初日(後編)
食事を終えた錬は早々に食べ終わり何かを準備していたメアリヤについて行きバナックシェリーと言う店に着く。
「ここが私の店だよ。」
メアリヤが自慢げに言いながら店に入っていく。
これがメアリヤさんの店かかなり外装は凝っていて綺麗だぁ。
錬がそう思いつつ店の扉を開ける。
中は薄暗くあまり内装がよく見えない。
「ちょっと待ってな。」
メアリヤがそう言うと店にあった照明が一斉につく。
周りにある物を見渡すと自分の腰の高さの棚がズラリと並べられており丸底フラスコが多くある。
フラスコの中には、緑や青など色々な色の液体が入っている。
アメリヤがいる受付の近くに行くと何に使うか分からない草が多くある。
「どうだい、私の店はかなりのものだろ。」
「そうですね。僕が今まで見たことの無いものがたくさんあります。」
「そうだろう、そうだろう。」
メアリヤが笑いながら話す。
錬は、色々と見て回っていると扉が開き蒼き鎧を纏い長い金髪を簡単にまとめた美しくも凛々しい女性が入ってきた。
(僕は死んでから美しい人や女神によく会うな)
『おだてても何もしませんよ。本当に困ったときにしか手伝いませんからね。』
(少しくらい手伝ってくれたも良いじゃないですか。支配してませんよ。)
フィーネは錬の発言を無視しどこかに行ってしまった。
女性は口を開く。
「お母さん、頼まれたものを取ってきたよ。」
美しい人は朝見ていた時よりもいっそう可憐に見えるリアであった。
「リアはまさか、冒険者なの。」
「そうよ。意外だったでしょ。」
リアは錬に微笑みかける。
「そういえば、お母さん錬はお店で使えそう。」
お店にあるフラスコを見て回っているリアはメアリヤに話しかける。
「一人で大変な部分もあったから補ってもらうよ。少しは使えそうだからね。」
お店の開店を始めようと準備を整えるメアリヤは問いに答える。
錬は、その回答に安心を覚え気が楽になる。
安心した錬は近くにあった椅子に腰かけると突然、
〔ゴーンゴーン・・・〕
大きな鐘の音が鳴る。
「さぁ、開店だよ。今日の従業員はあんただけだからしっかりと働いてもらうよ。」
「はい、分かりました。」
メアリヤにどやされながら錬は仕事の仕方を覚えようと動き出した。