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春秋の覇者

会盟とはそもそも何だろうか。その始まりは春秋時代に(さかのぼ)ると謂われている。


この頃になると周王朝は未だ命脈は保っていたものの、その支配力は勿論、権威さえも地に墜ちていた。


周は西方から興った民族で、元を正せば西羌と呼ばれ、その出自は西の蛮族である。


やがて力を持ち始め、当時中華の支配者だった殷王朝を打ち亡ぼし、中華の支配を確立したのが周王朝の始まりと謂われている。


ここで何故、敢えて統一という言葉を避けるのかと謂えば、殷や周の時代までは中国大陸全土に無数の勢力が乱立していたし、そもそも中華という言葉さえ、この頃までは長江を挟んで北側のみを指していたからで在る。


謂わゆる中原(ちゅうげん)イコール中華と想っていただいても、然程大差は無かろう。


だから長江以南に大きな勢力を張っていた楚などは、南蛮と呼ばれて(さげす)まれていた存在に過ぎず、中央に認められてはいなかったし、むしろ無視されていた。


因みに中華統一を初めて成し遂げるのは、あの始皇帝であり、周の後を追うように西から興った秦である。


さて、話しを戻そう。


周は殷に取って代わって以降、何代にも渡り続いて来たが、始まりがあれば必ず終わりはやって来るもので、逐には幽王の時代に一度滅びてしまう。


そう…あの褒姒(ほうじ)を愛し過ぎたがゆえに、犬戒(けんじゅう)と呼ばれた蛮族に都を攻められて、滅亡の憂き目に合うのだ。


その後、東の洛邑(らくよう)に遷都してその命脈を担つが、もはやそこには諸候を束ねるだけの力は無かった。


その諸候に十二代三百年に渡る統治を尊ばれ、権威だけを認められた存在に過ぎなかったのである。


謂わば象徴としての存在として、生き永らえた事になる。これが春秋時代の始まりと謂われる。


以降は諸候の力が強くなり、当然の事ながら各地に割拠している諸候同士の争いも激化して行く。


本来なら統治機能を有した周王朝がその争いを調停するべく主導しなければ成らないが、御承知のようにもうその力は無いのだから、その自浄機能を他に求めなければならない。


そこで出現したのが覇者である。


覇者は目に見える実績と貢献のある諸候が、他の諸候に一目置かれる存在となり、周王朝にも認められて、諸候を集めて会盟を行って初めて認定される存在だった。


勿論、一代限りのもので、その権威を失ってもいけない難しい立場の存在である。


その中でも謂わゆる春秋五覇というものがあり、それはもっとも偉大な覇者を表わす言葉だ。


しかしながら、これはあくまで歴史書の編纂をした人の意向も含まれているから、その文献によっては認定された人物の名は異なる。


必ず名が挙がっているのは、斉の桓公と晋の文公くらいのもので、この二人に続くのは楚の荘王くらいのものであった。


会盟は皆に認められた盟主を軸に行われて、その盟主が在任中に行使されるべき約束事が起草される。


そして犠牲となる牛の耳を切り、その血を皆で飲んで誓う事で散会となった。


覇者は起草された約束事が守られているか目を光らせる必要はあるものの、果たして各国の内政に干渉出来たかは(すこぶ)る怪しい。


その務めは主に諸候間の争いの調停にあると断じても過言では無かったのである。


(くだん)の若君はその会盟を主導し、恒久平和を目指そうとしている。それがどんなに困難を伴うものかは彼も承知していた。


けれども戦う事無く中華安寧を達するには、これ以外に方法が無かったのだと謂えるのかも知れない。




若君は訊ねた。


「孫登殿は中華の現状をどう見てます?」


余りの唐突な物言いに、孫登は戸惑う。だから必然的に訊ね返す。


「どうと申しますと?」


「あぁ…」


北斗ちゃんは漠然とした言い方が悪かったと、苦笑しながら言い直す。


「このままで宜しいとお考えですか?」


「否…勿論、このままで良い筈がありません!私だって憂いております…」


孫登は真摯に答えた。


「ではどうすれば良いとお考えですか?」


若君は矢継早にそう訊ねた。


「こりゃあ、参ったな♪いきなり質問責めですか?」


孫登は苦笑う。けれども彼は自分の想いの丈を熱く語った。


「そうですね…上手く言えるかどうか?私だって現状を憂いており、早く平和な世の中が到来する事を願っています。民は今日の食事にも困る有り様で、土地は永らく続く戦いのために焼け野原となり、田畑を耕すための人手も足りません。そんな中、三国鼎立ゆえの争いは続き、日々死人は増す一方です。戦場の屍体はそのまま放置され、飢餓のみにあらず、疫病の蔓延により亡くなる人々も多い。夏は干魃、冬は冷害により、米や穀物は育たず、益々飢餓に拍車を懸けている。三国の統主は皆、それを改めるには中華を再び統一するしか道は無いと、益々戦いにのめり込む。今は各国とも戦おうにも疲弊しており、魏は長江の整備に専念し、我々は国の復興に励んでいる。貴国も河川整備を行っていると聞いております。けれども皆、国力が整ったら再び戦いを再開する事でしょうね?私は正直、太子なのにこれまで国政に積極的に関与して来なかった。そんな自分が恥ずかしい。可能な限り、今後は口を出して父を支えて行きたい。そんな想いで今、ここに居ます。貴国とは弱小者同士、今後は手を取り仲好くやっていかねばと想っています。正直、あの大型船にはぶったまげました。この機会に同盟を、否…不戦条約だけでも結べればと想っています。それが戦乱を止める端緒では無いでしょうか?」


孫登の想いは今の諸葛恪の想いでもあった。


出発前には功を上げる事しか能の無かった彼がそういう境地に達したのも、この太子の想いを感じ取れたからであった。


二人は真摯な気持ちで劉禅君と向き合っている。若君は真険に耳を傾けて聞いていたが、その言葉が終わるなり溜め息を漏らした。


孫登はその感触が良く無い事に気づき、(いぶか)しむ。変な事を言ったのかと想ったのである。


すると若君はおもむろに口を開いた。


「孫登殿!貴方と私の想いは同じです。でもね…僕らは平和が到来するのを願っていてはいけないんだ!そのために何が出来るかを考えて、実際に行動を起こす必要があるのです♪」


若君がそう言うと、諸葛恪が食って掛かる。


「仰る事は判ります。お説ごもっともですが、言うは易しだ!では訊ねるが、貴方はこれまでに何を成し得たのですか?」


彼の言葉は辛辣に過ぎた。けれどもその瞳は真っ直ぐに劉禅君を見裾えていたので、その真険さは感じ取れた。


孫登は驚く。彼の中にそんな熱い気持ちが感じられて嬉しかったのだ。


でも我々は現在、敗者の立場で停戦交渉に臨んでいる事に変わりはない。それゆえに孫登は諸葛恪を止めに入った。


「待て!我々は敗者だ!対等の立場では無い。劉禅君の条件をまずは真摯に受け取める必要がある。それにお前もあの大型船を見ただろう?アレだけ取ってみても、彼が荊州を変えつつある事は明白だ。成し得て無い事などない!」


孫登はそう言って諸葛恪を制した。


「太子様…すみません!出過ぎた真似を…」


彼は謝る。


それを眺めていた北斗ちゃんは、頷きながらこう言った。


「いぇ…お説ごもっともです♪確かに僕は中華の恒久平和を願い、努力はしていますが、まだ何も成し得てません!でも誤解しないで下さい。何もしていない訳じゃ無い。行動はしているし、今後の構想も持っている。今回の事でいみじくも貴方たちと話す機会が訪れた訳ですが、僕は端から外交行脚を模索していました。既に荊州の主だった者を集めてその旨の方針を示し、連れて行く者たちの人選も発表済です。あの壁をご覧になれば、必ず詰問の使者が来ると踏んでいたのですが、想ってたよりもその反応は刺激的でした♪」


若君はそう苦笑う。


これは当然の事ながら、呂蒙の独断専行による侵攻を意味している。孫登は困惑しながら頭を下げる。


「それは真に申し訳無い事です。それにしても貴方は既にそこまで念頭に入れて、事を進めているのですね?大型船といい、あの巨大な壁の建設といい、どれを取っても一朝一夕には行かぬものばかり…貴方の深謀遠慮には我々が推し量れぬ奥行きがあります。そんな事とは露知らず、無礼な事を申しました。お許し下さい。私も想いは同じですが、まだその切っ掛けを得たばかりで、とても貴方と比較するのは烏滸(おこ)がましい限り。今回の事もあります。私が出来る事は何でも致します。平和的な解決が謀れる道があるのなら、それに越した事は在りません!」


孫登はあくまでも真摯にそう伝えた。


これには諸葛恪も慌てた。


「太子様!お気持ちは判りますが、我らは只の使者に過ぎません。出過ぎた真似はお控え下さい!」


そう言って制止する。ところが孫登は逆に制した。


「出過ぎた真似はお前の専売特許だろう♪そのお前に止められる日が来るとは驚いた。確かに我らは君主に全権を委ねられた立場には無い。だが停戦交渉は待ってはくれない。それにだ!詰問の使者を待っていたほどの御方なのだ。この交渉の条件に協力要請が入っていない筈は無かろう。良いか?これは例のアレだ!」


孫登が意味深にそう答えると、劉禅君はほくそ笑んだ。諸葛恪は意味が判らずキョトンとしている。


すると張嶷が初めて口を挟んだ。


「将帥たる者、戦場では君命も受けざるところ在り…ですかね♪後悔は無いのですな?」


そう呟くように言った。


孫登はコクリと頷く。


「外交も武器無き戦いというものです。それにここは戦場だ。この場の最上位はどうやらこの私!ならばその覚悟で臨む以外に道はありません。それにどちらに転んでも結果は同じです。厳しく協力を強いられるか、こちらから進んで従い、快く協力するかの違いでしょう。仮にもしそうなら、私は進んで協力する道を選びます。話しを聞いている限りでは、若君の姿勢には共感しか無い。国内の攻戦派からは糾弾される事でしょうが、私は構わない。保身のためなら身を切る覚悟も無い連中に、いったい何が出来るというのです?私は覚悟を決めて、ここまで来たのです。今ここに居るのはそれも天命♪まずははっきりと停戦の条件を仰って下さい。父・孫権には私からきちんと話し、筋を通します。貴方の忌憚の無い御意志を受け賜りたい♪」


孫登は堂々とそう告げた。


その覚悟に一片の曇りも無かったので、諸葛恪も従う。二人は居住いを正して、劉禅君に向き合った。


これには若君も喜び感謝を示した。


「孫登殿♪その覚悟、感じ入りました!有り難いと言うほか在りません。ご心配召さるな!その覚悟に応えられるように、僕も精一杯努力するとお約束します♪貴方のその覚悟に報いる事は、中華の民のためでもあり、僕らの悲願でもあります♪必ずや達成します!それでは改めてこちらから停戦条件を申し上げます!」


若君はそう言って二人を眺める。二人も視線を逸さず見つめ返す。その表情を見て取ると、若者は条件を示した。


「ひとつ!孫登殿、そしてお付きの諸葛恪殿、呂蒙殿の三名はしばらくここに残り、我々荊州のこれまで培った成果を御覧頂きます。これは一重に現状の国力差を感じて貰いたいがためです。これまでは秘匿して来ましたが、我々が何をしていたのかが如実に判る事でしょう。これは呂蒙殿が降伏する時に申し出られた条件でもあり、先程の諸葛恪殿の発言への答えにも成る事でしょう。よく御覧に成り、孫権様にお伝え下さると宜しい。ふたつ!我が蜀は河川氾濫を契機として生まれ変わり、発展を遂げました。その実績を武器に魏と呉に会盟を提案致します♪そして会盟には各国の君主と太子にご参加頂く。これは僕の提案ですから、会盟はここ荊州の新城にて行わせて頂きます!そのための事前折衡として、近々貴国にも外交使節を送るので、孫登殿は先程のお約束通りに協力を願いたい。呉の廟堂を説得し、繋ぐよう要請します♪みっつ!長沙・桂陽の復興には我々の人材を多く投入し、兵糧の貸付けもかなりの額に及びます。歩隲殿・呂岱殿には計画的な返済を課しており、払えなければ貴国にはその二州を諦めて頂く。本来であれば占領しても良かったのです。けれども二人共、必ず返済すると約束したため、留保しております。彼らを責める資格は貴方たちには在りませんぞ!詰問や諮問は止めて頂く。彼らを見捨て突き放したのは貴方たちだ。仮に彼らが責められたり、殺されたりしたなら我々も元が取れなくなる。故にそういった動きは慎しまれますように!彼らが優秀だからこそ、私も信じて貸付けたのですから、邪魔立てするなら即対抗惜置を取らせて頂きます。貸し付け額は新城に戻り次第、御覧頂きましょう♪よっつ!貴国の虞翻殿は先には劉璋殿に毒を盛り、暗殺を企てました。そして近年、陽動作戦で荊州に潜入を試みた時にこちらで捕え、法に照らし処罰しました。その際、金輪際破壊活動はしない。引退すると約束したので、庶民に落としました。今では医療の道に勤しみ、努力されています。よって彼の引退を認め、その身を自由にしてやるように強く求めます。彼を害しようとすれば、この僕が許しません!こちらが求める事は以上です♪どうです?ご納得頂けましたか?」


北斗ちゃんはこの機会に全てを明るみに出してしまった。膿は早目に取り除き、あくまでも嘘や偽りの無い関係を構築する事が肝心なのだ。


これは予め切り札を景気好く切るようなものだが、彼はそれも仕方無いと想っていた。後で判れば逆にこちらの信頼を疑われかねない。


隠し事は外交での駆け引きとして、当たり前のように行われるものだが、若君はそれを潔しとしなかった。


彼に言わせれば、例えその行いが崇高であっても、正しい行いの上に積み重ねてこそ、そう言えるのであって、その途上に嘘で塗り固められた行いがあれば、それはもう正しい行いだとは言えないのである。


今まで(つちか)って来た行いは、皆の努力の結晶なのだ。その直向(ひたむ)きな努力が無に期すような誤魔化(ごまか)しはしたくなかったのだと謂える。


これには張嶷も驚いたが、聴き耳を立てていた費禕もぶったまげてしまった。何故なら、こちらに有利に使えそうな道具を予め洗いざらい全てぶちまけたも同然だったからである。


『若君らしい...』


費禕はそう想い、覚悟を決めた。また交渉材料を探し直さねば成るまいと、彼は頭を切り換えるほか無かった。


張嶷はそれでも若君を支持した。却ってその覚悟を見た気がしたのである。


但し、孫登と諸葛恪にとっては、それどころじゃ無かっただろう。まだ二つ目までは彼らにとっても想定内だったに違いなく、むしろ一つ目など、是非見てみたいぐらいのものであった。


ところが三つ目と四つ目に至っては、どちらかと謂えば自国の不始末である。これはいい訳の仕様が無く、歩隲と呂岱が踏み留まったがゆえに現状を維持しているに過ぎない。


荊州側だって、担保としている土地を差し押さえる事も出来ただろうが、おそらく江東といらぬ争いを避けたかったのだろう。


大守の人と形を見極めての惜置だと感じられた。だから孫登に言わせれば、詰問するどころか良くやっていると褒めてやりたいくらいだった。


慮翻の件にしても、彼らからすれば今さらであった。勿論、敵前逃亡であったり、義務違反ならば責任は重いが、彼は捕えられ裁判を経て既に官では無く、庶民である。


それを蒸し返すのはこの際、難しいだろう。なぜならこれは停戦の条件だからであった。


それにしても危うい判断を伴う案件の筈で、荊州側からすれば隠す事も出来た筈なのに、それを惜し気も無く開示してしまった劉禅君とは、かなり清廉な人物だと孫登は信頼を置く。


更に言えば長沙も桂陽もこれを機に取られてしまう事だって在り得たのだ。


否…そればかりか、そこまで用意周到ならば江夏ですら、軒先の柿を()がれる如くに奪い取る事だって出来たろう。


この若君はそれすらも行う事無く、淡々と済ませているのだ。馬鹿なのか、深謀遠慮なのかは紙一重といったところだろう。


けれども孫登はこの青年に好感を持っていた。何故なら彼も理不尽な事は大嫌いな清廉な男だから、こうも真っ向からぶつかられると嫌な気はしない。


むしろようやく判り合える知巳に巡り逢ったと、彼は嬉しくさえ想っていた。だから彼は承諾した。


「判りました♪その条件を飲みましょう。貴殿方の事蹟を是非、拝見させて頂く。そして会盟の件に付き、交渉する用意も致しましょう。お迎えする準備も整えます。長沙・桂陽についても、今後我らも可能な限り気を配ります。負債は必ず払うとお約束します。そして慮翻の件についても、命を免じて下さった事に感謝します。もう好きにさせると約束しましょう♪それにしても賠償や領地の没収も無く、これほど穏便に済ませて頂けるとは驚きました!感謝に耐えませぬ。必ずや約束を履行する事でしょう♪」


孫登ははっきりとそう宣言した。


それを聞き届けると、若君はニッコリと好い表情をする。そして両手を胸の前で合わせると感謝を示すように答礼した。


「孫登殿♪貴方は実に話しの判る御方です!僕は好い知巳に巡り逢ったとこの機会を喜んでいます。貴方とは将来を共に語れそうな気がするな♪貴方がこの僕の言葉に向き合って下さる限り、僕も貴方に必ず向き合うと約束します。僕の決定は信じて下さって結講!何しろ僕は父・劉玄徳と丞相・諸葛孔明に全権を委任されていますので、信頼頂くに足るかと!いつでも外交の使節団は出発出来ますので御連絡下さい♪私も貴方を信用しています!」


劉禅君がそう言い終えると、孫登も礼節に乗っ取り答礼した。諸葛恪もそれに倣う。


「ご信頼に感謝します♪必ずや貴方のその恩情に報いる事でしょう!それにしても今から発展したと言われたこの荊州を拝見するのが愉しみです♪」


孫登がそう述べると、張嶷が応えた。


「おそらく退屈はさせないと断言しますよ♪最近流行(はや)りの美味い店もあります!この機会に是非、ご案内致しましょう♪」


それを横目に若君も微笑み返す。


すると今まで船の縁で景色を眺めていた筈の背の高い優男が、いつの間にか寄って来てサラリと告げた。


「どうやら話しはまとまったようですね?ではそろそろ新城に戻るとしましょうか♪若君、それで宜しいですね?」


「ああ♪」


北斗ちゃんもそう応じた。




結果として孫登、諸葛恪、呂蒙の三名は、新城に同行する事になった。それに伴い、近衛兵のみ同行を許されるが、陸遜から供出された騎兵百騎は彼らが呉に戻る日まで長沙大守・歩隲預かりとなる。


船は帆先を変え、一路帰還に転じた。孫登は劉禅君が成し逐げた荊州の変革した姿に想いを馳せる。五隻の船は水兵たちの小気味のの良い掛け声に合わせ無事に凱施する運びとなった。

【次回】凱旋

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