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気づけば学びは其処に在る

「|•̀ω•́)✧⁾⁾ 北斗ちゃん♪」


翌朝、若君が朝飯の仕上げである鮭茶漬けをサラサラと流し込んでいると弎坐が急に顔を出した。北斗ちゃんは驚き、おもくそ米粒を口から吹いた。


当然それは弎坐の顔に掛かり、彼は妙な擬音を発した。


「ゲッ…Σ(ღ-ω -〃٥)もう汚いな!勘弁してよ♪」


「どっちがだ♪(。-ˇ_ˇ-。)急に話し掛けるからだぞ!せっかくのお愉しみが半減だ、全く♪」


北斗ちゃんは御冠(オカンムリ)である。そらそうだ。〆の茶漬けは彼の至福の瞬間なのである。


「あぁあ…( •̀_₍•́ )勿体無い!食い物は大切なのだ。何しろ民が丹精込めて作ったお米や茶葉だし、鮭だって自然からの贈り物だからな!」


「そらぁ悪かったね!(´つω・。)まぁあちきも慌ててたからごめんよ…」


弎坐はそう言いながら、手で顔の米粒を拭っている。弎坐が素直に謝ったからか、北斗ちゃんも溜め息を吐くとやおら立ち上がり、拭くものを渡してやる。


そして謝ろうとして目の前をふと見ると、部屋の戸の外に見覚えのある男が立っていた。北斗ちゃんは驚いた。


男はニコニコしながら手を振っている。そして言った。


「ꉂꉂ(*º ㅿº*๑)Hey, es ist schon eine Weileher.(やぁ!久し振り♪)」


「(๑•̀ ᗜ•́)⁾⁾ Adam, wie geht es dir?(アダム!元気かい?)」


「ღ(*º ㅿº*๑)Natürlich.(勿論さ♪)」


「(´⸝⸝• •⸝⸝)੭⁾⁾ das war gut.(そらぁ良かった♪) 」


アダムは歩みより二人は抱き合って再会を喜ぶ。弎坐は「有り難う!ε-(-ω-*)」と言って拭き物を置く。そして言った。


「実は彼が今朝一番に訪ねて来たんで連れて来たんだ!今日は朝儀が無いから、森ノ宮城に行く前に捕まえたかったんでね♪ꉂꉂ(-ω-*)じゃあ、僕は診療があるから行くね!」


弎坐はそう言うと手を挙げて踵を返す。北斗ちゃんはコクりと頷き謝る。


「いろいろと悪かったね!(٥ •ᗜ•)⁾⁾ 有り難う♪せんせに宜しくな!僕も夕方には伺うと言ってくれ♪」


「(ღ-ω -〃*)うん♪判った!じゃあね♪」


「ꉂꉂ(*º ㅿº*๑)サンザさん!アリガト♪」


アダムも礼を述べた。二人は弎坐を見送ると、両手を取り合い再び喜び合う。


「どうしてた!(๑•̀ ᗜ•́)⁾⁾ 医者の方は繁盛してるかい?今日はどうしたんだ♪」


北斗ちゃんは少し興奮気味にそう訊ねた。


アダムは当初は彼の近侍に成る筈だったが、医者が不足している武州ではその余裕は無かった。


医者である彼は必然的に開業して、民を助けるために武州に残ったのである。その時にアダムから受け取った書物は当初、医術書かと思われたが、そうでは無かった。


西洋の歴史を綴ったもので、物語編成になっていて若君を大いに愉しませてくれたのである。


「ꉂꉂ(*º ㅿº*๑)Ahaha!ウンげんき♪しごとはボチボチね!ミナたすけてるよ♪きょうはまた本をモッテきた!」


「本当かい?そりゃあ有り難いな♪僕は最近、身体を鍛え直して居てね、読書は久し振りだ!西洋のものは僕の興味を刺激する♪✧ ⁽⁽(•̀ᗜ •́๑)助かるな!」


「✧(*º ㅿº*๑)Hohoo!ソゥだろ♪だからモッテきたね!ワタシもウレしい♪」


「アハッ♪ꉂꉂ(৹˃̵ᗜ ˂̵৹)アダムも随分、話せる様に成ったね!」


「ウン♪ꉂꉂ(*º ㅿº*๑)まいにちコツコツね!」


アダムは日々、患者さんと向き合っている。陰の努力と実践である。


そういった意味では武州の現場は彼向きであり、周りにも寄与する。彼の様に直向きに取り組む医者がいる事は大いに助かるのだ。


「そうだね♪(๑•̀ ᗜ•́)⁾⁾ 日々、積み重ねだ!」


北斗ちゃんも同意した。ひとりの同じ医者としても、そして為政者としても、そういった前向きな努力には頭が下がる想いだった。


北斗ちゃんは提案した。


「これから森ノ宮城に行く♪(๑´❛ ᗜ ❛)੭ いつもは午後からだけど、今日は朝儀が無いからな!午前中に汗を流して、現地で昼食と酒落込むつもりなんだ!良かったら君も来ないか?まぁ時間があればだけどね♪」


「Oh♪スッバラシィネ!✧(*º ㅿº*๑)い~のかい?」


アダムは目を輝かせる。


「そりゃあ、いいさ!ꉂꉂ(• ▽ •๑ )大歓迎だ♪」


こうして話しはトントン拍子に進み、アダムが同行する事になった。二人はその足で馬屋に向かい、それぞれが手綱を引いて馬を連れると、並んで歩き城門へと進む。


すると城門には既に準備を整えた田穂が待っていた。


「Oh♪デンホさん!ꉂꉂ(*º ㅿº*๑)」


目敏くそれを見つけたアダムは、嬉しそうに手を振っている。田穂も目を見開き、驚いていた。


「へっ?Σ(ღ`⌓´٥)アダムはん!どうして?」


合流するや若君は事情を話してやる。


「…という訳で、彼も同行する事になった!宜しく頼むね♪(。˃ ᵕ ˂。)」


時に潘濬が付いて来たり、関羽が乱入して来たりと、若君の赴くところ必ず賑わしいので、田穂はもう慣れっこである。だから今回も二つ返事で引き受けた。


「そりゃあ、いい♪ꉂꉂ(*`ㅂ´ღ*)趙広どんも喜ぶ事でしょう!いつも同じ面子(メンツ)だとつまらんですからな♪」


田穂はアダムに抱擁されながら、そう答えた。森ノ宮城の城主は現在、趙広が務めている。彼は趙雲と同行して来た次男である。


その趙広が今日のために振る舞う料理を準備して、待ってくれて居るのだ。三人は馬上の人となり、一路、森の宮城を目指す。


「ハイャ~!ε٩ (๑•̀ •́๑)۶з」


北斗ちゃんは腰を浮かし、然ながら早馬の如く馬を駆る。単なる移動では無く、これも運動の一環だから、手を抜く訳にはいかない。


田穂も馬の扱い方は上手く卒がない。しかも彼の馬は秦縁譲りの汗血馬だから、むしろ抑えて走らせないと、あっという間に加速してピュ~と駈っとんで行きかねない。


ある意味、大人と子供がヨーイドンと駆けっこしているようなもんだから、とても神経を使った。


そういった訳で必然的に田穂が先頭を疾走し、次に北斗ちゃんが続き、アダムは最後尾を進む。


けれども不思議な事には、アダムはけっして遅れる事無く、常に若君の背後を脅かす様に食らいついて来る。


「おぃ!✧ ⁽⁽(•̀ •́๑)(๑•̀ •́)⁾⁾ و✧アダム♪君、凄いじゃないか?」


北斗ちゃんはとても驚いたらしく、振り向き(ざま)に声を掛けた。


『おぃおぃ…Σ(ღ`⌓´٥)ありゃあ、何すかね?中華の馬じゃ無さそうっす!』


田穂はそう感じている。そう…このアダムの馬は西洋からわざわざ運んで来た馬である。


西洋の馬は中華の馬よりも足が長く、一完歩が大きいのだ。但し、それだけでは説明の付かない凄味も感じさせた。


「コレ、ワタシのそだてたウマよ♪ニッキーいうね!ꉂꉂ(*º ㅿº*๑)ニッキーは軍馬(グンバ)よ♪ハヤい、アタリまえね!」


「何ぃ~Σ( ꒪﹃ ꒪)まじでぇ♪そらぁ凄い!」


北斗ちゃんは感心している。彼の馬はそこいらにごく当たり前に居る馬だから、然も在らんと想ったので在る。


けれども北斗ちゃんは気がついていないが、彼の乗っている馬は実は只者では無い。


否…馬に只者も無いもんだが、これは玄徳が手土産に置いて行った的盧(てきろ)という馬だった。


的盧(てきろ)は乗せた主人を守るためでは無く、自分の命を守るために本能的に逃げ切れる能力を持つ馬なのである。


いみじくもアダムが言った様に、軍馬のニッキーに追い掛けられた的盧は、それを嫌い追いつかれない様に懸命に走っているのだ。


だから背後に迫られながらも追い抜かせないのである。そして田穂の疑問はまた別にある。


喩えアダムの馬が軍馬だとしても、医者の彼がそんなに馬の扱いが巧みな事に驚いているのだ。


『(ღ`⌓´*).。oO 元々、西洋人って馬の扱いが上手いんだろうか?』


そんな事を想わないでも無いが、ふとそんな疑問が頭を(よぎ)った。




結局、森ノ宮城には田穂、若君、アダムの順で到着した。的盧は無事に西洋の馬を翻弄して逃げ切ってしまったのである。


「偉いぞ~♪エッとお前、名前なんだっけ?まっ!いっか♪(´°ᗜ°)✧」


北斗ちゃんは餌袋から人参(ニンジン)を取り出すと、口に持っていってやる。的盧はムシヤムシヤと食べ、嬉しそうに(いなな)く。


彼は(たてがみ)を撫でてやりながら、ふと気づく。的盧は息も上がり汗もビッショリと掻いているのに、後の二頭は汗も掻かずに涼しい顔をしている。


田穂の馬は爺ぃ~の赤兎馬と同様に汗血馬で、千里を走る馬らしいから納得も行くが、アダムの馬はやはり凄い馬なのかしらんと想ったのだ。


そんなに余裕が在れば、楽に追い抜けた筈なのに、なぜなのかしらんと若君が疑問を感じていると、アダムが言った。


「✧(*º ㅿº*๑)若君(ワカギミ)(ウマ)はきっと由緒正(ユイショタダ)しい(ウマ)ね♪逃走本能(トウソウホンノウ)(ツヨ)いね!」


「いゃいゃ…ღ(°ᗜ°٥ღ)只の馬だよ!父上の馬がかなり疲労が激しかったから、若い馬を贈ってあげたら置いてったんだ♪こいつ賢いし乗りやすいから乗ってるだけさ!」


「あぁ…ꉂꉂ(*º ㅿº*๑)それで♪きっと()(ウマ)ね!」


「そうかなぁ…(٥ •ᗜ•)??」


北斗ちゃんは半信半疑だが、逃げ切った事は確かなので、機会が在ったら爺ぃ~にでも聞いてみようと想っていた。


田穂はこの西洋の馬が息が上がっていない事に驚き、それをアダムが然も当然に受け入れている事に疑問を抱いていた。


『何者なんだ?(ღ٥`⌓´*).。oO』


彼の中でさらに疑問が膨らみ始めていた。




「やぁ~若君いらっしゃい♪(*^. ^ *)おゃ?今日は変わった出で立ちの方を連れてらっしゃる!」


城主自らのお出迎えである。


趙広は真面目な若者で想った事を正直に口に出す。だから特に偏見があって言った訳では無い。


彼は若君の移民政策には賛成で()の秦縁とも面識があり尊敬しているから、興味本位で言ったのだろう。


父・趙雲から叩き込まれて来た人を慈しむ心は彼にも根付いている。自分の知らない未知の領域を知る機会を彼の心が求めていたのである。


その辺りの事は北斗ちゃんも承知しているから、何事も無かった様にスルーする。変に断りを入れると却って客人に気を使わせるから即答してやった。


「うん♪彼はね、アダムだ!⁽⁽(•̀ᗜ •́๑)西洋からやって来たお医者様だよ♪僕の友達さ!仲良くしてやってくれ♪」


「そりゃあ勿論です!(* ^ .^*)⁾⁾ こちらこそ♪私はここ森ノ宮城の城主で趙広と申します!以後、お見知りおき下さい♪」


趙広は若者らしく笑顔で口上を述べる。アダムもハキハキと笑顔を絶やさず話すこの若者が気に入ったらしい。


「コチラこそ♪ღ(*º ㅿº*๑)ヨロシクね!」


すぐにそう答えて二人は握手を交わした。


田穂はすぐに人を受け入れてしまうアダムの懐の広さに感銘を受ける。まるでそれはかつての若君を見ている様だった。


『(ღ`⌓´*).。oO 人懐っこい人なんすかねぇ?それとも西洋の人っておおらかなのかしらん…』


田穂は益々興味を以てアダムを観察する。彼にとっても始めての交流だから興味に火がついた。




ひとまず挨拶が済むと趙広は一旦、引き下がる。若君がこれから運動するのが判っているからだ。


彼はその間に自分の職務と同時に、宴の手配もさせる。彼もひと通り人数が揃ってからでないと準備を始められない事が判っているのだ。


とにかく若君の交友関係は多岐に及ぶ。お客人に最大限のおもてなしをする事が自分の務めと、彼はその若さでも良く心得ていた。


さすがは趙雲の血を引く者と謂えよう。


さて、若君はさっそく森の獣道を使っての走りっこを始める。いつもは田穂と二人で並走しての中長距離走だが、今日はアダムが一緒だ。


するとアダムが可笑しな事を始めたので、北斗ちゃんは見入る。田穂は感心するように見つめていた。


『この人は足や腕の関接を滑らかにしておく準備を知っている…(ღ`⌓´*)』


田穂の感心を余所に(ひざ)(くるぶし)(かかと)などを丹念に回すアダムを見て、若君は訊ねた。


「それはなぁに?(๑•́⌓•́).。oO」


するとアダムは即座に答えた。


(アシ)(ウデ)(ハシ)(トキ)使(ツカ)うね♪だから(アラカジ)(マワ)して(ナメ)らめらかにしておくと、怪我(ケガ)しない!コレ、応用効(オウヨウキ)くね♪ꉂꉂ(*º ㅿº*๑)いつもやるがヨロシイ!」


「へぇ~成る程ね!✧ ⁽⁽(•̀ᗜ •́๑)腰や膝が痛む人にも良いね♪」


「そだよ♪ღ(*º ㅿº*๑)コレ、西洋(セイヨウ)じゃ()たり(マエ)よ!」


「そうか…ε٩ (๑•̀ •́๑)۶з 良し!僕もやろう♪」


北斗ちゃんは見よう見真似で試してみる。すると確かに調子が良い。


「こりゃあ、いいね!(´⸝⸝• •⸝⸝)੭⁾⁾ 何かいつもより早く走れる気がするな♪」


彼はそう言ったが、それは当たる。


元々、若君は足が早い。奇妙な変則走法だが、間諜で馴らした田穂が苦労するほどの速度で走れる。


但し、持久力では長距離を飛ばす田穂の相手では無いが、その田穂が感心する程の腕前だった。


三人はヨーイドンで走り始めたが、田穂と若君が半ば争う様に(ハナ)を主張して飛び出したので、アダムは驚いた。


運動(ウンドウ)じゃないね!✧(*º ㅿº*๑)コレ、真険勝負(シンケンショウブ)ね♪』


そう想い、彼も慌てて追い掛けるが、どんなに頑張っても二人に追いつかない。


彼はそれでも諦めず懸命に追い(すが)ろうとしたが、馬の時のようにはいかず、その差は逆に開くばかりだった。


結局、彼は圧倒的に突き離されて、先頭でゴールしたのは若君だった。


「ハイ♪今日も僕の勝ち!(๑‾᷅⚰‾᷄๑)੭ これで僕の70連勝だね~♪」


若君は勝ち誇る。少々、大人げない気もするが、これは事実だから仕方無い。


偶然とはいえ、田穂には短過(みじかす)ぎ、若君にはちょうど良い適性距離だったので、これは必然だったのである。


「ハイ、ハイ!(ღ`⌓´٥)⁾⁾ あっしの負けっす…」


田穂もこれはあくまで若君の鍛練のためと割切っているから、(ひょうひょう)々としている。それにいちいち悪ガキの相手をしていたら、身が持たない。


そんな主従の姿を見て、アダムはこの二人の素早さに呆れていた。アダムはこれでもあちらでは韋駄天の異名で知られていたから驚きを隠せない。


二人(フタリ)ともスゴ~イ♪ꉂꉂ(*º ㅿº*๑)トレビアン!」


彼がそう言うと、北斗ちゃんも田穂も見つめ合ってニンマリと笑っている。


彼らはこの中華で誰にも負けない脚力を誇っている。少なくとも二人はそう信じていた。


彼らに勝てるとすれば、桓鮮、楼琬くらいであり、関騎は別格である。彼らに言わせれば、関騎こそ韋駄天の名に恥じぬ男だった。


田穂はアダムが今度も彼の意表を突くかと期待していたが、それは杞憂に終わった。


『これで負けたら、あっしの浮き目が無いっす!彼も超人じゃなくて幸いっす♪:;((`罒 ´٥ ))));:』


彼はそう想い、ホッとする。


けれどもそれは間違った認識だった。彼の超人振りはこの後、すぐに判明する事になったのである。




「次は瞑想の時間だ♪(๑´❛ ᗜ ❛)੭」


若君がそう言うと、皆、森の中、静かな場所に陣取り座禅を組む。初めてのアダムには北斗ちゃん自らが手取り足取り伝授する。


田穂も初めての時には教えられたが、彼の場合、一度若君を足の(もつ)れから助けているので、組み方の理屈は判っていたから、飲み込みは早かった。


けれどもアダムは少々苦労したようだ。


「コリャナンダ!Σ(,,ºΔº,,*)マウリヤやパルティアの壁画(ヘキガ)のようだね♪」


彼は訳の判らない事を宣うが、それでも森林浴の中、精神を統一する瞑想は気に入ったらしい。


「コレ、日課(ニッカ)にスルネ!(ღ*º ㅿº*๑)」


彼はそう言って笑った。




最後はいよいよ修業場での剣の鍛練である。田穂も若君も剣を納めた(さや)を腰に差し、相対する。


するとアダムは「(ღº ㅿº๑)チョット()っててネェ~♪」と言って馬屋の方に走って行った。二人は不思議そうな顔で見つめ合う。


けれどもそれぞれに剣を振りながら待っていると、やがてアダムは「お待たせ♪(ღº ㅿº๑)」と言って戻って来た。


それを目の当たりにした二人はたまげた。


鉄兜に鉄の鎧を着た可笑しな身形(みなり)をしたのが、ガチャガチャ鉄の擦れ合う音をさせながら近づいて来る。


但し、話し掛けて来た声はアダムのに違い無いから、二人は異様な物を見る目はしながらも、彼を迎えた。


良く見ると、両の足も全て鉄に覆われていて、手には切っ先の鋭い槍を、背には大きくて四角い鉄の盾を下げている。


二人が余りにも目を大きく開けて白黒させているので、アダムは種明かしとばかりに鉄兜を脱いだ。するとその中からアダムの笑顔が覗く。


「アダム!ꉂꉂ(°ᗜ°٥)それ凄いな♪何だ、そりゃあ?」


北斗ちゃんは驚きの声を挙げた。


するとアダムは、ニコやかに口を聞く。


(ワカ)!(ღº ㅿºღ๑)コレはファランクスね♪(ワタシ)(モト)騎士団(キシダン)隊長(タイチョウ)よ!(ワケ)あってココに移住(イジュウ)したね♪ファランクスは至上最強(シジョウサイキョウ)ね!(ダレ)にも()けない、コレ真実(マジ)ね♪」


アダムはそう言うと、二人に目配せした。


若君の瞳はその興味からか既にキラキラと輝いている。田穂は異様な物を見る目でジィ~っと様子を窺っているのみであった。

【次回】ピュティアスとダモン

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