エルフの襲撃とクリスの正体
めちゃくちゃ疲れたぜ。普通異世界最初のクエストとか戦闘ってワンパンで倒しちゃってあれ俺強くねみたいなことになるイベントのはずだろ。なんでこの世界の意味不明な仕様にこっちが苦労しなきゃいけないんだよ。
そういやスライム跡形もなくなっちゃったけどこれ大丈夫なのかな?
「なあ、スライムなんも残ってないんだけどクエストどうするんだ?」
「大丈夫でござる。冒険者カードを見るでござるよ」
冒険者カードを取り出して見てみる。おお、なんか討伐欄みたいなのがあってそこにビッグスライムと書かれている。ビッグスライムってそのままじゃねえか。それにこの世界変なとこでハイテクすぎだろ。どうゆう原理で魔物倒したら冒険者カードに記録されるんだよ。
まあいいや、疲れたしさっさと帰ろう。そういや宿も決めてないな。出来ればベッドとかあったらいいのになあ。
「よし、なら帰ろう」
「シュンさんそっちだと森の奥に行っちゃいますよ」
「町は反対でござるな」
ははは、またやっちまった。最初迷ってたのティナのせいにしてたけど俺が方向音痴すぎるからなんじゃ、いやあれはティナのせいにしておこう。
「ああ、ごめん。じゃあ行こうか」
「ちょっと待ってもらおうか」
その声とともに5人のエルフが現れた。
「申し訳ないがあなた達にはここで消えてもらう」
なんかいきなり頭がおかしいことを言い始めたのだがどうしたらいいのだろう。てか、疲れたから早く帰りたいのだがこれ絶対戦う流れだよな。めんどくさすぎるだろ。
「なんでいきなりそんなことを言われなきゃならないんだ?」
「元はそちらにいる王女のみの予定だったのですが一角熊それにビッグスライムと二匹の強力な魔物を簡単に倒されたあなた方もここで消した方がいいと判断した故、覚悟」
そう言いながらエルフの1人が襲いかかってくる。
王女とはなんなのかとか聞きたいことはたくさんあるのだがとりあえずば戦うしかなさそうだな。
シオリに借りたままだった小太刀で襲ってきた1人を迎撃する。
すると横からもう1人が襲ってくる。それを1人目が斬りかかってきたのを弾いてバックステップでかわす。そこから2人目のがら空きになった胴に回し蹴りをする。
すると2人目のエルフは思いっきり吹っ飛んでいき木に体を打ち付け気を失った。あれ?ジューダスのやつに蹴った時と威力変わらないはずなんだけど今のエルフめっちゃ吹っ飛んだな。もしかしてジューダスって防御が強かったのか?今はそんなことよりエルフか。
1人目の方に向き合い小太刀を構える。
横目でシオリの方を見ると既に1人目を倒していた。あれ?シオリもめちゃくちゃ強いんじゃないか?とりあえず俺も負けじとエルフに斬りかかる。初撃は相手の剣でふさがれたが威力で上回ったらしく相手の体勢が崩れる。そこで相手の剣を持ってる手を狙い刃のない方で斬る。
相手は小太刀の衝撃で剣を落とした。そこでさらに攻撃しようとすると、向き合っていたエルフの後ろから魔法が放たれる。その魔法はクリスの方へ向かっていく。
「クリス危ない」
「任せるでござる。理心流 切り流し」
シオリがそう言って魔法を受け流した。うん、シオリやばいわ、これもう俺より絶対強いだろう。そう思っているとシオリが今魔法を放ったやつに風の魔法を打ち返す。相手は避けきれずまともに受けて錐揉みしながら後ろに吹っ飛んでいく。
「なっ」
目の前にいたエルフが驚き後ろを向く。隙だらけなのだが攻撃しろってことだよな。
小太刀で斬るのは良心が痛むので思いっきり蹴飛ばす。さっきのエルフ同様吹っ飛んでいき木にぶつかり気を失った。
シオリの方も終わったらしく、2人のエルフが足元に転がっている。
「なんか、急に始まった戦闘だったけどなんとかなったな。てかクリスって王女だったんだな。クリスティーナ王女とか言って畏まったほうが良い?」
「そうでござるな。拙者クリス殿が姫君とは驚いたでござる」
「やめてください。そう言うのが嫌だったので言ってなかったのに」
「ははは、わかったよクリス」
まあ、急に態度を変えるのってしんどそうだしこれでいいだろ。
「はい」
そう言って見せたクリスの笑顔はすげー可愛かった。というかどれだけ嫌だったんだクリス…
明日は18時投稿予定です。
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