新たな作戦
早朝に起きガルディナの枕元に今日も伝言を書いた紙を残しフェリアに向かう。
日が昇ったばかりなのでかなり肌寒いが今日こそは起きれていることを願いながら軽く走っていく。
ユキの店で働き始めて一週間がたった今では錬が来る前とは変わり呼び込みを始めなくても一定量は来るようになったらしい。
だが呼び込みはやめず、しっかりと客引きをしている。
しかし未だに呼び込みのうまい方法を模索中の錬は合間を縫って他の呼び込みなどを見に行っている。
そのたびにユキにどやされるので早いところ使えそうな呼び込みを獲得したいものだ。
ジョギング程度のペースで走っていた錬はすぐにフェリアに到着したがやはりユキはいなかった。
分かってはいたのだが次の作戦に取り掛かりたいので早めに起きて欲しいものだ。
そんな事を思いつつ壁に腰かけようとした瞬間。
「おっはよ~。」
威勢が良い声でユキが飛び出してきた。
外で待っていたわけではなく温かい室内で待っていたようだ。
外の気温は秋くらいしか無いので日中になれば暖かいのでが朝晩は少し肌寒いくらいだ。
まさか起きていたユキを連れ目星をつけていた店に行く。
その店で軽くパンや野菜、ハムなどを買い店に戻る。
まさか今日から行えると思っておらず予行練習として今回は行うことにした。
店に帰ってきたころには朝食の時間を軽く過ぎていたのでまずは朝食をとる。
「どうしてあんな時間にサンドイッチの材料を買ったの。」
「しょうがないな。教えてやるよ。」
ユキに悪だくみをするような顔で錬は話しかける。
「何をするの。」
「ユキには悪いが夜の酒場だけではなく昼間にも働いてもらう。」
「え、私何歳だと思ってるの。そんなの死んじゃうじゃない。」
「安心していいよ。辛いのは初めだけだ。時間が経てば昼間か夜、どちらかだけでいいから。」
「最初ってどれくらい。」
ユキは顔をしかめながら錬に問い詰める。
「少なくても一ヵ月かな。」
「ほんとに言ってる。」
「もちろん。」
錬が微笑むのを見てユキは意識を失いかけた。
そんなユキが地獄を見るような会話をした後二人はサンドイッチを作りいつから昼間の経営を始めるか話し合った。




