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異世界ダークヒーロー! スライムと合成された俺は正体を隠して全ての敵から村を守ります。  作者: 黒猫虎


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21/30

21.聖女の怒り。

前回の出来事: ゴブリン男と戦った。右腕が緑色なのを見られた。


「その腕の色はどうしたの! スラオ!?」

「す、スラオさん、大丈夫ですかッ!?」

「大丈夫だ。何でもない」

「何でもないワケ、ないでしょー! ――(ポイズン)、それとも呪い(カース)? でもよかった、丁度ここにこの国一番の聖女がいるから。スラオはツイているわねッ!」



 聖女(と半闇(ハーフダーク)エルフ)に緑色になった右腕を見られてしまった。

 ここに至ってようやく、「治癒してもらった右腕がダメになりました」と本人に言いづらいとか、問題はそういうことじゃないと気づく。

 俺が聖女(こいつ)に【怪人】とバレるかもしれないということが本当の問題なんだ。

 それは最悪、俺の最後()を意味する。


 何と言ってごまかす?

 ――だめだ、何も思い浮かばない。



「聖女――いや、レインどの。そんなに心配しなくても大丈夫じゃ。これは元々(丶丶)じゃよ。単なる色素異常さね」

「え、エルーダ(魔女)? 元々ってそんなコトある? だって、こんなに緑色なのよ! それに、前にスラオの傷を治したことあるけど、その時はこんな緑色していなかったわ」

「ああ、それはコヤツは元々(丶丶)ワシの(丶丶丶)患者(丶丶)でな。普段からワシ特性の隠蔽魔法を掛けているんじゃ――」



 魔女に助けられた。


 いや、ホント危ないところだったぜ。

 これは、あとで礼を言わなきゃな。



「そう、なん、だ。心配して損した…………もう! それならそうとスラオもちゃんと説明しなさいよね!」

「……うん。ボクは個性的で良いと思いますよ」



 聖女はぷいっと横を向き、その隣の半闇(ハーフダーク)エルフは慰めてるんだか慰めてないんだか微妙なところだった。

 ――ん? 半闇(ハーフダーク)エルフ、その目と手は何だ? どうやらまだ疑われているらしい。



「念の為、少し触って確認してみても?」

「いやダメだ。――男に触られる趣味はない」

「あっ……」



 ということに(丶丶丶丶丶丶)しておこう(丶丶丶丶丶)

 直で触られたら、この右腕がスライムとバレるかもしれないからな。

 まあいずれ、イヤというほど触らせてやるからよ(意味深)。



 ◆



「レイン様、エルーダ、スラオさん、それでは地上まで行ってきますね。出来るだけ急いで戻ってきます」


「お願いねクリエ」

「はい、レイン様」

「頼んだのじゃ、斥候どの」

「分かりましたエルーダ。でもクリエと呼んでください」

「……」

「ではスラオさんも。行ってきます」



 皆で相談した結果、男装半闇(ハーフダーク)エルフ女が報告と援軍を求める役として地上に1人で向かい、俺を含むその他3人はここに居残ることになった。



「この穴、どうなんだ」

「うむ。これくらいなら、まだ塞ぎ直せるじゃろ」



 【アサナ迷宮】――この臨時パーティー内限定ではあるが採用された――は【超基幹(グレート・グランド)迷宮(・ダンジョン)】に侵食されきっていない、つまりこの大穴は元通り塞ぐことができる。

 だが、これ以上に穴を広げられてしまって【固定化】が進めば、それが不可能になってしまう。

 だから誰かがこの場所に残って、【固定化】しようとする(やから)が現れたら阻止しなくてはならない。



「エルーダさん、ではこのアサナ迷宮が出来たのは魔族の仕業だと?」

「うむレインどの。ワシが思うにその可能性が高い……しかし、魔族が迷宮(ダンジョン)を生み出す技術を手に入れているとはの……」



 魔女によると、このアサナ迷宮は魔族により人工的に作られた可能性があるという。

 なぜなら通常、これだけの規模の迷宮のすぐ隣に別の迷宮ができることは無いらしい。


 ということは、今回のようなケースがこれから別の場所で同じことが起こってしまうということか。


 まあ、俺はアサナ村が守れたらいいんだけどな。

 俺はそう意思表明した。



 ◆



  ドガッッ


「……ぅあ゛ーっ!」

「な、どうした聖女」



 急に目の前の地面に大きな穴を開ける聖女。

 (スキル)を使ってもいないのが恐ろしい。



「またわたしはゴブリン男を逃がしてしまって――ク●!」

「……」

「わたしはあのゴブリン男だけは絶対許せない。……違う。【怪人】という存在が絶対に許せない。そして奴を何度も取り逃がすわたし自身を」

「……そうか」



 聖女は聖女で、俺たち怪人に思うところがあるらしい。

 俺はただ聞き流す。



「怪人たちに何百という一般人が殺されているの。赤子子どもから老人まで男女年齢問わずにね。それに若い女はレイプされてから(むご)たらしく殺されるの」


(それが俺たち怪人の存在理由だからな……)


「生存者はもっと悲惨。特にレイプ被害者はせっかく生き残ったというのにほとんど廃人よ。国の保護施設から一生出られないかもしれない」


(ふーん……)


「特にゴブリン男。それからオーク男とスライム男の怪人3人だけは絶対にわたしの手で、一番残酷な方法で殺すつもり」


(…………)



 俺は聖女の吐き出す言葉をただ黙って聞き流していた。

 何かがチリリと痛んだ気がしたが気の所為(せい)だろう。





 ――ちょうど同時刻。



「ゴブ、何を気にしているの?」

「さっきの戦闘時の返り血なんですが少し変っすね。血というか、粘液というか」

「ふーん。かして見せてよ……ほーん。コボはどんなやられ方したんだ?」

「かくかくしかじか、こんな感じワフ――」

「へー……。この剣の血のり、ちょっと調べてみようか」



 元上司たちのそんな会話を俺は知る由も無かった――――





ここまで読んでくださっている方、ありがとうございます。

思い付きで書き始めたこのお話ですが一応、今話は区切りの話になります。

(「第〇部」と分けるつもりは今のところないですが……)


最近さぼり気味でしたので、1カ月4回投稿に何とか戻ろうと頑張っているところです。

頑張りますっ><w


では、引き続きスライム男にお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

m(_ _)m





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― 新着の感想 ―
[一言] いい意味で不穏になってきましたね( ˘ω˘ )
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