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間奏曲

『若君♪』『爺ぃ~♪』ガシッ!

二人は抱き合い、抱擁を交わす…

♪o((〃∇〃o))((o〃∇〃))o♪



何ていう…漫画の様な事は残念ながら起こらない。但し、二人が暫くの間、互いに再会に浸った事だけは、事実であると言っておこう。


「ご立派に成られましたな…(;つД`)」


関羽将軍は第一声でそう告げた。


「ああ…(-∀-`;)まぁ何というか色々と在ったのだ!」


北斗ちゃんもそう呟く。


「しかし…(゜ロ゜)兵法を学んでいらっしゃるとは意外でしたな!」


「まぁな…(*´-`*)ゞ丞相の一番弟子に教わったから、物の役には立つと思うぞ…」


「(*^^*)陛下もさぞや鼻が高い事でしょうな?」


関羽にそう尋ねられて、北斗ちゃんは少々言葉に詰まる。やはり基本的には、素直な性格なのだ。彼は人を欺くのには向いていないらしい。


いつの時代も素直は美徳であるが、化かし化かされ合いの世の中では、中々に生きて行くのが難しいだろう。生き残って行くためには、あらゆる権謀術数の必要性が在ったのかも知れない。


「否、父上はまだ僕の翻意も、この実力である事も、未だご存知では無いのだ。まぁ、いずれは伝えるだろうから、暫くは秘諾しておいてくれ!その方が愉しみが増えると言うものだ(*´-`*)!」


「勿論です!お安い御用で…(^∇^)この儂が騙されたのですからな、立派な者です!」


「否、否、騙されたは人聴きが悪いな!擬態と言ってくれないか♪( *゜A゜)そうだろう?」


「そうですな…(≧▽≦)しかし声をお掛けした客人が阿斗様だったとは、不思議な気が致しますな!」


「(; -_・)僕もまさか碁打ちをする把目になるとは想いもしなかったよ…実際やってみて、実践に通ずると言われた意味が少し判る気もした…」


「…戦略を立てて包囲網を形成してゆき、相手の拠点を作られない様にしながら、自軍の拠点を作っていく。攻勢と守勢を入れ替えながら、局所戦に勝利して行き、生かせた拠点の多い方に凱歌が上がる…」


「…打ち手のミスは相手に付け入る隙を与え、攻勢を許す。時々の判断の重要性は正に兵略に相通ずる物があるね。これも良い機会かも知れない。僕も碁の勉強をすることにしたよ!」


「それが宜しゅう御座います。碁が打てれば初見の相手とも盤上で語り合えます。相手の心を窮う事も出来ましょう!」


「そうなのかい?残念ながら僕にはまだ判らない。けど、そんな境地に到達出来れば、素敵な事だろうな?」


「ハハハ…ヾ(≧∀≦*)ノ〃阿斗様、たった一回の経験で境地に達せられたら、我々の立つ瀬が御座いませんからな…しかしながら、経験の無い状況の中で、盤上での戦いに命題を与え、兵略を友として遂には勝ちを拾われた…」


「…これは実に凄い事なのです。碁でまぐれは在りませぬ。この儂に勝ったのは、その証しです。貴方なら近い将来その境地に立てましょう♪」


『((^。^;)裏を返せば、星九つ分が無ければ勝てなかった訳だから、立つ瀬も(くそ)も無いけどね…』


北斗ちゃんは、持ち上げられても浮かれはしなかった。元々ハンデ戦なのである。不遜な物言いではあるが、対等な立場で対極した上で勝ってこそ、その価値があると言うものだろう。


とは言え、彼は今回真険勝負で、自分なりに取り組み、姿勢を明確にした上で勝った訳だから、素直に喜ぶ事にした。相手の条件を呑んだ上での勝負だったから、こちらが譲歩して貰った訳でも無い。


『十分、自慢して良い!』


関羽将軍はそう言ってくれているのだと、北斗ちゃんは想った。




「それで…若君、この度の御来駕(ごらいが)は何用でありまする?」


将軍は碁の話題が落ち着くと、本題に入った。


「ああ…その事ね、将軍に文を預かって来ている…丞相からだ!」


北斗ちゃんは、胸許から絹に包まれた書簡を取り出して、将軍に差し出す。関羽は両手を差し出して受け取ると、縛ってあるその口の紐を解き、書簡を取り出す。そして(おもむろ)にカタカタカタと音を立てながら開いて、視線を落とした。


『ふむ…』


彼は暫くの間、書簡に目を通していたが、読み終えると、呟いた。


「ふむ…( =^ω^)さすがは丞相殿じゃ、儂の事を良く判っておる!」


関羽将軍は顎髭(あごひげ)をしごきながら、ご満悦である。しかしながら、ふとした弾みで顔を上げると、若君がそれはもう熱心なくらいに、ジィ~(;¬_¬)っとこちらを見つめているので、何事かと想わず尋ねた。


「わ、若君…( ̄▽ ̄;)何か?」


北斗ちゃんは関羽将軍にそう問われて、さすがにあからさまに過ぎたかと、顔を赤らめる。


そうなのである。


彼は特に丞相と賭けたとか、約束していた訳では無い。しかしながら、彼らがいみじくも、互いに全く同じ結論に達したリアクションを、関羽将軍が披露してくれる事を期待していたのだ。だからその瞬間を逃すまいと、書簡を手渡したその時からずっとガン見していたのであった。


「否、否、何も無いぞ!只…(-∀-`;)」


「只…(o´エ`o)??」


「只…(^∀^;)ほら、爺が顎髭(あごひげ)をしごくとこを、久し振りに見たものだから、とても懐しくて、つい!」


「ほぉ~、成る程、成る程(≧▽≦)♪そんな事なら、言って下さればいつでもやりますぞ!あ、ほれほれ(*´艸`*)♪」


関羽は、滅茶嬉しそうに顎髭をゴシゴシしごいている。自分がまだ若君に親われていると自覚して、それはもう満面の笑顔になった。


『(^。^;)ニャンとか誤魔化したが…次回から気ぃつけよ~♪』


そう心に固く誓う北斗ちゃんで在った。




その夜に細やかながらも歓迎の宴が模様された事をここに追記しておく事にしたい。

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