6.仮面男。
前回の出来事: 幼馴染みに(正体を隠して)再会した。
ガキッ
ガキンッ
キ ンッ
「なかなかやるっすね」
「……くっ」
今、俺は仲間の【ゴブリン男】と斬りあっている。
どうしてこうなった……。
だが、俺がゴブリン男を食い止めていなかったら。
この場所をゴブリン男に抜けられていたら、この村は即終わりだっただろう。
――あと、俺の正体は何とかバレずに済んでいる気がする。
ただ、普段強がって対等に振る舞ってはいるが俺は最弱クラスの魔物であるスライムとの合成人間。
戦闘能力は完全に「ゴブリン男 > スライム男」なのだ。
「そこの怪しい【仮面男】、支援魔法で援護するよ!」
「頼む……っ」
そんな俺がどうにか持っているのは、この支援魔法使いの老婆のおかげだ。
ゴブリン男には通用しなかったが、【オーク男】は老婆の草魔法で足を取られている。
戦闘能力は「オーク男 > ゴブリン男 > スライム男」だからな。
かなり助かっている。
……一応、残りの冒険者や村人の男たちも少しは役に立っているか。
「兄ちゃん、――兄ちゃんなんだろう?」
「違う!」
そして、俺の背後には腰の抜けた少年が1人。
この村の戦力は、無いに等しい十数人。
ライザが助かる可能性を少しでも上げるためには、1人でも生きていた方が良い――
無意識でまた俺はそう考えたのだろうか。
ゴブリン男に最初の標的となった人間の少年を助けてしまった。
元・弟と知っていれば見殺しにしてやったのだが――
「うわっ、ハーピーが来た――!?」
上空からは【ハーピー女】か。
もうダメかも知らん。
戦闘能力は(略)。
「ぐぎゃぎゃぎゃー」
「おわわっ」
ハーピー女、なんて恐ろしい声と顔なんだ。
いつもの甘ったるい声は、猫を被っている表情はどうした。
おれは最期を覚悟する。
――なんとかハーピー女の一撃をよける事に成功。
防御に徹していたのが良かったか。
奇跡だ。
(早くきてくれ、勇者、聖女)
かつてこんなに勇者一行を待ち望んだことがあったろうか。
この上【蜘蛛女】にまで襲われたら、俺の孤軍奮闘は確実に終わる……
「!!」
「うわっ、蜘蛛の化け物まででたーーっ!?」
森の奥からは蜘蛛女――
俺、終わった――――
だが蜘蛛女は何者かに追われていて、俺には見向きもしなかった。
「皆さん、お待たせしました! 勇者パーティーの到着です!」
聖女の《聖物理攻撃》に怯む蜘蛛女。
行き掛けの駄賃とばかりに、聖女にぶん殴られるゴブリン男。
(聖女、とその他2人。勇者はどうした……俺は、ライザは助かるのか――?)
聖女の乱入で、俺が「助かった」と息をつきかけたその時、
視界の片隅でオーク男のスキルが聖女に向かって発動する。
「《汚い爪》」
「――ぐあぁっ!!!?」
「仮面男――!?」「兄ちゃん――!?」「仮面男さん――!?」
オーク男の必殺技が炸裂したのは、聖女ではなく、無意識に聖女の前に出てしまった俺だった。
すみません、先週はコロナワクチン打った影響でダウンしてました><
恐ろしい誤字発見!
「ハーピー女」と書いたつもりが「パーカー女」になっていた!
しかも「パーカー女」の方が怖いという((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
黒猫虎はスマホ執筆しているせいか誤字がめちゃくちゃ多いので、誤字を発見した方はぜひ誤字報告おなないしますm(__)m