表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神戯大戦   作者: シノウミ
一章 異世界転生編
5/34

スライムとの異世界初戦闘

 お姉さんから提示されたクエストはスライムの討伐だった。

 スライムというのは前世では雑魚だったあいつだろうか?いやでも、強いスライムもいたか。もしかしてスライムがドラゴンから加護をもらったり、建国したりしているのだろうか?

 とりあえず、2人の反応を見てみる。クリスはフードで顔はよく見えないが平然とした感じだ。

 一方のシオリだがあからさまに嫌そうな顔をしていた。どうしてだろう?服でも溶かしてくるのだろうか、だとしたらグッジョブなのだがそれならクリスも嫌そうな顔するよな。


「スライム討伐なら拙者そこまで役に立たないかもしれないでござる」

「なんでだ?てか、スライムって昇級クエストになるほど強い魔物なのか?」

「そうでござるな、拙者は戦わず逃げるでござる。あやつらは斬っても分裂するだけですぐに元に戻るでござるよ。あやつらを倒すには魔法が必要なのでござる」


 やはり、嫌がってる理由は服が溶かされるからではなかったのか。それより魔法か…そういやクリスが魔法得意って言ってたよな。


「俺も魔法は使えないけどクリスがいるしいけるんじゃないか?」

「はい、任せてください。スライムなら倒したことあるので大丈夫です」

「ではクエスト受注ということでロンディミニアムの森で発生したスライムの討伐よろしくお願いします」


 よし、それじゃあ初クエスト頑張ろうかな。


「シュン殿は装備を買わないでござるか?」


 ギルドを出たところでシオリが聞いてきた。

 そういや忘れてたな。でも、金ないし拳で大丈夫だろ。金が溜まったら刀とか買ってみたいんだけど。


「今はお金もないし拳でやるよ。2人はなんか用意するものとかある?」

「大丈夫でござるな」

「大丈夫です」

「よっしゃ、ならロンディミニアムの森とやらにスライム討伐に行くとしますか」


 そう勢いをつけて歩きだす。


「そっちは逆でござるよ」

「そっちは反対ですよ」


 はは、やっちゃったぜ。マジ自分の方向音痴が嫌になるよね。ティナの奴に方向音痴も治してもらえばよかったぜ。


「シュンさん私たちが会ったあの森ですよ?もう道忘れてしまったのですか?」


 あそこだったのか。名前なんて知らないから仕方ないよね。じゃあなんで場所知らんのに歩き出したんだよって話なんだけどね。


「そうだったな。じゃあ気を取り直して行こうか」


 入るときは審査がいった関所も出る時は止められることなくあっさり通れた。


「てか、この森ってそんなに魔物いるのか?俺この森を1時間くらい迷ってた気がするんだけど魔物全然会わなかったぞ。スライムも見つからないんじゃないか?」

「それは安心してください。私、魔物の場所とかはある程度把握出来るんです」


 魔物の位置が分かるのか。それならすぐスライムも見つけられそうだな。あれ?でもクリスって会った時一角熊に襲われてなかったっけ。


「でも会った時一角熊に襲われてたかないか?」

「あの時は…いろいろあったんです。忘れてください」


 ふむ、何か言えないことなのだろうか?まぁ言いたくたいなら無理に聞く必要はないだろう。


「まあ魔物の位置が分かるならスライムもすぐ見つかるだろう。どこへむかえばいい?」

「このまままっすぐ行くと魔物はいるのですがスライムなのかわからなくて、今まであまり感じたことのない感じの魔物なんですよ」


 なんかすごい嫌な予感がしないことはないが何がきても戦えるようにとりあえず覚悟はしておこう。


「わかった。とりあえずその魔物を確認してみよう」


 その魔物は別に探さなくてもめちゃくちゃ目立っていた。木ぐらいの大きさだったのだ。

 この異世界は何故俺の知識を裏切ってくるのだろう。スライムって普通クソ雑魚モンスターだろ。100歩譲って物理が効かないのは許そうだが見た目は変えないで欲しかった。なんだよあれ、クソ気持ち悪いわ。なんか人の骨見えてるし、真ん丸な形状だと思ってたのになんかちょっとドロドロしてるし、何よりデカすぎるだろ。


「あれはスライムでいいんだよな?」

「そうですね。でも私もあの大きさのスライムは見たことありません。強化種でしょうか?あれならAランクの冒険者も苦労するんじゃないでしょうか?」

「拙者本当に役に立たなそうでござるよ…」

「クリスはスライム倒したことあるんだろ?どうやって倒してたんだ?」

「スライムは核が流動的に動いているので魔法で凍りつかせてから粉砕していましたね。殴って核ごと吹き飛ばす人もいるようですけど2つともこの大きさだと難しいですね」

「そうか、てかあれがクエストのスライムであってるのか?本来の大きさのスライムじゃダメなのか?」


 もうきもいし他のやつ倒しに行きたいんだよな。


「いいかもしれませんが…あれを放置するともっと大きくなりそうですし私が探知できる範囲にスライムらしき魔物いないんです。もしかしたらあいつが吸収したのかもしれません」


 俺は放置してもいいと思うのだがクリスが倒す気だしな。てか共喰い的なことまでしちゃうのかよ。


「ちょっとまずいことになったかもしれません。一角熊が離れたところで探知してたんですけどここを目指して全力でやってきてます」


 より面倒になりやがった、ていうか俺とクリス一角熊に好かれすぎだろ。


「なら一角熊は拙者に任せるでござる。斬ることのできる魔物なら大丈夫でござる」


 まじか、正直あの熊見た目が怖すぎて戦いたくなかったんだよな。


「よし、ならこっちはスライムをなんとかするから一角熊はシオリに任せる」

「承知致す。久しぶりの戦いでござるな」


 そう言ってシオリは笑っていた。

 どうやらシオリは結構な戦闘狂ぽいな。


「もう10秒しないほどで一角熊が来るのでシオリさん頑張ってください」

「クリスはどれくらいならあのスライムを凍らすことできる?」

「あれの3分の1程度になれば大丈夫だと思います」

「よし、シオリ悪いんだけどまた小太刀を貸してくれないか?」

「ふむ、小太刀であのスライムを斬るつもりでござるか?無理なのでは?」

「まぁ試しにだよ、試しに」


 剣術はティナに結構仕込まれたしあの技が使えるかもしれないしな。


「なら、わかったでござる。でもこれで貸し2つでござるな。決闘楽しみでござるな」


 そう言ってニッと笑って貸してくれた。

 これはこのクエストが終わると本当に戦わないといけなさそうだな。


「よし、じゃあとりあえずさっきクリスが言ってた殴って吹き飛ばすというのを試してみるか」


 身体強化が前世の視点で考えると半端なく行われているのだからもしかしたらあいつもそれで倒せるかもしれない。


「本気で言ってるんですか?あの大きさですよ?」

「ああ、まあ倒せなくてもちょっとでも吹っ飛んで小さくなってくれれば凍らすことできるかもしれないだろ?だから、ちょっとだけ離れててくれ」


 そんなじゃ一丁やってやりますか。


 全速力で相手に向かって走って行く、そしてその勢いも力にのせてスライムを思いっきり殴りつける。

 直後ボォーンという音がして、目の前にあったスライムが3分の2程度の大きさになっていた。まじか、半分くらいまで小さくなってくれると思っていたのだが思いのほか小さくならなかった。

 すると、スライムもこちらを敵と認識したのか触手のように自分の体を伸ばして攻撃してくる。

 まじかよ、普通スライムの攻撃はタックルだろ。なんで触手が伸びてくるんだよ。

 とりあえず、1本目の触手を小太刀で斬る。そして2本目の触手が横から襲ってきたのでしゃがんでかわす。攻撃の手がやんだので一旦距離をとる。

 距離をとり、スライムをみて思う。こいつもうスライムじゃなくてタコとかそんな感じのやつだろ。

 触手が顔らしきものから地面に何本も伸びていて、形状だけ見るとまじでタコだよ。


「クリス、あの大きさだと凍らすことは?」

「まだ無理です。もう少し小さくならないと」

「よし、ならちょっと斬りに行ってくるから出来れば援護と斬り終わったあと凍らせるのよろしく」


 襲ってくる触手を斬ったり躱したりしながらスライムに近づいて行く。気分はさながら前世のバトルものの主人公だぜ。

 近づくにつれてスライムの攻撃の量も増えてくる。上から襲ってくる触手は斬り捨て横から襲ってくる触手をジャンプして避ける。すると今度は斜め前から触手が伸びてきたのでそれも斬り捨てる。その時


「風の精霊に乞い願う、我が力となり顕現せよ―

 ウインドカッター」


 と、クリスの声が聞こえてくる。すると、背後からすぱっという音がしたので、振り返ると触手が落ちていた。どうやら後ろから攻撃されてたらしい。

 クリスにはとりあえず心の中で礼を言って目の前まで迫っていたスライムの顔の部分に攻撃が届くようジャンプする。そして、スライムの頭の上?から半分になるように斬りつける。ただ、斬りつけるだけじゃ長さが足りないのでティナから教わった技も使う。どういう原理かは分からないが剣に自分の力を流し込むように斬りつけることで斬撃が撃てるのだ。

 それによってスライムが半分になる。


「クリス任せた」

「水の精霊に乞い願う、我が力となり顕現せよ―

 アイスロック」


 すると瞬く間にスライムが凍りづけにされる。おお、感動だ、やはり魔法はいいな、俺も覚えたい。これは異世界にきたら憧れることだな。

 そして、凍ったスライムをぶん殴って粉砕し、シオリの方を見る。

 そこには、キズだらけの一角熊と無傷で立っているシオリがいた。やばいなシオリ、あの熊弱そうには見えないんだが余裕そうだ。


「おお、さすがでござるなシュン殿最後の一撃見事でござった。拙者もそろそろ終わらし致す」


 こっちを見ながら戦っていたらしい。余裕すぎだろ。

 そしてシオリは鞘に納まっている刀を握る。一角熊がシオリに正面から襲いかかる。一角熊がシオリから3歩程度の距離になったところでシオリが動いた。


「理心流 居合の型 朧紫閃おぼろしせん


 シオリが剣を抜くとともにに一角熊の胴体と顔が斬り離された。なんだろうこちらも魔法とはまた違う感じでめちゃくちゃカッコいいのだが。こちらも教えて欲しいものである。


「ふむ、こちらも終わったでござる」


 こうして、俺の異世界初の魔物との戦闘が終わった。


明日は17時に投稿します。

感想等よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ