待つもの
かなり複雑に出来ている下層部は曲がり角が以上に多く直線だけが速い三屋にすぐには追い付かれることは無さそうだ。
だが、奥に進むにつれ自分のいる位置が分からなくなってくる。
もし撒けたとしても帰り道が分からなければどうしようにもならない。
錬はかなりの数の曲がり角を曲がり続けた結果、三屋の視界から完全に外れ少し遠くで雄叫びの様なものが聞こえてくる。
「ここはいったいどこなんだ。」
錬は迷っていた。
逃げるために必死に逃げ続けたためどこから来たのか方向がいまいちつかめない。
勘で雄叫びから一定の距離を取りつつ周りの道を探索する。
小走りで走ってみたがどこに荷物を置いた場所があるのかさっぱりだった。
それなのにも関わらず三屋の声だけは近づいてくる。
錬は思い切って一本道をづらして三屋とすれ違うことにした。
流石にこの頑丈なダンジョンの壁なら壊されないだろうと思いつつ今自分が走れるおもいっきりのスピードで駆け出した。
感覚で分かる、三屋の横を通り過ぎるまで5、4、3、2、1。
よし、バレてない。
錬は振り向かず走り続ける。
しかし、
【バキ、バキバキバキバキ】
ダンジョンの壁が少しづつ砕けだす。
「え、嘘だろ。」
錬は走っていた足も止め見入ってしまう。
その光景を見ている時に気づいてはいけない時に気づいてしまった。
三屋から逃げている時にモンスターに遭遇していない。
弱いとされているこのダンジョンでもおかしい。
流石に会わなさすぎる。
そのことに気づいてづいてしまってからは壊れて行くダンジョンの壁を見ている暇なんてなかった。
だがもう時はすでに遅かった。
壁からは数体の黒く染まったモンスターと三屋が立っていた。
「よぉ、もう逃げられないぜ。」
口を吊り上げニヤリと笑う。
錬は体から力が抜けて行きその場に膝をつける。
「はぁ、もうダメか。」
完璧に諦めてしまった錬は少しづつ近づいてくる三屋を見つめる事しかできなかった。
三屋はやはり自分で錬の首を取りたいのかモンスターを後ろに下げる。
「そのムカついた面ともおさらばできて心底嬉しいぜ。」
三屋は黒い靄を手に持ち刀の様な形をつくり錬の首元に置く。
「最後になにか言いたいか。」
ニヤリといたぶるように笑う三屋に錬は息を吸い込み。
「お前は本当は構って欲しかったんだろ。でも以上な力で誰も近づいてきてくれない。だけど同じ所出身の僕が楽しんで生活していることに歯がゆかったんだろ。だから、仲間に入れて欲しかったんだろ。そうだろ・・・・」
「そんなことはない。仲間なんていらない。お前の態度がうざかっただけだ。後、自由なお前がイラつくんだよ。どうして俺は監視されなくちゃならない。鬱陶しい。もういい、お前が死ねば今は満足だ。」
そう言うと三屋は靄がかった刀を振り上げた。
「待ちなさい。」
その瞬間、錬が待っていた、探していた女の子がボロボロになりながら歩いてきた。
「私と戦いなさい、三屋真也。黙らせてあげる。」
圧倒的な程のオーラを放ちながらリアは愛剣を振り上げた。




