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叡知の結集

劉闡(りゅうせん)の同意を得た一行は、その足で士仁将軍の許に向かう事となった。


「おや…( ;゜皿゜)これは劉闡殿!如何しました?」


傅士仁は訪ねて来た三人を眺めながらまず劉闡に声を掛けた。費観も費禕も劉闡と共に会釈をする。三人が部屋に入ると、本来この部屋の主で在る士仁は直立不動で立ち、彼の席にはまだ若い、スリムな身体つきの身なりの良い男が座っていた。


「(*゜ー゜)あれ♪お前たちいったいどうしたんだい?」


北斗ちゃんは費観と費禕を見つけると、おもむろに立ち上がり、声を掛けた。


「「(*゜ε´*)(^∀^*)これは殿!」」


費観も費禕も北斗ちゃんの顔を再び拝めて、安心すると共に、劉闡の言葉の真実味に気づく。既に若君は士仁を制御してしまっていると判断したからだ。見た目は恐ろしい程の威圧感を持つ士仁で在るが、その姿勢は北斗ちゃんに(おもね)っている。


そして本来、この部屋の主の席には北斗ちゃんが鎮座しているのだから最早それは疑うべくも無い。二人は改めて若君のカリスマ性を確認して、二人して吐息を吐いた。


「( -_・)お前たちは初めてだったな♪彼がこの公安の守将の傅士仁将軍だ!否、本来は士仁だったな?彼は僕の配下となったので、名を与えた。今日からは傅士仁だ♪傅士仁、彼らが僕の股肱の臣で在る。こちらが費観将軍、そしてこちらが僕の先生で在る費禕だ!仲良くしてやってくれ!」


「(*゜ε´*)費観です♪宜しく!」


「(*^∀^)費禕です♪宜しく!」


「(* ゜皿゜)あぁ♪噂は(かね)々承っております!私が傅士仁です♪今日から董斗星殿付きの武官と相成りました。こちらこそ宜しくお願いする…」


彼はこの部屋の中では最も年齢が高いのに、全くといって偉ぶる訳でもなく、年少で在る若い彼らにもキチンとした挨拶を行った。先程の彼の態度とはそれは打って変わったものとなっていた。


体躯も良く、今にも咆哮を挙げて敵中に突進しそうな強者の印象を感じさせる男が、礼を重んずる姿勢を見せたのだから、二人も劉闡の語った本来の事実に最早疑いは無いと感じていた。


傅士仁は劉闡の表情から、その事を感じ取ったのか、彼の事をひとまず紹介する事にした。


「(* ゜皿゜)殿!彼が太守の次男で輔佐をされております劉闡殿です♪太守と私の間を繋ぎ、ご配慮を頂いております♪」


「(*゜ー゜)あぁ♪貴方が劉闡殿か?お初にお目に掛かる!私は諸葛丞相の代理で、この荊州の監察官として赴任した董斗星と申します!宜しく♪」


「私は劉闡と申します。こちらこそ宜しくお願い致します!」


劉闡は、この人が二人の主かと改めて眺める。まだ若く、少しふくよかな身体つきをしているが、その瞳は優しさに溢れている。そして物腰も柔らかい。彼は一目でこの若者が気に入っていた。


「(* ゜皿゜)それはそうと、何か御座ったか?まさかまた太守の様子が可笑しく成ったのでは在るまいな?」


少々独断専行では在るが、傅士仁は心配の余り、不躾にも声を掛ける。先程から劉闡の青ざめた表情が気になっていたのだ。


「(^。^;)うん?待ってくれ!太守の話とは何か?まだその話は聞いていないぞ!」


北斗ちゃんは少々驚いた様に傅士仁を観る。彼はとても申し訳無さそうな表情になり、明らかに困っている。


「(;^∀^)殿!実はその事について相談するべくここに参じました。既に殿もこの公安の可笑しな点について感ずいておりましょう?我々も青天の霹靂でして、そこで劉闡殿をお連れした次第です♪そのお話から察するに、傅士仁殿も(はばか)りがあり、言葉には出来なかったのでしょうね?まずは劉闡殿の話をお聴き下さいます様に♪」


費禕は傅士仁を代弁する様に、その間に入り緩衝剤となる。それは見事な配慮と謂えるだろう。


「( ・∀・)そうか…判った!そういう事なら、まずは劉闡殿の話を聞かせて貰うとしよう♪」


北斗ちゃんも直ぐに同意した。事の顛末がはっきりとしなければ、これからの行動に支障が出るとの判断である。


劉闡も頷き、再びこの公安に来てからの、事の顛末を語る事になった。彼はまたその日々の苦しさやわだかまりを思い出して、少し感情が高ぶりを見せている。


それはその内容の真実味をより醸し出してみせた。北斗ちゃんはその話の展開の合間に、時々相槌を打ち、時には傅士仁の横顔をチラッと眺めながら、真剣な顔でその話に耳を傾けていた。


『(*゜ー゜)へぇ~成る程ね…確かに太守の様子は可笑しいな?でも何か話の内容に違和感を感じる。否、この劉闡殿の言葉に嘘偽りは感じないが、果たして太守がそこまで豹変する事が在るのだろうか?爺ぃが傅士仁に不信感を持つのも、これではやむを得ない所だろう。傅士仁も良く我慢してくれたものだ…』


『…けれども、何かまだ事の真相には辿り着いていない気がする。それが何なのかはまだ判らぬ…判らぬがこの話は根本的に可笑しいと僕の心が訴え掛けているのだ♪さて、どうするべきだろうな?』


北斗ちゃんは疑問を持ちながらも、その答えが出せずにいた。こういう時には、彼がいつもする事をするまでなのだ。彼は今はそれしか方法が無いと思った。


「( ・∀・)話は判った!ではこうしよう♪お前たちそれぞれには役割分担を与える…」


「(*゜ー゜)…まず傅士仁将軍と費観将軍はこの公安の守将としての引き継ぎに入ってくれ!傅士仁は暫く、この僕に付いてそのやり方を理解して貰うつもりだ♪その間、ここ公安の守備は費観!お前に任せる。良いな?お前ならば必ずやり遂げる事が出来るだろう…」


「(*゜ε´*)…判りました!拝命します♪ですが劉闡殿にも手伝って貰いますぞ♪それならば私も異存は在りませぬ!殿から離れるのは寂しいですが、見事にやり遂げてみせまする♪」


「…(*゜ー゜)許す!費観、これはお前にしかお願い出来ない事なのだ!頼むぞ♪傅士仁、お前も滞りの無い引き継ぎを頼む!」


「( ;゜皿゜)…心得ております♪お任せを!」


「( ・∀・)うむ!頼む。次に費禕!」


「(*^∀^)はい!」


「…(*゜ー゜)君は傅士仁将軍から虞翻の書簡を受け取り、その中身の分析を頼む!何か知らんが、僕の中の第六感が違和感を感じさせるのだ!頼むぞ♪」


「(;^∀^)心得ました!で、殿は如何されます?」


「( ・∀・)あぁ、僕は決まっている。太守の劉璋殿にお会いするよ♪僕はこの公安にまだ皆が知らぬ真実が隠されている用な気がしている。でもまだその真相の欠片も見えていないのだ!こんな時には、僕は今までも当事者に会う事で解決してきた…」


「…(*゜ー゜)今回もその方法を採用する!劉闡殿には悪いが、お父上との取り持ちを頼みたい!やって下さるだろうか?」


「無論です!この私でお役に立つのでしたら、喜んで御協力させて頂きます♪むしろ我々のためにも成る事ですから、謂わば当然の事です。ご心配なくお任せ下さい♪」


「( ・∀・)頼む!」「ハハッ(^-^ゞ」


「(;^∀^)しかし殿!御身は大丈夫なんでしょうな?」


「( ・∀・)あぁ…大丈夫よ♪心配いらない!それにこれは、この荊州に来て学んだ事だが、人とは直接会って話してみないと、その本質は判らない者だ!自分の目と耳とこの心で、太守殿に触れてみたい…恐らくはそれで事の顛末の欠片が見えて来よう♪」


北斗ちゃんはそう答えると、胸に手を充ててみせる。胸というよりかは、それは彼の心の蔵で在り、彼の心であった。自分の信念と自信を表したもので在ろう。


この場合の自信とは過信や驕りでは無い。彼の自分の信ずる所にあるもの…自分自身を信じる心と謂うべきものであった。


『虎穴に入らずんば虎子を得ず…』


まさにそういう心境であった。


彼の瞳には、その決意が如実に現れていたのである。

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