馬車の中で②
錬はガルディナと三屋に言い迫られ焦っている。
「いや、僕は何とも。」
錬はどちらの味方にもつけずオロオロしている。
錬の中では三屋に殴られる、仲間のガルディナを裏切るという二つの事が交差している。
決断できず一言、発した後黙っていると二人から見つめられる。
明らかに何かを待っているのが分かるのだが何も発せない。
未だに、二つの事で悩んでいる。
普通ならガルディナを選ぶのだろうが、三屋から殴られる恐怖が拭えない。
「おい、どっちなんだよ、錬。」
「そうだ、どっちなんだよ、錬。」
二人は迫りくる。
錬は冷や汗が出てきている。
どうしようにもなく錬はオロオロとし続けている。
そしてついに錬は立ち上がり馬車の前に行く。
「おい、待てよ。逃げるのかよ。」
後ろから三屋の声が聞こえるが完全に無視をする。
前には三屋のおもりをしている女性が二人いるので、絶対に追いかけてはこないと踏んで前に行ったのだ。
その考えが命中し、三屋は叫ぶだけでこっちには来なかった。
ガルディナはこっちの来ず、リアたちの所にいた。
ぬかりがないなと思いつつ、馬車の先頭に向かう。
「どうしたんですか。」
「ちょっと困ってしまって。」
錬が空笑いをしながら近づいて行く。
「お疲れ様です。」
すぐにいたわりの言葉が投げかけられる。
錬はありがたく思いつつ横に座らせてもらう。
二人の女性は何も言わずに座ったことを了承してくれた。




