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秘策
錬が受け付けをしだしてからも、冒険者の方々が増えてきた。
一日目は少しも気に止めていなかっただろうが、小遣い稼ぎに良いことを何処からか情報を仕入れたのだろう。
それに、何かイベントをすれば興味本位でやって来た冒険者もいるだろう。
錬自身がなぜ冒険者を嫌がるかと言うと理由は簡単だ。
問題が増えるのだ。
屈強な肉体の前に値段を下げろと交渉されれば、それはもう交渉ではなく脅迫に近いのだ。
それに、売っている側も人を止めれば簡単に商品が売れるだろう。
だから、錬はフリマに入れたくなかったのだ。
それにガストンとの交渉の条件を守るべく薬草の類いをダメにしたのは正解だろう。
なぜなら先ほどガストンのせいで薬草を買えなかった人たちが入っていくのが見えた。
冒険者に無理矢理でも売らせるつもりだろう。
だが、もうそれも錬は考えており着々と作戦を整えておいたのだ。
冒険者一同のみの場所を作ったのだ。
そこにはリア、キュラ、リェルが見張っているため大丈夫だろう。
「すみません。」
「あっすみません。何でしょうか。」
「いや、その、ニヤつくのは止めた方がいいですよ。」
そう言って受付を済ませた女性は立ち去っていった。
錬は深呼吸をして気持ちを切り替え、仕事をする姿勢になった。




