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河の流れに任せて

「いやぁ~想わぬ馳走ほど旨いもんは無いなぁ♪ღ(*❛ ᗜ ❛´*) 」


秦縁は(うそぶ)く。


「またぁ~♪(٥눈_눈)趙蓮が居たらまた叱られますぜ!」


関騎は(たしな)める。


「あれ?(ღ❛ ⌓ ❛´٥)そういうお前だって嬉しそうに食ってんじゃん!らしくも無い…」


秦縁も言い返す。


「そりゃあそうでしょ♪(٥눈_눈)日がな油売ってる殿とは違うんですぜ?ず〜っと船上で臭い飯を食っとったんです。水だって周りにあんなにあるのに飲めません。樽に残り僅かな水を見た瞬間には何度も卒倒仕掛けましたぜ。それでも言います?」


関騎は恨めしそうにそう(のたま)う。


「あぁ~判った!判った!✧(❛ ࡇ ❛´٥๑)俺が悪かった!だがな、油売っとる訳じゃない。そこだけは訂正しておく!」


秦縁は言い張る。


「判りましたよ♪(٥눈_눈)わっちも下手に趙蓮の真似事なんてつまらん事しましたぜ!こんな割に合わん事は奴の専売特許にしときます。二度とやりませんぜ!」


関騎も一方的に宣言する。


「お前…ꉂꉂ(*❛ ᗜ ❛´*) 馬鹿だなぁ♪そういう事は中途半端にやるから良くない。奴のように思いっ切りと愛情、否…非情が肝心なのだ。腹の底から突き刺すような鋭利な言葉が胃に(こた)える。まぁ奴とは一緒に放浪した仲だからな。言う事を聞かぬ訳にもいかんのさ!それに下手に口答えすると後が怖い…」


秦縁も言いたい放題である。


助言する時の姿勢すら教えてやる気前の良さはどうかと想うが、それこそ趙蓮がここに居たらさぞや修羅場となるに違いない。


さすがの関騎も呆れ果てていて、二の句が継げない。端から見ているとまるで掛け合い漫才である。


勿論、後の二人は漏れ無く笑いを(こら)えるのに必死である。笑いたいけど笑えないといったところだ。


まだ若いだけに劉巴などは我慢も効かない。笑いは(こら)えるものの、その表情は言わずもがなである。


「ꉂꉂ(o'д'o )さすがに秦縁殿は剛毅さがある。貴方のお陰で成り立っている暮らしです。ここの者達に代わってお礼申し上げます♪さぁ、もそっとどうぞ!幾らでもおつぎしますぞ♪」


劉巴は笑顔でそう答えた。ある意味、笑いを堪える限界だったとも言えるだろう。


法正はもっと狡猾(こうかつ)である。伊達に年は食っていない。劉巴の言葉に自然と乗っかるずうずうしさがあった。


「カッカッカ♪ꉂꉂ(・ิᗜ・ิ*ღ)良いぞ!良いぞ!しかし、秦縁殿もまだ若いな♪食い意地が張るのが良い証拠じゃて!儂など、おつぎされるなら酒が良いがのぅ~♪」


さすがは年の功である。然り気無く酒の話題にすり替える。これではまるで酒を所望しているみたいに聞こえる…否、実際そうなのだろう。


焦ったのは劉巴である。彼は明らかに困った顔をする。


『(ღo'д'o٥)面倒臭いな…』


余計な一言で挙げ足を取られる羽目になり立場が無い。


ここは労働の場である。職人たちは昼げも終わり、既に太陽の許で汗水流して働いているのだ。


そして高台の住居区域といえども、女子供は用足しや子守り等で傍を行き交うのである。そんな中、上役の者が昼日中から酒を食らっていては示しがつかない。


ここでは下の者にも『酒は夕刻、仕事の後で』と指導している。気が大きくなり、怠けたり、喧嘩のもとになると困るからである。


するとここで助け船を出したのは秦縁である。日頃は容赦無い物言いをする彼も、この日はちょっと違った。


「ハッハッハ♪ꉂꉂ(*❛ ᗜ ❛´*) おつぎされるならゴツイ男の手よりも女人(にょにん)のしなやかな手の方が良かろう♪残念だったな!無い物ねだりは出来ん!また今度な♪」


上手い事をいうものである。彼は場をわきまえろと言っているのだが、それはあからさまで無く然り気無い。


そして劉巴の揚げ足を取り、上手く話をすり替えた法正のやり口を真似て素早く取り入れ、それをさらに上書きするようにすり替える事で話をチャラにしたのである。


『( o'д'o).。oO 絶妙だな♪』


劉巴は感心する。大したものである。これなら場は荒れないし、互いの面目も立つというものだ。彼は感謝しつつ場を収めた。


「ε-(o'д' o)まぁそういう事ですな♪今度非番の日にでも付き合いますよ!堪忍して下さい♪」


「Σ(ღ・ิᗜ・ิ٥)そりゃまぁそうじゃな!お説ごもっともじゃ♪ではそれで手を打つかのぅ~約束じゃぞ!」


全く何しに来たんだか判らない。法正も一応これで大人しく矛を収めるが、念押しする所が老獪(ろうかい)でやらしい。


『(ღo'д'o٥)やれやれ…』


劉巴も適わない。まぁ(いず)れにしても事なきを得てひと安心といった所である。


『(ღ❛ ⌓ ❛´*)まぁ今度が在ればな…』


秦縁はほくそ笑む。果たしてそんなに長居が出来るのか見物といった所か。そこでふと想う。


『(ღ❛ ⌓ ❛´٥)成る程…これは一本取られたな!老獪なのは爺だけじゃないって事だな…』


そうなのである。そもそも劉巴に非番など元々有るのか怪しいものである。つまり端からそんな気はさらさら無いって事になる。


秦縁は想わず劉巴を見る。すると劉巴は秦縁の瞳を見つめてニッコリと笑い、舌を出した。秦縁は苦笑するほか無かった。


上には上が居る。そういう事だ。


まぁ法正にしてみても、到着したての自由行動の強行だから、酔って帰れば立つ瀬が無い筈。結果オーライという事になるだろう。


こんな所でも三人は三葉の駆け引きを見せた。しかしながら実に下らない駆け引きである。実に大人気無い。


否…大人気無いのは法正だけか。否、否…そもそもは秦縁の食い意地の悪さから始まった事であるから一番悪いのは殿である。


関騎は密かにそう想っていた。




結局、秦縁は堂々とお代わり三杯をしっかりと平らげ、ひとりご機嫌である。


「ꉂꉂ(*❛ ᗜ ❛´*)いやぁ、劉巴殿!結構な馳走で御座った。有難や、有難や♪」


「(*o'д'o)いえいえ♪何のお構いも出来ず!午後からは現場の案内など致しますかな?」


「ღ(*❛ ᗜ ❛´*) それは助かる!頼もう♪」


こうして昼げの後の散歩を兼ねて、彼らもようやく現地の視察に乗り出したので在った。


「観て下さい♪(*o'д'o)੭ ੈここは遥か彼方まで一望出来るでしょう?」


「(ღ*❛ ᗜ ❛´*)確かにな!こりゃあいい♪この高台を住居にしたのはあらゆる意味で正解だな!住居に残した家族が作業をしている者の姿を追える。多少は心細さが解消出来そうだね♪それに避難場所としても適当だよ!」


「(*o'д'o)⁾⁾ 左様です♪それにこの高台となる丘は河に沿って続いておりまして、謂わばウナギの寝床の様に細く長い特徴が在ります!作業を分担するにも住居からの往復にも便利という訳でして…」


「⁽⁽(*❛ ᗜ ❛´*)確かにな!目の付け所が違う!それに監督である君や鞏志殿も監視しやすい訳だ♪」


「(*o'д'o)⁾⁾ その通りで!事故の発生もいち早く気づけますし、助かっております♪」


「Σ(ღ・ิᗜ・ิ٥)じゃが、御主や鞏志殿だけではそう目を光らせている訳にも行くまい。それはどうするんじゃ?」


(もっと)もな御意見である。そして二人とも今日初めてまともな事を言ったとほくそ笑んでいる。


ここは秦縁が劉巴を立てる様に話題を振る。


「(ღ*❛ ᗜ ❛´*)そらぁ爺さん、昔取った杵柄(きねづか)って事だろう♪きっとノウハウがあるのさ!なぁ、劉巴殿?」


「ꉂꉂ(o'д'o )えぇ!仰る通りで♪実はですな、私の発案というよりかは馬良殿の発案をパクりましたので!利用出来るものは躊躇(ためら)わず使い倒すのが私の美徳でして♪それがアレです!」


劉巴は手を差し出し、人指し指でそれを指した。秦縁は無論の事、法正や関騎も反射的に視線を凝らす。


するとそこには烽火台(のろしだい)が在ったのだ。よ~く観るとそれは川筋に沿い点々と続いている。


つまり劉巴は今回の河川作業にあたって、予め烽火台を築かせ、緊急時に烽火台リレーで知らせる様に工夫したのだ。


確かにこれは対呉対策で馬良が採用した緊急時対策である。しかしながら、烽火台などかなり年季が入った古い手で在る事も確かな訳で、馬良すら先人の方策を真似ただけである。


(ゆえ)に劉巴がパクったというのは確かな事だろうが、そこまで正直に申告する必要性も本来ならば無い訳だ。要は劉巴がそれだけ正直者だと言えるだろう。


かく言う秦縁も烽火台の利点は承知しており、観て直ぐに気づいた。けれども出しゃばるよりは、劉巴に花を持たせてやろうとしたまでである。


それを知ってか知らずか見事に無駄にする程のお人好しがここにもひとり存在した事になる。秦縁は溜め息を漏らすが、性格だけは変えようが無いから仕方無い。


『(ღ❛ ⌓ ❛´٥)成る程…これはこれは!確かにこいつはあの若君の信頼が厚い筈だわな♪きっと(くだん)の若君ならば手を叩いて喜ぶ所だろう。謙虚さと正直さは確かに美徳だろうが、実利主義の俺としてはここまで控えると却って鼻につくがね?』


秦縁はそう感じていた。


住居の中も割りと簡素な造りになっていて無駄な物は一切無い。その代わり奥行きが広く取られていて小狭さは感じさせない。


そして一定の住居の間には田畑が用意されており共同で使う事が出来る様になっている。将来的には自給自足が出来る様にとの気遣いであった。


『(ღ*❛ ᗜ ❛´*)成る程な…工事期間に縛られずにここに民を定着させようという腹か!それなら彼らも安心して作業に取り組めよう♪』


秦縁は作業者の暮らしにも寄り添ったこの基盤(インフラ)整備に感心すると同時に、連れて来た人々の暮らしが守られている事に安堵していた。


「ꉂꉂ(*❛ ᗜ ❛´*)住居は見渡す限り造られているが、現在どの程度の収容能力(キャパシティ)が在るのかね?」


「(*o'д'o)⁾⁾ そうですな♪現状では武陵内で七万程度といった所です。あとは士燮殿に供出して頂いた土地と南海の住人の地に築いた三万戸を合わせて十万戸といった所ですかな?江陵や南郡地域を合わせるともっといけます!」


劉巴ははっきりと全体像は明かさず最後はお茶を濁した。けれども判っているだけでも十万戸である。十分過ぎる程であった。


「♪~(ღ❛ 。 ❛´٥)ピュイ!それは凄いな…」


秦縁は想わず口笛を吹く。


「Σ(ღ・ิᗜ・ิ٥)確かにそうじゃ…」


法正も感心している。


「(٥눈ᗜ눈)凄いっすねぇ…」


関騎などは大口を開けて呆けていた。


それだけ収容能力(キャパシティ)が在るならまだまだどんどん人材を送り込めるからである。


「ꉂꉂ(o'д'o )凄いでしょ?段取りに時間を掛けて万全の体制を築きました。転ばぬ先の杖ってとこですかな?」


劉巴は誇らしげにそう述べた。確かに石橋を叩いて渡る程の念の入れ様である。けれども実際に劉巴などはこれでもまだまだ足りないと想っている。


準備などとはそういうもので、進捗に応じて改善すべき点は必ず表われるものだという割り切りも併せ持つ。


そのぐらいの覚悟がなければ着手など、いつまで経っても出来ない。そういう事であった。


「関騎!(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈお前もやり甲斐を感じたろう?苦労が報われるとはこう事をいうのだ♪」


秦縁は受け入れ体制には満足していた。後は作業従事の中で起きる諸所の問題だけである。


けれども多少なりとも郷に入れば郷に従うほか無く、いくら自分達が世話した人材でも委ねたからには任せるしか無い。本人達ともその事には合意している。でなければ連れて来ない。


では資金提供者(オーナー)としてはどうかと言えば、若君に全幅の信頼を寄せているから心配はしていない。何かあれば物申すのは若君に対してであって、現場介入は却って混乱を招く事だと秦縁も承知している。


そして劉巴を始め、鞏志もその実直な姿勢は評価に値した。その結果として口をついた言葉だった。


けれども関騎はまだ懸念があるらしく、不意にこう言った。


「えぇ…(٥눈_눈)(おおむ)ねはそうです。でも言葉の壁があるでしょう?そして習慣の違いも…。そして一番の厄介事が信仰でしょう。彼らの中にはその教義ゆえに食べてはいけない物、やってはいけない事もあります。それが心配です…」


彼の懸念は一理ある。それは秦縁も承知していた。


「あぁ…そうだったな!ε- (ღ❛ ⌓ ❛´٥)だがその対策はして来たのだろう?」


「(٥눈_눈)=3 そらそうですが、良く良く考えて下せえや?慣れない船旅で船酔いする者だって続出します。まともに言葉を覚えようなんて奴ぁ〜少数派です。大概の奴等は現地に行きゃあなんとかなると想っとります。お気楽加減さは殿と一緒です♪」


どうも関騎は一言多い。必ず秦縁を巻き込む。


「ε- (ღ❛ ⌓ ❛´٥)お前なぁ~、俺のは今に始まった事じゃない。それに判ってやっているのだ。一緒にするな!」


秦縁もまた大人気無い。コイツらガキかと想いたくなる。法正はアホらしくて絡む気も無い。


趙蓮と違い、関騎には言いたい放題出来る事が判っているから秦縁も容赦が無い。法正はそれが判っているのか傍観を決め込む。


そこで仕方なく劉巴がその個性を発揮する。潘濬と若君の絡みを常に抑えて来た彼ならではである。


何しろそうでもしないと、この調子ではまたまた掛け合い漫才が始まりそうだったからであった。劉巴は思い切って首を突っ込む。


「まぁまぁ…ღ(o'д'o٥ღ)秦縁殿!お任せ下され♪そんな事も在ろうかと、私も鞏志も知恵を絞りました。そこで閃いたのです♪」


劉巴は得意気にそう言った。彼らもその程度の事は端から承知していた。


まず第一は言葉の壁である。そこで一番に宛にしたのは士燮であった。


劉巴は許靖を通して打診して貰う。彼の地は貿易港として既に実績があり、在りとあらゆる国の言葉が行き交っている。


結果として取引が成り立っているのだから意志の疎通は可能なのだろうと踏んだのである。士燮は既に密約を結び、協力的になっていたのですぐに言語力のある者達を結集させて送り込んでくれたのだ。


そこからが彼らのひと工夫である。そう…"先んずれば人を制す"と若君が送り込んでくれた新しい民の人々から選抜した者達に、異国の言葉を学ばせたのだ。


特に肉体労働に向かない女性たちに教えさせたのが、彼らの真骨頂である。さらに謂えば彼らは元々流民の身の上だったから、蜀の民となった後もいち早く慣れ、認められようと必死だった。


そういった意味では向上心と点滴穿石(てんてきせんせき)の精神があった。そんな彼らに(ハク)をつけてやろうとの温情と捉える事も出来るが、けして劉巴は強制はしなかった。


止むに止まれない事情を説明し、協力要請という姿勢を貫いた。それも功を奏した。


彼らは進んで協力を申し出てくれた。そうした人々の中で、士變から派遣された言語学に長けた先生達がその適性を見て、学ぶ言葉ごとに人を振り分け、彼らは懸命に努力して来たのだ。


劉巴と鞏志だってするに任せていた訳では無い。彼らも一日の中で時間を作り、学ぶ姿勢をみせたので、選抜された人々もその背中をしっかりと見ていた。


そして自分たちの役割が重要なのだと認識するに至ったのであった。


「ꉂꉂ(o'д'o )今では日常会話はほぼ問題ありませぬ。日中時間の取れる女人(にょにん)と子供たちに教えたのも良かったのです!」


劉巴はそう言う。


日がな働いて、家路に着くのが夕刻になる男達も、夕食を囲う中で家族と団欒(だんらん)する際、大抵の場合『今日は何があった?』という話になるものである。


そんな時に『今日はこんな言葉を覚えた』と言って、日常会話の中に話題として溶け込む事により、男衆達でさえ愉しく覚える。


そして実際、現場で異国の人と向き合う事情が生じた時に、必要に迫られるのは彼ら自身だと気づく。相乗効果である。


『成る程な…(๑´❛ 。 ❛).。oO』


秦縁は感心している。


そして関騎も劉巴達の念の入った準備に胸を撫で下ろす。


その後、劉巴は習慣や信仰の問題にも触れた。


「(*o'д'o)੭ ੈ習慣については彼らも入植する以上、ここの習慣にも順応して貰わねばなりません。これは相手側だけの問題ではなく、相互理解の範疇(はんちゅう)と心得ています。同じ人として互いを尊重する事で解消します!」


(もっと)もである。けれどもそう言ってさえ、やはり地元の利が時にそれを押し切ってしまう懸念も在ろう。


その時にどう対処するのだろう。これに劉巴はこう答えた。


「ꉂꉂ(o'д'o )共同体(コミュニティ)を作らせます。同じ国・地域から入植した人々の団体ですな!そこで皆を統率させて、早く現地に慣れさせると共に、彼らの異文化の中で良いものは我々も積極的に吸収しようという試みです!」


確かに良く考えてある。遠く離れた異国の地である。同じ国出身の者が互いに寄り添え、助け合える。


けれども見方を変えれば、一致団結して反乱を起こすという懸念も合わせ持つ。そういった場合の事は考えてあるのだろうか。


穿(うが)った見方かもしれないが、確かに在り得ない事では無いのだ。けれども劉巴はこう答えた。その心は至って平静であり、何の迷いもなかった。


「その時はその時ですよ!ε-(o'д' o)人は不満があったり、差別を受けたら誰でも怒ります。それは当たり前の事であって、彼らに限った事では無いのです。我々の中でも人である以上は必ず起こり得ます。なのになぜ、彼らに限定する必要があるのでしょうか?」


確かにそうかも知れない。秦縁などはそう想うのだ。けれどもそれだけで納得してしまって良いのだろうか。


そこまで考えているならその対策も考えてある筈だろう。彼は敢えてそこにメスを入れた。すると劉巴は『あくまでも本人の意志を尊重する』と前置きした上でそれに答えた。


「( o'д'o).。oO 共同体(コミュニティ)がいけませんか?でも考えてみて下さい。異国の地で心細い人々がどうするのか。自然と同じ国の者同士で集まりますよ。これは人の心理です。避けられませんな!ならば(はな)からまとめてあげたら良いのではありませんかな?」


劉巴は落ち着いている。


「それと対処の仕方は若君も真剣に考えておられます。(*o'д'o)੭ ੈそれは法です。そのために徐庶殿を登用し、諸葛均殿、廖化殿を据えられたのです。こればかりはこの地に住まう以上、皆平等です。基本路線はそういう事になるでしょう。そして我々の姿勢としては共同体(コミュニティ)を孤立させない事だと思っています♪」


劉巴はそのためには定期的な話し合いを持ち、問題を小さな内に解決する事だと力説した。共同体(コミュニティ)とより良い関係を築く事で彼らに寄り添い、安全管理にも寄与するという事である。


皆、ここまで踏み込んだ運用に安堵を示すと共に、その覚悟を知ったのだった。彼は最後に一言こう付け加えた。


「ꉂꉂ(o'д'o )共同体(コミュニティ)の利点は習慣だけに止まりません。信仰をする上でも、その教えを守る上でも、同じ立場の仲間が一緒であれば心強いですし、不便さを感じる事も無いでしょう♪これでご安心頂けましたか?」


劉巴はニコヤかにそう結論付けた。秦縁も関騎も、もはや何の心配もしていなかった。


法正もまた劉巴の成長に溜飲(りゅういん)を下げたのであった。

【次回】北の風聞

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