主要キャラクター設定
《ゼオル》
【175cm/70kg】
元男で元魔王。
年齢千数百歳。
白く長い髪と特徴的な赤い瞳をしている。
やや傲慢で自己中心的なところがある。
しかし、格下相手に不用な争いはしない。
アークのことが何より大事で、命を投げ出すことも惜しくない。
鶏の丸焼きが大好物。
・ステータス
パワー:S
素早さ:A
器用さ:B
賢さ:A
・主な使用魔法
『冥界の蒼炎(プロクス)』
燃えないという概念を持つ物以外、全てのものを燃やせる蒼い炎。
手の平から打ち出す以外にも、視界の範囲内であればどこでも対象に火をつけることができる。
『ゴウエンマ』
天空の剣と対を為す魔王の剣。
ゼオルが天空の剣を認識した瞬間に生まれた。
特殊な能力はないが、決して折れることも欠けることもない。
燃えない概念を持つため『冥界の蒼炎(プロクス)』を刀身に宿すこともできる。
・本来の姿
THE ALL。
全てを統べる王。
魔とはこの世界そのものであり、ゼオルはこの世界が生み出した『存在なき者』である。
力は強大だが、征服欲があるわけではない。
生まれた時から王であったために、王座に執着心は持っていなかった。
天界人を退け、大地を大地に生きる者のために存在させることにした。
この世界そのものであるゼオルは魔法を使わない。
膨大な魔力と人智を超えた筋力、時間逆行にも近い圧倒的な再生力を駆使する。
その力は固定された空間や止まった時間を叩き割るくらい造作もないほどである。
《アーク》
【167cm/60kg】
勇者家現当主。
年齢は十五歳。
金髪で透き通るような碧色の瞳をしている。
甘いものが好物。
心優しく、相手が誰であれ、殺すことを好まない。
戦闘は苦手だが、好奇心と学習能力が強く、将来は学者になることを目標にしている。
・ステータス
パワー:D
素早さ:C
器用さ:B
賢さ:A
・主な使用武器
『天空の剣』
大昔、初代勇者カーレッジの使った白刃の剣。
内に魔力を貯めることができることに気がついたカーレッジが、古今東西、あらゆる魔法を詰め込んだ。
そのため、剣の中で魔法が混じり合い、それまで世界には存在しなかった魔法も生まれることとなった。
邪気を払うことが本来の使い方で、出力を間違えると相手の存在そのものを変化させてしまう。
アークが相手を女性にしてしまうのは、そのためである。
元々は天界の宝で、能力に目をつけたカーレッジがそれを奪った。
・主な使用魔法
『引き継がれる力(アチーブメント)』
天空の剣に保存されている初代勇者カーレッジの能力を自在に引き出せる。
しかし、剣を手にしていない間は使うことができない。
内臓されている能力は、カーレッジのいた時代に存在していた全ての魔法や能力の最上位に位置するものである。
使用に必要な魔力も保存されているため、魔法の行使に魔力は必要なく、何度でも使える。
・本来の姿
天の帝の血を引くカーレッジの子孫であるため、天帝となるべき運命を持っている。
天界人には感情がなく、アークはずっと自分が人と違うことを悩んでいた。
悲しむべき時に悲しめず、怒るべき時に怒れない。
それは血筋のせいであった。
天帝として玉座についたアークには、光の『存在なき者』から凄まじい力が与えられる。
《リン》
【169cm/75kg】
勇者家の護衛隊長を務めるアークの義理の姉。
年齢二十三歳。
水色の長髪を束ね、湖のように澄んだ瞳をしている。
姉御肌で護衛隊長として部下からの信頼も厚い。
しかし、戦闘以外はてんでダメなタイプ。
その辺はよく部下にカバーしてもらっている。
魔族と人間のハーフで、父は魔王軍幹部だった氷の魔族ヘル、母は歌劇の女優。
町が襲われ、ヘルに身籠らされた母は、リンを産んだ時に死んだ。
そこをゼオルに拾われて、今まで育てられた。
氷の魔族の血を引いているため、氷結に対して絶対的な耐性を持つ。
しかし、魔法として放出することができず、体を傷つけることでしか、氷の魔力を使うことができない。
・ステータス
パワー:A
素早さ:B
器用さ:B
賢さ:B
・主な使用武器
『氷結戦闘衣(アイスドレス)』
魔法の使えないリンのために、ゼオルが作らせた特別な強化外骨格。
装着者の血を吸って様々な効果を発揮する。
第一段階(ファーストギア)
身体能力の向上と、打撃に氷結の効果を付与する。
第二段階(セカンドギア)
結晶展開(クリスタライズ)を行い、自身の周囲に氷の結晶を浮かばせる。
これは打ち出せる他、対飛び道具用の防壁にもなる。
第三段階(サードギア)
さらに身体能力を向上させる。
冷気の量も増え、敵を周囲の環境ごと氷漬けにできる。
最終段階(トップ・ギア)
リミッターを外し、全てを血を使って発動する。
全身から触れるだけで凍結する霧を吹き出す。
分子の振動を強制的に止め、全てのものを見境なく凍らせる。
途中で止めることはできないため、使用者は必ず死ぬ。
《ブレイン》
【155cm/45kg】
発明や化学が好きな女の子。
紺色の短い髪をしている。
肉体年齢は二十五歳。
血色の悪さから、極端に白い肌をしている。
魚の塩焼きが好物。
好奇心が旺盛で、何にでもすぐ手を出す。
元いた世界は戦争に継ぐ戦争で、銀河の中に人の住める惑星がなくなってしまった。
アークの手によって女へと変えられてしまったが、まったく気にしておらず、それをきっかけに体を改造し始めた。
知覚機能の強化、軽量合金の骨、意識のネットワーク構築、反重力装置を用いた飛行能力など、すでに普通の人間の枠組みで捉えるには複雑な体になっている。
自分の体を生体ユニットと呼び、アトルシャンで予備をいくつか製作してある。
・ステータス
パワー:C
素早さ:A
器用さ:A
賢さ:S
・主な使用武器
『プラヴァシ』
別の次元に存在する鋼鉄の巨人。
この世界には腕のみが存在しており、ブレインの意のままに動かせる。
未来予知の能力があり、敵の行動を予知して動くことができる。
絶えずアップデートをされており、ワープ機能や通信機能などもつけられた。
・本来の姿
アトルシャンの頭領。
別の世界では弱者を救って強者を打ち倒すことを続けていたが、やがて追い詰められ、敗北を喫してしまう。
部下のひとりが囮になり、その間にアトルシャンごとブレインたちは世界を越えて逃走した。
永遠に続く戦いに嫌気がさしていたこともあり、今となっては戻る気もない。
《カーレッジ》
【148cm/39kg】
無法の町トリアムを収める少女。
年齢は十八歳。
生まれた時の名前はサナ。
背中には歯車を抱く竜の刺青がある。
初代勇者カーレッジの生まれ変わりだが、記憶を保持したままである。
トリアムに住む魔族と人間のハーフたちからボスと慕われており、結果として統治することになってしまった。
とにかく傲慢で、自分よりも偉そうな人間が嫌い。
人を殺すことに一切の躊躇がない。
・ステータス
パワー:D
素早さ:B
器用さ:B
賢さ:A
・主な使用武器
『無垢なる雄牛』
両刃の巨大な斧。
博物館に寄贈されていた、前時代の産物。
特殊な能力はなく、ただただ大きく重い。
その一刀を止められる防具は、今現在をしても存在しないほどの切れ味と重量を誇る。
・主な使用能力
『不屈の勇者(コンテニュー)』
カーレッジだけが使える能力。
体が生命活動をやめると、光に変わって時間を逆行する。
肉体が復活するまでの間に動くことも可能。
本人が死を認めるまで、いかなる理由であってもカーレッジを殺すことはできない。
天の帝の血筋による力の一端だが、これほどの力は天界人にも存在しない。
・本来の姿
初代勇者カーレッジは、天の帝の血を引く継承者。
実の母から大地に落とされ、自身の能力に気がつくまで孤児院で育った。
本人にしてみれば、己が天の民であることはどうでもよく、ただ、調子に乗っている魔族に痛い目を見せてやることだけを考えて魔族を狩り続けた。
一度天の民に見つかり、天へと帰った際、剣を見つけ、それを奪って大地へと逃げ帰る。
大地に存在するありとあらゆる魔法と能力を吸収し、魔王ゼオルへと戦いを挑み、勝利した。
その戦いの中で、カーレッジはゼオルがその存在とは裏腹に矮小な人格であることを知り、自分とは別の理由で死ぬことを許されないことを哀れに思って、力を奪って人間と共存共生させることに決める。
《ゴート》
【160cm/55kg】
元男の山賊。
肉体年齢は十八歳。
黒い髪、黒い瞳、褐色の肌をしている。
男だったころの粗野だった部分が影響しているのか、すぐに犬っぽい仕草をしてしまう。
元男性の女性に対してどう接したらいいかわからない。
・ステータス
パワー:A
素早さ:A
器用さ:A
賢さ:B
・主な使用魔法
『鋼の戦神(ソード・ダンス)』
自身の周囲に意のままに動かせる刃物を出現させる。
高い空間把握能力と認識力が必要な繊細さを要求される魔法である。
他の人間に出現させた剣を渡すことも可能。
ゴートはこの魔法をソードを振り回すだけに終わらせず、斧や槍などの形状の違う武器も扱えるようにした。
・本来の姿
山賊王と呼ばれている男。
黒い髪と黒いヒゲを生やした厳つい見た目をしている。
周辺の山賊全てを束ねていたカリスマのある人物。
雄々しく、狡賢いだけでなく、様々な経験から基礎的な知識も得ている。
・生い立ち
温和な母と父の元へ生まれたが、父が怪しい仕事についてしまった
帰ってきては暴力を振るうようになり、耐えられなくなった母親はゴートを連れて静かな田舎へと引っ越した。
そこに来ても、母親はゴートを憎んでいた。
何度目かの殺害未遂を繰り返し、とうとう町の大通りにゴートを放置する。
持ち前の賢さで生き抜くための手段を探し、すぐに犯罪に手を染めた。
木の仮面とアワリティアと出会ったのも、そのころだった。
《ブラド》
【173cm/35kg】
男女両方の姿をとることができるため、性別はない。
勇者家で執事をしているコウモリ型の魔族。
女性型の時によく用いるメイド服は専門の服飾芸者に作らせたもので、足首まで丈のあるロングスカートであるものの、魔力を遮らない特殊な構造をしている。
日光を嫌い、肌を露出させない格好を好む。
実年齢は千五百歳ほどになる。
・ステータス
パワー:B
素早さ:A
器用さ:A
賢さ:A
・主な使用魔法
『宵闇の陽炎(ヘンカー)』
影から作り出した大鎌。
影で作られているため伸縮自在で、よく切れる。
『真祖の眷属(ブラッディ・ワーカーズ)』
影の通路から十三の黒装束を呼び出す。
彼らは死なないが、霧散すると回復にしばらくかかる。
『漆黒の杭脚(ブラック・ラック)』
足にまとわせる影の鋼鉄の針。
魔力の推移によって針の大きさや強度は自在。
ブラドの蹴りが主体の戦い方に最もあっている魔法。
・本来の姿
魔族を収めていた仮初の王であり、影の王。
天界人には敵わないものと諦めて、穴倉で過ごすことを結論出した臆病な王。
ゼオルが生まれて、彼が本当にヘヴンズ・グリュヴルムと同じであるならば、と淡い期待を乗せた。
王としての教育と、戦闘方法とだけを詰め込み、ブラドはその影に隠れるようにして一切の責任から逃れて暮らしていた。
魔族が倒され、人間として暮らし始めても、ブラドは自分の在り方を変える気はなかった。
《ラメール》
【185cm/80kg】
天空の剣の力で人間の姿になった海の怪物。
透明感のある白い肌を持ち、非常に身長が高い。
ブラドに心底憧れており、それ以外のことはあまり何も考えていない。
あまり賢くなく物事を深く考えない性分だが、ブラドの命令には言葉の通り従うため、不注意以外でのミスは基本的にない。
忠実であるという点に置いて言えば、極めて優秀である。
・ステータス
パワー:A
素早さ:B
器用さ:B
賢さ:C
・主な使用武器
『触手』
怪物であったころの触手を自在に出現させることができる。
手足を合わせて八本の白い触手は全てが筋肉でできており、凄まじいパワーを出せる。
・本来の姿
海に住む巨大な怪物『海獣』であり、その姿はイカに近い。
生物同士の生存競争に嫌気がさしており、もっと楽な生き方がしたいと考えていたところにゼオルたちが訪れた。
本当は争いごとも好きではなく、世界中の生き物たちが仲良く暮らしていけたらいいなと思っている。
《キテラ》
【166cm/52kg】
『根源の魔女』『闇に触れし者』など多彩な呼び名を持つ女性の魔法使い。
好奇心旺盛で、面白そうなものを見かけるとつい興奮して周囲が見えなくなってしまう。
闇を自在に操り、世界の理を根本から揺るがすような魔法を使う。
半透明なガラス質の髪は魔力によって変質した者の証。
半永久的に尽きることのない魔力を持っており、不老の体を持つが、不死ではない。
・ステータス
パワー:C
素早さ:B
器用さ:B
賢さ:A
・主な使用魔法
『反詩』
キテラの類まれなる魔力感知能力によって可能な魔法。
対象の魔法と正反対の性質を持つ魔力、または詠唱を行うことで無効化することができる。
攻撃魔法でなく、精神干渉魔法にも対応できるため、解呪や気付けに使用することが多い。
『荒城の新月(フェンガリ・ニュクス)』
黒い小さな闇の塊が一瞬にして膨れ上がり、この世に存在する全ての物質を闇に飲み込む。
魔力を微量にでも含むものであれば水、岩、空気に至るまで消し去ることが可能。
『冥暗の大楯(ターゲスアンブルフ)』
闇でできた大楯。
許容量まで飛来物を飲み込むことができる。
限界まで飲み込むと破裂するため、それを利用して貯め込んだ魔力を攻撃へ転じられる。
『闇の魔法』
その他、名前のない闇の魔法。
キテラの体には常に強い粘性を持つ闇の魔力が流れており、それをしみ出させることで手足と同等に扱える。
魔力を含むものであれば消し去れる性質は闇の魔法そのものの本質であるが、物理的なものを消し去るには多大な魔力を込める必要がある。
魔法の飛び道具のようなものであれば飲み込むことは容易い。
・本来の姿
幼馴染のことが大好きなひとりの少女。
血のにじむような訓練の末に古今東西あらゆる魔法を修め、カーレッジの役に立とうとするも、手助けを拒絶される。
魔王ゼオルを討伐後もその棘は抜けず、彼の死後、平和になった世界の均衡を保つため、さらなる力を求めて自身の体を闇の『存在なき者』へと捧げる。
人間ですらなくなり、あまりにも“普通”とはかけ離れてしまった自身の性質を自覚して、隠居生活を始めた。
・バフォメット
キテラの内にいる闇の『存在なき者』。
ヤギの頭と鳥類の翼を持ち、鋭い爪と蹄を持つ。
ただひとり、バフォメットの眠る闇の深淵へとたどりついたキテラに興味を持ち、老化により朽ちていく体を保つ代わりに同行させてもらうことを願う。
ひときわ強い魔力を持ち、いわゆる自然物の『存在なき者』よりも完全上位者として存在している。
闇である彼は願望を持たず、他の生物に対する興味や関心が薄い。
《ヘヴンズ・グリュブルム》
【178cm/0kg】
光の『存在なき者』。
陶器のような質感の肌で本来の体である光身を覆っている。
『存在なき者』に共通する特徴だが、自分にないものを理解することが難しく、知りたいとは思っていても自力では取得することができない。
グリュヴルムはその傾向がひと際強く、興味の沸いた対象に対する探求心を抑えることができない。
・ステータス
パワー:A
素早さ:A
器用さ:A
賢さ:A
・主な使用魔法
『由旬(オーバーラップ)』
ふたつの空間を重ね合わせ、その両方に同じ事象を発生させる。
視界の届く範囲であればどこであっても空間は届く。
『芥子劫(プロロング)』
定められた空間の内部に存在する零の時間を限りなく無限に伸ばすことで、まるで時間が止まったかのような事象を発生させる。
『光の魔法』
その他、名前のない光の魔法。
光を遮ることのできるものは闇だけであり、それ以外の物質は全て透過することができる。
光は生命の源でもあり、グリュヴルムはその性質を用いて天界人という種族を作り出した。
天界人はグリュヴルムの分身体であるため、根本的な性格や能力は彼女のコピーである。
・生い立ち
途方もない昔、地上が植物に覆われて間もないころに、グリュヴルムは生まれた。
同じころに生まれた魔族を率いて、光の力を用いて彼らの住む場所を整えた。
しかし、グリュヴルムの性格と彼らの種としての本能が折り合えず、やがて争いに発展してしまう。
争いによる生命の根絶を危惧したグリュヴルムは、自身を複製して圧倒的な力で彼らを抑え込むことに決めた。
その後、魔族の中に生まれたゼオルという特殊な個体に負け、地上に未練のなくなったグリュヴルムは新たな地を求めて空へと上がった。
 




