遠雷
「(* ˘͈ ᵕ ˘͈ )੭ ੈこれで安心です。私もそろそろ帰国の途に着こうかと想っています…」
孔明は満足げな瞳で三人を眺めた。三人とも突然の事で目を丸くしているが、健康診断もその結果は既に出ており、華佗先生の許可も出ている事からもはや時間の問題で在る事は承知していた。
但し突如発生した魏王の問題もあり、丞相の判断が問われる側面も在ったから、この状況下で孔明がどう身を処すつもりなのかは、彼らにとっても不透明だったのである。
ところが暗に反して諸葛亮は自ら撤収を宣言したのだから、三人ともこの反応を少々の驚きを持って迎えた。
「えっ?(٥ •ᗜ•)…」
北斗ちゃんも想わず唸る。
「フフフッ♪✧(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)何を焦る事が在るのです?諸事万端整っているでは在りませんか♪そもそも貴方達はその方針の報告と了承を求めて来たのでしょう?先程、それは承知したでは在りませんか♪後は皆で一致協力し、この苦境を乗り切るだけの事では無いのですか?…」
「…⁽⁽❁ღ( ˘͈ ᵕ ˘͈ *)ここ荊州の問題は若君!貴方に任せると我が君も仰せになっています。それに私の助言も既に与えました。魏王に死なれては困ります。魏国との太いパイプを構築しながら、今は我々の目的である河川事業を進める事です。何か問題でも在りますか?」
孔明は何を今さらとほくそ笑んだ。その瞳はいつの間にか冷静そのもので、落ち着いた物腰で皆を諭す。
それは三人への祝福で在ると共に信頼の証でも在った。彼はこの荊州に戻って来てからというもの、その士気の高さに驚いていた。
皆がそれぞれ自己を確立しており、自分で最善の道を探しながらも、けして個々がバラバラに動いている訳では無い。絶えず連携を意識しながら、ひとつの目的に向かって皆が同じ方向を目指しているのである。
孔明はなぜこんなにも皆の表情が光輝いているのか不思議でならなかった。しかしながら、この荊州で過ごす間に、それが少しずつ判って来た。
上に立つ者がただ指示を出して従わせる訳では無く、日頃から下の者にも目的意識を持たせているのだ。そしてその運用が若君の示した方向性によるものだと判ってからは、その士気の高さにも納得したのである。
それこそがまさに潘濬が先程説明した事柄であったのだ。『個々が考えて動く自由』である。
誰だって指示に従うだけではつまらないし、やらされている感が拭えない。しかしながら、自分で考え動く自由が認められていれば、只やらされている訳では無くなるし、やり甲斐も出来る。
但し、従うだけの楽さから、自分で考え行動する難しさは必ずといって良い程、生まれて来る。おそらく初めは皆、どうしたら良いのか判らず困ったはずである。
ところが日常の中で、その難しさが少しずつ解消され始めると、今度は愉しみが増え、面白さが加速して行く。そうなって来るとしめたものである。
けれども内実はおそらくそんなに簡単な事では無かった筈であり、苦労もあった事だろう。しかしながら、その表情の輝きがその苦労を脱脚した事を物語っているのだ。
なぜなら皆、ワクワクしているのが伝わって来るのだから…。
彼は既にたくさんのワクワク感を眺めて感じ入っていたから、ここは若君を中心とした荊州総督府に委ねて良かろうと決意したのである。
少し戸惑いはあったものの、北斗ちゃんも覚悟を決めた。否、覚悟は当に出来ていたが、改めて身が引き締まる想いを感じていたのである。
「否…⁽⁽ღ(๐•̆ ᗜ •̆๐)後の事はご心配無く!皆で一致団結し、必ずやこの苦境を乗り切ってみせます♪丞相を長らくお引き留めしてすみません。数々の御配慮に感謝致します!」
若君の堂々としたその姿勢に、孔明もにこやかに頷く。目的に向かって再び動き始めた若君の意志に呼応するように、潘濬も劉巴も改めてそれぞれの役割を全うする事を心に誓っていた。
孔明は最後に一言、述べた。
「その意気や良しです。(* ˘͈ ᵕ ˘͈ )੭❁ ੈ⁾⁾ 必ず達成出来ると私は信じています。そのためにも本国の協力体制をしっかりと構築しなくてはなりません♪私の今後の目的はそこにあります。それにここに来てこの私にも学びが在りました。"個々が考えて動く自由"ですか…」
「…✧(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)我々には及びもつかない発想ですが、本国でも徐々に取り組ませてみるのも面白いかも知れません。皆、慌てふためくのが手に取るように判りますが、眺めていてそれも愉快かも知れません!」
これは勿論、孔明特有の冗談なのだが、悪戯っ子のようなその瞳が新たな旋風を巻き起こそうとしている事は明らかであった。
潘濬も劉巴も想わず苦笑する。特に劉巴は成都に仕える者たちの現状を詳しく把握していたから尚更であった。
『やれやれ…(o٥'д'o).。oO これは大変な事になるかも知れないな!』
そう切実に想うと同時に、そうしなければ成らない現状を憂いてもいたのである。北斗ちゃんも規模の違う本国に於いて、荊州と同じ事が出来るのかどうかには確信は持てなかった。
けれども丞相はこの荊州の現状を検分した上で、それを認めて導入する気持ちを固めたのだから、必ずやり抜くに違いないと感じていた。
こうして諸葛亮の後ろ盾を得る事になった北斗ちゃん主従は、当面の難局を乗り切るべく再始動する事となったのである。
「ꉂꉂ(`艸´*)何とか上手く行ったようだな?」
関羽はそう言うと曹仁の労をねぎらった。
「あぁ…(* ー̀ᗜー́ )੭⁾⁾ あちらは当面、文遠に任せておけば安心だろう。だが頼まれた方は想いの外、大変なのはこの儂も重々承知している。何しろ問題を押しつけられた結果として、この儂も過去に幾度も東奔西走しているからな!口で言う程、簡単では無いのだが、奴が臨気応変に動ける事は、この際大きい…」
「…それに楽進だが、あいつは元々背が低く身体も小さいから、とても将軍に成れる器では無い筈だったのに、その行動力と知力を駆使して大王の眼境に適った男だ。おそらく文遠の力となってくれよう…」
「…そして司馬懿だが、奴とは実際に付き合ってみて、始めてその能力の高さに驚かされている。指示した事を的確にやるだけでなく、些細な機微も心得ている。そして些かの疎漏も無い。小憎らしい程、優れた男だよ♪儂がこの中の誰かひとりを敵に回すとしたら、仲達だけは避けたい所だな!」
曹仁は当初懸念していた程、張遼の説得に難航しなかった事で少し気を良くしていた。彼がこれ程までに饒舌となるのも珍しい事なのだ。関羽も秦縁もそれは承知していたから、少々驚いている。
関羽も軍師と呼ばれる者には些か敬愛の念は抱いていたが、魏王配下の者は如何にも小粒揃いと余り評価はしていなかった。そもそも腕に覚えがある者ほど、策を巡らすなど小賢しいと馬鹿にしているものなのだ。
関羽は徐庶や諸葛亮でさえ、当初は信用しておらず、その実力を実地で見て始めて認めた程である。但し、今現在の彼の認識は少々異なる。
若君の"閃き"に何度も救われた身としては、十分過ぎる程にその効果は覿面で在ったと言えよう。だから旧知の間柄である曹仁が司馬懿を表した実力が本物である事は如実に感じ取る事が出来たと言うべきだろう。
「(*٥`艸´)✧そいつは末恐ろしい事だな!儂も覚えておく事にしよう♪」
関羽は素直にそう言ったまでだが、曹仁はそんな関羽を訝しげに眺めていた。すると、ここで秦縁が口を開く。
「⁽⁽(❛ ᗜ ❛´๑)まぁ、何にしても交渉が上手く運んで何よりでしたな!俺も出番が無くて拍子抜けだが、そもそも調停役など、出番が無ければそれに越した事は無い♪もう用も済んだ事だし、俺はこれで失礼する。若君には宜しく言ってくれ♪」
彼はここでいつもの様に「⁽⁽ღ(・ᗜ・*)じゃあな!」そう言い残すと、とっとと行ってしまった。
「全く!⁽⁽ღ(٥ー̀ࡇー́ ๑)相も変わらず風のような男だな♪」
曹仁は仕方無いと吐息をついた。関羽も本来なら無礼な奴と立腹していたかも知れないが、先程の掛け合いの中で彼が"仲間は絶対に裏切らない"と言い放った男気に感銘を受けていたので何も言わなかった。
むしろ好感さえ抱いていたのだ。あの場は成り行き上、お愛想で出た言葉だったが、関羽は一度、一献傾けたいとふと想ったのであった。
『(ღ*`艸´)✧そう言えば若とも親しげに話していたな?あの若が見込んで頼んだ男だ。しかも如何にもお安い御用と二つ返事で引き受けていたな?案外いい奴かも知れんな!』
関羽も根は単純な男である。そう想えば後には引き摺らなかった。でも少しばかりあの男に興味が湧いて来て、その気持ちが言葉に出た。
「子孝!ꉂꉂ(`艸´ღ*)お前はあの男とは旧知の間柄らしいが、どんな男だ?何があったのか良かったら教えてくれぬか?」
曹仁は赤の他人に余り関心を示さないこの男にしては珍しいと、再び関羽の顔を訝しげに眺めた。けれどもその眼差しに真険さを認めて、深い溜め息を漏らすとやがておもむろに語り出した。
「(* ー̀ᗜー́ )੭⁾⁾ 秦縁と初めて会ったのは徐州沖会戦だ。大型の軍船が大挙して攻めて来たと想ったのだ。我らは最大限の陣容で抵抗したが、燃える火の玉がどんどん撃ち込まれて、こりゃあ敵わんと逃げ出す把目になった…」
「…(๑ ー̀дー́٥)✧本来なら徹底抗戦すべきところだ。だが孟徳は面白いと言って、話し合いを要求してな!儂は止めたんだが、船上でならという事で二人で招待されて軍船に乗り込んだのだ。すると、これがとんだ感違いと判った…」
「…ε- (ღー̀дー́ ٥)彼らは世界を股にかけて交易を行う商人だと判明した。感違いした我らが一方的に仕掛けた事で、互いの死傷者を出さないための防御だと判ったのだ。すると孟徳は彼の事が大いに気に入ってな、"儂の配下にならぬか?"と勧誘したのだ…」
「…(ღꐦー̀дー́٥)⁾⁾ ところがそれはあっさりと却下された。儂は孟徳が怒り出さぬかと内心ハラハラした。こんな巨大船を持ち、あんな火力の強い訳の判らぬ武器を相手にすれば、幾ら何でも立ち所に壊滅は必死だ…」
「…Σ(٥ー̀ࡇー́ ๑)しかも我らさえ無事に帰れるか判らない瞬間なのに、孟徳の奴の腹が座っているのには却って驚いたものだ。すると相手が妥協案を提示して来た。配下には成れぬが良き隣人として、友には成れようと言うものだった…」
「…(ꐦ*ー̀дー́٥)੭ ੈ⁾⁾ 儂は商人風情が何を言うかと憤ったものだが、孟徳は進んでそれを受け入れた。恐らく度量を見せようと想ったのだろうが、いくら何でも立場が違う。儂は苦虫を噛み潰した顔をしていた事だろう。すると、船長である秦縁はこう言ったのだ…」
『(๑´❛ ⌓ ❛ꐦ)੭ ੈ我らが商人風情だと侮るか?ならば何も言う事は無い!元々、譲歩したのはこちらの方だ♪誠意を見せた相手に対して非礼な振る舞いをするとは、呆れ果てた者だな!それともその商人風情にコテンパンにやられたのが気に食わないのかな?』
「…ღ(٥ー̀⚰ー́ ๑)秦縁の標的は完全にこの儂であった。どうやら不満タラタラのこの儂が気に入らなかったのだろう。明らかに挑発的な態度でわざと突っ掛かって来ているようだった。孟徳の瞳は、この儂に頭を下げる様に訴えていたが、儂は譲らなかった…」
『何だ!ε- (❛ ࡇ ❛´٥๑)お前はこの俺を侮ったばかりか、自分の主人の顔まで潰すつもりなのか?お前こそ何様だ!そんなに出自が大事か?同じ人で在る限り、人の価値に上下の別など無い事が判らぬか!高慢は目を曇らせるとはこの事だな?』
「"あぁ…確かにな!"儂はそう言った。確かに孟徳の顔を潰すのは不味い。しかも奴の言い分はもっともな事だ。人の根源にある倫理観を問われては言い返せなかった。だから儂は詫びた…⁽⁽(٥ー̀ࡇー́ ๑)」
「何だ♪✧(*`艸´ღꐦ)お前ちゃんと謝ったなら筋は通した訳だな!では何の問題も無かろう。儂だってカッと為って間違う時はある。特に若君の事を侮られたら只では置かん!」
関羽はそう答えた。
「あぁ…ღ(٥ー̀ࡇー́ ๑)それは何も問題は無いじゃあないか?儂も孟徳の事なら一歩も引かぬ所だが、あくまでも自分の失態だからな♪気がつけば謝る。しかもこれは後々判った事だが、奴は孟徳の顔を立て、この儂を嗜める為に誘導した節が在った…」
「…学んだよ♪(๑ ー̀дー́٥)=3 だがその時はまだそこまで頭は廻っていなかった。一度上げた矛を下ろすのは我ら武辺者にとってはなかなか難しい。自分を冷静に保つ努力をするのが精一杯だったな!」
「あぁ…ღ(*`艸´*)判る判る!儂もそうじゃ♪だが良く立て直した!なかなか出来る事では無いぞ♪」
「ハハハッ…(ღ*ー̀дー́)✧孟徳の手前があったからな!儂も必死だったのだ♪」
「ꉂꉂ(`艸´ღ*)それでどうなった?」
関羽は食いついて離さない。
「Σ(٥ー̀ࡇー́ ๑)いや何ね、儂が謝ると孟徳はホッとした様だったな!そして秦縁の奴もすぐに反応した…」
『⁽⁽(ღ❛ ᗜ ❛ ๑)ほぉ~御理解いただけたようですな?さすがは魏の名将・曹仁殿♪先程は失礼した!そういう事なら俺も謝ろう♪申し訳無かった!』
「…ღ(٥ー̀ࡇー́ ๑)そう秦縁も頭を下げてくれた。雨降って地固まるとはまさにこの事だ。こうして我らは無事下船出来たばかりか、奴との友誼を得る事になった。孟徳は秦縁を大事な客人として許昌に招待し、歓待した…」
「…(*ー̀дー́*)⁾⁾ すっかり意気投合した秦縁は孟徳の要請に応じて交易を約束してくれた。そしてその約束はしっかりと守られた。実際、奴のお陰であらゆる不足品が補えたし、今まで観たこともない珍しい品も得る事が出来た。さすがは世界を股に掛けた商人だった…」
「…(ꐦ*ー̀дー́٥)੭ ੈ⁾⁾ ところが奴は武器の類いは一切卸さなかった。何故かは判らぬが必ず"否"と言った。そこで業を煮やした孟徳がある日訊ねた…」
『(๑ °⌓°๑)੭ ੈお前の保持する軍船のうち、一隻でも譲ってくれたら天下はこの儂が平定してやろう、どうだ譲らぬか!金なら言い値を払おう♪』
「…Σ(٥ ー̀дー́ )੭⁾⁾ それを聞いた秦縁は含みのある笑みを浮かべながら、落ち着き払って話し始めた…」
『フフフッ…✧(ღ❛ ᗜ ❛ ๑)孟徳殿!残念ですが、それは出来ません。あの船は我らが長い年月を経て、改良に改良を重ねて来たもの。職人たちの血の滲む努力と汗の結晶です。それに船は我ら商人にとって、交易に欠かせない重要な道具ですからな!今までもこれからも売り買いの対象ではありません。あしからず、ご了承のほど♪』
「…( ღー̀дー́٥)秦縁はそう言って拒絶した。ところがこれまで彼に大らかな心で理解を示して来た孟徳が、ここに来て粘り腰をみせた。他の者になら、この時点で不快感を露にするところだが、特にそういう感じでも無く、頬を緩め、笑みさえ浮かべていた…」
『(ღ๑°⌓°๑)✧それは承知の上じゃ♪だが貴方の望みはこの中華の"恒久平和"だろう。あの大型船さえあれば、"夢よもう一度"だと断言出来る。どうじゃ、この儂と賭けをしないか?それに儂が勝てば船を貰い受けたい。負けたら貴方の望みをひとつだけ聞こう!どうじゃ、乗るかね?』
『貴方も困ったお人ですな…✧(❛ ࡇ ❛´٥๑)俺は売れんと申し上げたはず。それにどちらかというと孟徳殿の興味は船というよりは大砲でしょう?俺は武器は売らんと言ったはずだ。待てよ?ならこうしましょう。大砲は武器ですから売れませんが、船なら一隻お譲りしても良い。但し、ただという訳にはいきません…』
『…ꉂꉂ(ღ❛ ᗜ ❛´*)あれには長い月日と大金が投じてあるからな♪代わりに徐州の港をいただく、これが交換の条件です。そしてもし俺が賭けに勝ったら、やはり徐州の港をいただく。どうです?これならどちらに転んでも俺は港が手に入るから、負けても船だけの供出で済む。これなら話しに乗りますが、如何?」
「…ꉂꉂ( ー̀д ー́ *)੭⁾⁾ 秦縁はさすがに商人と言える。転んでもただでは起きないとはまさにこの事だ。だが、孟徳は少しも迷う事なく応じたのだ。これにはこの儂も驚いた。もう少し悩むとか無いのかと、躊躇無く答えた孟徳の顔を想わず見つめた。すると奴はほくそ笑んでいた…」
『ハッハッハ♪ꉂꉂ(๑°°*๑)秦縁殿はさすが商人!どちらに転んでも港が欲しいか?判った、その条件飲もう。それにしてもあれは大砲というのだな?確かに欲しい。喉から手が出る程にな!だがあれは我らでは到底、理解出来ぬし、持ち運びにも苦労しそうだ。しかも出玉の技術も材料もこの中華にはまだ無い…』
『…⁽⁽ღ(๑°ڡ°*๑)未知の物で理解も遠く及ばぬ!これでは宝の持ち腐れとなろう。船だけで良い。ではこれで決まりだな!では賭けのルールを伝える。それはこの曹仁と一騎打ちの勝負をしてもらう。得物は木刀とする。互いに死んでもらっては困るのでな!降参するか、気絶したら終いじゃ♪どうだね?断っても良いが!』
『面白い!✧ღ(❛ ᗜ ❛ ๑)その挑発乗りましょう。まぁもっとも子孝殿に異存が無ければですが?こう言ってはなんですが、この俺をただの商人と想ったら後悔しますよ?今まで剣は生涯無敗ですからね!予め言っておきます♪じゃなきゃ公正じゃない!』
「…⁽⁽(*ー̀ᗜー́ღ*)秦縁も孟徳の挑発には挑発で返して来た。孟徳はこの儂をチラリと眺めた。勿論この儂に異存は無かったから、二つ返事で承諾した。儂はあの時の屈辱が晴らせる絶好の機会だと息巻いていた。それに剣には絶対的な自信があったからのぅ♪まぁそれが儂とあやつの腐れ縁よ…」
曹仁はそう言うと、吐息を漏らし、頭の後ろに手をやるとポリポリと掻いた。
「何だ、何だ!(*`艸´ღꐦ)とうした?それでどうなったのだ?」
関羽はいいところで話しが途切れたためか、前のめりに為ってせっつく。曹仁は困ったように顔をしかめたが、ぶっきら棒に口を開いた。
「儂の負けだった。ε- (ღー̀дー́ ٥)奴の一撃は木刀ごとこの儂を吹き飛ばした。儂はすんでの所で孟徳に抱き留められて事無きを得た。その結果、奴は港を得たし、船も失わずに済んだ。事の次第は以上だ!」
曹仁は想い出すと恥ずかしさが先に立つのか、鼻の下を指で擦る。
関羽は口を大きくポカンと開けたまま呆けている。唖然とした顔で曹仁を眺めながら、驚くように告げた。
「なっ!Σღ(٥`艸´ღꐦ)御主ほどの男が負けた?奴は確かに体躯は良いが、それ程なのか!?」
曹仁はただでさえ、恥を忍んで答えたが、それにも増して関羽の驚きようが凄かったためか、却って吹っ切れてしまった。過去の事だし、今は秦縁の事も理解しているのだ。
そして自分よりも呆然としている男を目の当たりにすると、却って落ち着くの法則である。
「あぁ…(*ー̀дー́*)⁾⁾ あいつは凄い奴よ♪何でも御座れだ!勿論、その場は幕引きとなった。何しろ儂は気絶していたからな!だが悔しかったから、後日何度も挑む事になった。さすがにこの儂にもプライドがあったのでな!だが長槍でも弓でも騎馬でも奴には構わなかった。むしろ清々しいくらいの完敗だった…」
「…(ꐦ*ー̀дー́٥)੭ ੈもし中途半端に一つくらい勝てていたら、今でも競い合っていたかも知れん。だが諦めた。奴はまさに軍神になるべくして生まれて来たような奴だ。呂布とやった時は何合かは持ち堪えたものだが、間違いなく奉先より上だ。否、奉先でも勝てぬだろうな!これだけこてんぱんにやられたら、却って気持ち良いくらいのもんだ…」
「…(ღ*ー̀дー́)✧その後、奴とは判り合い三日三晩飲み明かした。それからはもう蟠りも消え、儂も晴れて友の仲間入りを果たした。言う事は豪快だし、口も悪い。だが節度と礼は持ち合わせているし、決して嘘は吐かぬ…」
「…(*ー̀ᗜー́ღ*)そして案外、情には脆く笑い上戸だ♪お前も一度、一献やるのだろう?奴との酒は旨いぞ♪良く学び、良く遊んでいる。なかなか洒落た事も宣う奴だ。きっと愉しい酒になる事だろうよ♪」
曹仁はそう締め括った。関羽もそれを聞いて、先の愉しみが出来た事を素直に喜ぶ。そして曹仁の晴れやかな笑顔に触れて安堵していた。
【次回】吝かでない