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16/30

16.紫目七角。

前回の出来事: イケメン斥候が地竜を発見した。


 地竜(グランド・ドラゴン)

 少し広まったその空間には、1匹どころか十数匹の地を()うデカい生き物がいた。



(え、さすがに(ドラゴン)はマズくないか?)



 と思ったのだが、あくまで亜竜(レッサードラコン)と呼ばれる種類の存在で、(ドラゴン)ほどの圧倒的な強さはないらしい。


 なるほど。たしかに奴らには(ドラゴン)のような偉大さを感じることはできなかった。


 しかし、それなりの強さであることは感じる。

 俺と聖女なら単独で2、3匹なら問題ないだろうが、それ以外の面子では数人がかりでも1匹も厳しいだろう。


 そんなことを俺が思案していた時だった。

 魔女が深刻そうな声色でつぶやく。



「……この先で【超基幹(グレート・グランド)迷宮(・ダンジョン)】に繋がっているのかも知れないね」


「「「超基幹(グレート・グランド)迷宮(・ダンジョン)!?」」」

「――ってあの!?」



 と、俺も驚いてみたもののまったく分かっていない。

 さりげなく魔女に目配せして『説明』をうながす。

 魔女も気づいたようで、ニコリと笑みを作ってみせて説明付きで答える。



「ああそうじゃ。この(丶丶)大陸(丶丶)最大の(丶丶丶)地下(丶丶)迷宮(丶丶)さよ」

「そんな……どうしてそう思うのかしら」

「あの地竜の目の色、それに背中に生えた(つの)が見えるか?」

「……紫、あとは7本の角ね」

紫目(パープル・アイ)七角(セブン・ホーン)、……この特徴を持った地竜は、今までに超基幹(グレート・グランド)迷宮(・ダンジョン)でしか見つかっておらんよ」

「なる、ほど……」



 聖女とイケメン斥候(せっこう)が何やら相談を始めた隙に、こちらもコソコソと魔女に追加で教えを乞う。



超基幹(グレート・グランド)迷宮(・ダンジョン)とやらに繋がっているとマズいのか?」

「そりゃマズいよ。この迷宮の魔物が、下から超基幹(グレート・グランド)迷宮(・ダンジョン)の魔物に押し上げられてくるワケだからね」

「つまり?」

「近い将来、確実に魔物が外に(あふ)れる」



 魔女の予測では、まずはこの迷宮の魔物が外に出てきて、その次には超基幹(グレート・グランド)迷宮(・ダンジョン)のヤバめな魔物も迷宮の外に溢れ出すだろうということだった。



「1番の問題はこの迷宮が生まれたて(丶丶丶丶丶)超基幹(グレート・グランド)迷宮(・ダンジョン)産の魔物には小さすぎることさね。すぐに飽和状態になっちまうだろう」

「……」

「となると気になるのは、この事態が偶然おきた事故なのか、魔族あたりに引き起こされた攻撃なのかじゃが……」



 魔族の引き起こした攻撃とやらに、完全に心当たりあるわ。

 これって上司が言ってたヤツじゃねーか。


 お、聖女とイケメン斥候(せっこう)がこっちに来た。



「2人で相談したんだけど、あの数はさすがのわたしでもキツいってなった」

「それでどうする?」

「この子――クリエ(イケメン斥候)を先に行かせて、地竜を別の場所に誘導してもらうという作戦はどうかしら」

「ここは専門職のボクに任せてくれ」

「ほう……?」



 イケメン斥候を見ると、自信があるように頷いてみせる。

 だが、【怪人の目】はごまかされない。

 俺たち怪人は人間の恐怖心が何よりのご馳走だからな。

 実に(ウマ)そうな気配がクリエ(イケメン斥候)から漂よい始めていた。


 よく見ると、浅黒い肌に緊張の発汗もあるようだ。


 ――ん? 耳が尖ってる?

 コイツって(ダーク)エルフか。

 (ハーフ)の。

 しかもこの汗の匂い……男装した女……か。



 長い前髪で隠れた顔をよくよく見れば、超ウマそうな半闇(ハーフダーク)エルフ美女じゃねーか。

 こりゃ(ウマ)く化けたモンだ。

 完全に騙されてたわ。

 野郎とばかり思っていた。



 うん。

 半分人間ということは、完全に(怪人)対象範囲内(丶丶丶丶丶)だ。

 つまり俺にとってのご馳走ってことだな。

 このままコイツを行かして死なれてしまってはもったいない。

 つまり俺が()ったり()ったりしたい。



(でも間違えないでくれよ。【怪人】は半分人間でも対象外だからな。特に【ハーピー女】とか【蜘蛛(アラクネ)女】とかな!)




「あー。悪くない(アイデア)だと思うが、ここは俺が行こう」





ハーフダークエルフなのかダークハーフエルフなのか。

中々難しかったです。


(2022.8.18)サブタイトル変更しました。

変更前「16.地竜。」→変更後「16.紫目七角。」





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― 新着の感想 ―
[一言] ハーフダークハーフエルフ( ˘ω˘ )
[良い点] お疲れ様です。 更新ありがとうございます!
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