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神戯大戦   作者: シノウミ
一章 異世界転生編
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魔物とエルフとの邂逅

 視界が開けると湖が目の前に広がっていて、周りが木だらけの場所だった。


 そして足元には紙切れが落ちていた。


 【そこはあまり人が寄り付かない森だよ。

 目の前の湖とは反対に行くと森を抜けて村に着くと思うよ。頑張ってね。

 P.S.僕は君のことを見ながら楽しんでいるよ】


 どうやら近くに村があるらしいのでとりあえずそこに行くのが目標だな。それより最後のはなんだろう、もし優勝したら絶対一発は殴りたいんだが。


 よし、なら村に向かうとしますか。


 ふむ、道に迷ったかもしれない。自分が方向音痴なのを完全に忘れていた。どうしよう、さっきもあの木を見た気がする。

 そんなこんなで木に目印をつけたりしながら歩き続けて30分くらいが経った。絶対あいつ笑ってるわとか思っていると、誰かが戦っている音が聞こえてきた。マジ助かったと思い全力でそちらに向かう。

 戦っていたのは熊にツノが生えてるやつと女性一人だった。

 女性は熊に叩き飛ばされたようで地面に倒れていて、熊はのしのしと女性に近づいて行く。

 どうしよう。この場合助けないってのは気分が悪いから嫌なのだが、あの熊めっちゃ怖いんだけど。ティアに鍛えてもらってあれよりも強いのかもしれないけど、心の準備がまだだわ。

 てことで俺は熊の隙を見て、女性を抱きかかえてダッシュで逃げることにした。追いつかれることは考えない。なぜなら考えるとマジ怖いから。


 そして俺は行動を開始した。


 まず、熊の気をそらすため、近くにあったサッカーボールサイズの岩を投げることにする。両腕で持てばいけると思ったのだが、なんか片手で持てた。それをとりあえず熊に向かって投げる。

 熊はこちらも一応警戒していたようで、デカイ体に似つかぬ俊敏さで避けられた。

 当たったらラッキー程度だったので、熊がこちらに向いたことを確認する。めっちゃ敵意むき出しで牙とか見えて怖い。あれの近くまで行って蹴り飛ばしたりとか俺の今のメンタルじゃ無理だな。

 熊がこちらに向かってきたので、それを避けるように遠回りしながらダッシュし、女性の元へ行く。そして女性に一応失礼と声をかけ、お姫様抱っこの形で抱きかかえとりあえずダッシュで熊から逃げる。

 今、俺はこの体の驚異的な身体力に驚いていた。まず女性を抱きかかえているのだが、感覚でいうと赤ちゃんより余裕で軽い感じだ。前世の俺だと抱きかかえる事すら出来なかっただろう。

 あとは、走るスピードだよな。もう周りの世界が高速道路を走る車から見る景色と同じレベルなんだが。熊も結構速かったがもう見えないレベルだ。ただ怖かったのはあのツノだな。追いかけてくるときにおれは木を避けてるのにあの熊、ツノで木を簡単に粉砕しながら追いかけてきた。

 熊が見えなくなってらいい感じに休めそうな空間があったのでそこで女性を下ろしとりあえず座る。


「大丈夫ですか?」


 そう声をかけ、改めて女性を見る。女性はめっちゃ可愛かった、そして、何より驚いたのはエルフだったのだ。耳が長いので普通なら間違いないだろう。


「はい、大丈夫です。ありがとうございます。あのままだと一角熊に殺されていたと思うので助かりました。足とても速いのですね。驚きました」


 どうやらあの熊は一角熊と言うらしい。


「大丈夫そうでよかったです。熊が襲ってるの見たときは驚きました」

「一角熊はこの辺では普段は出てこないはず、というより魔物自体がこの辺りではあまり出てこないはずなので、安心していてやられちゃいました。もしよければ何かお礼はできないですか?」


 これはラッキーだ。とりあえず道に迷ってやばかったので道案内を頼もう。


「なら、近くに村があるはずなんですけど道って分かったりしますか?道に迷っちゃってたんで」


 結構走り回った気がするが場所とかわかるのだろうか?


「そうなんですね、村?フォレアのことでしょうか?そこなら私も目指していたので喜んで案内させてください」


 そう言ってニッコリと笑いかけられる。前世でそこまで女子と交流なんかなかったし、ちょっとした笑顔だけで動揺してしまう。


「そ、そうなんですね。なら、お願いします」


 ちょっと詰まったがそこまで変になってないと願うしかない。


「ふふ、あなたは命の恩人なんです。敬語なんてやめてください」

「わかりました、じゃなくてわかったよ」


 敬語をやめたら余計口調がおかしくなりそうだが、そう言われたらやめるしかない。ていうかまだ自己紹介すらしてないじゃないか。


「俺の名前はシュン。よかったら名前を教えてもらえないかな?あと敬語じゃなくてもいいよ」

「シュンさんですね。私はクリスティーナです。よかったらクリスって呼んでください。口調は元からこうなのでこのままでもよろしいでしょうか?」


 クリスか、口調が元からってどこかのお嬢様なのだろうか?まぁ、気にしても仕方ないな。


「よし、それじゃあそのフォレア村に向かおうか」

「はい」


 クリスは森の中を迷いなく進んでいく。やはり道がわかっているのだろうか?


「クリス、さっきからすいすい進んでいるけど道わかっているのか?」

「はい、分かりますよ。ほら、私は見ての通りエルフなので森の中なら感覚で自分がだいたいどこにいるのか分かるんですよ」


 やはり、エルフだったようだ。というか見ての通りと言われても、恥ずかしくてそんなに見れないのでやめてほしい。俺は男には馴れ馴れしく行けるが女子に対する免疫はないのだ。


「そっか、なら安心だな」

「はい、もうすぐ見えると思いますよ」


 そう言ってるうちに少し遠くに塀のようなものが見えてきたのだった。




感想言ってもらえると嬉しいです。

明日から少しの間1日1話投稿するつもりです。

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