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女になった魔王さま  作者: 上辻樹
第十六話 魔王さまと天帝
86/103

よう

空に見える満月の位置から考えるに、あれから時間はさほど経っていないようだ。


アークは周囲を見回す。

何が起きたのか、考えようにも材料が足りない。

今ごろフェルガウでは騒ぎになっているだろうか。


「手荒なことをしてすまない」


背後の影になっているところから声がして、アークもそちらを振り返った。

グローリアが佇んでおり、その手には屋敷に置いていたはずの天空の剣を握っている。


「グローリアさん、目的を教えてください。僕を誘拐することの危険性は理解していますよね?」

「わしはあの魔王の手によって殺されるかもしれんな。だが、その前に伝えておかねばならないことがある」

「それは、あなたが? それとも天界人が?」

「どちら、だろうか。わしにはもう自我と命令の判別がつかぬ」


グローリアは剣の柄をアークへ向けた。

訝しみながらも、アークは天空の剣を受け取る。


「この剣は、ただの剣でないことは知っているか?」

「……はい。天界の至宝であると」

「そこまでわかっているなら話は早い。剣を地面に突き立てよ」


言われるまま、アークは地面に剣を突き刺す。

土が柔らかいのか、軽い力で半分ほど埋まる。


「ここは、鍵穴なのだ。この大地の記憶を呼び覚ますための」

「記憶……?」


地面が、剣を刺した場所を中心に、絵のような複雑な模様を浮かび上がらせた。

その線から淡い魔力の光があふれ、足元を照らす。


「アークよ。お前は知らなくてはならない。わしはただ、伝えるために来ただけだ。お前は自分で考えて選ぶ権利がある」

「何が起きようとしているんですか!?」

「これはお前には関係のないことだ。向こうにとっては本命だが、お前の本命はこの剣の中にこそある」


グローリアは、そっと後ろに下がって光の円から出ると、パッと痕跡も残さず消えた。

それから間を置かず、地面の発光は強くなり、やがてアークの視界は白い光に包まれた。






足元の地面の感覚はあるが、空気が変わった。

生温く湿った空気が下から吹き上がっている。


アークは白い空間の中で自分の手足を確かめた。

見えるということは、目が眩んでいるわけではないようだ。


「――よう」


声がした方を見ると、ふわふわと浮かぶ男がいた。

自分と同じような金髪に翠色の瞳。

その不敵な笑顔の作り方に、アークは心当たりがある。


「カーレッジさん、ですか?」

「ほう、オレさまが分かるとは感心だな」


彼が地に降り立つと、そこから景色が広がるように、部屋が現れた。

窓はなく、暖炉から漏れる灯りだけが室内を照らしている。


「オレさまの血を引く人間がここへ来たってことは、天界の奴らが来たんだろう」


部屋の中央には机と椅子が現れ、彼は席に着くと、アークにも座るよう促した。


「あー、色々と説明する前に、オレさまのことはどれくらい知ってる? ゼオルはまだいるか?」


どうやら、今この世界にいるカーレッジとは別人のようで、アークはゼオルとは仲良くやっていることと、カーレッジがもう一度生まれ直していることを伝えた。

その話に彼は驚き、机の上に身を乗り出していた。


「オレさまが記憶を持ったまま生まれ直したのは、ここにオレさまがいるせいだろうな。元々、生命力の繋ぎが強固な方だ。大きな塊を残していたせいで、引き寄せられたんだろ」

「カーレッジさんも不思議がっていましたね。キテラさんに聞いても原因分からなかったみたいですし」

「キテラ!? あいつもいるのか!?」

「ええ。皆さんよくしてくれています」


カーレッジは頭を掻いた。


「驚いたぜ……。だが、だったら勝ち目はあるな」

「天界人と、やり合うんですか?」

「それはお前次第だ」


カーレッジは笑った。

やはり、アークのよく知るカーレッジだ。

判断材料こそ与えても、答えは出さない。


「それで、天界の使者がお前に接触したはずだが、お前にどうしてほしいか言っていたか?」

「いえ、ただ、知る権利があるとだけ」

「なるほど。天界からこちらに干渉するには人間の体を介する必要がある。乗っ取られたやつはある程度わかってるやつだな。まあ、及第点だ」


カーレッジはうんうんと頷いた。


「なぜ記憶を見せようとしたんでしょうか」

「大地の鍵穴はマーカーなんだよ。天界人が地上に来るための、な。お前が記憶を見ることになるのはオマケみたいなもんだ。まあ、オマケじゃ済まさねえために、オレさまは剣の中に自分の意識を封じ込めていたんだが」

「じゃあ、今ここにカーレッジさんがいることは、向こうは知らない、と」

「知っていたら何としても阻止していただろうからな。ゼオルやオレさまからは散々煮え湯を飲まされてるんだから、警戒しないはずがない」


アークは机をトントンと指先で鳴らす。

疑問がひとつ浮かんできた。


「……これは、答えなくてもいいことなんですけど、ゼオルさんやカーレッジさんが戦ったのに、天界の方って全滅しなかったんですか?」


ふたりを詳しく知っていれば当然浮かぶ疑問だ。

厄介であるのなら、当然二度と歯向かう気の起きないように懲らしめているはずなのだ。


「はっはっは! そう考えるからには、お前はかなりオレさまたち寄りだってこったな。答えは簡単だ。まず、ゼオルの時は地上を取り返すのが目的だったという理由と、あいつが幼すぎたから逃げるあいつらを追ってまで殺さなかったという結果がある。オレさまの時は――キテラを人質にとられていてな。まあ、あとはわかるだろ」

「ゼオルさんにも幼い時期があったんですね」

「そりゃそうさ。そうだな、その辺のことも見ていくか。お前にあいつのことを伝えるために、オレさまはここにいることだしな」


ゼオルのことを伝えるため、とアークは胸の内で繰り返した。


「……すみません、まだ、カーレッジさんの目的を聞いていませんが」

「知っといてほしいだけだ。それ以上のことは望んじゃいない。まあ、そっちのオレさまが聞いたら恥ずかしくて死ぬだろうから、あんまり言わねえようにな」


アークが首をかしげていると、カーレッジが椅子を引いて立ち上がった。

そして机をトン、と叩くと、部屋の内装が消えて、アークの目の前に突然黒い影が転がり出た。






「クソが!」


血まみれのブラドが吠える。

影でできた鎌は折れ、体を支える杖代わりにしかならないようだ。


「他に言うことねえのか」


広場の中央で、満月を背にカーレッジが立っていた。

大きな白い剣が月光にきらめき、怪しい光を放つ。


アークは、その様子をすぐ近くで見ていた。

こちらにいるカーレッジは、ブラドと戦っているカーレッジと見比べると、十年ほど歳をとっているようだ。


「これは、カーレッジさんが戦った記憶ですか?」

「オレさまの、というより剣の記憶だな。まあ、いくつか見せるから、じっくり見て考えろ」


過去のカーレッジはまったくの無傷で、ブラドへ笑みを浮かべながら近づいていく。

話には聞いていたが、あのブラドが手も足も出ないなんて、とアークは目を見開いた。


カーレッジは天空の剣を放り投げて、ブラドの前で屈んで、俯き加減の彼を見上げる。


「得意の距離だろ。踏ん張れ」

「ガァッ!!」


挑発するカーレッジの顔面に向けて蹴りを放つ。

本気のブラドの蹴りは、影のトゲを纏い、防御すれば盾ごと貫通する。

一度見せてもらったことがあるが、防護魔法のかかった鋼鉄の盾ですら、容易く打ち抜いた。


それを、カーレッジは手で受け止めた。

トゲは刺さることなく、カーレッジの手の平で止まっている。


「なんで止められるんですか?」

「多重空間固定だ。手の平の上に固めた空間の板を何枚も重ねている」


カーレッジは自慢げに言う。


「おい吸血鬼、まだやれるだろ?」

「クソ! 死ね!」


弾かれたように、ブラドは動いた。

凄まじい蹴りの嵐だった。

アークにはそれが何回放たれたか数えることすらできない。

カーレッジは、一切その場から動くことなく、最小限の動きでその全てを躱す。


顔を狙った蹴りを、カーレッジが片手で掴む。


「スピード、落ちてんぞ。終わりだな」

「バカめ!」


上げた足から影の塊が射出され、カーレッジの背後で急停止、巨大な杭に変化して胴を貫く。


「はっ、この化け物が。さすがに死んだだろう」


ブラドは息を切らせながら血を流すカーレッジを見下ろす。

次の瞬間、顔を片手で覆われて、体が半回転、地面へと叩きつけられる。


「そん、な。死んだはずだ……」

「オレさま、死なねーのよ。遺体を消すと復活のタイミングバレるからよ。あれはただの人形」


カーレッジが横たわる血を流す体を指差すと、光の粒子になって消えた。

アークの知っているカーレッジよりも、とれる戦術の幅が広い。

全盛期というのはこれほどまでか。


「なんだか、ズルくないですか?」

「何てこと言うんだ。奴らは自分がやったことの責任をとらされているだけだ」


倒れて起き上がることのできないブラドの隣に、カーレッジは屈んだ。


「よう、もう立てねえか」

「……ぐっ……」

「よしよし。いいか、よく聞け。選択肢を与えてやる。オレさまはゼオルを倒す。――が、なんとかしてやりてえとも思ってる」


それを聞いて、ブラドが目を丸くした。


「なんとか、だと?」

「オレさまはよ、天界でお前らのやってきたことを見た。お前が傀儡として使いやすいように、生き物を殺すことしか教えなかったことも。そりゃ、強い力を手に入れて、天界人を追い出したあと、好き勝手やるのは楽しかっただろ。だからオレさまはお前にそのツケを支払わせてえ」


カーレッジは立ち上がって地面に転がった天空の剣を取って背にした鞘へとしまう。


「けどよ、お前を殺したらあいつが独りになっちまう。ゼオルってのは、オレさまとは違う意味で死なねえんだろ。散々試したお前なら分かっているはずだ。溶岩につけたり、窒息させたり。そりゃもう、悍ましいもんだったな」

「そこまでわかっていて、どうするつもり、ですか」

「殺さなくても倒す方法はある」


ブラドは目を見開く。

想像もしていないことだったのだろう。


「今回の生存競争はどの道お前らの負けだ。そこで、お前がオレさまの家来になるなら、ゼオルとお前の身の安全は保証してやれる」

「人間の味方になれ、と?」

「ちげえよ。それを言ったらオレさまも人間の味方ってわけじゃねえ。お前らが気に入らなかったからぶちのめしただけだ。相手が天界人だろうが人間だろうが変わんねえよ。お前がほんの少しでも負い目を感じているなら、家来になれブラド。お前が利用し続けてきたあいつの育て直しだ」

「育て直し……」

「戦うことしか知らねえあいつに、他の楽しいことを教えてやれ。できねえとは言わさねえぞ」


カーレッジは詠唱を始める。


「とりあえず、ゼオルに負けを認めさせるために、お前は死なねえ程度に痛めつける。それくらいは受け入れろ。そのあとのことは、自分で考えるんだな」


白い閃光が走って、ブラドの体を焼く。

その体を構成するコウモリの一匹が飛び出して森の中へと逃げ込んだ。


「ずっと、なんでブラドさんが家事をしているのか不思議だったんですけど、カーレッジさんが頼んだんですね」

「都の貴族屋敷で修行させたんだ。何年もやってりゃそこそこ出来るようになってるだろ」


カーレッジは愉快そうに笑う。

本当にこの人は、優しさと利己的な思考が丁度いい塩梅で存在している。

しかしながら、敵でなくてよかったと心の底から思った。


そこで場面は切り替わり、今度は薄暗い城の廊下にいた。

簡素な装飾すらもないその廊下を見て、アークはゼオルのことを思った。

戦うことと殺すことしか教えてもえなかったゼオルはきっと、飾りつけをする意味すらわからないのだろう。

城にいるのだって、城にいろと言われたからなのかもしれない。

言い表せない、もやもやとしたものが胸中に溢れ、アークはえずいた。


「どうした?」

「……いえ、場面が飛んで、まるで夢を見ているみたいですね」

「効率的だろ。移動なんか見ても仕方ないしな」


廊下の中心を、カーレッジは無警戒に歩いている。

天井に張りついた魔族たちが弓矢で狙っており、廊下の半分を過ぎた時、いっせいに発射された。


同時に、パッと光ったかと思うと、カーレッジの全身から放たれた細い雷の針が、魔族の頭を全て打ち抜き、余波で矢を弾き飛ばす。

見ることすらせず、ただ歩いているだけでこれくらいのことができるのだ。

ブラドも全く相手にならず、大半の魔族は足止めも出来ずまとめて潰される。

その姿は、魔族の天敵と呼ぶに相応しかったはずだ。


「質問いいですか?」

「なんだ?」

「これだけのことをやって、魔族から恨まれなかったんですか?」


カーレッジはニヤリと笑った。


「恨まれたさ。でも、魔族はお前の想像以上の縦社会だ。群の長が降ると決めたら降る。この頃になると、単にゼオルに群をまとめる能力がないってだけなことはわかってた。カリスマ性だけじゃ、下っ端の素行の悪さまで抑えることはできないからな」

「じゃあ、カーレッジさんが肩代わりを?」

「まあな。敵に主導権握られるのを面白く思わないやつもいただろうが、オレさまに仕返しできる下っ端魔族なんかいやしねえ。せいぜい裏でぐちぐち言うくらいだ。そこから世代を三つか四つ重ねれば、価値観が更新されて人間の中でも暮らせるだろうという確信があったから、オレさまは付き合ってやることにしたんだ」


過去のカーレッジは悠々と進んでいく。

襲いかかる魔族を難なく返り討ちにしながら、やがて大階段を上がり、玉座の間へとたどり着いた。


何もかもが石で作られた見せかけだけの玉座に、彼は座っていた。

今のゼオルからは想像もつかないほどの、ひりつくような殺気をアークは感じて、無意識に緊張してしまう。


「よう、オレさまが勇者カーレッジだ」


不敵な笑みを浮かべるカーレッジとは対照的に、ゼオルはピクリとも笑わなかった。


「……お前の存在を聞いて、ずっと考えていた。オレと、同じなのではないかと。生をかけた目的を果たしたあとも続いていく世界を、お前はどう生きる」

「よせ。お前みたいな辛気くさいやつと一緒にするな。オレさまはお前らぶっ倒してからもやることたくさんあるんだからよ」


カーレッジは天空の剣を構えた。

その時、ゼオルは初めて笑みを見せた。


「理解できん。お前はいったい何だ?」

「自分の目で確かめてみろ」


ふたりの姿が消え、ドン、と空気が震えると同時に、アークは最初にいた一室に戻されていた。

一番気になるところだったのに、とアークは興奮気味にカーレッジに聞く。


「ふたりの戦うところは見られないんですか?」

「戦闘で起こったエネルギーがこの世界に記憶できる限界を超えていたんだ。残念ながら、ここから先は記憶できていない。まあ、三日三晩戦ったって話は聞いたことあるだろう。それくらいかけて、オレさまはあいつを追い詰め、天空の剣で変質させた」

「戦いばかりの生き方から助けるために、力を奪ったんですね」

「話の分かるやつだな。説明が省けて助かる」


とはいえ、力を完全に失うには至らなかった。

ゼオルは全盛期の十分の一もないと言っていたが、未だ全生物の上位数名に名を連ねている。


「……それで、僕に何をしてほしいんですか?」

「さっきも言ったろ。それはお前が考えるんだ」


カーレッジはゼオルから力を奪った。

それは、ゼオルから戦うという選択を奪うためだ。


戦うという選択を奪い、どうしたかったのか。


アークは、カーレッジとブラドとの会話を思い出す。

カーレッジはゼオルに人間のような生き方をしてほしいのだろうか。


「……良い目をしている」

「え?」

「結論、出てんだろ?」


出ていないこともないが、もう少し熟考する時間が欲しい。


「それより、僕はこれからどうなるんですか? 天界の方が来るんですよね?」

「お前はどうにもならないさ。大事に丁重に扱われる。何せ、オレさまの血を引いているからな」

「どういう意味なのかわからないんですが」

「――天界人の血、それも、王族の血筋だ」


アークは眉をひそめた。

彼が嘘を言っているようには見えないが、あまりにも現実離れしている。


「信じられないか?」

「……そうですね。信じるための根拠がありませんから」

「お前、自分の感情が希薄だと感じたことはないか? 特に、怒りや悲しみなんかの、負の感情だ」


思い当たる節はある。

しかし、それだけではまだ信じられない。


「天界人ってのは、負の感情がほとんどないんだ。昔、ゼオルに追い立てられたやつらが、自分たちを変質させて感情を取り除いた。二度と地上へ戻らないために。恨みや怒りは地上へ戻る原動力になる」

「待ってください。それを言ったら、カーレッジさんもそうだってことになるじゃないですか」

「オレさまもそうだが、情緒には後天的に会得できるものもある。しかし、心の奥底では何も感じていない。分かるだろう? 例えば、こういう時は怒る、こういう時は悲しむ、というものは経験から会得できるものだ。自分に課したルールと言ってもいい。殴られたら怒るし、身近な人が死ねば悲しい。それがルールだ。だが、そこに理由づけが必要な時点で、オレさまたちは人間とは違う。人間は、理由がはっきりしていなくても、怒ったり、悲しんだりできるものなんだ」


そういう彼の顔は、少し悲しげに見えた。


「いいか? お前がどう答えようが、天界人から『天帝の外套』を着せられるだろう。そうすれば、今までに得た感情すらも失う。外套にかけられている魔法によってな。だから、そのためにいくつか準備が必要だ。感情がどうなろうが、目的さえ見失わなければ、お前は必ず帰って来られる」

「もし、目的を見失ったら?」

「戦争だ。この大地と、天界人との生存をかけた戦いだ。お前はオレさまたちの敵になる。戦えるか?」

「……嫌ですね。皆さんと戦うなんて」

「そんな気持ちもなくなる。後で思い返すと気持ち悪いくらいに、何も感じなくなる」

「そんな――ううっ!?」


不意に、アークは凄まじい耳鳴りに襲われて頭を抱えた。


「来たみてえだな。オレさまとはここでお別れだ。天空の剣については、向こうでおいおい調べたらいい。最後に何か聞いておきたいことはあるか?」

「……本当に、僕の好きにしてもいいんですね?」

「構わねえよ。本来なら、オレさまは死んでいるはずの人間だ。現在の話に口を挟む気はねえ。そっちのオレさまが何って言うかは知らねえけどよ」


耳鳴りと頭痛が酷くなる。

痛みに閉じた目を開くと、自分の目の前にひざまずくたくさんの光輝く人がいた。


「――お迎えに上がりました。天帝さま」


先頭にいた眼鏡をかけた男が、面を上げてそう言った。


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