かたらい
季節は温度をかえ
わたしは服をかえる
秋が深まるにつれて
服はわたしになじんでいく
まさにいったいであるかのように
服はわたしになっていく
時間とともに
空間はとうぜん変遷して
わたしすらその一部であることに安堵する
服は季節のあらわれであり
わたしは季節になる
という錯覚すらあたえる
風を感じる
葉のふるえるのが聞える
躰を
純粋な布で覆う
下着をつけること
袖に腕をとおすこと
風を感じること
季節とかたらうこと
あまりにもあらわで
自然がわたしの躰に蓄積するごとに
服はたしかになる