不思議体験 2 ✤ひょっとこ✤
小学生の時の話。
学校から家に帰る途中、竹林があった。
その道は、左側に高いコンクリートの塀、右側に竹林。
その間に細い道がある。
その道は竹に覆われて常に影が出来ている道だった。
竹林には2メートル位の塀を降りなければ入れない。
小学生の子供からしたら、右側はちょっとした崖だった。
ただ私はこの竹林が結構好きだった。
ザザザと言う音や竹の緑が綺麗で爽やかに感じていたからだ。
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ある日。小学校からの帰り道。
竹林の雰囲気がいつもと違っていた。
竹林全体がなんか暗い。
何となく怖い。
でもこの道を通らなければ家には帰れない。
何ともない。いつも通り。
と言い聞かせて早足て歩いていく。
だけど暗い。なんか怖い。
そう思いながら竹林の方を見ると
奥の方に人が立っていた。
ひょっとこの面を付けている。
豆絞りの手ぬぐいを被って顎の下で結んでいる。
黒っぽい着物にステテコの様な物を履いていた。
身体は猫背のように丸まっている。
こ わ い !!
見たとたん足がすくんで動かなくなってしまった。
ひょっとこが阿波踊りの様な踊りを
しながら近づいてくる。
同時にお囃子の音が何故か聞こえてくる。
来たー!(;´༎ຶ༎ຶ`)
やばい怖い!早く逃げなくては!
そう思うものの身体が動かない。
男は踊りながら近づいてくる。
逃げないと!
男は1歩1歩こちらに近づいてくる。
動け!早く逃げないと!
崖下近くまで近づいている。
足動け!と無理やり動かし早足で逃げることが出来た。
その後しばらく竹林が怖くなり1人で帰ることが出来なくなった。
あのひょっとこは何だったんだろうか…
そんなお話。
本人はとても怖かったのですが、
家族に話したら爆笑されました。なかなか伝わりません。
お読みいただきありがとうございました。