見たもの
二人が見たものは赤く染まっていた。
服を見れば分かってしまう。
ユキだ。
「おい、嘘だろ。まだ時間はあるはずだぞ。」
ヒロヤは絶句するがまだ言葉を出し誰かを弁護を求める。
だが、誰からも返答は変えてこない。
カナエは何も言えず口を押えながらポロポロと涙を流す。
二人は何も出来ぬまま立ち尽くしていた。
すると前から声が聞こえてくる。
「ユキは本当に大丈夫なのか。」
「当たり前だろ。そうじゃなかったら黒フードたちが館から出てきたのがおかしいからね。」
「だといいんだけど。」
「もし、そうなっていなかったら僕たちを仲間にしてくれるはずないだろ。」
「それはそうなんだがなぁ」
聞き覚えのある声が反響し聞こえてくる。
ヒロヤとカナエはその声の主に向かって走り出す。
だが、どうなっているのか二人の声に近づけない。
「どうなってるんだ。」
「おかしいわ。何か魔法が掛かっているんじゃ。」
「そんなはずはない。俺の感知にかからないなんて。」
ヒロヤは自分の手の中でグルグルと回る魔法陣を見ると白から赤に切り替わっていた。
「気づいたようだな。まぁ、遅いのだが。」
「おい、さまになってないぞ」
「黙ってろよ。」
錬の声が大々的に聞こえてくる。
後ろの方でガルディナの声も聞こえなくもないがほっといていいだろう。
「おい、錬。何をしているんだ。」
「僕は寝返ったんだ。君たちとは敵同士だ。散々あがくが良い。」
錬の声が消えると同時に静かになる。
「どうすればいいんだ。」
「ヒロヤ、焦らないで。」
「分かってるよ。」
二人は一度立ち止まり何ができるかを思考を凝らし始め適当な魔法などを繰り出して確かめだした。




