕に城を任せていますので、これでゆるゆると引き揚げます♪若を宜しく!」


「(´▽`)ええ…承りました!では♪」


若き二人の才有る男同士が相まみえた瞬間であった。彼ら二人は将来的に義兄弟となり、新たな世代の五虎将を引っ張って行く存在となるのであるが、それはまだ先の事である。


「( ・∀・)皆、もう良いぞ~♪事は解決した!解散せよ♪解散だよ~ん♪」


北斗ちゃんはそう宣う。それを契機として城を囲んだ大軍は、塵の如くあっと言う間に散り散りとなり、引いて行き、やがて見えなくなった。


張嶷は趙雲と別れて、自分の騎兵2千と預かっていた兵8千を引き連れて、入場して来た。


「ε- (´ー`*)フゥ…」


北斗ちゃんは溜め息交じりに彼を迎える。


「(´▽`)アハ♪如何でした?良い眺めでしたでしょう?」


「( ・∀・)やられたよ!さてはお前さん、端から知ってたね?何かアッサリ過ぎるとは想ったんだよなぁ…とんだ一杯喰わされたね?」


「(´▽`)否、我々もですよ♪この合流は趙雲将軍の瞬時の判断に過ぎませぬ!囲めと言われたから囲んだまで!それだけですよ♪」


「( ・∀・)そうなんだ!じゃあ君はやはりアッサリ君なのかな?」


「(´▽`)ハハ…その言葉尻には語弊が在りますが、まぁ…好きにお呼び下され!」


「( ;゜皿゜)ノシ 若殿!無事で何よりです♪」


「(。-∀-)あぁ♪傅士仁ちゃん御苦労様!それに関平殿も助かりましたぞ、有り難うね♪」


「( ゜∀゜)…父にお聞きしました♪太子様に拝謁致します!」


関平は先程の暴れっぷりとは裏腹に、かなり緊張気味の様子である。かなりその口振りは固い。


『(^。^;)あちゃ~この人一度卒倒してはるからな!大丈夫かにゃ?』


北斗ちゃんは心配している。そんな彼の心配を余所に、匈奴族の血を引いている傅士仁は殊更に構う事無く、その背をぶっ叩く。


「( ;゜皿゜)ノシ ガハハハハ♪さすがは閣下の御子息でいらっしゃる!やりますのぅ…」


傅士仁はとても嬉しそうに関平を労った。


「(; ゜∀゜)あぁ…そらどうも♪将軍!お褒めに預かり光栄の極み…」


関平は目をまん丸くしながらも、そう答えた。彼もあれから著しい成長を遂げた様である。北斗ちゃんもそれを眺め安堵していた。


「(。-∀-)フフッ♪皆、御苦労でした…でもちとやり過ぎだったみたいよ♪守備隊壊滅させてど~すんのよ…」


「( ;゜皿゜)あ、そらぁすいませんな!でもこれは訓練ですからな♪しばらく我慢して頂きますぞ!」


「(゜Д゜#)え?まだ此れからがあるので?」


鞏志は驚く様にそう答えた。


「( ;゜皿゜)ノシ ブアッハハハ!何の♪これはまだ徐の口です!此れからは若君の為に頑張って頂かねば成りませんからな!呉の兵に立ち向かう為にも私は強化訓練に勤しみますぞ!覚悟なされよ♪」


「(゜Д゜#)アハハ…お手柔らかに♪」


「(^。^;)そうだな…壊滅は不味いから、適度に鍛えてやってくれ?」


「( ;゜皿゜)ハァ…そうですか?ではその様に努力致しましょう♪」


傅士仁はやむを得ず妥協を表明した。しかしながら、彼の強化訓練は手を抜く事は無く、優しさの中にも激しさを増して行くのである。


昼下がりの南郡城には太陽の光がふんだんに射し込む。雲ひとつ無い青空である。そしてその青空の中を雄大に一羽の鷹が翼を一杯に拡げて飛んでいる。


事が収まった今、そんな情景も(ほの)々として眺められた。鷹は突如として緩やかな滑空から急降下に入る。北斗ちゃんは『(。-∀-)あれ?獲物でも見つけたかな?』とその先に視線を写す。


ところがそんな獲物は飛んでいない。


『(。-∀-)ありゃ♪』


彼は不思議そうに鷹の降下を見つめていたが、不意に鷹は何かを見つけた様に空中でそれは見事な程にクィンと曲がった。そして最早、その目標が自分だと気がつく。


『((゜□゜;))ニャンだとぅ…』


ε=ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! 彼は懸命に逃げ出すも、鷹は必要に追って来る。彼は脚を車輪の如く回転させて、精一杯の加速を試みるが鷹は遂に彼の背中に迫った。


ε=(ノ×Д×)ノバタン!!


彼は揉んどり打って倒れる。


張嶷や傅士仁、関平や糜竺は勿論の事、鞏志も慌てて跳んで来る。彼らは悶絶して倒れている主君を見下ろす様に輪に為って心配そうに見つめている。


「(゜Д゜#)大丈夫ですかね?」と鞏志。


「(´▽`;)こりゃあ目を回してますな…」と張嶷。


「(゜Д゜≡゜Д゜)゛水、水…」と関平。


彼はどうやら卒倒したら水と学習した様である。


「( ;゜皿゜)ノシ 若殿には伝えたので?」と傅士仁。


「(*´□`)否、言ってなかったんだな…」と糜竺。


「( ;゜皿゜)あらら…そりゃ駄目ですな…」


傅士仁は気の毒そうに見下ろしながら溜め息を漏らした。


北斗ちゃんは完全に目を回してしまい、情け無いくらいに…(ノ@_@)ノバタンキュ~である。


そんな彼の姿にはお構い無しに、鷹はのんびりと北斗ちゃんの背中に留まり、懸命に羽を舐めている。そして時折、周りを見渡しながらキュキュと鳴いた。


何が起こったのか判らないまま、北斗ちゃんは悶絶したまま真っ暗な闇の中を彷徨(さまよ)っていた。

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