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伏龍の涙

潘濬と劉巴を伴った北斗ちゃんの理路整然とした説得は、意外にも孔明にあっさりと受け入れられた。これには、後ろで控えていた二人も驚いたようだった。


北斗ちゃんも余りにも簡単に行き過ぎて呆けた程である。そしてそこには一つの安心も内包されていた。


彼の最大の懸念は、恨みから来る孔明の執念であったから、少なくともそれは稀有だったと無事に証明されたのだ。孔明は話しが済むとおもむろに語り出した。


「✧(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)まさかあの孟徳殿が迷い込んで来ているとは想いもしませんでした。変装までして貴方に逢いに来るとは、若君も随分と見込まれたものですね♪どんな恰好でやって来たのか想像するだけで笑えますが、一目拝見したかったです…」


「…(* ˘͈ ᵕ ˘͈ )੭ ੈ結論から申し上げると、今あの方にここで死なれる事が一番最悪のシナリオと言えます。どこの国の者でさえ、自分の育った国に対する愛国心は大なり小なり持ち合せているものですから、その死因を疑うでしょう…」


「…⁽⁽( ˘͈ ᵕ ˘͈ ٥)そうなると敵愾心(てきがいしん)から、一致団結して牙を剥き兼ねません。全く厄介事を持ち込んでくれたものですね…」


孔明は溜め息を漏らすと眉間をしかめた。


「✧(๐•̆ࡇ •̆ ٥๐)丞相の仰有る通りです。今も先生を中心として容態の安定と回復に全精力を傾けて下さっています。この上は快方に向かう事を信じ、待つほか無いでしょうね…」


「…⁽⁽ღ( • ᗜ •٥ღ)幸いな事に曹仁殿が同行されていましたので、今朝一つ手を打ちました。念のため、関羽総督と秦縁殿に同行を求め、曹仁殿を魏の窓口である将と接触させています!」


「✧(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)ほぉ~それは打つ手が早いですね♪流石です!で?先方の窓口の将とはどなたですか??」


「⁽⁽ღ( •̀ ᗜ •́ *)曹仁殿のお話では張遼殿という事でした。これは魏王自らが指名されたそうですよ♪」


「張文遠ですか…⁽⁽(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)確かにかなり良い人選ですね♪彼には臨機応変の才が在ると聞きます。上手く填まれば、大事は避けられそうですね♪それに関羽と秦縁殿を同行させたのも良い判断でした!…」


「…(* ˘͈ ᵕ ˘͈ )੭ ੈ関羽は文遠とは違い臨機応変には少々欠けますが、予め方向性を示唆してやれば頼りになります。そして秦縁殿は利害の絡まない第三者としての調停役といった所でしょうか?」


諸葛亮は若君の瞳を見つめながらほくそ笑む。


「アハハッ♪Σ(˶‾᷄﹃‾᷅˵)丞相には敵わないや!その通りです♪爺ぃ~は何といってもこの荊州の軍事の(かなめ)ですからね!予め状況を掌握させて置きたかったのです。それに曹仁殿とは旧知の仲ですからね…」


「…ꉂꉂ(• ▽ •๑ )そして秦縁殿はまさに仲裁役として派遣しました。丞相のお見立て通りです♪必要なければ無いに越した事は在りませんが、彼がそこに居るだけでも抑止力に成ると想った次第です!」


北斗ちゃんも少し照れた様に微笑んだ。


「⁽⁽( ˘͈ ᵕ ˘͈ *)それを聞いて私も安心しました♪若君!貴方はどうやら危急に際しても、慌てず焦らず冷静に次の布石を打てるようです♪勿論、潘濬や劉巴が傍に居る事で的確な判断も出来るのでしょうがね!」


孔明は我が意を得たりと嬉しそうにそう述べた。


「えぇ…(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈ仰有る通りです♪二人が僕の補佐をしてくれる様に為ってから、僕はより一層果敢に行動が出来る様になりました。潘濬の直言と劉巴の抑えが有る無しでは天と地の差が在ります。」


北斗ちゃんも嬉しそうだ。孔明はコクりと頷くと、改めて二人を眺める。生真面目な潘濬と泰然自若な劉巴。確かに面白い組み合わせである。


互いに自分の足りない所を補い合い、学び合い、切磋琢磨する若い二人は、若君を補佐するに当たっては今、考えられる最高の陣容と云えた。


「そうでしょうね♪(* ˘͈ ᵕ ˘͈ )੭ ੈこの二人はなかなか見込みが在ります。潘濬と劉巴は二人とも今までその個性が強過ぎて、なかなか良い主人(あるじ)に巡り逢う事が出来ませんでした…」


「…✧( ˘͈ ᵕ ˘͈ *)けれども、その個性を理解し、自由を与える事でその力を引き出してくれる貴方という存在が現れたお陰で彼らも力を発揮出来る自分の場所を得る事が出来た訳です…」


「…⁽⁽(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)貴方達三人は巡り逢う運命だったのかも知れませんね♪そしてこの二人を得たのは若君の今後にとっても大きなプラスと成るでしょう。これからが愉しみと云うものです♪」


孔明はより逞しく為った若君とそれを支える個性的な才能に最大限の祝福(エール)を贈った。彼らの中に強い意志を感じ取り、将来の憂いが無くなった事を感じていたのかも知れない。


すると潘濬がその言葉尻を捉える様に口を開いた。


「丞相!(ꐦ* •" ຼ •)੭ ੈ若君は以前は自らが率先して前に出る気概に溢れていました。けれども今は自分の周りの才能を鍛え、個々が考えて動く自由を与えているのです。ですから我らに限らず、若君に仕える者は考えて動く力を身に着けつつ在ります…」


「…✧(• ຼ"•*ꐦ)この方針が功を奏し、この荊州を中心とした人的資源の活性化に繋がっているのだと推察致します♪この輪を今後も広げて行ければ、我が蜀も魏や呉に負けない人材を輩出して行く事が出来るでしょう!これもひとえに若君の成果だと存じます♪」


「いや…(〃▽〃)それを言うなら君のお陰だ♪君がそう直言してくれたのが始まりだからね!もっともその後、丞相にも同じ事を言われたっけ?」


北斗ちゃんは思い出す様にそう述べた。


「(ꐦ•" ຼ•)いえ、私は補佐役としてその責務を務めたまでです。あくまでも実践されたのは若君、貴方です!貴方は初対面の折りにこう申された。憶えていますか?…」


『…(´⸝⸝• •⸝⸝)੭⁾⁾ 遠慮なく直言を許す。但し、常に君の意見が通るとは思わないでくれ。君も人で在る以上、いつも正しいとは限らない。僕も遠慮なく反論はさせて貰うからそのつもりで♪意見に対しては意見で論じる。それが真の公平というものだ!いいね♡…』


「…(ꐦ* •" ຼ •)੭ ੈ私が直言した事が間違っていれば、或いは貴方の方針に合わなければ、貴方が採用する事は無かったと存じます。ですからこの成果は貴方の意志というべきでしょう。それに私は直後に言った貴方の言葉がとても気に入ったのです♪だから今が在ります…」


潘濬はそう言うと言葉を濁した。そもそも配下の提案を引き上げるかどうかなど上に立つ者の裁量で決まる事だ。


その結果成果が在ったとしても、それは上の者の手柄と為って当たり前である。少なくとも彼はいち配下としてそう認識していた。


北斗ちゃんは潘濬の言葉に真摯に耳を傾けていたが、やがて怪訝(けげん)な表情で呟くように口を尽いた。


「えっ??ღ(°ᗜ°٥ღ)僕なんか言ったっけかな?そんな気の利いた事を言える柄じゃ無いんだけど?」


丞相には褒められるし、珍しく潘濬まで持ち上げるものだから、彼は頬を赤らめて照れている。


「✧(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)それは面白そうですね♪私も興味があります。是非、聞きたいものですね?潘濬、若君は何と言ったのですか?」


孔明も興味津々といった顔で訊ねてくる。


「ほぉ~それは初耳!ꉂꉂ(o'д'*o)潘濬殿が覚悟を決めた殺し文句ですな?若君は何と申されたのです!私も是非、知りたいですな♪」


劉巴も乗ってきて、皆の視線は自然と潘濬に集まる。只、若君だけは潘濬に視線を合わせながらも、時折、天井の方に視線を移動させて物想いに(ふけ)っているようだ。


どうやら自分の言った言葉を必死に想い出そうとしているらしい事は明らかであった。潘濬はクスッと微笑むと、おもむろに応えた。


「フフフッ♪ꉂꉂ(• ຼ"•ꐦ)そんな難しい事では無いのです。若君は先程の宣言をされた後、私が"それで結構♪"と承諾した後に、"貴方の様な物分かりの良い方には初めてお目に掛かりました!"と申し上げると、今さっきと同じように照れながら、"そうかなぁ…そうでも無いけどね♪普通だよ、普通!"と申されました。私がこの方に直向(ひたむ)きにお仕えしようと想った瞬間でした…」


配下の意見に耳を傾け、黙って鵜呑みにするでも無く、きちんと精査した上で、互いの意見を闘わせるのは当たり前であって、それが普通だと言える者が果たしてどれだけ居るだろうか。


それが君主や太子の立場となれば、恐らくはほとんど皆無であろう。それを果たして、自覚して発言したのかは定かでは無かったが、そんな事を自然と発言出来るその姿勢に潘濬は感銘を受けたのだった。


「あれ?(٥ •ᗜ•)何だ!そんな事か?でもそれって当たり前の事だよね!な~んだ、もっと気の利いた事かとすっかり考え込んじゃったよ♪参ったな!」


北斗ちゃんは無駄に考えて損したくらいの表情をして、皆を眺めた。けれども、それを肯定する者は誰ひとり居らず、丞相も劉巴も感心している。


「えっ?ꉂꉂ(°ᗜ°٥)違うの??」


皆の嬉しそうな表情を眺めながら、彼は只ひとり焦っている。すると、孔明が助け船を出した。


「若君♪(* ˘͈ ᵕ ˘͈ )੭ ੈ貴方はそれで宜しいのですよ!成る程…それを聞いて、私もなぜ皆が貴方に惹かれるのか、その一端を垣間見た気がします♪」


そう言ってまた嬉しそうに微笑んだ。


北斗ちゃんは再び丞相に褒められたらしい事は感じ取ったものの、なぜ褒められたのかは定かでなかった。


「(๐•̆ ·̭ •̆๐)??」


彼は却って混乱を(きた)しつつあり、止む負えず劉巴が口を挟んだ。


「ꉂꉂ(o'д'o*)若君は天性の資質として、上下関係の区別なく、対等に意見交換を励行していますよね?下に付く者としてはそれはとても嬉しい事ですが、本来は上下の区別は付けるのが"普通"なのです…」


「…( o'д'o).。oO 私もそんなに儒教精神を尊ぶ方ではありませんが、それがこの中華に根づいた教えであり、諸事の(ことわり)なのです…」


「…(*o'д'o)੭ ੈあの曹孟徳は人材収集家として数多(あまた)の有能な人物を登用し、進んでその意見を求めるそうですが、それでも上下の区別は付けております…」


「…(ღo'д'o*)貴方の父君・漢中王でさえ、丞相に敬意を抱きつつも意見具申や相談は求めますが、意見交換などは致しません。それが"普通"なのです!」


劉巴の説明は判り易く、ようやく北斗ちゃんにも理解出来た。そして彼らが自分を褒める理由も腹に落ちた。


北斗ちゃんは反射的にまず丞相を見てから、その視線を潘濬に移す。二人とも頷いてみせる。


そして代表するように孔明は「お判りいただけましたか?⁽⁽( ˘͈ ᵕ ˘͈ *)」と言った。北斗ちゃんはコクりと頷き、了解した旨を伝えた。


但し、同時に彼は意外な事を告げたのである。


「あのぅ…(٥ •ᗜ•)」


彼は言い難そうに言葉を発した。


「ꉂꉂღ(°ᗜ°٥ღ)皆が僕の事を高く買ってくれているのはとても有り難い事です。それは素直に嬉しく想ってる。でもね、僕はけっして天性の資質など備えていないし、その才も無い。全ては誤解なんだ!」


若君の言葉にじっと耳を傾けていた三人は、三葉に(いぶか)しげな表情をみせた。皆、急に何を言い出すんだといった(てい)である。北斗ちゃんは想い通りの反応に、目を細めながら言葉を継ぐ。


「(๐٥•̆ ·̭ •̆๐)僕はね、到って普通の人間だよ♪まぁ特別だと言うならば、それはあの劉備玄徳の息子として生を受けた事かな?父も母も頭の回転は良いみたいだから、その血は僕にも受け継がれていても不思議は無いだろう…」


「…(*٥`•o•´)੭ ੈ僕に天性の資質があるとするならば、それは記憶力が(すこぶ)る良い事だろうね♪現に僕は幼少の頃、目に映った事柄でさえ、たまに想い出す事があるんだ!だから情報の蓄積には絶対的な自信を持っている。けどそれだけだ!…」


「…(๑٥• o•๑)=3 それも頭を打った直後からは(かすみ)がかかったように消えてしまっていた。何を考えようとしてもすぐに頭が割れるように痛くなる。だから人と(しゃべ)るのさえ、億劫(おっくう)となっていたんだ…」


「…(๐•̆ࡇ •̆ ٥๐)人の言葉とは即ち情報の一端だから、それが耳から入って来ると頭痛がする。そして新たな情報は、目から入って来るだけでも激しい痛みとなって僕を苦しめた。だから僕は成都の奥にじっと潜むように暮らして来たんだ…」


「…(❛ ࡇ ❛´٥๑)酒を飲んでいたのも腹を満腹にしていたのも、神経をより純く、麻痺させるためだったと言っても過言では無かった。勿論、その時は頭を打っていたから考えなど巡らない…」


「…(๐٥•̆ ·̭ •̆๐)おそらく本能でそうしていたんだと想うよ。ところがそんな僕に毎日のように諦めずに日参し、口を()っぱくして教えを(ほどこ)す人物が居たんだ…」


「…ꉂꉂ(°ᗜ°٥)その男はそれこそ僕よりは年長であるものの、まだ若いのに似ず神童と呼ばれた男で、諦めが悪いのが自分の取柄と、嫌がる僕をものともせずに、傍に寄って来てはコンコンと説き続けたものだ…」


『"人の話しに真険に耳を傾けよ"、"鵜呑みにせず精査し、意見交換する事で落とし所を見つけよ"、"国の根幹は民である。民が一番数が多いんだから当然だ。でも彼らは弱い。赤ん坊か子のようなものだ。だから親として子を慈しむべきである"』


「…(٥´°⌓°)こんな事を毎日切々と語られてみろ!頭は痛いし迷惑千万だった。だから首を切った。いや、本当に切った訳じゃないよ♪クビにしただけなんだが!…」


「…(٥ •ᗜ•)(かわや)に落ちて再び頭を打ち、無事に生還した時にね、目の前の(かすみ)が全て消え、頭痛も取れて、まともに頭の中の歯車が動き出した後になって、初めてその男の言っていた事が()に落ちたんだ…」


「…(ღ´°ᗜ°)✧何故(なぜ)ならば、この世の中にはたくさんの人々が生きており、その人の数だけ物の考え方があっても不思議は無いと想ったからさ。だから人の話しに耳を傾ける事も、意見交換する事も、国の根幹である民を慈しむ事も自然と受け入れる事が出来た訳だ…」


「…(٥´°ᗜ°)੭ ੈ何も知らない凡庸(ぼんよう)な者とまで(さげす)まれた僕が、再出発した際に何を根幹として進むべきか、確固足る信念を持っていたのも当然の成り行きだった。その男が切々と説いた事しか僕の立つ瀬は無かったんでね!…」


「…ꉂꉂ(• ▽ •๑ )でもその後、冒険を通して学んだ事は、彼の説を全て裏付けるものだったから、(ますます)々これで間違いはないと信ずる事が出来たんだ。これで良いんだと、それだけを信じて邁進して来たから今の僕が在る…」


「…(´⸝⸝• •⸝⸝)੭⁾⁾ だからこれは天性の資質でも、天賦(てんぷ)の才でも無いんだ。全ては皆のお陰であり、僕の地道な努力に依るものなんだよ♪だから僕は日々、自分の資質を高めようと、原石を打ち続けるように頑張るしか無い…」


「…(⑅˘̳ლ˘̳⑅)皆に置いて行かれぬように、そしてガッカリさせないようにと(ただただ)々必死なだけさ!だから評価されるべきは僕では無く、敢えて言うならその男だろうね…」


北斗ちゃんは逐に言ってしまったと言葉を切り、皆を見つめた。三人もその内容に驚いてはいたものの、特に眉をひそめるでも無く、却ってほくそ笑んでしまった。


潘濬も劉巴も感心こそすれ、事の次第が決して若君の評価を下げるものでは無いと考えていたからだった。切っ掛けなど特に問題となる訳でもなく、特に天才で無くとも関係は無い。


彼らは天才に付いたから従っているのじゃ無い。若君が聞く耳を持ち、人柄が良く、人を見た目で判断せずその内を見てくれるからである。


そしておためごかしに取り組んでいる訳では無く、真心を込めて邁進する姿勢にこそ惚れているからだった。


潘濬が何か言い掛けた時に、丞相が軽く手を上げて押し止めた。そしておもむろに若君を見つめると、気持ちを込めて言い放つ。


「✧(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)今更、何を言い出すかと想えば…話しの腰を折っては悪いと今まで黙っていましたが、若君!その経偉のどこが不服なのでしょうか?貴方は地道に努力して、ここまで辿り着いた。それがどんなに素晴しい事なのか自覚されておりますか?…」


「…(* ˘͈ ᵕ ˘͈ )੭ ੈ天才じゃない、資質が無い、それが何です?知識欲があり、学ぶ姿勢があり、努力を惜しまない。貴方が(おこな)っている事は、誰でも当たり前に出来る事では在りません。それが自然と出来る事こそが素晴しいのであり、その姿勢に皆が追随するのですよ?…」


「…⁽⁽( ˘͈ ᵕ ˘͈ *)確かにその切っ掛けを与えた者も称賛されるべきでしょうが、その事を実践して行く中で、自分の中で咀嚼(そしゃく)し、完全に自分自身の物として、確固足る自信とその信念に裏付けされているからこそ、そこに嘘が無いのです…」


「…(* ˘͈ ᵕ ˘͈ )੭ ੈ我々の目がそんなに(くも)っていると想いますか?そんな事でいちいち左右される我らでは在りませんぞ!ちゃんと貴方自身の本質を理解した上で支持しており、臣従しておりますから御心配無く!却って今、この事を聞いて良かった…」


「…✧(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)益々貴方に期待が持てるというものです。天才とは世の中でもっとも未完成な者です。それに引き換え、努力する者は一番完成形に近づく希望(のぞみ)のある者なのですよ♪」


孔明は切々とそう語った。そしてこの太子に足り無いものは、自分を正当に評価する目と自覚なのでは在るまいかと想ったのである。


「エヘッ♪Σ(˶‾᷄﹃‾᷅˵)そうかな?じゃあ、これでいいんですね♪」


北斗ちゃんはそう言って照れている。


「(*o'д'o)੭ ੈもちろん、それで良いんですよ♪丞相の仰有る通りです!」


劉巴はそう言葉を添える。


「全く!(ღꐦ•"⌓•)"=3 今さらですな♪我らは見る目は備えております…」


潘濬もそう応じる。


孔明はそんな三人を眺めながら、これで自分の役目も(とどこお)りなく済んだ事を理解していた。


太子が思いの外しっかりとした計画を持ち、危急の手当ても躊躇(ためら)う事なく施した行動力を(かんが)みて、そう判断したのである。


『✧(ღ ˘͈ ᵕ ˘͈ *)皆、着実に成長している。若い芽がこれからどう成長をして行くのか愉しみだ…』


彼はそう想い、三人には判らぬようにその瞳に光るものを、その袖口で然り気無く(ぬぐ)ったのだった。

【次回】遠雷

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