いつも心に太陽を
「何だってぇ!Σ( ꒪﹃ ꒪)田豫といえばアレじゃないか?」
北斗ちゃんは驚き呆れ返る。
「えぇ…(ꐦ* •" ຼ •)⁾⁾ そうです!貴方を拐った領袖ですな♪」
潘濬もズバリ答えた。
二人は互いに呆れた表情で顔を合わせる。理由は二つ。
ひとつは若君を狙った目的である。危険を冒してまで達した目的を放棄して、今彼は何故ここに居るのか。
そしてもうひとつは自ずと知れた事だが、今さら何をしにやって来たのか。そういう事である。
しかもこちらを拐った張本人が、よくもまぁいけしゃ〜しゃ〜と顔を出せたものだと二人共想ったのだ。
彼らにしてみれば、親友を犠牲にしてまで敢行した計画である。
本来ならば、キチンと決着をつけて然るべきだが、あれからもう一週間になるというのに、こんなところに居るからには、責任を履行する事無く飛び出して来たに違いない。
彼らだって、ここまで非情に徹しておいて今さら趣旨替えするとは想わないから頭を捻った。
「おぃおぃ…Σ(ºㅿ º ๑)それは穏やかじゃ無いぞ!まさか誤解して復讐に来たんじゃなかろうな…」
北斗ちゃんは良く頭が回転するから、深読みをする。
彼の懸念はただひとつ。極刑に及んだ自分に対する復讐劇の始まりだった。
拐われたこちらが何らかの意趣返しをするならまだ判るが、囚われた上にその罪を下した門で命を狙われたら堪らない。
それじゃあこちらは泣き面に蜂である。しかもこちらはその罪を許したのだから尚更であった。
「おぃおぃ…ღ(°ᗜ°٥ღ)何とか言ってくれ!冗談じゃ無いぞ!!」
北斗ちゃんは再び拒否反応を示した。
眉間からは途端に脂汗が流れ出る。因みに先程、鮭の切り身をたらふく平らげたからでは無い。
人の執念というものが、どれだけ凄いものなのかを如実に感じ取ったからである。
ところが意外な事には、潘濬は余り慌てていない。それどころか若君の焦り様を見てほくそ笑んでさえいる。
北斗ちゃんは少しイラっとして猛然と抗議した。
「おぃおぃ…⁽⁽(੭ꐦ •̀Д•́ )੭*⁾⁾ 何だ!その微笑は!!僕の命が危険なんだぞ!ま、まさかお前、自分の事じゃ無いから余裕こいてるんじゃ無かろうな!」
それを聞いて潘濬は溜め息を漏らす。そして口を尖らせた。
「阿呆な事を仰いますな!貴方が大将なんですぞ♪首を取られてどうしますか?∑(º ロ" ºꐦ)少しは落ち着きなさい!子供じゃ在るまいし♪」
「子供だよ!悪かったな…( •̀_₍•́ )でもスマン!少々動揺して言い過ぎた。君の見解は違うというのかい?」
潘濬の落ち着き様に彼は少し冷静に成る。よくよく考えてみれば選択肢はまだまだ他にも在るに違いない。
北斗ちゃんは今朝は冴えが無いと想い、聞き手に回った。至極冷静な潘濬の洞察力は侮れない。
それを一番知っているのは自分である。彼はだんだんと平静を取り戻す。
そんな若君の様子を眺めていた潘濬も安堵の溜め息を漏らす。そしておもむろに口を開いた。
「若君は先日の…(ღ• ຼ"•ꐦ)何と言いましたかな?あの赤毛の外国人!」
「うん?(๐•̆ ·̭ •̆๐)あぁ!アダムの事かい?」
「そぅそぅ…✧(• ຼ"•ꐦ)そのアダムから書物を貰い、私に話して聞かせてくれたでしょう?」
「あぁ…✧(๐•̆ ᗜ •̆๐)ダモンとピュティオスの話だな!あれは感動したなぁ♪熱い友情の物語だろう!それがどうした?」
「私が思いまするに…(ღꐦ•"⌓•)" 洪赤がダモンで田豫がピュティオスだとしたら、若はどうされます?」
「何!Σ(,,ºΔº,,*)すると潘濬、君はまさか田豫が友情の為に全てを捨てて助けに来たとでも言うのかい?」
「えぇ…(ꐦ* •" ຼ •)⁾⁾ たぶんそうです!復讐なんか考えてもいないでしょう♪手遅れなのは彼も判っていた筈!何しろ時が経ち過ぎていますからな♪でも身を粉にして辿り着いた。彼は身体の在りとあらゆる力を使い果たして倒れ伏していました。アレでは復讐何ぞ出来ません。仮に復讐が目的なら、その力を温存している筈でしょう?」
「確かにな…(๑•́⌓•́).。oO 」
「若君…(ꐦ* •" ຼ •)੭ ੈ貴方は頭が回り過ぎます!ゆえに必ず深読みする。それは悪い事では在りませんが、時にはその心で感情のままに読み解く事も必要かと!」
「うん!そうだね♪(๑*´° ᗜ °๑)੭ ੈ✧君の言う通りだ!それでどうすれば良いと想う?」
「それは…(ღ •" ຼ • ꐦ)もう貴方も承知の事では在りませんか?洪赤を呼び、田豫を安心させてやる事です♪違いますか?」
「だね!(ღ • ▽ • ๑ )ではそうするか♪」
北斗ちゃんも同意した。もし仮に潘濬の言う事が真実で在れば、これは凄い事に違いない。
友の命を守る為に、自らの行動を振り返り、反省した彼は職務を投げ出して、否…全てを投げ出してここまで必死に辿り着いたのである。
もしそうであるなら、それには応えてやらねば成らない。北斗ちゃんはその気持ちが判らない様な人では無かった。
『やれやれ…(๑‾᷅罒‾᷄๑)僕もまだまだだな!』
北斗ちゃんは潘濬の諌めに自ずと反省する。
その時に彼は気づいた。
『少し頭の使い過ぎかも知れない…(。-ˇ_ˇ-。)』
彼はこれまで懸命に走り続けて来た。そのためかは判らないが最近、"らしく"無い。
時々、無意識に呆けているのである。
人の言葉に耳を傾け、真険に聞く姿勢は彼のもっとも大切にしている事柄であるが、そんな時にもボ~っとしてしまう瞬間があり、彼自身を驚かせた。
一度や二度なら誰にでもありそうなものだが、三度四度と続くと洒落にならない。身体の変調は病発症のサインである。
本来、医者であればそんな事はすぐに感じ取らねばならない大事な事の筈だ。彼は激務に埋没してその初心を忘れていた。
けれども、それは何も悪い事ばかりでも無い。
その結果として彼らの目標は順調に推移しているのだから、けして責められる事ばかりでは無いが、医者としての心得をすっかり忘れていた彼にとっては考えさせられるものがあった。
お陰様で彼の姿勢は皆に浸透し、それぞれが考えて先々に動くようになっており、その結果のひとつひとつが、先頃視察した際に如実に感じられたのだ。
海軍創設に端を発した人材育成。これは海洋交易の真似事を始める発端になっている。
そして河川整備の具現化は運河構築への架け橋となり、大都市の誕生へのプロセスとなった。
新たな法の施行や医療の充実もそのひとつに挙げられる。
北斗ちゃんの目指した"考え行動する自由"は既に彼の手を離れ、皆の心に根付いたのである。
だから彼は今一度、自分の身の周りの事を見直し、特に健康管理に重きを置かねばならないと痛切に感じていた。
『そう言えば…(٥ •ᗜ•)⁾⁾ 前に潘濬に言われていたっけ?僕が率先して行動する時期は、既に過ぎていたんだな…』
実際、彼はそう言われてからも、気を緩める事無く突っ走って来た。彼自身はまだまだそうする事が必要なのだと感じていたからだった。
けれども何でもそうだが、後先考えずに使い過ぎると壊れるものだ。そしてそれはけして身体も例外では無い。
ある日突然、ポキッと折れる事だって在ろう。このところ、"夜歩く病"を再発したのも、身体が自分に訴えているのかも知れない。
そう考えると、いつの間にか呆けてしまう自分を、このまま放置しておいて良い訳が無いのだ。
たとえ自分が率先しなくて良いとしても、先々起り得る問題を解決して行かねばならないし、責任の重さはけして変わる事は無いのである。
『(٥ •'ー'•).。oO 少し自重して、休息を取る事にするか…』
北斗ちゃんはそう感じていた。
『まぁ…(๑٥ ‾᷅⚰‾᷄๑)徐々にね♪』
幾ら身体を休めようにも、彼の本能がそれを潔しとしない気がして、彼は想わず苦笑した。
けれども身体のみならず、頭だって疲れるのだ。彼は自分の胸の内でそうしようと決意していた。
「潘濬!(๑>•̀๑)" じゃあ洪赤を呼びにやってくれ♪僕は少し老師と話してから合流する。宜しく頼むね!」
「はぁ、承知しました。✧(• ຼ"•ꐦ)では私は伝令を出してから、田豫殿の具合を見て参りましょう♪」
二人は後程、合流する事にして別れた。
北斗ちゃんは気づいていなかったが、潘濬はその後姿を心配そうに眺めていた。
武陵の現場で、夜歩く若君を目の当たりにした彼はそれ以来、心配していたのである。
心無しか若君の背中が小さく感じられて彼は戸惑っていた。
随分と時が経った後に、若君はやって来た。潘濬も職務を履行しながら、時折、足を運んでいたが、その都度、空振りに終わっている。
田穂は時折、潘濬と交代した後、用を足して戻って来ていた。北斗ちゃんが到着した時には、たまたま二人が揃っていて出迎えてくれた。
「|• •๑)”ㄘラッ…どんな具合だい?」
若君の問い掛けに田穂が答える。
「医務官が申すには疲労だそうです。けどあっしは心配なんす!(〃`⌓´٥)=3 田豫殿と言えばあの大物でしょう♪何かあったらと気が気じゃ無いんすよ!」
潘濬もコクリと頷く。
「そうか…(•́⌓•́๑)✧だが二人とも職務に穴を開けてはならん!この様子だとかなり疲労している事は確かだろうが、安心して良いだろう。スヤスヤと寝息を立てている。それに…」
若君はおもむろに胸に手を当てた。鼓動も安定している。
「…心の蔵もしっかりしているようだ。不眠不休で飛ばして来たらしいから、いずれ目覚める事だろう。起きたらたらふく食べさせてやると良い!その頃には洪赤も着く事だろう。(ღ • ▽ • ๑ )念のため交代で医務官を付けよう。餅は餅屋に任せろだ!田穂も御苦労だったね♪少し休むと良い。僕も悪いが、これから一旦、頭を空にするぞ!」
北斗ちゃんはそう宣言した。
潘濬は何となくその趣旨が判った気がした。けれども田穂は戸惑いを感じて反射的に訊ねた。
「へっ?Σ(٥`⌓´ღ٥)どうしたんす!何かあったので?」
先般の状況から潘濬は聞き難かったので、この時ばかりは単刀直入な田穂の姿勢を羨んだ。そして有り難いとも感じていた。
北斗ちゃんは苦笑いしながら、答えた。
「そうだな…(๑•́⌓•́).。oO 一口には語れないが、簡単に言うと頭が一杯って事かな?田穂!お前だって腹が一杯になったら、もう食えないだろう?そして動きも渋くなるはずだ。そうした時、お前ならどうする?」
この問掛けに田穂は気まずそうにしながらも率直に答えた。
「はぁ~そらぁ簡単な事っす。快食快便あるのみっす!ꉂꉂ(`ㅂ´ღ* )あっしは日頃からそうしてますんで…」
田穂の屈託の無い笑顔に潘濬は目を覆った。けれども若君はカラカラと可笑しそうに笑った。
「だろうね♪ꉂꉂ(• ▽ •๑ )僕もそうだ。潘濬、君だってそうだろ?」
「はぁ~そうですな!(ღ •" ຼ • ٥ꐦ)」
潘濬も仕方無く同意する。すると若君はポンと手を叩いて即答した。
「そうなんだよな!僕も君達も腹の具合になると自然の摂理に身を委ねる、然も当たり前にね♪でも頭の事になると難しく考えガチだ。人は生きて行く上で食べなきゃならんから、排泄をするんだ。でも頭の事となると至極難しく考え過ぎる。掻く謂う僕もそうだった。だから老師に訊ねたんだ。どうするべきかとね?すると老師はこう言われた。それによると、頭の記憶は人が寝ている間に整理されているそうなんだ!僕はしっかりと睡眠を取っていると想い込んでいたが、老師に言わせれば足りないと云う。僕は頭がクリクリして来て、重ねて訊ねた。すると老師は何て言ったと想う?( ๑˙﹃˙๑)✧」
北斗ちゃんはニヤニヤしながらそう訊ねた。
田穂はまたまた脳に負荷が懸かって、同じくクリンクリンしている。それを横目で見ながら、潘濬が答えた。
「そうですな…(ღ •" ຼ • *ꐦ)若では無く、我々一般の人からすれば、それで十分に足りるのでしょうが、貴方の頭の構造はかなり異色です!何しろ、蛇のような文字も読みこなし、外国人とも平気で喋っているのですからな♪とても尋常とは想えませぬ!結論を申しますと、絶対的な睡眠が足りていないのでしょう♪だから疲れも抜けていなかった?違いますか!」
潘濬のこの弁には、田穂も頷く。至極、ごもっともだと想ったのである。
すると北斗ちゃんもニヤリと笑ってそれに答えた。
「潘濬!さすがだね♪✧(๐•̆ ᗜ •̆๐)正解だ!老師によると、人は睡眠中に頭の整理をする時間と頭を休ませる時間が必要なのだそうだ♪つまり今の僕の睡眠では、両方とも足りていないのだろうというご意見だった。だから僕は今後の事も考えて、その意見に従う事にする。皆、目標に向かって切磋琢磨してくれているところを申し訳ないが、そうさせて貰おう。何しろ僕は、船でいうなら舵を握った船長だからね。途中で倒れる訳にはいかないからな♪」
北斗ちゃんは決意表明した。
二人は特に驚かない。これにはまず田穂が如実に反応した。
「そうして下せぇ~♪(ღ`⌓´٥)あっしが見ていても、若は働き過ぎっす!日頃、振り回されてるあっしが言うんだから間違いねぇ~♪」
これには北斗ちゃんも参る。経験に基づく言葉は強い。彼は吐息をついた。
「うん♪そうだね!⁽⁽ღ( •̀ ᗜ •́ *)そうさせて貰うよ♪僕に四六時中、張り付いている君の言葉だ!肝に命じるとしよう♪」
北斗ちゃんは観念したようにそう答えた。
すると続いて潘濬が口を開く。彼の言葉は辛辣だったが、理には適っていた。
「ようやく自覚が目覚めたようですな!私は随分前に貴方にご忠告申し上げました。けれどもお聞き届け頂けなかった。私はずっとその御言葉を、一日千秋の想いで待っていたのです♪だから安心致しました!欲を言えば、もう少し早くご理解下されば、夜歩く事も無かったのではないかと推察致します♪今回の事を良く肝に命じて下さい。皆、何も申しませんが、振り回されたのは事実です!貴方は我々の主人であり、将来は民の王となる器です。少なくともこの潘濬はそう見込んで貴方に着いて来たのです!この私の覚悟を是非とも察して下され♪皆もそう願っている筈です!ღ( •" ຼ • *ꐦ)」
彼の言葉は北斗ちゃんの胸に強く響いた。
至極、当然の願いである。この言葉に答えられないようでは、漢とは謂えまい。
北斗ちゃんは感涙に咽ぶ。
「潘濬有り難う♪今までよく我慢してくれたな!礼を申す♪君の言う通りだ!老師からも働き過ぎが招いた事かも知れないとハッキリと言われた。腹八分目が良いように、頭も回転させ過ぎるのは身体に負担が掛かり過ぎ、却って毒だそうだ!十分な睡眠と程良い運動が一番だそうだな♪それ以外にも頭を休ませるために、適度な昼寝か瞑想をすると良いと言われた。南方のある地方では瞑想の際、座禅を組むという。僕も今度、試すつもりだ!今度の事、肝に命じる。色々とすまなかったな!๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐」
若君はそう締め括る。その言葉に二人も強く頷く。主従の結束が益々固くなった瞬間だった。
「じゃあ、そういう事なんで僕は休む♪何かあったら遠慮無く呼んでくれ!( ๑˙﹃˙๑)✧」
手の平を返すように若君はにっこりと微笑むと、とっとと行ってしまった。
潘濬も田穂も今の今までの感動は何だったんだと、ガックリしたのである。若君は結局のところ、どこまで行っても若君なのであった。
二人はそれだけ若君に気を許されていると想うしか無く、いつもの様に悪戯っ子の一端を垣間見せたガキ大将を親心で見送る他無かった。
結局、田豫は三日三晩寝続けた。そして起き上がるなり良く食べた。余りにもたらふく食うので、給仕係が音を上げる始末だった。
そしてようやく彼がしゃんとした頃には洪赤も到着した。さっそく田穂は若君にご注進に及んだ。
彼が執務室にやって来ると、若君はその椅子の上で胡座を掻いているが、その奇妙な足の組み方はとても窮屈に見えた。
そして両手は腹の前辺りで結んで、その親指同士をくっ付け、目を止じて静止している。
「…Σ(ღ`⌓´٥)!!」
彼は一瞬、頭が可笑しくなったのかしらんと驚いたが、次の瞬間にはこれが瞑想なのだと気づく。
彼は文字通り迷走する。邪魔してよいのか混乱したのだ。
けれども『何かあれば遠慮無く呼べ!』と言われているので、仕方無く腹を括り声を掛けた。
「あのぅ…(*`ᗜ´٥)੭ ੈすんません、若!洪赤が着きました。もし宜しければですな、お越し頂きてぇ~んで♪」
田穂の情けない程の低姿勢に、北斗ちゃんは目を開けてジロリと見る。それが田穂には睨んでいるように見えて、ドキリとし腰が引けた。
すると若君は、口に手をやってクスクスと笑い出す。
「馬鹿だな!⁽⁽ღ( • ᗜ •٥ღ)冗談だよ♪わざわざすまんな!」
そう言って交差させた足を解こうとするが、頑強に両足が拒否して外す事が出来ない。
彼はウンウン言いながら無理に身体を揺すったので、危うくそのまま椅子から転げ落ちそうになってしまった。
機転を効かせた田穂が身体を支えてやり、事無きを得る。若君はウ~ンと唸って、恥ずかしそうに礼を述べた。
「いゃいゃ…Σ(,,ºΔº,,*)難しいの何の!この南蛮の書なる書簡を参考に組んでみたが、まだまだその境地には程遠いな♪足は痛いし、背中も張るし、まだまだ瞑想には達しておらん!助かったよ、有り難う♪」
北斗ちゃんはようやく起き上がれると、その足で立ち上がろうとするが、その瞬間「アイタタタ…(˚>ᯅ<)」と足を押さえて悶絶する。
完全に足が釣ってしまい、またしばらく無駄な時を食ってしまった。彼は照れ隠しに「慣れない事はやるもんじゃ無いな…(´°ᗜ°)✧」と目配せした。
田穂はそんな若君を元気づけたかった。
「あっしはいつも感心してます!若は有言実行のお人だ♪(#`罒´٥)੭ ੈあっしもそう在りたいと想っとります、はぃ!」
そんな田穂の表情を彼はチラリと覗き込む。清んだとても良い顔をしていた。
北斗ちゃんは嬉しくなった。そして元気を貰った気がしていた。
「それはね、田穂!僕が荊州に来た頃に決めた所信表明だ…⁽⁽ღ( • ᗜ •ღ)いゃいゃ、皆には言ってないんだけどね♪ほら!あの頃は僕も只の子供で、皆にまだ信用も無かったから、自分で縛りを作ったんだよ♪それが言わずと知れた率先垂範さ!」
北斗ちゃんはお礼も込めてそう答えた。
「あぁ…(ღ`⌓´*)あの先頭に立ってって奴ですかい!潘濬殿が言ってた?」
「そうだよ♪⁽⁽(•́⌓•́๑)」
「けど…(ღ`⌓´٥)⁾⁾ それって凄げ~事なんじゃ?あっしは尊敬しますぜ♪」
「ハッハッハ♪そう言ってくれると嬉しいな!でもね、潘濬の奴は本気だ!本気なんだ♪彼は真面でこの僕を稀代の名君にするつもりで居る。僕はこれでも意外と志の高い方だとは自負しているんだ。でも彼の見る頂はまだまだ高いよ!それは楼琬も同じ想いだろう。そして劉巴もそう願っている筈だ。あの爺ぃ~もこの僕に期待してくれている。子龍や他の者たちもそうなんだよ!僕はそんな期待を今まで一度も無言の圧力と感じた事は無かった…✧(๐•̆ ᗜ •̆๐)否、無いつもりだったんだな。でも違ったらしい。自分の気持ちとは裏腹に心と身体は正直だったんだろ?でもね、だからってそれから解放されたいとは想わない。むしろ、聞志が燃えるねぇ~♪そりゃあ逃げたくなる瞬間だってあるさ!でもそれって当たり前の事なんだ。だから僕は地道に努力する。それしか取り柄が無いからな!まぁそれくらいお気楽に構えていて、丁度いい感じだろうね♪」
北斗ちゃんはそう述べた。
田穂は目標が着々と進んで居る意味を知った。皆、若君の姿勢とその目的に共感しているのだ。
そして実現したいと必死なのだ。全ては若君の目指す未来のためなのである。
"信用出来るもの"が在る事の意味は大きい。この若君が掲げた恒久平和への道程が、彼らの抱いた希望なのである。
田穂もそれが理解出来てなかった訳じゃ無いが、彼の場合、詳しい説明は出来なかった。本能的にそう感じていた事の詳細を、今この時に理解した。そういう事に成るだろう。
田穂は伝えたい想いをそのまま口にした。それが彼に今出来る事だった。
「若のお気持ちは判りやした。あっしはこの通り学の無い男ですが、あんたのために精一杯努めやす♪(*`ᗜ´٥)੭ ੈそれがあっしの心意気っす!」
すると若君はニコニコしながらこちらを見ている。満面の笑顔とはこれをいうのだと田穂は想った。
それ程、屈託の無い喜びに溢れていた。
「有り難う、田穂♪君にはいつも助けられる!君ももっと自信を持っていいんだよ♪僕はいつも君に感謝している!(´⸝⸝• •⸝⸝)੭⁾⁾」
そう褒められて、田穂は真っ赤に成った。鼻や耳から湯気が噴き出しそうだった。
「さぁ、足も治った!そろそろ行くとしよう♪皆が待っているぞ!ε-ε-ε-(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈ」
若君はそう言って駆け出した。
「若!ε-ε-ε-(*`⌓´٥)੭ ੈ狡いですぞ、待って下せぇ~♪」
田穂は、置いてきぼりにされぬ様に、一目散に追っ掛ける。
但し、その顔は笑みで溢れていた。若君に負けない満面の笑顔だった。
【次回】閃きの欠片




