フェリアの経営作戦第一
ユキと二人で仕入れの場所と何を売っているのかを確認しフェリアに帰ろうとする。
「何も買わなかったけど、何しに行ったの。」
「気になる物を見に行っただけだよ。目星はついたから上出来かな。」
「何を買うの。」
「ユキが早起きを出来るようになったら考えるよ。というか早起きをしてもらわないと困るんだけどね。」
「頑張るよ。」
適当な返事に錬は正直ダメだなと思っていた。
錬がそんなことを思っているとは知らずにスキップをしながら歩く。
錬もすぐに追いかけ早めにフェリアに帰る。
今後の酒場の方針について話し合う錬とユキ。
ユキは幼いわりに一応酒場の経営を手伝っているだけあって話し合えばまともな意見が返って来る。
「ユキはどうしたらいいと思う。」
「う~ん。やっぱりお客さんの量が少ないから呼び込んだ方がいいのかな。」
「お客の集客か。それが始めとしては妥当かな。」
「そうだよね。さっすが私。」
「ハハハ。」
そんな簡単な返答が返ってきたのでまずそれを行うことをした。
どんなに錬が考えてそれを行ったとしても錬がいなくなって赤字に戻れば意味がないのだ。
だから、錬がいなくなっても黒字を保っていれるようにしなければならない。
「じゃあどうやって集客をする。」
「どうしようかな。呼び込みをするにもバイトの人が一人しかいないから厨房で頑張ってもらってるし。」
「じゃあ僕がするよ。何人かを雇えるようにまずはしないとね。」
「そうだね。でもさ、どうして錬は一回でも黒字にすればいいのにこんなに頑張ってくれるの。」
「一ヵ月頑張って黒字になってもそれ以降が赤字だと気まずいからね。」
錬は笑いながらユキに言う。
その言葉に照れたのかユキは錬から目をそむけてしまった。
錬は夜に向けて看板を作る。
チラシが一番いいのだがあいにく印刷する機械が見当たらなかったので簡単な看板を作ることにした。
【大人の隠れ家フェリアへどうぞ】
と一人でも来やすいように静かな店の雰囲気で看板を作成した。
場所も場所なので隠れ家と呼んでもいいと思ったので勝手だがいいだろう。
そして夜がふけるのを錬はユキと準備を始めながら客引きに向かう準備をしたのだった。




