キュラ
錬が突然キュラに話を振るがすぐに返答が返ってきた。
「そうですね、リェルが仕事では先輩だからじゃないですかね。」
「仕事では、ですか。」
錬はよく分からなかった。
どうして、こんな事を言ってきたのか。
「そうなんです。仕事では先輩です。だからと言って私の年齢が高いわけじゃなですよ。」
「では、どうして。」
「幼馴染なんですよ。」
「へ~、でもどうしてリェルさんが先輩なんですか。」
「この組織に入ったのが早かったんですよ。一年も。」
キュラは少しバツが悪そうに言う。
錬はなぜ、そんなにバツ悪そうにしているのか分からなかったがすぐに理解した。
なぜなら、隣の女性が自慢のように言ってきたからだ。
「私が推薦した上げたから入れたもんねぇ~。」
今までの堅苦しい言葉とは違い柔らかくなっている。
「黙れよ。」
キュラも錬たちと話す時とは違っている。
「そんなこと言わないでよ。私が推薦しなかったらニートだったじゃない。」
「そんな事はない。黙ってろよ。」
「え~、本当は仕事につけて喜んでたじゃない。」
「違う、本当はもう仕事場は見つかってたんだ。」
「ふ~ん。今からでも退職させてあげてもいいんだよ。」
「本当にしたら殺すからな。」
錬をそっちのけでリェルとキュラは二人の空間に入っていた。
錬はその事を察して馬車の中に戻る。




