22.決心。
前回の出来事: アサナ迷宮での事件を解決した。
俺たち4人は半闇エルフが呼んできた後続部隊と入れ替わりで地上に戻ってきた。
久々の地上は空気がうまいし空も青い。
人間殺戮日和だ。
あー、久々に人間の女を犯して殺したいなー。
とりま、聖女から離れないとな。
だが、この後に聖女の熱烈な勧誘が待っていた。
すまんがムリ。
もう限界。
「分かったわ、もう誘わない。……はい、これがスラオの分」
「おう……なんだこれは?」
え、こんなに報酬もらえるの?
金貨が15枚か。
人間の時も怪人になってからも、こんな大金見たことないぞ。
「あっ、エルーダはおくれて参加だから金貨10枚ね。両替はしていないわ」
「ひっひっひ。臨時収入ありがたいわい」
「クリエとわたしは報酬出ないけどね」
「そうなんですよ。スラオさんひどいと思いませんか」
「こら、クリエは国から毎月いっぱいもらってるでしょう?」
聖女と半闇エルフは国の公務員扱いでまとめてもらっているらしい。
ん? 金貨を数えてると聖女になんか見られてる気がした。
もしかして、何か怪しまれてるのか。
早く、ここから離れないとな……
聖女との会話はソコソコに、魔女に耳打ちする。
「魔女。少しいいか」
「何じゃスライ……スラオ。ああ、まてまて、相談ならこっちで飯を食いながら聞くぞ」
魔女は小さな体で大食らいだった。
魔女の前に並ぶ皿の数々。
ひとりだけでこれ食えんのか?
俺なんか葉っぱだけでしばらくもつんだが。
「今回、魔力をかなり使ってしまったからの。スラオ、こっちの方食べてよいぞ」
仕方がない。
聖女たちに聞かれないように話すしかない。
俺も魔女の皿に手を伸ばす。
「……魔女、前に言ってたよな。『ワシならもっとお前さんを強くできる』って」
「ああ。確かに言ったね……もぐもぐ……お前さん、強くなりたいのか?」
「ああ。俺は強くならないといけないんだ」
「そうさな。前に話した通り、お前さんを強くする方法はある。……もぐもぐ……じゃけどその前に『カウンセリング』が必要さね」
「……カウンセ?」
「カウンセリングというのは色々聞きたいということじゃ。お前さんを強くする為の方針とか考えたいということさよ」
「なんだか面倒くさいな……」
「……もぐ……スラオ。ワシの言うことを聞けないなら、他に行ってくれていいんじゃよ」
「ふん。分かったよ。さっさとそのカウンセ? とかいうヤツやってくれ」
「では……もぐもぐ……ワシの家に戻ろうか」
◆
前に思ったが、【勇者パーティーの支援部隊の宿舎】というデカい建物もできてるし、多くの兵士が常駐し始めているようだ。
怪人には無力だとしても、その場合は勇者パーティーもいる。
ライザを含め、しばらくアサナ村は安全だろう。
ライザには何も告げずとも良いか。
服と仮面は聖女がくれると言うので、ありがたくもらっていくことにする。
勇者の下半身だけが心配だが、聖女にその辺はなんとかしてくれと頼んでおいた。
最後まで引き止める聖女を置いて、俺は村を出たのだった。
ちな、勘が無駄にはたらく元弟を撒くのには少し苦労した。
すません、生活環境が激変して、めっちゃ久々の投稿です……><