昔馴染みは気楽で良い
「あれは今年の初めの頃でした。⁽⁽ღ(´皿`*)御存知の様に冬場は氷が張りますので湖での訓練は出来ません。河川ですら凍り付く程ですから、我らは陸に上がり、模擬訓練に励んでいました。私は大型船を陸に上げ、頭領と一緒に点検に勤しんでいたのです。そこに彼はやって来ました…」
傅士仁はそう述べてから語り始めた。
「ღ(❛ ⌓ ❛´*)ヨォ~雁来さん元気そうで何より♪」
「これはこれは夏縁様♪ꉂꉂ(ᵔ皿ᵔღ*)御無沙汰しとります…おっと!スマン♪秦縁殿でしたな?」
「ハハハ…(ღ❛ ᗜ ❛´๑)まぁ良いが癖に為ると困る!秦縁で頼む♪まぁ俺も懐かしさの余り、ついついあんたの本来の字を呼んじまったからな!ここはお互い様と行こう♪」
「アハッ♪ε- (ᵔ皿ᵔღ*)さすがあんたは話が判る!今日はわざわざスマンです、はい♪」
「否々…ღ(❛ ⌓ ❛´*)お前さんのお誘いなら喜んで来るさ♪で!今日はどうした?まぁこんなとこにわざわざ呼び出すんだから何となく判るけどな♪」
「いやぁ~さすが秦縁殿!⁽⁽ღ(´皿`*)話が早い♪」
「✧(ღ❛ ᗜ ❛´๑)でも残念だが、二つ返事では無理だな!お前の技量には感心している。何しろ少しコツを教えただけでこの大型船を造り上げたんだろう?しかもちゃんと動いた!話は聞いているよ♪」
「へぃ♪ε- (ᵔ皿ᵔღ*)そうです!若君が困ってたんでね!一肌脱いだっつ~訳ですわ♪」
「確かにな!✧ ⁽⁽(ღ❛ ᗜ ❛´๑)あの御方の為ならという訳か♪でも少しはテストの意味合いも在ったのだろう?まぁお前の事だ!その前に何度か試験航海はしたのだろうがな?」
「えぇ…✧ ⁽⁽(ᵔ皿ᵔღ*)勿論です♪さすがに若君を泥舟に乗せる訳には行きませんからね!けど二隻目はほぼほぼ初航海でしたからヒヤヒヤしましたが、賓伯さんの器用さには驚きました♪でもお陰様で良い船長に為りましたな!」
「あぁ…(❛ ⌓ ❛´*)費観殿の事だな?俺も公安砦でお会いしたが、城主としても様に成っていた♪ありゃあ良い為政者に成るだろうな?」
「えぇ… ⁽⁽(ᵔ皿ᵔღ)アイツはとても呑み込みが早く、応用も利きます。何より性格が良い!」
「あぁ…⁽⁽(❛ ⌓ ❛´)俺もそう感じたよ♪しかし"桃の種"とはお前らしい!こんな事なら俺が付けてやったんだがな?」
「いやぁ~ε- (ᵔ皿ᵔღ*)若君にもそう言われましたよ♪でもこれでいいんです!我々の組織の場合、"名は体を表す"では困りますし、そもそも名前で仕事する訳でも在りませんからね♪」
「まぁそうかもな♪(ღ❛ ᗜ ❛´๑)でお前さんの用件というのはやはりアレの事なんだろう?」
「えぇ!⁽⁽(ᵔ皿ᵔღ)スバり大砲です♪」
「やはりな…(ღ❛ ⌓ ❛´٥)だが目的は何だ?うん??ちょっと待ってくれ!俺をここにわざわざ呼び出したぐらいだ。まさかお前、大砲をくれってんじゃなかろうな?」
「えぇ…⁽⁽(°皿°٥ღ)実はそうです。駄目っすかね?」
「駄目って…✧(❛ ࡇ ❛´٥๑)お前さん、幾らなんでも単刀直入過ぎだろ?しかもずうずうしいにも程があるぞ!そもそも大砲一門、いったいどんだけすると思ってんだ?言っとくが、ひと昔前なら一国が買えるぞ♪一城じゃない、一国だからな!」
「えぇ~Σღ(°皿°٥ღ)そんなに馬鹿高いので?儂は大型船のが高いと想ってました!へぇ~そら驚き?!」
「ε- (❛ ࡇ ❛´٥)まぁ市場価値で言えば、大して変わらん!むしろ技術価値の問題だね♪こちとら、その破壊力が身に沁みているのでな?ガキの玩具じゃないんだ。お話しに成らんな!」
「判りましたよ♪⁽⁽(°皿°٥ღ)まぁ、駄目元って言いますでしょ?意外と二つ返事かも…何て、ちと試しただけっす!でも儂らの誼で、大型船の時のように、示唆だけでもくれませんかね?この通り!」
「ハッハッハ♪ꉂꉂ(ღ❛ ᗜ ❛´๑)示唆も糞も無いな!!お前さん、小型や中型の船ならもともと造れたろ?基礎が在ったから応用も利いたが、土台の無い所から家は建たんな!無理だ、諦めろ!!」
「し、しかし…ღ(°皿°٥ღ)」
「✧(๐•̆ࡇ •̆ ٥๐)しかしも案山子も無い!いいか♪よく聞け。俺は大型船でさえ、この時代には早過ぎたと想っているくらいだ。大砲など干年は早ぇ~よ!それにあの孟徳殿にさえ、教えなかった大型船の構造を、お前さんには、示唆を与えて教えてやったんだ♪その辺りで満足していただこうか!」
「へぃ、判りやした!ε- (°皿°٥)あんたがそう言ったら梃子でも動かないのは承知しとります。残念ですが、諦めましょう!」
「ようやくか!ε- (❛ ࡇ ❛´٥๑)全く頑固な奴め♪でもお前さん、どうしてそんなに大砲が欲しいのかね?」
「そ、それじゃあ…"(*´皿`*)?」
「馬鹿!(ღ❛ ⌓ ❛´٥)誤解するな。だからどうにか成るもんじゃあ無い!事情だけでも聞いてやろうと想っただけさ♪俺の細やかな親心よ!」
「はぁ~…ε- (°皿°٥)」
「お前さんと俺の仲だ。Σ(,,ºΔº,,*)せっかくのお招きに水を掛ける訳にもいくまい?」
「⁽⁽(°皿ᵔღ)そらぁ、お心遣いすみませんな♪でも特に差し迫った事情が在る訳でも無いっす!要は"孫にも衣装"ってとこですかな?大型船を守るための手立てが欲しかっただけです♪」
「ふ~ん!(ღ❛ ᗜ ❛´๑)手立てねえ、お前さんも言うじゃないか♪でも武器って判るところが、悲しいところだがな?では、はっきりと言おう♪俺は武器は扱わん!武器商人と呼ばれるのが、一番反吐が出る。勿論、船だって考えようによっては武器にもなるが、聞けば御主の志のためだというから助言したまでだ!まさか本当に造り上げたと聞いた時にはこちらが驚いたがね?」
「執念ですな…ღ(*°皿°٥*)何度も諦めかけましたが、やり遂げました!"自分のためじゃなく、人のために何が出来るか"というのは、案外大きな力に成るようです♪」
「そのようだな!⁽⁽(❛ ⌓ ❛´)劉禅君が海洋交易に目覚めたのは、おそらくその後だろうが、お前さんの先見の明には恐れ入ったよ♪俺も結果オーライだったと喜んでいたくらいだ!」
「ハハハッ♪ꉂꉂ(ᵔ皿ᵔ٥ღ)それは酷いな!儂じゃあ、役不足ですかい♪」
「否…ꉂꉂ(ღ❛ ᗜ ❛´๑)お前さんも悪くないがね?まぁ今回は求めた物が悪かっただけさ!アレはまだ世には出さない。悪魔の兵器だからな!以上だ♪」
「チェッ!(ღ´皿`*)⁾⁾ あんたには敵わんよ♪」
「そらぁそうだ♪(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈ俺は天下の大商人だからな!あっそうだ♪お前さんに代わりと言っちゃあなんだが、これをくれてやろう!」
秦縁は馬の背に掛けた鞍の中から、黒い鉄の塊と細々とした材料を取り出すと、「心して受け取れ♪✧ ⁽⁽(•̀ •́๑)(๑•̀ •́)⁾⁾ و✧」とわざわざ言ってから放って寄越した。
事前に警告を受けていなければ、さすがに傅士仁も危うく取り落とすところだった。
「これは?(〃'皿')⁾⁾」
彼は訊ねた。
「あぁ…(⑅˘̳ლ˘̳⑅)♡属に言う玩具さ!だが、かなり精巧な玩具だから、舐めて懸からん事だ♪打ち所が悪ければ、人でも死ぬからな!」
秦縁はそう言った。それは見事に再現された大砲の縮尺模型だった。
「(ღ´皿`*)⁾⁾ 実際に儂が貰らったのがこいつです♪」
傅士仁は、自分の手の平に乗せて三人の顔先に差し出した。黒光りした大砲の砲門が口を開けてこちらを見ている。
傅士仁の手の平が、標準よりは大きいとはいえ、さすがに十六文は越えまい。実寸大が判らないから、どの程度の縮尺模型かは不明だが、三人は一様に不気味に感じた。
「おぃおぃ!=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)傅士仁、砲門をこっちゃに向けるな☆危ないだろ!」
「あっ!ღ(´皿`;)こりゃあすいやせん。でもまだ玉は入ってませんので!」
「馬鹿!Σ( ꒪﹃ ꒪)そういう問題じゃ無い。秦縁殿の言葉を聞いて無かったのかい?舐めて懸かるな!人は撃たれたら血も出る。慎重に扱え!」
「そうでした…(〃٥'皿')✧こりゃ参ったな!仰る通りで♪」
「やれやれ…✧(๐•̆ࡇ •̆ ٥๐)これじゃ、おいそれと世に出せないのも判る判る。危なくてしょうがない。それで?どうすんのよ!」
「またまたそうでした!(〃٥'皿')⁾⁾ ではやって見せましょう♪」
傅士仁は「(ღ´皿`*)⁾⁾ 準備はいいか?」と声を掛けた。
「えぇ!(・ᯅ・ღ)勿論♪」
すると費観の声が洞窟の外から返って来る。
「では若君!皆さん♪⁽⁽ღ(´皿`*)どうぞこちらに!」
傅士仁に案内された三人は後にゾロゾロと続き、洞窟を出る。するとそこには費観が周倉と共に控えていた。
「あっ!Σ(,,ºΔº,,*)アレは僕の特注品の兜じゃあないか?」
北斗ちゃんはいみじくもそれに気づいて言葉を掛ける。五百メートルほど先にある大木の幹に兜が掛けてある。
どうやらそれが目標であるらしい。果たしてあんな小さい手の平サイズの大砲がそれを破壊出来るのだろうか。
北斗ちゃんのみ成らず、潘濬や田穂でさえ疑問に感じていた。けれどもあの秦縁が、命のやり取りに関してそんな冗談を言う筈が無い。
『打ち所が悪ければ、人でも死ぬ!』
この言葉の意味は重い。三人は手に汗を握った。すると傅士仁はあのミニチュア大砲をおもむろに地面に打ち込んだ板に嵌め込む。
「固定しないと反動でこいつも吹き飛びますからな♪念のため、若君も皆もそう心得ていて下せぇ~!⁽⁽(°皿°٥ღ)」
傅士仁はそう言うと手元から玉と灰の様な物を取り出して、大砲に手を加えた。そして準備万端整うと、声を掛ける。
「では参ります!⁽⁽(ᵔ皿ᵔღ)よ~く観ていて下せぇ♪」
そう言ってから細長い木切れに火をつけると、大砲に着火した。
その瞬間、小さな砲門の先から煙が出て、「ドゴ~ン」という大きな音を響かせると、火の玉が飛び出しアッという間に長い距離を縮める様に飛んでいって兜の真ん中に命中した。
皆は息を飲んだ。玉は兜を一瞬のうちに破壊したばかりか、その括り付けてあった大木の幹を一緒に粉砕し、大木が消し飛び倒れたのである。
「=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)何ぃ~!」
「∑(º ロ" ºꐦ)ヒェ~!」
「:;((`罒 ´٥ ))));:アワワッ!」
三人はその有り様を表現しようにも、言葉が無かった。まさにその表情が全てを物語っていた。
北斗ちゃんは秦縁の言葉を直ぐに納得した。
『悪魔の兵器。封印すべし!』
まさにその通りだった。千年先の技術水準という言葉が如実に判り、世に出せない脅威である事を肌身に感じた。
確かにこんなものが無分別な輩の手に渡ったら大変な事に成る。多勢に無勢を覆す力という言葉にも納得せざる逐えなかった。
三人は想わず顔を見合わせた。潘濬もそして修羅場を何度も潜り抜けて来たで在ろう田穂でさえも、唾を呑み込みその恐ろしさに目を剥いた。
「確かに…(ꐦ ٥•" ⌓•)人でも死にますな!打ち所なんてもんじゃ在りません。確実に…あの大木のように成りましょう!」
潘濬は底冷えがして来つつもそう言った。
「(*`‥´٥)エグ過ぎて言葉も在りません。あっしは悪夢に魘されそうです!」
田穂もようやくそう喘ぐ。
北斗ちゃんもいみじくも呟く。
「(٥ ꒪⌓꒪)…そうじゃ無い!あの縮尺模型でアレほどの威力だ。実際の大砲の威力を考えろ?想像しろ!一発でもどんだけの人が消し飛ぶ?冗談じゃ無いぞ!」
そう言って嗚咽を洩らした。三人は自然と目標であった大木の根元まで歩み寄ると、その破壊力の凄まじさを改めて眺めた。
北斗ちゃんの身を守ったのと同じ兜は、消し飛び跡形も無かった。大木も焦げ目を付けた大穴が開き、無惨な姿を晒していた。
北斗ちゃんは、大砲を手の平に乗せて持って来た傅士仁からサッと掠め取ると、ハッキリとこう告げた。
「悪いがこれは僕が預かる。✧(❛ ࡇ ❛´٥๑)玉も灰の様な点火物も提出する事!今後はこの件に関する研究は一切、罷り成らん!いいね?」
北斗ちゃんは毅然とした態度でそう告げた。
「し、しかし…(〃٥'皿')⁾⁾ و✧」
傅士仁は困ったように言葉を濁す。
「(ლ ^ิ౪^ิ٥)何かしら転用出来そうな気がしますがな…」
周倉も含みを持たせる。
「御二方、仕方在りません!(・ᯅ・ღ)若君の御裁定ですぞ♪」
費観は間を取り持つようにそう答えた。その言葉に潘濬は聞きづて成らんと訴えた。
「ちょっと待って下さい!Σ(ღ• ຼ"•ꐦ)費観殿は賛成なのですか?今の威力を見たでしょう。こんな殺戮兵器をお認めになるか!」
潘濬の顔はまだ青い。相当なショックを受けている。すると費観はさらりと宣う。
「困りましたな…(・ᯅ・٥)私も是認はしておりません。ですが、そんな物が現に実在するのです。そして結局、秦縁殿は示唆を与えた。考えようによっては"やれるもんならやってみな!"という挑戦にも受け取れる。私も大砲として扱うのは反対です!ですが、私も結局の所は武人ですからね?三國最弱の我が蜀が、事態を打開するにはまたと無い機会です。何がしかの転用を考えても罰は当たりますまい!」
費観の言葉は傅士仁や周倉の代弁であった。勿論、その含みの中には彼自身の想いも詰まっている。
二人も同じ気持ちで若君を眺めた。すると、若君は溜め息を漏らしながら、それに答えた。その言葉に一切の迷いは見受けられなかった。
「そうだね♪国を想う武官としては当然の帰結だろう。特に責めるつもりは無い。(•́⌓•́๑)✧三國争覇のこの折りに、むしろこの機会を捉えて、優位に立とうとするのは当たり前の事なんだろうね?でも残念ながら僕の主義には合わないな。僕の目指す所はあくまでも恒久的な平和であり、専守防衛である。僕の主旨に賛同して着いて来た以上は、僕の決定に従って貰う。人の命に敵も味方も無い。事が成れば、皆、僕の大切な民となる者たちだ。互いの主旨を争い戦う時にも、死傷者は可能な限り抑えたい。一方的な大量殺戮を行った者を、一体誰が統一者として認めようか?」
北斗ちゃんはそう述べた。
『僕を大虐殺者にしたいのか?』
彼はそう訴えているのだ。
そしてそんな事をしなくても、手間はかかるが緩やかな平和に移行出来るとも断言している。そこに居る皆が、改めて若君の御意向に沿うと、一致団結したのである。
「そうです!(*`⌓´٥)੭ ੈあっしは若君に従いますぞ♪貶める事は赦しません!」
「同意!✧(• ຼ"•ꐦ)」
「こりゃあ、若に一本取られたようだ♪御二方!Σ(・ᯅ・٥)そろそろ潮時かと♪」
「ですな…(〃'皿')⁾⁾ و✧」
「確かに!(ლ ^ิ౪^ิ٥)」
こうして意見の一致をみると、北斗ちゃんは告げた。
「どうやら判ってくれたようだね?僕は想うんだ!ꉂꉂ(• ▽ •๑ )秦縁殿は僕が平和主義なのを買ってくれている。こんな恐ろしい兵器に僕が抗う事が出来るのか、最終判断を仕掛けたんだろう。つまりは僕らは彼に試されたのさ♪」
彼はそう言って、笑った。
皆も言われてみればその通りと、一斉に頷く。
「(˶• ֊ •˶)でも、僕には民を守る義務もあるからね!主旨替えのように聞こえるかもしれないが、けしてそうじゃない。相手側は容赦無いんだから、せいぜい防衛訓練には励むとしようか?傅士仁!次は操船視察だったな?」
「へぃ!✧ ⁽⁽(ᵔ皿ᵔღ*)さいでがす♪では皆さん、そろそろ張嶷の奴が、湖水に船を浮かべて待っている頃でしょう!移動しましょうか?」
傅士仁はそう言った。皆、ゾロゾロと移動して 行く。
北斗ちゃんも両手を後手に組んで、それに続く。その手には鉄の黒い塊が強く握られていた。
凪は今さらながらに、この若君がいったい何故、こうも多くの者たちの気持ちを惹き付けて止まないかが、判った気がしていた。
【次回】船上にて