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為せば成る

虞翻はゆるゆると山の中の道無き道を用心して進む。彼は既に日が昇る前からのんびりと江夏を出立して、呂蒙の描いた奇妙な地図を参考にしながら、身に(まと)う衣をあっちの枝に引っ掛け、こっちの切り株には足を取られ、しながらも心を緩めず進んでいた。


身体のあちらこちらは既に傷だらけだが、心は落ち着いており、執念を果たす事だけを念じながら、その歩みを止める事は無かった。


そう…彼は国境の山の中にあの趙雲が築いた仕掛けの数々を縫う様に進んでいるのである。ここは呂蒙が途中まで制覇した行程(ルート)であった。


だから彼は呂蒙の到達(クリア)した仕掛けの位置や抜け方を記した地図を参考に明け方から緩やかに進み続けて来たのである。


そして実際、当初はうまく罠を(かわ)して進んでいたものの、呂蒙が未踏の地の先からは、自らの知恵と工夫で進まねば為らず、苦戦しながらも間も無くその地を抜ける所まで到達しようとしていた。


『(。-∀-)✧子明殿はやはり大した御方よ!この罠の数々を貴重面な程、綺麗に擦り抜けている。この攻略図が無ければ危ういところだったわい♪これがあったればこそ、その後の攻略も応用が効いたと言えるだろう。感謝せねばな!』


虞翻はそう想い、主人・陸遜に言われた事を想い返していた。




「(ꐦ•"ᗜ•*)੭ ੈ今回は大都督の判断に従うのみだ。私は今でも戦を引き起こしかねないこの介入には反対の立場だが、せっかくのお前の作戦だからな、真摯に励むが良いぞ♪」


陸遜はそれだけ言うと両手を広げ肩を(すく)めた。


「✧(-∀- 。)殿のお気持ちは判ります。この儂もやると決めたからには、最期までやり通す所存。なぁに、儂の身は心配されるな!自ら直訴してやるのです。捨て置いてくれて宜しい。無事に潜入を果たした暁には、きっと殿のお役に立ちましょう♪」


虞翻もそう答えた。


短いやり取りの中にも互いを尊重し合う気持ちはそれぞれの心の内には在ったのである。陸遜は最期にこう告げた。


「あぁ…ꉂꉂ(*•ᗜ"•ꐦ)励めよ♪後の事は心配するな!それにお前が無事に潜入さえ出来れば、私の手駒があの江陵に入る事になる。せいぜい期待させて貰うとしよう♪」


そう言ってエールを送った。




虞翻はそんなやり取りを今更ながらに想い返しながら、なおも慎重に歩みを進める。すると視界が段々と拓けて来て、太陽の光が射し込んで来た。


彼が雑木林の枝のひと振りを大胆にも葉ごと掻き分けると、そこには整備された林道が通っている。そしてふと気づくと、その道に出る直前にはご丁寧にも案内状が地に突き刺すように置かれていた。


それは一体の案山子(カカシ)であった。橙色の服を着せられ、頭には山高のとんがり帽子を被っている。そしてその口からは細長い布地がぶら下がっており、そこにこう書いてある。


【おめでとう♪貴殿が到達した初めての人だ!歓迎する。 劉公嗣】


こう書かれていたのだった。


「(。〃-∀-)=3 ふぅ~♪どうやら無事に到着出来た様だ。それにしてもここの太子はやはり少々キ印らしいな!こんな看板をわざわざ用意して置くなんて、どんだけ歌舞伎者なのだろう…」


「…✧(ღ -∀- 。)しかもこの案山子の奇妙な事よ!でもまぁ、この儂も負けず劣らず酷い身なりだけどな♪やれやれ、これではせっかくの上等な布地が台無しだ。さっそく着替えねば成るまいよ!」


虞翻は自分の服装を(かえり)みながら溜め息を吐く。


そして「(。-∀-)" あぁ!」と気づいたように胸元に視線をやると手を鷲掴んで、懐に入れて在った筒状の物を取り出し、その先端にある導線を軽く摘まむとそれは発煙筒であった。


どうもこれで狼煙(のろし)を上げるらしい。おそらくは擬態で出動した江東勢にこれで撤退の合図を送るのではないかと想われた。


虞翻はそれを近くの切り株に巻くように固定すると、さらに(ふところ)から火打石を取り出し、導線に火をつける。


やがて筒からはモクモクと煙が立ち登り、それは天を突くかの如くに空に棚引く。彼は左右を念入りに見渡すと「(。-∀-)੭ ੈこれで良し!」と満足そうに呟いた。


そしてふと想い出した様に顔を上げて案山子の存在に再び注目する。


彼はせっかく大仕掛けの道程を制覇したのだからと、その記念にしようと想い、目の前に立つ案山子の前まで歩みを進め、不用意にもその口から突き出る布地を引き抜こうとしたのである。


虞翻が達成感から緊張感を解き、油断した瞬間だった。


その時である。


地に平行にぶら下がっていた二本の細長い腕が彼の身体をすっぽりと包み込んだ。


虞翻は「=͟͟͞͞(꒪∀꒪ ‧̣̥̇)あっ!」と言って案山子の顔を眺めると、その両目からはキラリと光った瞳が動いた。


「やぁ~いらっしゃい♪૮₍´。ᵔ ꈊ ᵔ。₎ა✧待ってましたよ!それにしても驚いたね…あの仕掛けを潜り抜けるとは?」


桓鮮はそう言うとニンマリと笑った。


『しまった…Σ(( ꒪∀꒪٥))』


虞翻は達成感から感じていた高揚感に浸り過ぎ、絡め取られた浅はかな自らを悔いた。そして直ぐ様、必死に(もが)く。


『冗談じゃない!ღ(-∀-٥ღ。)✧こんな所で捕まってたまるか…』


彼は踠きながら、短剣の柄に手をかける。けれども腕ごと羽交い絞めにされているので、鞘から短剣を抜く事は適わず精一杯の抵抗の証として、然も恨みがましくギロリと桓鮮を睨み付けた。


「旦那ぁ~♪૮₍ ˃ ⤙ ˂ ₎ა恨みっ子無しですぜ!これも駆け引きだ。あんたがここの仕掛けを抜けて来たのは凄いと俺っちも想うよ♪大したもんだ。けど考えてみて下せえよ…」


「…૮₍ - ⤙ - ₎აあんたがここから来る事を察知していた俺らの勝ちってもんでさぁ〜♪あんたならそれがどんなにか難しい事か判るでしょうに!だから降参しなせぇ…」


「…૮₍⇀‸↼‶₎აそれがあんたのためや!殺しゃあしないから、大人しくして下せぇ♪俺っちもあんたの刃には刺されたく無いんでね!」


桓鮮はそう告げると、さらに締め上げる。そして虞翻の視線を誘導して、首筋にその焦点を当てると、そこにはきっ先の尖った針状の物の先端が当たっており、その気にさえなればいつでもぶっ刺せる準備が整っていた。


『負けた…Σ(。T∀Tꐦ)=3』


彼はそう想った。


確かにこの案山子男の言う通りなのである。なぜここから入り込む事が察知されたのかまるで判らなかった。


そこで虞翻は単純に「(。T∀T)੭ ੈなぜ判った?」と訊ねた。すると案山子男は然も嬉しそうにこう答えた。


「૮₍´˶ᵔェᵔ˶`₎აそれは俺っちの御主人様に聞いて下せぇや。生憎(あいにく)と俺っちは実行部隊なんでね!さぁ大人しく来て貰いやすぜ♪念願の江陵に連れて行って差し上げます!そこまでがこの俺っちの役目ですからご協力願いますよ♪」


そう言って再び針の先端を首筋に付きつけながら、ニンマリと笑った。虞翻はグゥ~の音も出なかった。




「やったぁ〜♪Σ(,,ºΔº,,*)捕えたぞ!」


北斗ちゃんは興奮気味にそう答えた。


桓鮮の勇姿は臥せた場所からさえ、良く見て取る事が出来た。北斗ちゃんはその勢いのまま森の中から飛び出しかねない。


田穂は若君の頭を不遜にも抑えると、慌てる様にこう口にした。


「馬鹿ですか、あんた!:;((`罒 ´٥ ))));:相手はあの虞翻なのですぞ!一筋縄では如何事(いかんこと)はあんたが一番判ってるでしょうに!相手の狙いが判るまでは、大将は顔を晒さん者です。ここは自重が肝要っす!あっしと都督の旦那で護送しますから、あんたはひとまず引き上げて下せぇ♪」


「いゃ…⁽⁽ღ( • ᗜ •٥ღ)それを言うならお前もだ、田穂♪ここは用心だ。相手に顔を知られていなくとも、陸遜に暗示(ヒント)を与える事になっては不味い!君もここは自重だ♪」


北斗ちゃんが今度は彼の頭を押さえつける。すると田穂も負けていない。


「(#`罒´٥)੭ ੈ最初、あっしにやらせるって言ったのはどこのどいつです?あっしは衛尉なんすからね♪どの口が言います?」


こうなってはもはや子供(ガキ)の喧嘩である。傍でそのやり取りを聞いている近衛たちも「大人げない…」と想わず呟く。まぁでも確かに大人では無い。


劉封は弟のそんな子供っぽい姿を垣間見る事になり、嬉しいやら悲しいやら色んな感情に(さいな)まれながらも、ここは一番、一肌脱ぐ事にした。


「あぁ…(٥`• ᴥ •´)ღ⁾⁾ 判った判った!ここで絡みの無いのは、どうやらこの私と近衛の諸君らしい。田穂殿には悪いが、こいつらは一時この私が預かる。若君もそれで宜しいな?田穂殿はまず、衛尉として若君を安全に送り届けよ!良いですな?では諸君、参るぞ♪」


劉封は有無を言わせず、近衛を率いると、とっとと桓鮮の許へと走り出していた。互いに相手の頭を押えながら、地に臥していた二人は、呆気に取られる様にその華麗な勇姿を見送るほか無かったのである。


「ハッハッハ♪( ๑˙﹃˙๑)✧漁夫の利とはまさにこの事を言うんだろうね!田穂、悪かったな。君の初陣を邪魔する事になって!でも君は僕の大切な友だ。つまらん事で今後、あいつに追い廻される事になると困るからね。今回はお互い痛み分けとしよう♪」


北斗ちゃんはそう言うと、ニコリと笑った。天使の微笑みである。田穂は愛嬌のあるその笑みに触れると、溜め息混じりにこう答えた。


「全くもぅ…(〃`⌓´٥)=3 ハァ~判りましたよ。あっしの負けです。ここは方針転換て事で手を打ちやしょう♪あんたには本当、負けますよ。でも確かにそうですな…」


「…ꉂꉂ(`ㅂ´ღ*)あっしもあんな蛇みたいな執念深いのに、永遠に鬼ごっこを仕掛けられたら適わない。素直に従いましょう♪ここはひとつ借りておきますぜ!」


そう言って笑った。


こうして二人はひと足先に江陵城へと引き上げる事になったのである。




一方の劉封は近衛隊を引き連れると、拘束された虞翻を囲んだ。


「虞翻殿だな!(*`• ᴥ •´)੭ ੈお初にお目に掛かる。私は劉封だ。悪いが君を拘束し、このまま江陵に来て貰うから覚悟したまぇ♪なぁに、心配するな。少々君と話したいお人が居るのだ…」


「…ꉂꉂღ(`• ᴥ •´๑)それが済めば善処される事だろう。この男が既に警告したと想うが、是非とも手向かう事の無いように願いたいな。それがお互いのためだ。如何かな?」


劉封は一気に捲し立てた。


虞翻は桓鮮の体術により身体を締めつけられているため、まともに言葉を発する事が出来ず、クィクィッと首を縦に振った。


劉封は桓鮮の視線が警告して来る短剣の所在に気づくとそれを直ぐに取り上げたので、それを確認した桓鮮は一気に拘束を解く。


劉封はそれでも油断する事無く、詳細に身体を調べ上げ、衣から包みから全てくまなく確認した後、身体に改めて縄を打たせて江陵城に護送する事と相成ったのであった。


「૮ ට ·̫ ට აでは今後は案山子に御用心あれ…」


桓鮮はそう宣うと森の中に飛び込むようにその姿を消した。まるで煙に巻かれた様に掻き消えてしまったのである。


「やれやれ…(*`• ᴥ •´).。oO 驚いた奴だな!」


劉封もそう言うほかに言葉を持ち合わせては居なかった。成り行きから買って出たお役目では在ったが、弟の傍には一風変わってはいるものの、並外れた稀な才能を秘めた仲間達がいる。


それは弟が人を見た目で判断せずに、その本質を理解してやり、受け入れてやる。そういった姿勢が在るからなのだと劉封は想った。


常識に囚われ、正道のみを追求する者達にとってはそのふるいから洩れてしまう半端者でも、眼鏡に適えば拾い上げる。そしてその力を余す所無く発揮させてやる。


それが出来る者は少ない。なぜなら皆、自分の倫理や道徳、観念に当てはまらないものは怖いからである。


それが出来るのは、未知のものへの怖さに勝る好奇心が在ったからなのだろう。自分に無いものを持つ者への憧れと言い換えても良い。おそらく弟はこう言うに違いないのだ。


『(∗˃̶ ᵕ ˂̶∗)♡ワクワクするね♪ドキドキしない?』


他人(ひと)はこんな時に必ずと言って良いほど常識に当て嵌めようとするものだ。度量があるとか、(ふところ)が広いとか、器が大きいとか、そんな事を言いたがる。


けれども弟は少し違う気がした。勿論、人材不足を補おうという切羽詰まった気持ちも在るには違いない。そしてそこには、慈愛の心が関係しているだろう事も否定はしない。


でも劉封は想うのだ。これは踊る心で在り、弾む期待。高鳴る好奇心なのだと。そう考えると、全てに於いてここにこそ、その原点が在るのではないかと彼は想ったので在る。


『(ღ٥`• ᴥ •´๑)凡人には所詮、判らぬか…』


そこまで考えたのち劉封は考えるのを辞めた。弟にはどうやら才能の他にも稀有な感性があるのだと感じたからである。


それが無いと判っている自分がこれ以上考えてもせんない事だと想ったのだ。自分は自分の道を行く。それで良いのだと彼は改めて感じたのだった。


「(*`• ᴥ •´)੭ ੈ引き揚げるぞ!」


劉封はそう宣言し、捕縛した虞翻を取り囲んだ近衛と共に一路江陵に帰還する。


その背後では虞翻の上げた狼煙の白煙が、まだその勢いのままに立ち上り、空高く揺蕩(たゆた)っていた。けれども心なしかその様子は(むな)しく映った。




「おぃ!狼煙だ。合図の狼煙が上がったぞ♪」


その第一声が誰の者かは定かで無かった。けれども皆が一斉に彼方の空に白煙を認めた。


その瞬間に江東勢力は大いに盛り上がり、喚声を上げる。そして皆がそれぞれの指揮官に視線を移した。引き揚げ時である。


呂蒙が、甘寧が、そして陸遜が皆のその視線を感じた時に、既に心は決まっていた。虞翻は潜入に成功したのだ。そう想っていた。


だから次の行動はもう決まっていたも同然であった。三人はほぼ同時に決断した。


「引き揚げるぞ!鐘を鳴らせ!撤退する♪」


江東勢力はこの合図に一斉に踵を返すと、粛々と撤退した。呂蒙も甘寧も陸遜も引き揚げながらも、いつまでも空に揺蕩(たゆた)う狼煙の白煙を眺めていた。




一方の関羽、趙雲、そして費観と張翼達は、江東勢が粛々と引くのを安堵の表情で見送っていた。


それぞれに緊張しながらも、ひとまずは若君の指示を守り切り、一切、手を出す事無く無事に務めを終えた事に満足していたのである。


「ღ(・・*)いやぁ、伯恭さん御苦労様♪」


「賓伯はんもやღ(。-_-。)♪若の首尾も上手くいっとったらえ~の♡」


「ꉂꉂღ(・・*)大丈夫!いってるさ♪若はその点、間違いが無い。後は任せるだけだ!それよりも我らは自分の足許をしっかりと固めるとしよう♪例の件は今夜も来るんだからね。頼んだよ!」


「ღ(。-_ - 。)うん!大丈夫や♪準備万端でっせ!それよりも賓伯はんは歩隲殿の件も在るやんか?こっちはおいらに任せて専念してくれてえ~んやで♪」


「ღ(・・*)あぁ…そうだな。でも歩隲殿は身許の固い御方だからな!そう簡単には行くまいよ♪それに…」


「ღ(。-_ - 。)…策では嵌めたくない。でっしゃろ?判ってまんがな♪でも打開策は考えな厭きまへんでぇ!」


「ε- ღ(・・*)あぁ…判ってる。そこが問題だな!こればかりは避けられんからな…」


費観も張翼の言いたい事は判っていた。けれどもそう簡単では無い。歩隲の頑なな姿勢は彼にも判るのだ。


彼だって若君から離れて孫権に付けと言われて、はい!そうですかとはいかない。これを覆すのは並大抵の事では無かったのである。


『✧(・・*)まぁ時間はたっぷりとある。焦る必要は無い…今はまだな…』


費観はそう想い彼方の空を見つめた。狼煙の白煙は勢いを失いもう消えかかろうとしていた。




「ღ(´▽`)首尾は如何でした?」


「(* ̄^ ̄)あぁ…上々だな。上手く行った様だ。(くだん)の者はやはり例の仕掛けを通ったらしい!若君の読みはやはり冴えている。伯岐、お前もだ。私の知る限り、そう断言したのはお前達だけだからな♪」


「ꉂꉂ(*´σ▽`*)エヘヘ♪僕のは勘ですけどね!若君はやっぱり凄いや♪」


「(* ̄^ ̄*)そうだな!この私もあんな仕掛けの事はもう忘れ掛けていたものだが…おそらくいつか役立つと踏んでの事だったのだろうな♪」


「ꉂꉂ(*´▽`*)でも本来は通さない為のものでしょう♪子龍殿は選択肢を減らす為に遣ったんですよね?そこを逆手に取る者も凄いけど、そこから来ると当たりをつける若君も凄いや!」


『(* ̄^ ̄٥`)否…それを言うならお前も凄いよ、伯岐!お前もそう読んだのだからな…』


趙雲はそう想い感心していた。そしてそこに新しい伊吹を感じていた。




「殿!御覧下さい♪若です!(* ^ิ౪^ิ)ლ⁾⁾ お~い、若ぁ~♪」


周倉は手を振りながら豪快に笑う。毛むくじゃらな顔をクシャクシャにして、そこには遠慮が無かった。


その言葉に、関羽も馬良もすぐにその指した方角に視線を落とす。砂塵(さじん)を上げた二頭の馬がこちらへと向かって来ていた。


やがて(いなな)きと共に止まった馬からは若君がポンと飛び降りる。


「⁽⁽(ლ´⸝⸝• •⸝⸝)੭⁾⁾ハ~イ♡十点満点〜♪♪久し振りに決まったな!」


北斗ちゃんは満面の笑みでそう言った。笑顔も十点満点である。


余程、嬉しい事があったに違いない。関羽も馬良も周倉も、そう感じていた。


「(*`艸´*)若、どうやら上手くいったようですな♪」


関羽はすぐにそう応じた。後の二人もニコニコ笑っている。


北斗ちゃんは少し照れるように「(∗˃̶ ᵕ ˂̶∗)♡あっ!判る?」と言った。


「そらぁ、判りますよ!(٥`艸´*)੭ ੈ長い付き合いです。儂は若がこんな小さな時から…」


関羽がそこまで告げた時に、横から馬良が相の手を入れた。


「それで虞翻はღ(。◝‿◜。)?」


おそらく話が長くなると感じたのだろう。こちらも長い付き合いである。関羽は自嘲気味にゴホンと咳込み馬良を見やる。


北斗ちゃんはそのやり取りに苦笑しながら、それに答えた。


「うん♪✧ ⁽⁽(•̀ •́๑)(๑•̀ •́)⁾⁾ و✧兄ちゃんが近衛と後から護送して来る。上手くいったよ!桓鮮の見事な勇姿、皆にも見せたかったな♪」


北斗ちゃんは御機嫌なまま、「皆にも苦労をかけたな、お陰で上手く事が運んだ。(๑>؂•̀๑)" 今日は皆が英雄(ヒーロー)だね♪」と皆を気遣う事も忘れなかった。


「そうですな!(*`艸´*)✧我らも良い演習となった。では帰りますかな♪」


関羽はそう言いながら、フワリと若君を拾い上げ、赤兎馬に乗せた。


結果的に関羽に()(かか)えられる形となった北斗ちゃんは、「爺ぃ~Σ(˶‾᷄﹃‾᷅˵)恥ずかしいよ…」と照れまくる。


関羽は、「たまには良いではありませんか?昔を想い出しますな…ꉂꉂ(*`艸´*)」そう言って快活に笑う。こうして大喝采のまま、作戦は無事に幕を閉じた。

【次回】虞翻の真意

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