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緊急対策本部

「曹仁殿♪⁽⁽( •̀ ᗜ •́ *)僕は貴方を信じますよ!だからここに二人っきりで乗り込んだ事も疑っていません。魏王ならば、一番信頼する貴方を相棒(バディ)に選ぶでしょうからね♪でもそれでも僕なら万が一の事を考えます…」


「…きっと救援を頼む方策を授けてあるのだと推察しますね!(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈそれもきっと貴方の次に信頼を置く者に頼むのじゃないかなぁ♪じゃ無ければ端から片道切符で臨んだ事に成ります…」


「…果たして乱世の奸雄(かんゆう)と呼ばれる程の人がそんな一か八かの賭事(ギャンブル)をするでしょうか?(٥ •ᗜ•)天下分け目の決戦で在れば判りますが、魏王が高々興味本位の見物にそんな危険は冒さないでしょう?…」


「…今回の行脚(あんぎゃ)だって、"近くに来たからついでに足を伸ばしてみよう"ぐらいのお気楽で衝動的な行動だったと僕は想っています!✧(❛ ࡇ ❛´٥๑)だってひょっこり現れた若僧(わかぞう)を観る為だけに命を賭ける者は居ませんからね♪」


北斗ちゃんは確信有りげにそう切り出す。関羽も潘濬も当然の如くそう考えていたから、ウンウンと頷いている。廖化は無言でその様子を眺めているのみである。


「ꉂꉂ(*ー̀дー́ ๑)ハッハッハ♪お見通しでしたか?儂も孟徳が急に足を伸ばして物見遊山に出掛けると言った時には驚きましたが、貴方を直に観たいと仰有ってからはその気になりました…」


「…大殿は張遼をお呼びになり、秘策を授けたそうです。儂は立ち合って居なかったが、後で聞いた話では三日経っても連絡が無ければ、近衛を動かし助けに来いとの仰せで在った…」


「…河畔に大きな一本杉の木があるでしょう?あそこに毎日近衛が迎えに来る事になっている。今となっては隠しておく程の事でも無いですからな!あぁ…成る程♪そう言う事ですか?」


曹仁は説明しながら若君の意図に気がついたようである。彼もそれは念頭に在った事だが、太子の用意周到さに舌を巻く。


けれどもこの際、渡りに船だから、どうするつもりなのかとくとお手並みを拝見する事にした。


『(°ᗜ°٥)…物見遊山ねぇ。やっぱ大物は考える事が違うわ♪』


北斗ちゃんはそう思い、想わず苦笑いしてしまった。けれども時が惜しい。そこで直ぐに態度を示した。


「(˶• ֊ •˶)さてここで爺ぃ~の出番だ!爺ぃ~を呼んだのはほかでも無い。曹仁殿に同行して事の次第を伝えて欲しい。相手に顔は勿論の事、その人と形を良く知られているのは爺ぃ~だけだからな!」


「(*`艸´)ハハ~ン♪それでこの儂を呼ばれたか?判りました!事は重要だ。この儂が一肌脱ぎますぞ♪」


「(´⸝⸝• •⸝⸝)੭⁾⁾ 頼むね爺ぃ~頼りにしてるよ♪それに曹仁殿の信頼も厚いからね!爺ぃ~が行ってくれれば互いに安心だろう♪今は誤解を与えない事が肝要だ!互いの為、そして同盟を遵守する為にもね♡」


「ꉂꉂ(*ー̀дー́ ๑)左様です♪それが我が主の願いでもある!なぁに、張遼は冷静な男ですからな♪しかも雲長とは互いを認め合い、熱き友情で結ばれた仲です。奴も気兼ね無く応対出来る相手の方が、肩が凝らなくていいでしょう♪」


「何だ!✧(*`艸´ღꐦ)子孝、気楽に言ってくれるな?でも確かに文遠は窓口としては最適だろう♪良し、では明日の朝一番に同行させて貰うとしよう。若、それで宜しいですな?」


「あぁ…⁽⁽( •̀ ᗜ •́ *)頼むよ、爺ぃ~危険は無いだろうが、誰か連れて行くといいよ!一度では済まないかも知れない。繋ぎ役として顔合わせしておく方が都合が良いからね♪」


「そうですな!(*`艸´)では周倉を連れて行くとしましょう♪」


「✧(๐•̆ࡇ •̆ ٥๐)否、彼には今、医療道具と農具の作成をお願いしてるんだ!それを優先させたいんだが…」


北斗ちゃんは言い出し難そうにそう答えた。


「あぁ…(*`艸´)✧左様ですか!着々と準備が進んでおりますな♪結講、結講!では関平を連れて参ります。いや、奴は魏延に任せたんだったな♪はて、困りましたな!」


関羽は本当に困っている。


そこへちょうど良い具合に、田穂に案内された秦縁がやって来る。


「若君!(*`ᗜ´٥)੭ ੈ田穂です♪仰せの通り秦縁様をお連れしました!」


「あぁ!(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈ入って来れ♪」


北斗ちゃんもすぐにそれに応じる。


秦縁はいつもの様に趙蓮を伴っていたが、その後ろには、まだ見ぬ男が控えていた。


「やぁ~お久し振りです♪ꉂꉂ(ღ❛ ᗜ ❛´๑)何かお困りのようですな!」


彼は相変わらず脳天気な程に明るい。懸念を余り表情には出す事が無い。北斗ちゃんは軽く会釈し、「御足労頂いてすみません…(٥ •ᗜ•)⁾⁾」と言葉を添えた。


「ღ(❛ ᗜ ❛´๑)✧なぁに、お安い御用です!どうせ暇を持て余しておりました♪気遣いは無用…」


秦縁はそう言い掛け、「あぁ!」と納得したように視線を移した。


「ꉂꉂ(❛ ⌓ ❛´*)おやおや、これは閣下ではありませんか?御無沙汰しております♪ハハ~ン、さては今回の発端は貴方ですな?孟徳に何やら吹き込まれましたか!陛下も相変わらずの無茶振りですなぁ。お歳なんだから、少しは自分を労らねばね!そうでしょう♪」


彼は軽口を叩きながらも、その眼は冷静に曹仁を捉えている。曹仁は溜め息混じりに言葉を返す。


「ふん♪(๑ ー̀дー́٥)=3 秦縁、御主も相変わらずだのぅ!人を喰ったような物言いをしよる。まるでこの世の事はお見通しと言わんばかりだ…」


「…だがまぁ、今回の事はほぼほぼお前の言う通りだから言葉も無いがな!それにしても御主がここ荊州に来ているとは知らなかったな♪」


「恐れ入ります、子孝殿!⁽⁽(ღ❛ ᗜ ❛´๑)ですが俺は商人ですからな♪足の向くまま、気の向くままですな!今は新規の顧客に興味がありましてね♪こちらにご厄介に為っている次第ですよ…」


「…後、俺は何でも見通せやしません。それは買い被りというものです!人としてこの世に生を受けた以上は、俺も貴方も皆様も先を見通せる者など居やしませんよ♪俺は人より少々鼻が利くだけ、勘が良いだけでしょうな…」


「…何しろ世界中を巡り商いをしておりますと、色んな人種、文化に触れる機会に恵まれます。俺がこの中華の人より優れている点があるとしたら、ズバリその点にこそ在るのでしょうな…」


「…貴方が驚くのも無理からぬ事です!何しろ貴方は戦に明け暮れて来た御方ですからね♪でもだからこそ、戦場では一日の長があるのでしょう!」


秦縁は場を顧みず、自論を展開した事を少し恥じていたが、これは売られた喧嘩であるから一歩も引かずに言いたい事を言ったまでである。


しかも最後には曹仁を少々持ち上げる事も忘れていなかった。北斗ちゃんと潘濬は既に見馴れているので、面白可笑しく耳を傾けていたが、関羽は余り愉快では無さそうだった。


「判った!判った!ε- ( ー̀дー́ ٥)もう良い♪お前と話していると何故か煙に巻かれる。お説ごもっともだ。端から口下手な儂の敵う相手では無かった…」


「…お前は元々陛下のお気に入りだからな♪お元気であれば今頃、高笑いされておる事だろう!お前と絡んだ儂の不得じゃ♪忘れてくれ!」


曹仁はそう言うとツンと背を向けてしまった。


『やれやれ…( ๑ •̀ •́ )و✧またまたやってくれたな!采配も負けず嫌いなんだからもう♪後でこっ酷く言ってやらなきゃ…』


趙蓮は時折、子供っぽい意地を張る采配に振り廻される。どうも人好きな采配にも好き嫌いはあるようだった。


『ふん♪(눈_눈)判ってないなぁ…趙蓮殿は采配に欠かせぬ御方だが、固過ぎる。まぁそれがこの人の良いところでもあり、限界でもあるんだけどね♪曹仁殿も張り合えば引かない方だし、眺めてるだけじゃ判らんか?要は似た者同士なのだ…』


『…喧嘩する程、仲が良いというが、この二人は昔からそうだ。そもそもこの二人は剣を交わして判りあった者同士!商人風情と舐めて掛かった曹仁殿はこっ酷くやり込められた。うちの采配を侮った罰だが、負けてようやく判り合えたのだ…』


『…それ以来、曹仁殿は采配に一目置いている。しかしながら、同時に敵愾心(てきがいしん)も持たれている。だから時折、じゃれるように突っ掛かって来るのだ。それをまた(あお)って愉しむ采配も幼稚だけど、それがあの二人の絆なのだ…』


『…お互い判ってやってるんだから放っておけば良いのだ!むしろ、巻き込まれるこちらが迷惑千万てとこだな♪それを真面目に注意するんだから困った事よ!どうせなら巻き込まれた周りの者に気を使うべきとこだな♪まぁおいらのお役目じゃあ無いから知ったこっちゃないけどね!』


この男、秦縁のもうひとりの連れである。日頃は主と離れて暮らしているので、滅多な事ではお目に掛かれない。この男は名を関騎(かんき)という。




『関家』は歴代、"偉駄天"の名跡を誇る名家で、輝かしい功績を度々挙げて来た。その中でも関騎は群を抜く才能の呼び声が高い。


その脚にも定評があるが、垂涎(すいぜん)なのはその知性である。


彼の父はこちらも類稀(たぐいまれ)な脚で鳴らした人だったが、母は『魯家』の出であり、その先祖には"魯粛(ろしゅく)"という発明好きな御方が居たので、彼はどちらかというと母の血が濃かったと言えるだろう。


彼は若い頃には軍艦の基礎を固める大砲を造り上げて、今までに軍艦を十隻も造船している。


中華の東に浮かぶ島を改造し、港を整備して秘密基地を造り上げ、今現在もそこで軍艦の整備に勤しみながら、島の住人を人喰い民族から文化的な生活を送るまともな民族へと教化する事に精を出していた。


そして忘れた頃にフラッとやって来ては秦縁の顔を拝んで帰って行くのである。


実際、彼はごく最近まで益州の南の外れで湾岸建設に携っていたのだ。その目途が着いたために、彼を秦縁が呼び寄せたのである。


「関騎ちゃん♡ꉂꉂ(ღ❛ ᗜ ❛´๑)悪いけど士燮のとこ行ってさ、港の拡張工事やってくんない?話し合いに目度が着けばどうせやらなきゃなんないからさぁ、頼むよ♪」


秦縁は緑陽石(サファイア)の瞳を猫目に転じて甘い声を出す。


こうなって来ると関騎も嫌とは言えない。これは主のサインなのである。"必ず実行せよ"という頑なな合図だったのだ。


彼は想わず深い溜め息を漏らす。これもいつもの儀式である。なぜなら彼はこの後、必ず承諾するのだから。秦縁もそれが判っているから、想わず頬を緩める。そしてニカッと笑みを浮かべる。


「判りました♪(٥눈_눈)やりますよ!でも責任は貴方が取って下さいよ!何しろ拒否を食らったら、大砲の砲門を一斉に開いて撃ちまくらにゃなりませんからね♪その覚悟はあるんでしょうな!」


「勿論だとも!⁽⁽(ღ❛ ᗜ ❛´๑)けどたぶんそんな事にはならんだろう♪お前も知ってて言ってるよな?士變は馬鹿じゃない♪それにあいつには多大な貸しがあるから、優しくしてやってよ!それで納得するだろうよ♪じゃあ、頼むね!」


そんなやり取りの最中に現われたのが田穂であった。田穂は見たところかなり主に馴れているようだ。そして主もまた、田穂に"信"を置いているようで、そこにはかなりざっくばらんな物言いが展開された。


にも拘らず、あの小うるさい趙蓮が何ひとつ愚痴を(こぼ)さず、真顔で聞いている。関騎はその様子を眺めていて『ハハ~ン』と閃いた。


『(٥눈_눈)…主が言っていた"江東で出会った間諜"とはこいつだな♪だとするとあの時、やむを得ず波止場で大砲の作業をやってた所を盗み見られたのもこいつって事になる!やれやれ…参ったな♪おいらとした事が恥しい所を見られたものだ…』


関騎はそう想い頬を染める。何だかんだ言っても、結局のところは素直に否は認める男である。




「ꉂꉂ(ღ❛ ᗜ ❛´๑)へぇ~あの陛下が遂に倒れたか♪殺しても死なない不死身の男だと想っていたが、あの男も人の子であったのだな!判った、同行しよう♪お前さんの主人が何用かは判りかねるが…」


「…⁽⁽(ღ❛ ᗜ ❛´๑)何ならこの俺が孟徳に引導を渡してやっても良い!これも一興だ♪おい!趙蓮、そして関騎!お前らも一緒に来い♪ひょっとしたら若君のお役に立つかも知れん!」


秦縁の口の悪さは今に始まった事では無い。けれども人は生を得て生まれて来たからには、いつかは死ぬ。勿論、彼もそこまで冷徹(ドライ)では無いし、観念的でも無かった。


だからと言って、去り行く人に未練を感じていては、人は一歩も動けなくなる事も十分に承知していたのだ。


彼がこういう場合に(うそぶ)くのは、悲しさにその身を焦がさず、堪えるためかも知れなかった。或いは、まだ死ぬと決まった訳でも無いから、一噌(いっそ)の事、死にそうになったら俺が叩き起こしてやるくらいの意気込みであったのかも知れない。


いずれにしても、普通の感覚と無縁であった彼には、彼なりの慕情と覚悟が在ったというべきなのだろう。


秦縁は喬児に一声掛けると二人を伴い、田穂と共に出掛ける事になったのだった。

【次回】転ばぬ先の杖

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