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攻勢

劉禅と劉封の久方振りの心触れ合うひと時も佳境を迎えんとしていた正にその時、事件は起きた。


それが呼び水となった訳では無かろうが、突然、戸がバタンと開いて白衣を着込んだ男が慌てて飛び込んで来たのである。弎坐だった。


「北斗ちゃん♪ღ(-ω-*٥)-3-3-3 痛み止め有るかな?生憎(あいにく)切らしちゃって!」


日頃まめに薬を()ね、備蓄を切らさない男にしては珍しい。北斗ちゃんは直ぐに暗所の隅を指した。


「あぁ!(*`•o•´)੭ ੈそこにあるから持ってくと良い。あっ!そういえば第二便到着は明朝だったね。受け入れ態勢は万全かい?」


彼はもののついでに手短に済まそうと、さらりと訊ねた。


「あっ!うん、心配ない…、Σ(ღ-ω -〃٥)えっ!え~っ!」


弎坐はちょうど死角になっていたから気づいていなかったが、今さらながらに劉封の存在に気づき、慌てて頭を下げる。


劉封もクスりと笑って会釈を交わす。そして言った。


「ε- (ღ`• ᴥ •´*)公嗣、ここは出入り自由な様だね?これもお前流のやり方かな?」


劉封は特に弎坐を(とが)め立てした訳でも、弟を諭した訳でも無かった。ましてや嫌味という訳でも無い。表情や言葉遣いが如実にそれを物語っている。


この人は元々ボンボンでは無いが、次男坊として比較的のびのび育てられたせいか妙に性格が真っ直ぐであり、物分かりが良かった。それが過日、孟達と判り合う上でも役立ったのだと謂えよう。


「あぁ!兄ちゃん、そうさ♪✧(๐•̆ ᗜ •̆๐)僕は開かれた朝政というものを目指している。それにここ荊州では何が起きても、その都度、臨気応変に対応して行かなけりゃあ手遅れとなる…」


「…(๑>؂•̀๑)" だから出入りは自由さ♪でも礼は尽しているつもりだよ!潘濬に小うるさく言われているからね。おそらく死角に居たせいで、気づかなかったんだろうさ♪」


北斗ちゃんはそう答えた。


「えぇ…|٥•̀ω•́)✧正にその通りでして、はい!」


弎坐も恐縮そうにそう答える。劉封は視線を戸口にやると、「あ、成る程⁽⁽(`• ᴥ •´*)!」と直ぐ様、理解した。


確かに自分だけが死角の位置に居るらしかった。


「(ღ`• ᴥ •´*)ところで第二便とは何かね?」


挨拶次いでに劉封は弎坐に訊ねた。


「あっ!ꉂꉂ(*-ω - *)それはですね、北斗ちゃんが企画した健康診断です。うちは戦乱を生き抜き、走り抜けて来た強者揃いです。病を患っていた者も多く居りましたから、健康診断を進める事で、皆に健康維持とその意識付けをしようという試みなのです…」


「…因みに第一便は丞相、馬超将軍、黄忠将軍、魏延将軍がいらっしゃいました。初の試みでもあり、大勢の研修医師団を受け入れてもいましたから、初回はかなりの時間を要しました。今回二回目が予定を大幅に遅れたのもその(あお)りを受けた影響ですかな?(* -ω -*)੭ ੈ でもお陰様で馬超殿は命を取り止めたのですから、やった甲斐は在ったでしょうね♪」


弎坐は判り易くそう答えた。劉封は『成る程…⁽⁽(`• ᴥ •´*)』といった(てい)である。


弎坐は言うだけ言うと、後は放り出して薬の物色を始めた。彼も診療中、やむを得ず抜け出して来たのだ。


言い方は悪いが、こんな所で油を売っている場合でも無かったのである。北斗ちゃんもそれが判っているから、敢えて引き留めず、するに任せている。


やがて彼は物色を済ませると、物の見事に痛め止めだけを引き抜いて箱に詰めた。


そして「⁽⁽ღ(-ω-*)では♪」と一言残すと引き上げに懸った。


けれども、やおら戸口付近で端と気づいた様に一瞬、こちらを振り向くと、「そうだ!今回予定が変わって王様来るってさ♪ꉂꉂ(-ω -〃٥)ღ⁾⁾ 詳しくは潘濬に聞いて!じゃあね♪」弎坐はそれだけ言うと、矢の様に素っ飛んで行った。


弎坐としてはつい先程、来た伝書鳩の一報をいち早く若君に伝えておこうと気を利かせた訳だが、却って当の本人を動揺させる事になってしまった。


「なっ、何ぃ~Σ( ꒪﹃ ꒪)まじで!」


北斗ちゃんは想わず雄叫びを上げたが、余りにも驚いたせいかその動作(リアクション)は一拍遅れた。最早、弎坐の耳には届いていなかったのである。


劉封は弟が慌てる素振りなど露程も想定しなかったので、想わず「(`・ ᴥ ・´٥)どうした?」と反射的に訊ねた。


すると北斗ちゃんは放心状態からその一言で目覚め、おもむろに兄の方へ視線をやると、胸のつかえを吐き出す様に告げる。


「(٥ •ᗜ•)⁾⁾ 兄ちゃん、父上が荊州に来るそうです…しかも明日の朝…」


その告白に劉封自身もびっくりして、想わぬ反応(リアクション)を示す。


「なっ、何ぃ~=͟͟͞͞(`꒪ ᴥ ꒪´٥)本当か、いったい何しに?」


当然、殊更に言うまでも悪いが、『健康診断をしに…』である。人は驚くと前後不覚に成るものなのであろう。


北斗ちゃんもまだ立て直しが計れない。なぜなら、彼の父・漢中王の予定は最終便になっていた筈であり、まだ当分の間は来る予定にすら無かったからであった。


けれども人は自分より動揺している者を認めると、却って落ち着くものらしい。北斗ちゃんも兄の動揺振りも見て取ると、ようやく自分は動揺から抜けた。


それはまるで突かれた玉が弾き出されるのにも似ていた。


「ハハハッ♪✧(๐•̆ ᗜ •̆๐)そりゃあ、健康診断しにですよ!でも孔明の話では、父上は診察とか大嫌いな筈なんです。だからわざわざ最終便に逃げたらしいのに、どういう風の吹きまわしなのかしらん?」


北斗ちゃんは訳が判らずそう告げるに留めた。


すると劉封はコロコロコロと大いに笑い、「ε- (ღ`• ᴥ •´*)またぞろ気まぐれだろうさ!」と答えた。


劉封は養子となって以来、劉備玄徳との付き合いは長い。これまでも散々ぱらその行動原理には触れて来ている。


その分、養父が突然全てを捨てて逃げに徹する瞬間を何度も見て来た。妻子を放り出して逃げ出した事すらある。


まぁ、仮にもそのうちの一人である弟にはとても面と向かって話す訳にもいかぬだろうから、養父の権威を落とさぬためにも、あっさりと『気まぐれ』と断ずるしか方法が無かったのだった。


まぁ全くの嘘という訳でも無い。劉備玄徳という人は気まぐれな所も多々あったようである。


北斗ちゃんは幼い頃は戦場を走り回る父親とは殆ど接していないし、物心ついた後も頭痛と忘却の繰り返しから、その原因を作った父を可能な限り避けていた。


そして父も益州攻略後も漢中の攻略、(まつりごと)の安定のため、日夜励んでいたから、我が子の事も他人任せで顧みる事も無かったので、若君が必要以上に避けなかったとしても、結果は然程、変わる事も無かった事だろう。


今回の事も推して知るべし。互いに確認し合わなくても、劉禅も劉封もそれぞれ頭の中ではそう想っていたのである。


「(•́⌓•́๑)✧兄ちゃんはどうします?」


不意に弟からそう聞かれた劉封は、不思議そうに訊ね返した。


「✧(ღ`• ᴥ •´*)どうって何を?」


彼はそう口にした瞬間に、自分が何ておマヌケな返事をしたかに直ぐに気づき、頬を朱色に染めた。


「公嗣!Σ(`• ᴥ •´ノ٥)ノまさかお前、この私に明日まで逗留して父を迎えよというつもりではあるまいな!私は上庸の守りを外して来ているという事を忘れないで貰いたい。下手すりゃその…」


劉封はそこまで言って溜め息を漏らす。これではまるで自分が父に会いたくないみたいにも見えるからである。


『(`‾᷄ ᴥ ‾᷅´ ٥)何をそんなにムキになっている。何をそんなに怖れているのだ…』


劉封は自らにそう問う。たまたま偶然、荊州の任命式典に参集を受けた機会と前後して父王が来る事になっただけの事である。


『(`• ᴥ •´ ٥)下手をすれば叱責を受けるのでは無いか…』


彼はいの一番にそういう怖れが頭を(よぎ)った。養子に迎えられ、失敗を許されない立場になった劉封が、誰にも打ち明ける事無くずっと抱え込んで来た傷心(トラウマ)であった。


『ε- (ღ`• ᴥ •´ ٥)やれやれ、克服したつもりだったが、まだそんなつまらぬ事に囚われておるか。私はこの優秀な弟が太子となった時に既に解放されたのだ。だから必要以上にもはや父を怖れる事も無い。全く情けない事よ!久し振りに一同に会す事になった動揺かも知れぬな。この弟にそんな弱音を見せてどうする?』


劉封は兄として弟に恥ずかしい態度を見せまいと、土俵際ギリギリで踏ん張りをみせる。


「あぁ…ε- (ღ`• ᴥ •´ *)判った判った!どうせ端から今日はお前に時間を割くつもりだったんだ。明日、朝一で引き上げても、父上を出迎えても、然して大差無い。この上はお前と一緒にお出迎え致そう。まぁ私も久しくお会いしておらんからな。それも良かろう!」


劉封は覚悟を決めたようにそう告げた。


「それは良かった。(๑ • o•๑)=3 僕も父上とは久し振りなのです。何しろ成都を抜け出し、ここ荊州に来る時にも丞相の下知に従っての事でしたからね。兄上が御一緒下されば、僕も心強い事この上無い。まさに鬼に金棒ってくらいのもんです。あっ!否、これはあくまで例えですけど♪」


北斗ちゃんは兄が同席する事に安堵したのか、つい口が(すべ)る。悪気は無いのだが、おそらくこれは身内に対する甘えであろう。


彼はしばらくずっと肉親と呼べる人とは接して来なかった。この兄とも幼少以来なのであるから、ずっと彼の心の中にしまい込まれていた自我が目覚めたとしても仕方無いのである。


子供は普通、成長に合わせて反抗期を経験して育つ。けれども彼の場合は傍に当たる相手が居なかったのだから、ある意味気の毒な身の上と云えよう。


まぁ、その代わりとして身の周りの世話をして来た女官や宦官の皆様がかなり手酷い目に遇って来たのは先述の通りである。


かくいう弎坐だって、そんな若君に巻き込まれて、荊州に来る事に決まった際は、始めはかなり抵抗したのだから、言わずもがなであった。


『ハッハッハ…✧(ღ`• ᴥ •´٥)金棒ねぇ。まぁ今の弟の金棒なら、大変名誉な事だけどな!』


劉封は苦笑いするに止めて、言葉を返す。


「ウホッホン♪…(*`• ᴥ •´)੭ ੈ公嗣、今のお前の金棒ならばとても名誉な事だと想う。だが私はそんな玉では無いな。私は残念ながら己という者を良く知っておる…」


「…⁽⁽ღ( *`• ᴥ •´*)今はまだその域に在らずさ!だが将来的にと言われれば、また話は別だ。私も捨てたもんでは無い。きっとこれから切磋琢磨する事になる。その中で己を磨き、必ずお前の力になってやれる筈だ…」


「…ꉂꉂ(`• ᴥ •´*)少なくとも私はそのつもりでいる。お前は先程話してくれた楼琬というお前の師と約束したのだろう?将来、もっと高見で互いに再会しようと!私もだからお前に伝えておく…」


「…(*`• ᴥ •´)੭ ੈ互いに己を高め合い、依り良き協力関係を築こうとな♪お前はこの先もっともっと力をつけ、大勢の民を救える心優しき鬼と成れ!私はそのお前に相応しい立派な金棒にきっと成るさ♪…」


「…✧(`• ᴥ •´*)さすれば我らに怖い物無し!この荊州に劉兄弟ここに在り♪そう伝えられる本物の男に成ろうではないか?今はまだ偉そうに聞こえるかも知れないが、(いず)れきっとそうなる…」


「…ღ(`• ᴥ •´*)そのくらいの気概を持って進まねば、せっかく男として生まれてきた甲斐が無い。明日は兄弟揃って父上をお出迎えするぞ!父上もきっと喜んで下さる事だろうさ♪」


劉封は一気呵成にそう告げると、満面の笑みを浮かべた。その表情にはそれだけの覚悟が感じられたのである。


北斗ちゃんは兄の肝を据えた姿勢を酌むと途端に嬉しくなってワクワクして来た。だから直ぐにそれに応えた。


「うん♪(๑•̀ - •́)و✧判ったよ、兄ちゃん!僕も負けない。必ず今回の河川事業を通して、ひと廻りもふた廻りも大きな男になってみせるさ♪そのためには一にも二にもまずは実践だね!一度口に出した事は僕も男だ。立派にやり抜いてみせるよ♪…」


「…(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈ皆の心の角がとれて、笑って暮せる世の中にきっとしてみせるさ!何しろ僕にはたくさんの理解者が居る。兄ちゃんもそう在ってくれて僕は嬉しい。魏王陛下の子らのように、いがみ合い跡目争いをする者達も居るのに、兄弟仲睦まじく居られる僕らは幸せだ…」


「…ꉂꉂ(,,ºΔº,,*)先程、兄ちゃんは話してくれたね。(いさか)いは1+1にも為らず。その代わり、互いに協力すれば倍以上の力が発揮されるってね?僕は話しを聞いていて、それを頭に自然と描いていたんだ!一致団結こそ僕らの強みさ。それを忘れずこれからも僕達は邁進(まいしん)あるのみ、だね♪」


北斗ちゃんもそう呼応する。


「ハッハッハ♪(*`• ᴥ •´٥)ღ⁾⁾ こりゃあ、一本取られたな!そうだ、正にその通り。ついでに言っておくとだ、公嗣!お前の旗の許にはお前を支持する大勢の者が(つど)っている。その者達の力の結集は伊達では無い…」


「…(*`• ᴥ •´)੭ ੈ必ず大きな爆発力となる事だろう。その繋がりを掛け合わせたらいったいどうなるんだろうな?私には及びもつかないが、愉しみな事だな!」


劉封は感心したようにそう述べた。こんな事を弟に言うのは蛇足に他無らない。それは彼も判っていた。


判っていたが、それでも言わずにはいられなかったのだ。力の結集は謂わば化学変化なのである。


一人の者が持ち込んだ影響力が他の者に伝染し、士気が高まる事がある。もし仮にここに集う者達がそれぞれ影響し合えば、いったいどんな爆発力となるのだろうか。


タラレバな事だが、劉封は考えずにはいられなかった。なぜなら、この弟に皆、影響を受けて心服し、それぞれが同じ目的のために、同じ方向を向き前進しているのである。


そう考えれば、掛け合わない訳が無かった。少なくとも彼はそう信じていたのであり、自分もその一人で在りたいと強く心に念じていたかったのだ。


北斗ちゃんも兄の心の内を悟り、嬉しかった。良き理解者とは、そうそう得られるものじゃない。にも拘わらず、彼の周りには多くの者が(つど)って励んでくれている。


そう考えれば、自分は何て幸せ者だろう、そう想えてならなかったのだ。そして今、そこに兄が加わってくれたのだ。これ以上の喜びが在ろうか。


北斗ちゃんは嬉しさからドキドキが止まらなかった。そして劉封もワクワクしていた。二人は自然と見つめ合う。互いに心を決めた瞬間だった。




そんな時に再び静寂は破られる。今度は田穂が慌てて駆け込んで来たのである。


彼は弎坐とは違い、予め劉封の存在は知っていたらしく、直ぐに(かしこ)まると、報告に入った。


「閣下!(*`ᗜ´٥)੭ ੈ並びに都督殿、緊急事態です。大将軍が緊急招集をかけました。皆、朝政の間に集まりつつあります。至急、お越し下さい!」


田穂は慣れない言葉に、辿(たどたど)々しく成らぬように必死の形相である。どんなに緊急でも彼がここまで真険な表情に成った事など今まで無かった。


勿論、余裕のヨッちゃんという訳では無く、努めて冷静に行動して来たからである。それは死線を(くぐ)り抜ける上で、感情的に成らぬためだった。


彼は心の根底にそれを据えて来たからこそ、今でもこうして死なずに居るのだ。だから今回の事態というよりも、口上を述べる事の難しさに戸惑っていたというべきだろう。


北斗ちゃんもそれは直ぐに理解した。それはそうだろう。明らかにいつもの彼の調子では無かったからである。


けれども劉封は初対面だから、そんな事は関知してはいなかった。だから彼はすぐに反応した。


「(*`• ᴥ •´)੭ ੈ何があった?」


そう問うたのである。するとそれに反応したかの如く、北斗ちゃんはボソっと呟いた。


「呉がまたぞろ仕掛けて来た…( ๑˙﹃˙๑)✧そんなところでしょう!やれやれ凝りない事だな。田穂、そうでしょう?」


すると、これには田穂もやや驚くように、「閣下の仰る通りですΣ(٥`⌓´ღ٥)!」とすぐに応えた。弟の落ち着き振りといい、田穂という者の所作といい、日常会話のような平静なやり取りに劉封はたまげた。


これはどう考えても驚くとこである。『この二人の平穏さはいったい何だ…(`‾᷄ ᴥ ‾᷅´ ٥)』そう彼が感じたとしてもやむを得ぬ事であった。


劉封の視線は想わず二人の顔を行き来した。すると北斗ちゃんは吐息を漏らし口を開く。


「(๑*´° ᗜ °๑)੭ ੈ✧兄ちゃん、そんなに驚く程の事ではありませんよ。呂蒙殿が江夏に戻って来たのです。彼はボォ~っと大都督の席を温めるために居るのじゃありません。戻って来た時から何かを仕掛けるつもりなのだという事は、承知の上でした…」


「…(๑•́⌓•́).。oO どうやら僕の仕掛けは見事に外れたようですね!でも安心して下さい。彼らは決して攻め込んでは来ないでしょう。たぶん誘導だと僕は見ています…」


北斗ちゃんはそう断言した。


「なぜそうと言い切れる。彼らは復興を果たしたのだろう?ならば…✧ღ(`• ᴥ •´ ٥)」


劉封がそう疑問を呈すると、北斗ちゃんはすぐに反応を示した。


「兄ちゃん…(•́⌓•́๑)✧呉は復興を果たしたといっても、まだそれは都・建業の機能が回復したに過ぎません。元々彼らは我々よりも多くの兵を抱えており、絶対値では今も優勢ではあります…」


「…(*'◇'*)".。oO けれども孫権殿は先頃、富国強兵の勅書を出したそうです。僕はこの勅書には、おそらく呂蒙殿の御意向も強く働いたのだと考えました...」


すると今度は劉封が反応する。


「(٥*`• ᴥ •´)੭ ੈだとしたら、仕掛けて来る筈が無い。(いくさ)とは小競り合いでも時に大きな戦いに変異するものだ。戦う気が端から無いなら、どうしてわざわざそんな危険を(おか)す必要が在るのだ?」


(いくさ)にかけては劉封にも一日の長があるから、これは正論だった。でもそれでも彼は揺るがない。再びスラスラとそれに答えた。


「あぁ!(´°ᗜ°)✧それなら簡単に答えられます。魏領内にいる趙累殿の手の者に見張らせているのです。今回の事もそこいら辺りからの情報かも知れませんね…」


「…要は彼らはけして一枚岩では無かったという事です。呂蒙殿は今回、陸遜に加えてあの虜翻も呼び寄せています。そして彼らが復興に着手している間、江夏郡を守って来た甘寧将軍も、ここに加わった事でしょう…」


「…✧(๐•̆ ᗜ •̆๐)一枚岩を死守したい呂蒙殿が妥協案を呑んだとしても不思議じゃありません。それに今回の件が誰の仕掛けかも僕は判った気がしました♪」


北斗ちゃんはニコりと微笑むと、「さあ、皆が待っています。(๑>؂•̀๑)" 急ぎましょう♪」と言った。

【次回】堅守

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