三屋の気持ち
かなり時間が経ったように感じたがなかなか戻ってこない。
錬はそろそろしびれを切らしてしまいそうだ。
リアを取り戻したいそれだけの気持ちが錬を焦らせる。
安全と口で言われても本物を見るまでは確信を持てない。
錬が立ち上がり立ち去ってしまった女性の方向に走り出そうとした時、三屋の後ろにいたもう一人の女がやってきた。
「すいません、かなり待たせてしまって。ケフィナリアさんはきっと安全ですよ。」
「え、きっと。お前たちが捕えていたんじゃないのか。」
「いいえ、一度捕らえたのですが一瞬目を離した瞬間にどこかに消えてしまいまして。」
「ふざけんなよ。僕はリアの安否を心配していたんだ。そんな事を言われてああそうですかとなるわけないだろ。」
錬は怒りをあらわにして女性に突っかかる。
「すいません。一度報告をしに来たんです。今からもう一度探しに行きますので。」
何度も頭を下げまたダンジョンの奥深くに走っていった。
錬は戦う力がないのでガルディナに力を借りメリアと二人で探してもらうことにした。
何もすることが出来ずもどかしく思う錬は立ち止まることが出来ずウロウロしていた。
弱いモンスターしかいないと分かっていても一人での長期戦は危険だ。
クソ、どうして僕は何も出来ないんだ。
錬は座り込んでしまいうな垂れていると、
「おいおい、どうしたよ。」
後ろに、にっくき男三屋真也が立っていた。
「何しに来たんだよ。」
「お前は同じじゃなかったんだな。同じ境遇だと思っていたのに。」
三屋は目から光が失われており何かおかしい。
錬はその事にすぐに気づきいつでも逃げれるように立ち上がる。
「それが何だよ。」
「錬、お前は俺と同じだと思ったんだよ。転移者なのに商売させられて戦わせてもらえない残酷な奴だと。だけど違った。お前は自由だ、おかしいだろ、差別だ。」
その言葉を言い錬に飛び掛かる。
だが予測していた錬の方が一枚上手だった。
「っつ、あぶねぇな。」
ギリギリでかわし態勢を整えつつ逃げだす。
「お前は絶対に逃がさないからな。」
三屋は片目に何かし体が変化する。
凄い速さで後ろから追いかけてくる。




