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新たなる課題

二人が到着した時に、総督府では、関羽を中心として、馬良と伊籍が互いに頭を突き合わせて、何やらあ~でも無い、こ~でも無いとブツブツ意見交換の最中であった。


その議論のまとが、机上の地図にあるのは明白である。関羽は丁度、出入口を向いた位置に居たので、すぐにこちらに気がついた。


「おお…(*´艸`*)糜竺帰ったか?御苦労だった!」


その声で他の二人も顔を上げて、ロ々にその労苦をねぎらった。


「(^□^*)ただ今、戻りました…長らく留守をして申し訳ござらん♪」


糜竺は頭を下げると、真横をチラリと見る。太子の事を皆、気に掛けてすらいないので、不思議な気がして尋ねようとした為だった。


ところがその太子は、いつの間にかそこには居らず、ふと気づくと三人の間に入り込み、地図と懸命に(にら)めっこしている。糜竺は慌ててしまって、想わず(たしな)める。


「(;´□`)若、いったい何を…」


すると言い切らないうちに、関羽が糜竺を手で制した。


「良い良い(*´艸`*)♪若にも聞かねばならない事案だ!若、ご説明致しますぞ♪」


「ああ…( =^ω^)そうですな、それが良い♪」


伊籍も賛同する。


「そうですよ、(‘∀‘ )若の意見が重要ですからね♪」


馬良も賛意を示した。それを眺めていた糜竺は目を白黒させている。


「( ・∀・)ね!言った通りだったでしょう?」


クルリと振り向いた北斗ちゃんは、悪戯っ子のような表情でニコリと微笑む。


「何だ!( *´艸`)若、糜竺にはまだ言っていないのか?」


関羽は豪快に笑い出す。


「糜竺様、若は既にこの荊州の(かなめ)です!今、ここは若の指揮に基き、全てが動いておりますので、そのおつもりで(‘∀‘ )♪」


馬良は頼もしげに若君を見つめながら、そう述べた。


「そう言う事じゃ!糜竺殿、我々は皆、若を信頼しておる。勿論、総督閣下も含めてな(^ω^= )♪」


伊籍はカッカッカと小気味良く笑った。


「(*`艸´)そうじゃ、そうじゃ!若はやり手だからのぅ、全く大した者だわい♪」


関羽もそう返した。


「(^。^;)皆、世辞は良いから、説明を頼む!どうせ厄介事なのだろう?」


北斗ちゃんはそう(のたま)う。


「ああ…(*´艸`*)そうでしたな!ここは伊籍殿、まず貴方から説明願おうか?」


関羽の命を受けた伊籍は頷く。


「( =^ω^)糜竺殿!貴方もこちらへ、一緒に御説明致そう!」


糜竺は呆気(あっけ)に取られてポカンとしていたが、気持ちを取り直すと、伊籍の言葉を受けて、その輪に加わった。


「若!それに糜竺殿!( =^ω^)これは荊州の北部地図です。それは判りますな…そしてここが漢江です!今さっき入った情報によると、河の水量(みずかさ)が例年にも増して高い様子だそうで、溢れる前に住民を南に避難させるべきか検討していたところです!」


漢江は長江(揚子江の事)の最大の支流である。そして何年かに一度、その猛威を奮う。一旦、溢れてしまうと、田畑は勿論の事、民の住まい等、一気に流してしまう。


城でさえ水没して、その機能を発揮するのが困難となるのだ。


「それで…(*゜ー゜)皆の意見は一致しているのかい?」


北斗ちゃんは一旦、それぞれの意見を確認した。


「儂は賛成だ!(*`艸´)民の命には変えられぬだろう?但し、北への備えは無防備となろう。そこが気になっておる…」


「( =^ω^)私も賛成じゃが、これから直ぐに対策を講じても、すぐには、代替の住まいを与えるのは難しい。食料と生活に必要な物品は用意するにしても、一時的に江陵、公安、南郡で分担して引き取る他あるまいと考えておるよ…」


「私は勿論…(‘∀‘ )賛成ですが、我々よりもむしろ魏の側が大惨事となるやも知れませぬ!特に樊城(はんじょう)襄陽城(じょうようじょう)は、その機能が著しく低下します。ここは考えどころかと♪敵対行動を取らぬと表明してやるか、一時的な休戦協定を結ぶか…。これはある意味、恩を売る好機かと!」


「(*´艸`*)ガハハハ♪以前の儂なら、絶好の機会と攻勢に出る所ですわい!ですが今や方針に反しますからな…」


関羽は然も残念そうにそう宣う。北斗ちゃんも想わず苦笑いする。糜竺もそれを聞いてびっくりしている。自分が留守をしている間に、明らかにここの雰囲気は違っていた。


それは太子だけでは無かった。伊籍も馬良も既に総督に気兼ねしていない。自分の意見をしっかりと発言している。そして最大の変化はこの関羽である。


元々偉大な将軍であるが、感情の起伏が激しく、攻戦的であった筈なのに、自分を抑えて置く事が出来て、そこには仁愛の姿勢すらあった。


何が彼らをそうさせたのかという事を考えた場合に、その理由はその一点にしか無い。それはこの若き太子の存在であろう。


しかも、その振る舞いや、皆の接し方を眺めていれば、それが立場による(おもね)りでは無い事は一目瞭然であった。しかも、人は強制されてこの様な明瞭な発言に行き着くものではない。


『( ̄□ ̄;)やはり太子は変わられたのだ…見た目だけでは無いのだ!この太子の姿勢や振る舞いが皆を納得させているからこそ、皆それぞれに考えて、率直な意見が出来るのだろうな…』


糜竺はそう想わざるを得なかった。これを受けた太子がいったいどういった判断をするのか、彼は期待の眼差しで、見つめていた。北斗ちゃんは三人が発言をすると、糜竺の方をチラッと見た。


「(。-∀-)♪叔父上はどう想われますか?」


ニコニコしながらこちらを見る若君の表情は、屈託が無い。とても溌剌としていて、叔父に対して意見を問う清々しい青年そのものであった。こうなっては自分も具申せずば成るまい。


「(*゜ロ゜)…呉の動きが怪しい今、北(魏)と和し、東に意識を向けておく事も大切な事です。馬良殿のご意見は大変考慮に値します。ご検討されるのも一つの手です…」


「…後、総督閣下の懸念も判る気が致します。趙累には魏領内に残って貰い、間諜による情報収集をさせましょう。連絡手段には古い手ですが、当面の間、伝書鳩を使います…」


「…河が例え氾濫しても、これなら有効の筈!そして緊急物品の集積や受け入れ体制の構築は、二次災害を作らぬ為にも、重要かと♪さすがは伊籍殿!本領発揮と言えるでしょうな…」


静かに聞き入っていた北斗ちゃんは、叔父の評価の中にも色々な対応策を認めた。彼はしばらく考え込んでいたが、直ぐにまず一点、確認に及んだ。


「( ・∀・)色々な意味で火急の時だが、この情報の真偽は大丈夫なのだな?もし仮にそうなら、最優先事項ということになる。因みに時間的には、どの程度の余裕があるのか?過去の経験に基づく知識が必ず役に立つと期待してるんだけどね…」


「若君…(‘∀‘ )明日にも襲来するというレベルの話しでは在りませんよ♪此れはこれから到来する長雨のシーズンを考慮に入れての課題です…」


「…しかしながら、連日の長雨に入れば、いつ河が氾濫しても不思議は在りません。それから対策を練っても手遅れとなります。ですから今の内にと考えた次第です!」


馬良の説明に伊籍も相槌を打つ。


「( =^ω^)これから色々と忙しくなるからのぅ…」


「(*`艸´)まあ、そういう事ですな!これは荊州閥である…彼ら地に根差した者たちの経験を踏まえた事実から導き出された話しですから、検討に値します…」


「…我らは、敵の侵攻作戦に対抗する為の、準備を進めながらも、(おろそ)かに出来ぬ事には、常に眼を光らせて置かねば為りませぬ…何しろ我らは責任ある為政者なのですからな!」


「( ・∀・)判りました…ではこうしましょう♪伊籍殿を緊急対策責任者に任命します!といっても、あくまで責任者です。信頼出来る人材を募って、計画を策定して下さい…」


「…食料や生活必需品の準備、住まいの確保は、貴方の発案ですから、計画に取り入れ易いでしょう。そして一番重要な事は、避難のタイミングの見極めと、民を誘導するべき安全なルートの構築です。お願い出来ますか?」


「あぁ…( =^ω^)無論じゃな!拝受しますぞ♪」


「(*゜ー゜)…自然災害は避難が最も重要だと想うけど、後のケアも同じく大切だ。物資等は勿論だが、一帯が水没した場合、衛生面に気を配らないと疫病の原因に為ってしまうし、食の流通経路を確保しないと、飢饉を招く…」


「…皆、とてもいいよ♪良く気がついてくれたね。時間に追われながらの準備の中でも地に足がきちんと着いていて頼もしいよ…有り難う(*^ー^)ノ♪避難が始ったら、何れにしても総力戦だ!これからも頼むね♪」


「「「「ハハッ!!!!」」」」


「私も地元です!(‘∀‘ )自分の責任分野は軍事ですが、避難誘導の指示には活躍出来るかと!怪我や病で動けない者も居りましょうからね♪そんな時には、軍隊の機動力がきっと役に立ちます!」


「(。-∀-)そうだね♪馬良も頼んだよ!」


「(‘∀‘ )お任せあれ♪」


「( ・∀・)今はここに居ないが、弎坐にも医療体制の総責任者としてこの取り組みに参画させようと思う。残念ながら華侘先生は充てには出来ない。あの方はその時にここに居れば、言わなくてもやって下さるだろうが、僕たちの組織の一員では無いからね?」


「(*`艸´)異存は御座らんよ♪あの弎坐は儂も認めておる。それよりも若君、華侘先生にそろそろ蜀に仕えぬか打診してみてはどうか?」


「(*゜ー゜)…そうだね♪実際、僕も先生にはいつまでも居て欲しいんだけど…後は先生のお考え次第かな?」


「(*`艸´)お任せするが、余り考え過ぎは禁物ですぞ♪時には頭で考えずに、心で動く事も大事なのですからな♪」


「( ・∀・)…判った!有り難う♪一度聴いてみるよ♪」


北斗ちゃんは万民を助けたいと考えている先生の考えを尊重したいと思っていた。けれども、こればかりは尋ねてみないと判らない事なのだから、頭の片隅に入れておく事にしたのだった。


「( ・∀・)次に爺ぃ~と軍師の問題を片付けなきゃ為らないね?でも軍師の見込みが正しければ、魏も無理押しはして来ないだろう…否、仮にこちらが仕掛ければまた話しは別さ!相手も死に物狂いで死守しに来よう…」


「…けどね、敵対行動が起きないならば、我々を格下に見ている筈の魏がわざわざセコい真似までして、我らの隙を狙って来るとは考え難い…」


「…交渉次第だが、上手く運べれば、奴らにしても渡りに船さ♪きっと自国の災害対応に専念しよう!そうすれば、こちらも戦力をより東に向ける事が出来ると言うものだ!但し、やり過ぎは禁物だよ…」


「…東の御方も結構な御仁(孫権)だからね♪刺激し過ぎは、過剰な態度に訴えさせ兼ねない!魏に甘い餌を与えて、タッグを組まれる事は避けねば為らないから、そこはこちらも繊細な対応が求められる…」


「…こちらはどちらかというと、常にタッグを組む側で居ないと、糞詰(ふんづま)りだ!何しろ今の所は、我らは三國最弱なんだからね?」


「(*´□`)しかし、その交渉には誰を充てるお積もりか?呉もですが、魏はより一筋縄ではいきませんぞ♪」


「( ・∀・)だよね…ここは丞相にも認められた僕の丸め込み術を駆使したい所だが、生憎(あいにく)と僕は"腐っても鯛(太子)"の立場だから、人質にされるとかな~りヤバいので、ちと無理だな…皆にも迷惑は掛けられない♪」


「( =^ω^)若!目の前に一番の適格者が居るじゃ在りませんか?私は糜竺様を御推挙致しますぞ!」


「(‘∀‘ )あぁ…それはいいっすね♪私もそれ以外に無いかと!」


「(*`艸´)だが、命掛けだぞ!」


「"(´□`*)そういう事為らば、私はいつでも一肌脱ぎましょうぞ!やれない事は在りませぬ!」


「( ;・∀・)叔父上…命掛け何だぞ?」


北斗ちゃんは幼い頃より何かと可愛がってくれた叔父上の優しさを思い出して、想わず口に出した。


「(´□`*)若君…私の外交力は誰にも引けは取りませぬ!御命令と在らば、いつでもこの身をお使い下さい!必ず果たして見せますぞ♪」


「( ・∀・)判った!僕は叔父上を信頼している…じゃあ叔父上は、対魏交渉窓口を担って貰うよ♪」


「(´□`*)あぁ…心得ました!お任せあれ♪」


「(*`艸´)若!儂は遵守(そんしゅ)で宜しいのかな?」


「(*゜ー゜)うん!爺ぃ~はこの江陵の(かなめ)だからね♪まずはここを奪われない事が肝要だ!そして公安と南郡との連携を取って頂く必要が在る…」


「…魏や呉との境界線への目配りは必要だけど、そこに意識を向け過ぎた結果として、母屋を取られてしまっては本末転倒だから、遵守大いに結構!さすがは爺ぃ~だね♪」


「(*`艸´)フホホホッ!否、それ程では♪」


「(*゜ー゜)後はそうだな…爺ぃ~と軍師、交渉窓口の叔父上は特にそうだけど、伝書鳩の連絡網は使えると思う。まぁ、撃ち落とされる危険はあるけど、速さは危急の時には命綱だ!状況に応じて、この際、本格的に導入してみよう♪」


「(*´□`)有り難い♪言い出しっぺですから、取り組ませて頂きますぞ!」


「(*^ー^)叔父上♪頼みます!これで趙累殿も心細くないでしょうから、励んでくれる事でしょう♪」


北斗ちゃんは皆の意見は全て採用した。そして適材適所で責任を持たせる事に努めたのだった。


「( ・∀・)因みに僕は遊軍だ!いつでもどんな時にも、若さと機動力を活かした柔軟性で皆を助ける!それでいいかな?」


「「「「異義無し!!!!」」」」


皆、元気な声で了承する。


「( ・∀・)今後も課題が出て来たら、躊躇は敵だからね♪必ず意見を交わし合おう。皆で知恵を絞れば、ひとりで悩むよりかは絶対に早い筈だ!」


「(*`艸´)糜竺よ♪これで判ったろう…若の見識はなかなかのものよ!皆、感化された口だからな♪御主の甥っ子は大したお人だ♪」


「(*´□`)そのようですね♪将来が愉しみです…」


「(*゜ー゜)フッ…爺ぃ~も叔父上も褒め過ぎだよ♪(おだ)てても何も出ないよ!」


北斗ちゃんはこの短い時間の中で、糜竺の信頼もガシッと鷲掴みにしてしまった。 糜竺がこの荊州の雰囲気が変わったと思った瞬間がその別れ目だったと言えるだろう。


彼は居住まいを正すと、改めて申し出た。


「(´□`*)ひとまず話の折り合いはついた様ですから、私の御報告の時間を取って頂きたく思いますが、如何でしょうか?」


「(*`艸´)そうだな…この中で隠し事はないゆえ、このまま話をしてしまった方が都合が良かろう♪皆、それで宜しいかな?」


関羽は念のため、座を見渡す様に賛意を募る。


皆、一様に相槌を打つ。


「(´□`*)えぇ、皆様が一致した団結が在るのは肌で感じました。私にも異存は在りませぬ!」


「(*`艸´)何を言う…おまえもその仲間のひとりなのだ♪」


関羽将軍はそう告げた。彼の瞳の奥には優しさが溢れていた。少なくとも糜竺にはそう感じられたのである。

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