お久しぶりです、女神様
朝日が昇る頃錬は目を覚ます。
隣で布団を蹴り飛ばし爆睡している。
顔を洗い歯を磨き寝間着から私服に着替える。
朝食はフェリアに着いてから食べる事にする。
食堂が開く時間は今からかなりあるのでこの宿の食堂で朝を食べたのはかなり前になる。
そして錬はフェリアに向けて走り出す。
朝焼けを片目に入れながらゆっくりとしたペースで走り体の調子を確かめる。
この世界に来てから運動不足が解消され、運動音痴だと思っていた自分は運動のしなさすぎによる音痴と勘違いをしていたのだった。
(久しぶり、フィーネ。最近忙しくて話さなかったけど調子はどう。)
『あら、お久しぶり。てっきり私の事なんてい亡きものにされているの思っていたわ。』
(そんなはずないじゃないか。まだダンジョンの時の代償を払いきれていないしね。)
『口調も柔らかくなって驚きですね。人との関わりを多く持てたからですからね。』
(それもありますね。でも商売をしているからこうなってしまうのも必然ですね。)
『それは良かった。では残りの代償貰いますね。もう、この世界の神様を人間では途方もない時間をしてきたので交代してもらえたので良かったです。準備を整えれたのだから呼んだのでしょう。では、明日』
そう言うとフィーネとの通信は途切れてしまった。
数分間走りながら話をしていると丁度フェリアに到着した。
「おい、起きてるか、ユキ。」
扉をノックして呼びかける。
すぐに扉があきユキが出てくる。
「もちろんだよ。」
少し眠そうに目をこすりながら必死こいて出てきた。
「じゃあ行くぞ。」
「まさか眠そうなこの見た目を見てそんな事を言うなんて鬼畜。」
「そうか、いくぞ。」
錬は軽く手を引くとユキは驚きながらもしっかりと横について歩いてくる。
やはりこの年齢くらいの少女はすぐに上の年の人にやさしくされるときになるのだろうか。
そんなことを思いつつ錬は店に向かって歩く。
着くまで時間が少々かかるので少しはユキと話すかと思い横を向くが照れているので話しかけずらい。
仕方がなく黙って店まで歩くことになった。




