他愛ない夜
疲れたなぁ~、今日は慣れないことを覚えるために必死にやったけど体がもたないな。
錬は貸してもらっているベットに横たわりながらそんなことを考えていると、
「錬、今日はどうだった。」
武装を解いたリアが部屋に入ってくる。
「かなり疲れましたよ、僕はあまり肉体労働はしたことなかったので体中がバキバキですよ。」
「そうですか、お母さんはかなり鍛えられているからこれからもっと大変になりますよ。」
ニマニマと笑うリアを見ながら錬は、マジかと顔を引きつらせる。
「リアはどうして冒険者をしているんです。」
錬は他愛のない事を聞いたつもりがリアは一瞬悲しそうな顔をする。
しかし、すぐに何も無かったかのようにいつものように優しそうな表情に変わる。
「私がしている理由は昔お母さんが冒険者だったからだよ。」
「メアリヤさんも昔冒険者だったからあんなにもガタイがいいのか。」
少しおどけたように言って錬はリアの悲しそうにしていた表情を忘れようと誤魔化した。
「お母さんにそれを言ったら家から追い出されちゃうから言っちゃダメだよ。」
「気をつけるよ。」
その後も二人はたわいのない話をしていると再び扉が開く。
「お姉ちゃん、錬お兄ちゃん、夜ご飯出来たから食べにおいでだって。行こ。」
メリアが二人を誘い一階へと降りる。
メアリヤが店とはまた違う主婦の様な格好を見て少し自分の母を思い出し悲壮感に浸っていると三人が早く席に座れと急かすような目線で見てくるので早々と座る。
「では、食べようか。いただきます。」
「いただきます。」
「いただきまちゅ。」
三人は一斉に食前の挨拶をする。
こんなにも西洋な感じなのに日本と同じ挨拶なんだ。
錬がしょうもないことを考えていると、みんなが食べている時に挨拶をしてしまい少し恥ずかしく思う。
夜ご飯を食べ終わりメアリヤから風呂場に案内され風呂に入る。
(この世界に浴槽は無いのかな、僕はシャワーより浴槽につかる方が好きなのに。)
『この世界はかなり広いのであることにはありますよ。』
(僕、そこらへんに最初は行きたかったな。)
『もう手遅れです。自分で行ってください。』
フィーネと雑談しシャワーを浴び終わると自分の寝室に戻り疲れがたまっていたのかすぐに錬は意識が遠のいて行く。
出来るだけ毎日一時に上げるようにします。