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第八界—7 『黄泉ノ鎧』


「あれ?」


 アーマードハデスはアーマードナイトの方へ振り向いてすぐハデスサイクラーを手に取ろうとする——が、そこにハデスサイクラーは無く。


「づあっっ!?」

「気絶したフリッ……というか戦いの中でじっとしてるのはキツいね……! けどようやく動けるよッ!」


 突然、高速回転するハデスサイクラーの刃が背後からアーマードハデスの頭部を切り裂こうとする。

 ハデスサイクラーを掴んでいるのらアーマードバトラーであり、さっきの……川底によるすりおろしに対する仕返しとでも言わんばかりに刃を押し込む。

 

「よく察してくれたなァ黒姫!」

「自分の物の考えてる事くらい手に取るように分かるよ……!」

「づぁッ……ほんとに最初からこうするつもりだったのかなァ……!?」


 アーマードハデスは頭部をほぼ下まで切り裂かれながらも、恨み節でも言う様に声を荒らげる。


「誰も持ってなきゃ刃が回らない! そんな物を誰にも持たせず使うわけないだろ!」

「あッ……」


 その気付き、思わず……反射的に発せられた声には衝撃や納得、悔しさなどが込められており……それは俺に大きな達成感、爽快感を与えてくれた。


「血が出ないと切ってくる感じはしないッ……けど見やすくていいッ……ねぇ!」

「がぎががぁッ……ヅがッ——」


 ハデスサイクラーの刃はその回転に緑の煙を巻き込み、巻き上げながらどんどんとアーマードハデスの身を切り裂き……遂には真っ二つ。一刀両断し地面に突き刺さった。

 2つに分かれたアーマードハデスは脱力した様に手を下ろし……そしてしばらくの沈黙の後……


「かッ……」


 互いが互いに、自分の身に向け切断面から緑の煙を勢い良く吹き出し左右に倒れる。直前の噴射で尽きたのか煙はもう切断面から漏れず……完全に動かなくなった2つのソレはもうこれ以上動くとは思えなかった。

 そんな思いから、俺は思わず……


「行けたか……?」


 そんな、ゲームでよくあるフラグ発言をしてしまった。

 こんな事を言ってしまえばもう起こる事はただ1つ——


「ハハハッハハハハハァ!」

「ァハハハハハッハハハ!」

「っあ!?」


 2つの、半分に分かれたアーマードハデスは俺の零したフラグ発言を嘲笑う様に甲高い笑い声を上げ……そして予備動作無しに跳ね上がり、両側から締め付ける様にアーマードバトラーにしがみつく。

 アーマードハデスの切断面が反対に向けられた事で、こちらから見ると2人のアーマードハデスがアーマードバトラーを押さえ付けている様に視界に映る。


「駄目だよ朝日!」

「第2形態になりはしないけどそんな敵の生存を確定させる様な事!」

「駄目だ駄目だよ!」

「離れッ……!」


 アーマードハデスは同時に、それぞれ別の言葉を発した。アーマードバトラーは縛りから抜け出そうとした……が、再び噴き出した緑の煙に拘束され、亀裂から入り込まれ自由を奪われる。


「まァ……ここまで追い詰めたんだしさ」

「ハデスサイクラーが弱点っていうのはハズレだったけどさ」

「うぉッ……」


 アーマードハデスは緑の煙と共に姿を消し……それによりアーマードバトラーは解放され、先程までの抵抗の力により空振り……転倒する。


「また消え——」

「いやいるッ!」

「うしろの正面、って奴だね」


 アーマードハデスの消失を確認した瞬間に振り返る。これまでアーマードハデスは突然消えてそのままいなくなる……そんな存在だった。だから今回もこれで終わりの可能性はある——が、あいつはおそらく言葉の途中で居なくなったりはしない。確実に続きを言うはず……そう考えて振り返った。


「あッ——」


 結果から言えば後ろに居た。

 俺の予想は当たっていた、正解であった。

 後ろに居て、そしてアーマードハデスと同じ声色で言葉を紡いでいた——が、その姿はアーマードハデスの物ではなく——


「なんとなく察してたでしょ? “お前がそう言うんなら”……とか言ってたしさ」

「白ッ……?」


 長い銀色の髪を波打たせる様に夜風になびかせる少女——緑煙 白波の物である。最期の姿、12歳としての姿ではなく……心の世界で俺の前に現れた時の姿……つまり高校生としての姿で現れていた。


読んでいただきありがとうございます!

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