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帰還

「(* •̀ 艸 •́ )੭੭ それで貴方はどうしたいのでしょう?」


司馬懿は訊ねる。すると北斗ちゃんは焦って食い付かずに訊ね返した。


「⁽⁽ღ( •̀ ᗜ •́ *)その前に仲達殿のご意向を承りたいのです!貴方はどうするおつもりですか?」


北斗ちゃんの切り返しに司馬懿はクスクスと笑い出す。


「どうも何も、まだ何も喋らず困っています。だから三人まとめての詮議を諦め、ひとりずつ切り離して聴取する事に決めただけですな!今も配下が進めていると想いますが?(; •̀ 艸 •́ )それが何か?」


司馬懿は『剥きに無るな』と言わんばかりである。北斗ちゃんはけして剥きに無ってはいないが、また彼のペースに巻き込まれないように気をつけた。


「う~ん…(ღ❛ ⌓ ❛´٥)そうでは無いのです!仲達殿は詮議の結果、彼らをどう処罰するおつもりでしょう?ここで結果を出すのですか?或いは都・許昌に送還されますか?」


北斗ちゃんは淡々とそう述べた。司馬懿はそこでその意図に気づいた。


「あぁ…ε- ( •̀ 艸 •́ *)それで!」


彼は殊更にそう言った。


北斗ちゃんはこの賭けがどう転ぶか見守っている。司馬懿は『やれやれ…』と言いたげにチクリと刺す。


「劉禅君!(* •̀ 艸 •́ )੭੭ どうやら貴方も好奇心の強い方だ。興味を持つと真っしぐらですかな?」


「えぇ…(ღ`⌓´٥)⁾⁾ その通り!」


これには即座に田穂が口を狭む。司馬懿は呆れた様な表情を隠さずに「へぇ~♪」と言いながら若君を眺めた。


すると北斗ちゃんはニコリと笑って「答えに成っていませんけど!(๑‾᷅⚰‾᷄๑)੭ु」とだけポツリと呟く。


司馬懿は苦笑しながら、話しを続けた。


「さぁて…(ꐦ •̀ 艸 •́ )੭実際、私も困っています。さっさと喋ってくれれば、事の重大さも判断出来るというものですが、生憎(あいにく)黙秘されると判断のしようがありません。このままですと越境の罪に、蜀の太子・誘拐事件の相方で裁きを行わねばなりません。但し、誰が聞いても罪が重いのは、一国の太子の誘拐でしょう。貴方が望むなら、彼らを引き渡し、次いでに詮議も委ねますが?如何でしょう♪」


彼の顔には書いてある。


『頼むから引き取ってくれ(; •̀ 艸 •́ )』と!


今度は北斗ちゃんが苦笑する。


『何が手伝ってくれだ…(。-ˇ_ˇ-。)こいつ端からそのつもりだったな!』


気づいてしまえば種明かしは難しくは無い。


意味深な事を言うものだから、こっちはすっかり踊らされたが、コイツはけして神でも仏でも無く、ましてや未来が見通せる訳でも無かった。


状況判断が(すこぶ)る鋭い男なのだ。おそらく我々が引き上げず、わざわざ肉薄して来た理由を彼なりに考えたのだろう。


色々と考えられるだろうが、それはこちらが多少なりとも事情を掴んでいるからであって、彼にしてみれば他国の太子が誘拐されるほど恨みを買う理由などには、まるで興味は無いのだろう。


三人を引き渡すよう要求するならそれも良し、厄介払いが出来て助かるくらいの乗りだった筈だ。


或いは顔を見せた途端に"(カモ)(ネギ)しょってやって来た"くらい浮かれていたかも知れない。


それを悟らせないためのお(とぼ)けだったかも知れないのだ。


『やってくれる…(๑‾᷅罒‾᷄๑)』


北斗ちゃんは知らず知らず誘導されていた様な気持ちとなって溜め息を漏らす。


けれども同時にこの男の凄さにも気づかされていた。良く考えれば判る事だが、状況判断が(すこぶ)る鋭い事はけして見過ごせない能力なのである。


材料を集めて考え判断を下す事には、少なくとも四つの能力が必要なのである。情報収集能力、分析能力、そして結論を構築し、実行する事である。


その全てに於いて一級品の力を秘めて居れば、向かうところ敵無しである。


たとえ神の如き眼が無くても、未来が見通せる千里眼が無くても、けしてこの男を侮る事は出来ないのだ。


北斗ちゃんはこの時、はっきりとそう判った。考えてもみて欲しい。こんな男が戦場に出て来てみろ…(サトリ)の化け物相手に戦う事は即ち死を意味する。つまりは敗北あるのみで在ろう。


北斗ちゃんはそんな司馬懿が持て余しているならと、彼らを引き取る決断をする。


何しろその司馬仲達に先んじて我らは既に情報を得ている。それを活かさない手は無い。


そして決断するなら今で在った。後手に回ると、さすがの龐徳も若君が事件前に彼らのひとりに会っていた事を聞かれたら話さねば成らないだろう。


北斗ちゃんは既に決断していた事だから戸惑いは無く、躊躇(ためら)いもしなかった。彼は自然の振る舞いの中で、司馬懿の望む結論を出してやる事にしたのである。


「えぇ…ε٩ (๑•̀ •́๑)۶зそういう事なら喜んで♪」


北斗ちゃんはそう答えた。


だから司馬懿もホッと胸を撫で下ろした。


「判りました…(* •̀ 艸 •́ )੭੭ ではその様に♪」


司馬懿も即決した。厄介払いが出来て彼も安堵したのである。




さっそく若君は司馬懿の許可を得て、田穂に狼煙(のろし)を上げさせた。河辺で()かれた焚き火の(ほのう)は瞬く間に煙と為って舞い上がる。


否…実際には煙だけでは無かった。時々、()ぜた火の玉が「ピュ~」という小気味良い音を立てて飛んで行く。


「アッ!:;((`罒 ´٥ ))));:」


田穂は直ぐに気づく。夜中に高く上がる煙が果たしてどこまで届くのかは彼にとっても未知数であった。


けれどもこれだけ火の玉が爆ぜればまたそれは別の話である。


「若…(٥`⌓´ღ٥)あんた何か混ぜたでしょう?ま、まさかあん時の火薬玉っすか?」


「シィ~!(˚>ᯅ<)馬鹿、余計な事を言うな♪」


「しかし…Σ(٥`⌓´ღ٥)封印するんじゃ無かったんすか?」


「堅いこと言うな!(⁎⁍̴̀﹃⁍̴́⁎)人を傷つける訳じゃ無い♪むしろ人助けだ!背に腹は代えられないのさ♪」


「そらそうですが…(〃`⌓´٥)=3」


「使い道としての転用を模索していたのはこういう事だったんだな!Σ(,,ºΔº,,*)今初めて分かった気がするよ♪平和的転用ならば僕だって大歓迎だ!結果オ~ライだな♪」


北斗ちゃんはそう(うそぶ)いた。田穂は(ただただ)々呆れて観ていた。


その音に魏の将兵たちで起きて来た者も居たが、全て龐徳が声を掛けていなしてくれた。司馬懿がその場に居なかった事が幸いだったと謂えるだろう。


そして半時も経たないうちにその効果は表れた。漢江の対岸には関羽大将軍を初めとする蜀軍の精鋭部隊と手分けして若君を探していた者たちも集まって来たのである。




関羽を始めとする主要な者が小型船で渡って来る。その時までには司馬懿も三人を連れて来ており、小型船が岸に着岸するや引き渡しが始まった。


「若…(٥`艸´)心配しましたぞ♪」


関羽は苦笑いしている。


「全く!✧(• ຼ"•ꐦ)目を離せないお人だ!」


潘濬は困ったもんだと少々御冠の様である。


「まぁご無事で良かったですな!( ̄^ ̄*)」


ニコやかに笑うその人は趙雲であった。


「子龍!(´°ᗜ°)✧どうして?」


北斗ちゃんは驚き、そして同時に喜びに溢れる。その表情がそれを物語っていた。


どうしてと言われても、広域捜索に参加したに決まっている。皆、吐息をつく。


すると北斗ちゃんは照れる様に皆に応えた。


「アハハッ…✧(๐•̆ ᗜ •̆๐)御免(ゴメン)(みんな)♪気がついたらこの(ざま)だ!でもこうして無事だから安心してくれ♪そうだ!紹介しよう♪こちらが司馬仲達殿だ!河川事業の責任者で在られる。そして一部の者は会ってるな!この男が龐徳さ♪今回も世話になった!」


皆、敬意を以て二人に答礼する。二人も会釈を返す。


「仲達殿、こちらが関羽!そして趙雲だ。そしてこの男が僕の幕僚の潘濬です♪ε٩ (๑•̀ •́๑)۶з」


劉禅君に紹介を受けた司馬懿は改めて彼らを眺める。


『この男が関羽、そしてこの男が趙雲か!二人とも大王が是非にと欲した男たち。だが関羽は関所破りの大脱出でこれを断わり、趙雲はけして生け捕りにならなかった。(* •̀ 艸 •́ ).。oO 凄まじき忠節の男たちよ!二度と会わぬが幸いだろうが良く目に焼きつけておく事としよう。そしてこの男が潘濬!落ち着きがあり、冷静だ。御点前を拝見したいところだが、また今度!曹仁様の話じゃ魏蜀同盟の立会人だそうだから、一度会ってみたいとは想っていた。調度良かったわい♪』


司馬懿はほくそ笑んだ。


「皆様!若輩者ですが、どうか宜しく♪では三人は先程、引き渡しておきましたので私はこれで!明朝も早いのでね♪今度はお役に立ち、何よりでした。若君もどうかご慈愛のほど♪⁽⁽( •̀ 艸 •́ ٥)」


「うん♪ꉂꉂ(• ▽ •๑ )どうも有り難う!今後とも宜しく♪」


「うん?あぁ…✧( •̀ 艸 •́ *)お隣り同土ですからな!仲良く致そう♪龐徳!後は頼む♪」


「へぃ!⁽⁽(°ㅂ°٥҂)」


「では皆様!⁽⁽( •̀ 艸 •́ )」


そう告げてサラリと会釈を済ますと、司馬懿はとっとと行ってしまった。元々彼らにとってみれば招かざる客なのである。


しかも深夜の対応だから責める事は出来まい。けれども関羽などは熱き心を持った男だから、どうしても余計な一言が飛び出す。


「いゃはゃ…(٥`艸´)੭੭ かなり冷徹(ドライ)な御方のようですな!見送りはせぬか…」


それを聞いた龐徳などは恐縮している。


「雲長殿!申し訳御座らん♪仲達殿は忙しい御方なのです。⁽⁽(°ㅂ°٥҂)それでなくても日中は河川整備に神経を注ぎ、大王側近の武将たちにも目配り気配りです。夜は遅くまで設計図とにらめっこだ。疲れておいでなのですよ!」


彼は溜め息混じりにそう取り為す。関羽は「ウォッホン!」と言って、気持ちを切り換える。そして言った。


「龐徳殿!(ღ`艸 ´*)久し振り♪元気そうで何よりだ!御主も気苦労が多いようだのぅ~♪しかしだ!お互いにあの氾濫を乗り切ったからこそ今があるのだ♪」


「えぇ…⁽⁽(°ㅂ°*҂)その通りです!あの時のご厚情は忘れておりませぬ♪」


「そうか…ꉂꉂღ(`艸 ´ *)なら良い!御主も身体に気ぃつけて励めよ♪」


「えぇ…⁽⁽(°ㅂ°٥҂)有り難く!」


龐徳は懐かしさが蘚る。


小型船で突撃し、転覆した後に拾い上げられた大型船の甲板では、部下が嬉しそうに馳走に興じていた。あんなに喜びに溢れた顔を彼は初めて見たのである。


まさに青天の霹靂(へきれき)であった。


彼は若君に配下にと望まれた時に、断わった事を今でも後悔はしていないが、部下共々その傘下で暮せたならどんなに充実した日々が送れる事だろうと想像する事は度々あった。


忠節を貫く事がどんなに大切で、そして時に難しい事かを彼は切実に感じていたのである。そして自分が生きている間に、敵味方という区別が消える日が果たして来るのかと憂いていたのだ。


彼は少くとも彼らとは戦いたく無いと想っていた。そして目の前にした時に斬り結ぶ事が出来るのかと不安を抱えていた。


雲長殿になら安心して自分の身柄を任せられる。なぜなら彼に敵う相手ではそもそも無いからである。


けれども若君と相対した時には逆にこちらに分があるゆえに、おそらく自分には斬れまいとも確信していた。


戦う事は武将の(さが)である。龐徳はそんな瞬間が永久に来ない事を願って止まなかった。


ふとそんな感慨に(ふけ)っていると、彼は優しい声に話し掛けられる。


「龐徳!(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈ色々と助かった♪有り難う!君のお陰だよ♪」


若君はそう言ってくれた。それと同時に手を差し出し握手を求められた。


「そんな…ღ(°ㅂ°٥ღ҂)勿体無い!」


彼は遠慮して手を後に回す。するとその手が途端にギュッと握られて、若君の差し出した手に添えられた。


田穂の粋な計らいであった。すると若君はもう片方の手をその上から添えて強く握り締めたのである。


龐徳は男泣きしてしまった。それを周りの者も温かい眼差しで見守っている。


「良かったですな♪(ღ`⌓´*)」


田穂は優しくそう言い、ホッとしていた。




船が岸を離れると龐徳は名残り惜しそうに何度も何度も手を振り続けた。そして船が対岸に辿り着くと、一礼してから引き上げて行った。


おそらくその声は離れ過ぎているがゆえに届いてはいなかったろう。けれども北斗ちゃんは、両手を振りながら龐徳に叫んでいた。


「本当に有り難う♪(๑*´° ᗜ °๑)੭⁾⁾ ੈ✧元気でな!また会おう♪」


その声は漢江の上空を舞う風に乗って流れて行き、やがて消えた。


(とも)()遠方(えんぽう)より(きた)(たの)しからずや』


北斗ちゃんは想わぬ再会を果たせた事を、嬉しく感じて止まなかったのである。


そんな若君を皆も温かく見守っていた。


やがて空は白み始めた。また新しい一日の始まりだった。




江陵に戻って来た面々に趙雲は告げた。


「では若、皆も!ღ( ̄^ ̄*)私はこれで失礼します♪」


相も変わらず礼儀正しい男である。


「おぅ!ꉂꉂღ(`艸 ´ *)子龍、手間をかけたな♪」


関羽はそう言って(ねぎら)う。他の面々も口々に「お疲れ様♪」と言って、その行動力を称えた。


『若君が失踪…』


その報を受けた時の彼の初動はそれだけ早く皆を(うな)らせた。深夜にも(かかわ)らず、馬を飛ばして駆けつけたのである。


それは誰もが驚き、目を疑うほどであった。北斗ちゃんにもそれは想像に(かた)くなく、彼は喜んだ。


「子龍!有り難う♪君は僕の苦しい時には必ず、馳せ参じてくれる。(´⸝⸝• •⸝⸝)੭⁾⁾ 君はまるで僕の救世主だな!」


これ以上は無い賛辞だった。


けれども趙雲の見解は違った。


「否…(* ̄^ ̄*)若君!今回の第一功は何と言っても田穂です♪彼の決断力とその方向性は確かでした。貴方に唯一肉薄出来たのは彼です!そして我々が合流するまで貴方の傍を離れず守り切った。これは誰にでも出来る事ではありません。私もかつて費観に呼ばれて、貴方の初めての施術に陰ながら付き合った事が在ります。だから承知しているが、彼はその時、弎坐を人質にして貴方に首領で在った管邈(かんばく)の手術を迫った。そんな男が今や貴方の... 否、貴方に無くてはならない者として、貴方の窮地を救ったのです♪衛尉に抜擢され昇進した時には羨む者も居た事でしょうが、貴方の眼力は確かだった。最早、誰も羨む者など居らんでしょうな♪ 田穂、御苦労だった!今後も若の事を頼む♪」


趙雲はそう言い残して去っていった。忙しい男だった。


北斗ちゃんも手を振り見送った後で田穂を眺めた。彼は泣きそうになっていた。


『若君に無くては成らない者』その言葉が彼の脳裏に反芻(はんすう)して止まなかった。時に英雄と(あが)められる趙雲に、彼は最大の賛辞を受けたのである。


これ以上、男冥利に尽きる事は無かったろう。


田穂としては自分の勘を頼りに必死に食い下がっただけであるが、考える前に身体が動いていた自分自身に、彼は不思議ささえ感じていた。


人のために自分の全てを(さら)け出し賭ける事が、こんなにも清々しい事だとは想ってもみなかったのである。


これまで自分の命を必死に繋いで来た男は、遂にその手で大事な大事な人を救ったのだった。


「全く!(ꐦ*`艸´*)いい恰好しおって!この儂が褒めたろうと想っていたのだがな♪まぁ良い!長駆を(いと)わず、馳せ参じた者勝ちだろう。あいつは若の事になると殊更に躊躇(ためら)いが無いからのぅ~♪でも田穂!良くやった♪御苦労!」


関羽もその評価に花を添えた。田穂は蜀の重鎮二人から、最高の栄誉を受けた事になる。


彼はだんだんと目が(うる)んで来た。すると只ひとりブツブツ言っている者が居る。


良く見るとそれは若君で、田穂は気になって利き耳を立てる。


「何だよ!(๐•̆ ·̭ •̆๐)僕の立場が無いじゃん♪助けて貰った僕が一番そんな事は判ってるっつ~の!あ~あ…」


何ともやる瀬無い。さすがに皆、目が点になっており、潘濬もその態度に口を狭もうと意気込んだ。


けれどもそれは咄嗟の制止に止められる事になった。何と制止したのは当の田穂だったのだ。


彼は若君に寄り添い、こう伝えた。


「若!あっしは若の御言葉を是非とも聞きたいのです♪(*`ᗜ´٥)੭ ੈ欲しがりでスミマセン!」


田穂がなんとも奇抜な示唆(アプローチ)をするものだから、若君は元より皆も想わず頬が(ふく)らみ笑い出す。


すっかり機嫌を直した北斗ちゃんは、やれやれという仕草をすると、口を開いた。


「僕の気持ちは子龍や爺ぃ~と同様さ♪田穂!君が来てくれた時、僕はどれだけ嬉しかった事か!まぁいきなり水をぶっかけてくれた直後は怒ったが、あれは忘れてくれ♪✧(๐•̆ ᗜ •̆๐)正しい判断だった!」


「ハァ~すいやせん!(ღ`⌓´٥)⁾⁾」


田穂は想い出すなり謝った。


すると「プププッ♪(。˃ ᵕ ˂。)」と笑いながら若君は続ける。


「命の恩人である事、それは僕も感謝している。でも君は僕の何だ!(๑‾᷅⚰‾᷄๑)੭ु⁾⁾˞͛ ༘ؓ ︠³衛尉だろう?なら守る事は君の仕事でもある事だからな…」


北斗ちゃんがここまで言った時に、『何を言う!∑(º ロ" ºꐦ)』と潘濬が再び口を狭もうとしたが、今度は若君自らがそれを制止した。


潘濬はその仕草で何かあると感じ、すぐに矛を納める。すると若君は釘を刺す様に言葉を返す。


「やれやれ…(。-ˇ_ˇ-。)最後までちゃんと聞いて判断してくれ!僕だって鬼では無いんだ♪」


若君はそう指摘した上で先を続けた。


「僕を守る事は即ち、君の仕事だ!それは間違いでは無いが、今回は君に落ち度があった訳じゃ無く、全くといって良いほどの不則の事態だった。ハハハッ…(๑‾᷅罒‾᷄๑)まぁ端的に言うと僕の落ち度かな?にも拘らず、君は精一杯の力を発揮してくれた。諦めず粘り強かった。そして躊躇わずに行動したその的確な判断はこの僕の窮地を見事に救ったのだ。君が僕の衛尉だった事を誇りに思う。田穂、有り難う♪この通りだ!」


北斗ちゃんはキチンと頭を下げて田穂に陳謝して彼を讃えた。


改めてそんな温かい言葉を掛けられると、田穂も感涙に(むせ)ぶ。彼は自然と嗚咽(おえつ)を漏らした。


皆も「ウン!ウン!」と相槌を打つ。


それを横目で眺めていた若君は、何食わぬ顔で話し続けた。


「でもね、僕が個人的に感動したのは実はその事じゃないんだよね!✧ ⁽⁽(•̀ •́๑)(๑•̀ •́)⁾⁾ و✧僕が今回、感無量になったのは、龐徳の手を僕の差し出した手に然り気無く添えた時の君の優しさ何だけどねぇ♪あれはこの僕さえも驚かせた気配りだったねぇ!なっ?最高だろう♪」


北斗ちゃんはそう語り終えると、皆に目配せする。最早、否定する者は誰も居なかった。

【次回】勧善懲悪

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