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経営始めました異世界で  作者: 隠月
目覚めの為に
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街外れの館へ【ヒロヤ・カナエ編③】

ヒロヤとカナエは歩き続け、早四時間が経とうとしている。


黒フードたちを何度か見かけながら少し止まることが多かったが何とか見つかることなく迷宮森(メイズホレスト)の最深部までたどり着けた。


「かなり時間をくったけどたどり着けたな。」


「そうね、まさかあんなにも多くの黒フードたちと会うとは思ていなかったわ。」


カナエも少し疲労が出てきている。


逆にヒロヤは疲労の影が全く見えない。


その理由は明確だった。


数時間前に手放したゴーレムが止まっているのを見つけもう一度復活させヒロヤの荷物を持たせた。


さらに時折、自分に治癒魔法をかけ疲労を取り除いた。


カナエにもかけてあげようとしたのだが即答で断られ、少し悲しい気分に陥ったが、深く精神に疲労を与えると魔法にも影響するので出来るだけ考えないことにした。


そして、ヒロヤは少し精神に負担を掛けながら迷宮森を歩いたのだった。


一方カナエは、疲労が増して身体的に疲労を感じながら歩いた。


ヒロヤに何度か治癒魔法をかけようか尋ねられたのだが、ヒロヤにこれ以上は負担を掛けれないと思っていたため断った。


身体的にもう限界を迎えたため魔法を使いだしているのに魔法を使う量を増やして精神的にも来てしまったらどうしようにもないので断るしかなかったのだ。


結果として頼ってもいいくらい精神が安定しているのだが悔やんでもしょうがないだろう。


この先の最深部は館まで一直線に続いているのだが真っ暗で何も見えない。


さらに、整って木々が生えているここまでの道とはかなり違う。


乱雑に木々がそびえ立ち、草や茂みが異常に多くある。


真っすぐには変わりないのであまり関係ないのだが一度でも止まってしまうと、どこがどこだが分からなくなり館にたどり着くことも不可能になり、迷宮森からも抜け出せなくなる。


そのため、二人は時間が経つことが嫌に思いつつも休むしかない。


休み、万全の態勢にならなければ館にたどり着くことが出来ないからだ。


休む間もなく走り続けなくてはいけない、最深部に向けヒロヤとカナエはしっかりと休息をとる態勢に入った。

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