スキルの真の力?
目を瞑り覚悟を決めていた錬は数秒何も起きず、目をゆっくりと開いた。
するとそこにはありえない光景が広がっていた。
錬自身倒れていると思っていた男がデュマリオを押し倒していた。
「ック、どうしてお前がここにいる。」
「なぜかって、そんなの簡単だ。あの霧に入ったからだ。」
「しかし、お前は意識を失って倒れていたはずだろ。」
「戦いの初心者が黙っとけよ。俺と戦った時は力のゴリ押しだった。戦い方を知らないだろう。」
「だからどうした、今回も君は負ける。」
そう言って、デュマリオは片手で三屋を殴ろうとした。
だが、全く三屋の体には当たらなかった。
三屋は可哀想なものを見る目でデュマリオを見ていた。
そう光景を見て錬は目を疑った。
避けているの凄いのだが、それ以上に三屋の背中に二対の羽に四本の腕が生えていた。
「おい、三屋背中どうなっているんだ。」
「「え、何がだ」」
少し前にジェグの口から聞いたことがある声が聞こえた。
「やっぱり、三屋にスキルが渡っていたのか。」
「何だと・・・」
デュマリオは錬の言葉に絶句した。
自らの予測が外れ悔しそうにしていた。
「錬この後どうするんだ。」
ジェグが錬に問うと錬はニヤリと笑った。
「三屋デュマリオを拘束しろ。」
「しゃ~ね~な~」
声が元に戻っていた。
「やめろ、クソが。」
必死にもがくがヤハウェの力が作用しているのか全く拘束が解けない。
「「静かにしていろ、雑魚が」」
「三屋どうして、声が元に戻ったり変わったりするんだ。」
「ん~、分からないな。」
「それに、スキルの効果も変わっているし。」
「「それもそうだな」」
「ジェグさんは分かりますか。」
「すまない、わしじゃ分からない。あいつなら分かるかもしれないがの。」
ジャグは拘束されている男を指さす。
錬も分かっていたのだが聞くのが癪に障るため嫌だったのだ。
「しょうがないか。」
錬は何も出来ない状態の男に近づいた。