表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

雨上がりの路地で

作者: 遥 一良
掲載日:2018/03/09


 激しい雨が深夜から、住居の屋根に打ち付けていた。こんなときに、好き好んで外に出る人はあまりいない。


 朝になるにつれて、徐々に雨が弱くなり次第に屋根に溜まっていた大粒の水滴が、人には聞こえない音を出しながら、地面に向かって流れ落ちて行く。


「おはよう、漸く静かになったね」


 早朝、玄関の引き戸を開けるとすぐに、真正面の見知った住人との会話が始まる。


「おはようございます。そうですね、まるで滝のように激しく打ち付けていましたね」


 なんてことのないやり取り。雨が上がると、所狭しに隣り合う住居の路地は、声と音と、動きのリズムが一斉に聞こえ出す。


 雨に降られていた時と、雨上がりの時とはいつもと変わらぬ路地であっても、風景も光景も一変するような、そんな不思議な空間が出来上がる。


 雨を好む人は、そうしたいつもと変わらぬ色の移り変わりを、心待ちにしているのかもしれない。


 雲間からのぞかせる朝陽の日差しも、雨がもたらす恩恵なのかもしれない。雨は嫌だ。そう思いつつも、変化に乏しい路地の色を変えてくれるなら、私は喜んで望む。


 雨上がりは特別をもたらしてくれるものだから、たまには雨も歓迎するよ、と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ