儀式最後への準備
二人は正確に魔法陣を書き終わると黒フードたちの後ろに下がった。
ここから先はあちら側の仕事だ。
どんな高度な魔法を使用するか分からない。
むやみに手は出せないだろう。
さらにこの魔法にはかなりの時間を使い術式を組まなくてはいけないらしく、三体の黒フードたちは偽ユキを取り囲み何かを唱えだした。
「О БожеПожалуйста, покажи мне самиЯ ждал со времен кризиса этого мира.Великий Бог, прекрасный Бог・・・・・」
耳を澄ましてみるが、何を言っているのか全く意味が分からなかった。
手を合わせているので祈りと術式を合わしたものだろうか。
「ガルディナ、何て行ってるんだ。」
「すまない。俺じゃあ、ここまで早口で難しいことを言われると分からないんだ。」
「そりゃそうだよな。無理言ってごめん。」
「いいや、俺の勉強不足だ。」
なぜか二人は謝りあい気まずい雰囲気が流れる。
何もすることなく二人は黒フードたちが終わるのを待つ。
小瓶からヒロヤとカナエを出すことなど全く考えなかった。
出してもこの場が混乱し、危ない状況になることしか考えられない。
時間が掛かることが分かっていたので、ガルディナに誤魔化すことを目配せで伝えさらに後ろに下がる。
声が届かないであろう場所に行き単純な呪文を唱えるために魔導書入門を開く。
少し試したのが自分は水属性が得意なようだった。
なので、火属性の本領があまり出せないらしい。
魔導書入門にそんな事が書いてあった。
魔法はかなりの種類があるが属性による得手不得手があるらしい。
じゃあ試すしかないよな。
火属性魔法を錬は唱えだした。




