百戦危うからず
呉は先頃、復興の目途が立ち、戒厳令を解除した事で人の往来が再び始まっていた。都・建業を中心とした行政機能は完全に回復したといって良い。
けれどもそれが国内全体に行き渡っているかというとそうでも無かった。国の隅々まで完全復興を遂げるにはまだ時間が掛かりそうだった。
朝政の場で孫権は富国強兵に着守する事を宣言した。それと同時並行でインフラ整備の行き届いていない地方の整備にも手を入れ、本当の意味での完全復興を果たすように諸官に命じた。
そんな中、江東に戻っていた呂蒙も遂に動き出す。
本来的に魏や蜀と対峙する事になる大都督は、歴代荊州の江夏に拠点を置く。周瑜然り、魯肅然りである。
その後を継いだ呂蒙も御多分に漏れず、江夏に拠点を置いていたが、挙国一致の号令の許、都・建業に拠点を移し、長きに渡り復興に務めて来たのだった。
これでようやく元の鞘に収まった事になる。彼を出迎えてくれたのは甘寧であった。
この老将は元々江夏を支配していた黄祖の配下だった男だが、故あって江東に降った。まだ劉表が健在の頃の事である。
「⁽⁽(•'ᗜ'• *)興覇殿、留守中ご苦労だった。今日からまた宜しく頼む。何かあるかね?」
呂蒙は甘寧を労った。
「(꒰*Φ艸҂*꒱)大都督、儂は何にもしてやしません。毎日只ひたすらに内外に目を光らせていただけ。面目無い事です!」
甘寧は如何にも恐縮で在ると謂わんばかりにそう告げた。
彼は自分はまだまだやれると自負していたが、孫権から年齢を理由に"集うに能わず"と江東への帰還を免除され、そのまま江夏に駐留して居たのだった。
「ꉂꉂ(•'ᗜ'• *)ハッハッハ♪興覇殿は我が君の御言葉を誤解されておられる。あれは我が君の本意に在らず。お気になさるな!」
呂蒙はすぐにその意を理解し、甘寧に配慮を示した。
甘寧も元々この呂蒙という男が嫌いでは無い。今でこそ学を修めた切れる男であるが、元を質せば自分と同じ武力一辺倒の男であった。
歳は離れているが、むしろ好感すら持っていたから喜んで彼の命に従って来たのである。けれどもその呂蒙の口から誤解だと言われては彼も立つ瀬が無かった。
率先して復興に従事し、その辣腕を奮った者と後に取り残された者の温度差は日々募る。そしてそれはやがて憤懣となって表れる。
彼も歴戦の強者であるから、その辺りの感情の抑制が出来ぬ訳でも無かった。大都督が復興に目途をつけてお戻りになると判っていたから、わざわざ出迎えにも出たのだ。
そしてその際に国に貢献して凱施される大都督に感謝の意を示し、温かく受け入れるつもりだった。自分の不満をぶつける気など元々更々無かったのである。
けれども結果的に彼は激昂する。主君への不満をそもそも大都督にぶつけるのはお門違いで在ろう。
そんな事は彼だって判ってはいたが、勲功一番の男に然も判ったような口を叩れた事が却って彼の矜持を刺激したのだ。
「誤解?✧(*Φ艸 ҂ *꒱)誤解ですと!いったいどこが誤解です?儂は先代・孫策様の代から仕えて来た。なのにあの若憎はこの儂を老体呼ばわりして、"集うに能わず"とぬかしよった…」
「大都督!(꒰*Φ艸҂*)੭ ੈ 儂は自分の立場は重々承知しとります。けれどもこれほど悔られ、その挙句、誤解で片付けられては立つ瀬が無い。その真意をご説明願いたい。ご返答は如何に?」
甘寧は呂蒙に詰め寄った。
「ღ(•'ᗜ'• ٥ღ)落ち着かれよ興覇殿!言葉足らずの私が悪かった。この通り謝る。ちゃんと説明致す、冷静に願いたい!」
呂蒙は頭を下げた。
彼は大都督。それに引き替え甘寧は歴戦の猛者とはいえ、いち将軍に過ぎない。肩書きがあるとすれば、一時的に江夏を預けるにあたり鎮北将軍を拝名した程度のものであった。
これが仮に周瑜の時代であれば大変である。
「(*゜ε´*)誰に向かって言っとるか!!」とそれだけで激怒の対象になる。問責程度で済めば良いが、下手をすれば良くて棒叩き、最悪は斬首である。
戦時真っ只中であった赤壁の戦いでは敵を欺くためとはいえ、黄蓋が周瑜に公然と逆らい、棒叩きの刑を命ぜられている。
棒叩きとは、公衆の面前で腹這いに寝かされ、手や足を拘束された上で、頑丈な堅い木材で思い切り叩かれるのである。当然ながら皮膚は破れ血が出る。
それを容赦無く、何十回と打ち据えるのである。破けた皮膚の上からさらに打ちつけるのだから、筋肉も損傷を受ける。
打たれる本人は死んだ方がマシだと想う事だろう。見ている者だって目を叛けたくなる程の修羅場である。
大の男ですら悲鳴を上げ続け、やがては気を失う。水をぶっかけられて意識を取り戻すと再び刑は繰り返される。
決められた回数に到達しない限り、解放される事は無い。打ち所が悪ければ死に至る事もあるのだ。
体中紫色に腫れ上がり、打ち身、捻挫、骨折などで当面起き上がる事は出来ないで在ろう。最悪、半身不随となる事も在ったのだ。
反抗的言動や命令不服従とはこれ程のリスクを伴うものだから、まさに命賭けだったのである。呂蒙は赤壁の戦いの時にはまだ地方のいち武官だったが、この戦いの後、周瑜が江夏に駐屯して以降は若手のホープとして彼の下に配属された。
だから、周瑜や前任者である魯粛のやり方には傍で触れて来た。そして彼のやり方はその周瑜を反面教師として、魯粛の冷静な対処の仕方を踏襲していた。
周瑜が激情型とするならば、魯粛は元々は徐州の一豪族の出身であり、財産家の家系の血を引いているせいか、落ち着きがあり、かつ現実的である。
沈着冷静に物事を捉える事が出来たという事なのだろう。かつて呂蒙はこの点について魯粛に訊ねた事があった。
「(•'ᗜ'• *)貴方は他人が侮る事に対して然程も怒気を表す事が無い。辱しめを受けたとは想われないのですか?」
すると魯粛はフフンと笑い飛ばしてこう答えた 。
「(*´人`*)人は自分に自信を持っていれば、他人の謗りなど意に介さぬものだ。世の中には価直の判る者と判らぬ者が居り、判らぬ者は、たとえ目の前に宝がドンと置いてあってもその価直が判らぬから気づかない…」
「…人も同じであり、見た目に惑わされて目が曇っているからこそ、儂の前で平気でキャンキャン吠える事になる。儂はそれが判っているから気にしない。わざわざ相手に言い返す事も無い訳だ…」
「…勿論、この儂は若い頃から様々な経験をし、実地で色んな事に取り組んでは検証を繰り返して来た。時には人にキ印と蔑まれ様とも意に介さなかった。儂は人一倍学びと経験を積んで来て居る…」
「…それが儂の自信の源であり、中身がしっかりと詰まっているから揺がない。但し、自惚れは如何ぞ!確固足る努力の上に立っているからこその自負が在るのだ。だから怒る事など無いな!むしろ相手の見識が足りない事を憂うのみだ…」
「…判ったかね?人は痛い所を突かれたと思うからこそ腹も立つのだ。そして無知だからこそ怒りも沸く。まぁ儂に言えるのはそんな所だろう。何だい?お前さんもそう成りたいのかね?」
魯粛が然も珍しい物を見るように、私の顔をシゲシゲと覗き込んで来たのを今でも覚えている。
「えぇ…⁽⁽(٥•'ᗜ'• *)まぁ。貴方の半分…否、そのまた半分でもこの私に自信が持てればどんなにか素晴しい事かと想ったのです。この私でも間に合うでしょうか?」
それを聞いた魯粛はこう答えた。
「(*´人`*)੭ ੈこの世に生を受けて、間に合わぬ事など無いさ!大方の者が時を無駄にしている事に気づかないだけだ!それは目標を持てないからに他為らない。己の覚悟さえ在れば出来ぬ事など無いよ♪」
「判りました!⁽⁽(*•'ᗜ'• *)では私も目標を定め、覚悟を決めて打ち込む事にします!」
私のその気迫が伝わったのか、それは今でも判らない。けれども魯粛はこう応えた。
「いい覚悟だ!(*´人`*)⁾⁾ その気持ちを忘れぬ限り、お前さんはやり遂げる事が出来るだろう。そんなお前にこの儂からその先駆けとして助言を与える。良く聞いて忘れぬ事だ。良いな!」
「はい、有り難く!⁽⁽(*•'ᗜ'• ٥)」
私は真剣に耳を傾ける。一言も漏らさぬ様に集中する。
「(*´人`*)੭ ੈ相手を知り己を知れば百戦危うからずだ!これは御主も知っての通り、孫子の言葉だ!ただ皆、誤解しておるが、相手の事を知る事も大事に為るが、その前に己の事をしっかりと知る事がむしろ大事なのだ…」
「…これは皆こう言う。そんな事は重々承知とな!だがこれが落とし穴だ。意外と感じるかも知れないが、己の事を一番判っていない者が多すぎる。なぜだと想う?」
魯粛殿は私に問い掛ける。
『なぜだろう(*`•o•´)?』
私はふと考え込んでしまった。すると魯粛殿はフフンと笑って言葉を継ぐ。
「(*•́人•́*)✧御主は己をどんな人だと想う?人柄は?性格は?冷静かな、感情的かな?心の強さは?忍耐強いか、それとも我慢が利かぬか?要は己を知るという事は自分の現在の立ち位置を知るだけに非ず。己の内面を知るという事なのだ…」
「…そしてより具体的に例を挙げて己に問うてみる事だろうな。こんな時には自分為らばどうする?、とね。それは客観的に自己を見つめる事だ。その繰り返しだろうな。なぜなら、人は経験を積み成長すると共にその考え方に変化が表れる…」
「…つまり己を知るという事は意外に難しい事なのだ。常に自分に問い掛ける必要が在るだろうな!そうすれば己の成長にも気づく事が出来るし、その日の自分の心身状態も把握出来よう…」
「…割りと他人の事は冷静に分析する事が出来る者でも、自分というのを冷静に見極めるのはなかなか難しいもの。客観的に己を分析するというのは意外に難易度が高いのだよ。なぜなら人という者には感情があり、己の主観が客観視する事を阻害するからだ…」
「…その顕著な例のひとつが自分に甘くなる事だろう。勿論、それが判っている者はそれを矯正しようと己を律する訳さ。研鑽を積みたまえ、さすれば己を理解すると共に成長にも繋がる事だろう!」
魯粛はそう言って笑った。まさに目から鱗である。私はすぐにコクりと頷く。
「判りました。⁽⁽(*•'ᗜ'• ٥)肝に命じます。成る程、主観が邪魔をするというのは仰る通りでしょう。暗闇に一条の光が射した心持ちです。他には何か在りますか?」
私は素直にそう口にした。魯粛は「ꉂꉂ(*°人°*)良いぞ、良いぞ♪」と言って言葉を継ぐ。
「|'人'*)".。oO時に今まで述べた事は理解したかね?」
私は簡潔に答える。
「⁽⁽(*•'ᗜ'• *)感情に流されず、己を磨き、自己を確立する事ですかな?」
「宜しい。⁽⁽(*´人`*)ではこれで最後だ!儂は先程、決して感情的に為るなと申したが、これは時と場合にも依るな♪」
魯粛殿はサラリとそう言ってのけた。
「はい?Σ( ꒪'﹃' ꒪ )」
私は想わずそう叫び仰け反りそうになる。手の平を返すとはまさにこの事である。
そもそも怒りに身を委ねる事は己に自信の無い証であると冒頭に述べたのは彼自身で在ろう。それをいともアッサリと覆したのでは今までの話でさえ、信憑性が怪しくなるというものだ。
私は『(٥ ꒪'⌓'꒪)どの口が言う?』と呆れていたが、ひょっとすると奥の深い話に化けるかもと想い、姿勢を正して聴く事にした。なぜなら彼の伝えたい事はもしかするとこれからがその核心かも知れないからである。
つまり今まではその前振りであり、核心に触れるにあたり、どうしてもその前提を理解する必要が在ったとしたらどうであろう。彼は今までの物言いを真っ向から否定している訳では無い。
時と場合に依ると言っただけである。そこには何かしらの条件めいた臭いが感じられる気がしたのだ。
「⁽⁽(٥•'ᗜ'• *)謹んで拝聴致しましょう♪」
私は腹を括ってそう答えた。
『ホォ~(*•́人•́*).。oOこちらの意図を見抜きおったか…見込みはあると踏んでいたが、予想を超えて来た様だな!こりゃあ頼もしいな…』
魯粛は舌を巻いた。呂蒙はやはり眼鏡に適う男であった、そう想った彼は愉しさが込み上げて来る。
「(*´人`*)੭ ੈ儂は自信があるから揺るがない、そう申したのは偽りでは無い。けして感情的に為らず、理性的に物事を捉えて対処する。これは大事な事だ。だが世の中は広い。そして人も千差万別。色々な奴が居る…」
「…普通に話す事が出来る者はこの限りでは無いし、感情的に突っ掛かる者もこちらが平静であれば怖くない。だかな、この広い世の中には、全てを理解した上で、こちらを怒らそうと敢えて揺さ振りをかけて来る者が居る…」
「…中にはその感情に圧力をかけて来る者さえいる。そういった悪意のある者達に理不尽な振舞いを許してしまえば、こちらのせっかくの努力も一瞬にして水泡に期する。善悪を推し量る事も大事な事だが、自分の許容出来る一線というものを必ず敷き、心の中で念じて揺るがない事が大切で在ろう…」
「…一線とは己の揺るがない胸の内を推し量り、己の許容する範囲を決して超えない境界線の事だ。こちらの感情を揺さ振ろうとするのは、感情的にさせる事で己の優位性を保ち、有利に事を推し計るためである…」
「…つまり相手は到って冷静な訳だ。依ってこの場合、感情的になった時点でこちらの負けという事になるな。その辺りの事を重々念頭に入れて、準備し臨む事だな。判ったかね?」
魯粛はニコやかに微笑むと呂蒙を見つめた。
「仰る通りでしょう。⁽⁽(*•'ᗜ'• ٥)不誠実な相手には断固とした姿勢を貫き、怒らねばなりません。けれどもその時にその感情に流される事無く、冷静に理性的に対処せよ、という事ですね!確かに…」
「…(٥ •'ᗜ'•*)੭ ੈ厚い靄の中に光明を見た気がします。まずは揺るがない強い意志を育てます。大都督は謂わば最前線の砦です。折れる事の無い強い心と理性的に対処出来る揺るぎの無い姿勢が大事なのですね!肝に命じます…」
呂蒙はそう言って拝礼し感謝の意を表わした。魯粛は満足そうに頷く。魯粛が次の大都督に呂蒙を推挙しようと決めた瞬間であった。
呂蒙は冷静にかつ相手への尊意を失わぬように頭を下げた。自然と頭が垂れたのは、彼の強い心とその姿勢ゆえである。
彼は本心からこの甘寧という男を尊敬している。だから彼は侮りを受けたとしても、まるで気にしていない。
相手は自分が物心着く前からこの江東のために命を張って来た男なのである。だからこそ自然と頭を垂れる事が出来たのだった。
甘寧も一時的に憤ったものの、数多の戦場を駆け抜け、大きな戦果を上げて来た武将である。大都督が頭を下げるという事がどれ程の事かをすぐに察した。
「(꒰*Φ艸҂*)⁾⁾ 受け賜りましょう♪」
甘寧も拝礼し姿勢を正した。呂蒙はコクりと頷くと、口を開く。
「(* •'ᗜ'•*)੭ ੈ実はな、興覇殿!御主を最前線に留め置いたのは、この呂蒙の望みであり、我が君に進言したのもこの私です。何ゆえか?それは貴方しかここを死守出来ぬとこの私が判断したからでした。誤解とはそういう事です。私が貴方をここに残すための方便だったのです!」
呂蒙はそう言って再び頭を下げた。甘寧は驚くように目を見張った。そして慌ててその頭を上げさせる。
「Σ(*Φ艸 ҂ ٥꒱)大都督、貴方の深い心を知らず、儂はとんだ事を。でも、それなら正直にそう言って下されば良かったものを!なぜこんな回りくどい方法を取ったのですか?」
甘寧は翻意しながらも、そう訊ねた。それは自然の流れであり、くどく問うたものでは無かった。
呂蒙もその問いが当然なのは承知している。だからすぐにそれに応えた。
「⁽⁽(•'ᗜ'• *)貴方の疑問はもっともだ。この点に関しては説明が必要だろう。実はな、ここの候補には、貴方のほかに朱然殿、藩章殿も名が挙がっていた。話しがややこしくなるから誰が誰を推挙したとか、そういう火種の許になる話は省略しよう。ではなぜ貴方を推したかと言うとな、絶対的な経験値の差とその地の利ゆえだ…」
「……(* •'ᗜ'•*)੭ ੈ貴方は歴戦の強者だし、元々荊州を知り尽した御方。そして海戦にも陸戦にも強く、少数で多勢に当たる壺を心得ている。そして実戦に於いて、臨機応変が利く。無論、朱然や藩章が悪いというのでは無い。それは貴方も同意しよう?」
甘寧はコクりと頷く。
「ꉂꉂ(•'ᗜ'• *)結果、推し通るには二人を納得させ、貴方に白羽の矢が立つように仕向ける必要があったのだ。だから、この私は経験値と地の利の大きさを説くと共に、然り気無く年功序列を説いた。我が君とは既に事前の打合せは済んでおり、"年輩者ゆえに集うに能わず"と言わせたのはこの私だ…」
「…(ღ•'ᗜ'• *)勿論、一部失笑を漏らす者も居たが、そういった輩はどの集団にも必ず居るもの。気にする必要すら無いが、その馬鹿な連中の効果音がこの場合には都合が良かった。朱然と藩章は笑っていなかった…」
「…ꉂꉂ(•'ᗜ'• *)貴方の名が出た時点で、もっともだと感じていた様だ。朱然は復興に尽力する旨宣言し、興覇殿なら安心して任せられると宣った。そして藩章もそれに同意していた。これで我が策は成った…」
「…ついでに付け加えておくとな、興覇殿!貴方の性格上、必ず反骨心で見返してやると、負けん気を起こす事すら期待していたのだよ!何しろ、祖国は戒厳令を敷くのだからな。貴方のやる気と判断に懸っていたのだ。(* •'ᗜ'•*)੭ ੈそう言う事だ。許せよ♪」
呂蒙はそう言って甘寧の肩を抱くように引き寄せ、「(ღ•'ᗜ'• *)⁾⁾ 君のお陰で事無きを得た。有り難う♪」そう耳許に呟いた。
「(꒰*Φ艸҂*)⁾⁾ 感謝致します♪」
甘寧もそう応えた。
もはや何の蟠りもそこには無く、二人は再び固い握手を交わす。甘寧は揺るがないその信頼に感無量で在った。
そして国のために私情を捨て邁進した己に対しても、誇らしげに胸を張った。
【次回】常識の限界




