本腰入れた話し合いへ
「デュマリオお前は許せない。」
「言うようになったな。まぁ、お前の方が年上なんだがな。」
デュマリオは自分の言葉にハハハと笑う。
「黙れ、わしはどんだけ辛い思いをしたか。」
「知ってるさ、毎日見に行っていたしね。」
「本当か。」
自分の辛い記憶が少し救われたような雰囲気をかもし出しながらジェグはデュマリオを見る。
「ジェグさん騙されないでください。あのような状況にしたのはあの男の原因なんですよ。」
「あ、そうだったな。すまない。」
「ハハハ、やっぱり君たちは面白いね。だから、君たちへの興味が絶えないんだよ。」
「デュマリオ君には恨みをはらさせてもらうよ。」
ジェグは怒ったように鋭い目つきで目の前の男を睨んだ。
「はぁ、怒るのはいいけどしっかり話し合いをしてもらうからな。」
「話し合っても結果は同じだ。」
「まぁ、いいさ。話し合いの席には出てもらうからさ。」
そう言うと周りの茂みから数人の男が出てきた。
「クソ、気づかなかった。」
錬は囲まれたことに焦りを覚えた。
「さぁ、座ってくれ。」
そう言って男は茂みから出てきた人たちに椅子を用意させた。
錬とジェグはないも言うことなく椅子に座った。
「素直でよろしい。」
ニコニコと笑いながらデュマリオは二人を眺める。
「お前と話すことなんてないんだが。」
「そう言うなよ。俺はあるんだよ。」
「どうせ、わしの事じゃろ。」
「察しがいいね。どうしたんだ、珍しい。」
「どうとでも言え。」
「で、詳しくは何だ。」
錬が話題を椅子に座らした張本人に聞く。
「あのスキルを復元する方法と君への復讐さ。」
デュマリオは錬を指さし、怒りをあらわにした。
「やっぱり、怒ってたんですね。」
「当たり前だろ。」
そう言って、何か掴んだと思えば魔石を握りつぶした。
「何だこれは。」
「わしも知らんぞ。」
「っふ、君たちとは長く話すことがあるからね。黙っていろ。」
握りつぶした魔石から濃い霧が出て三人を覆いかぶさった。
その時にひっそりと一人の少年が霧の飛び込んだのを三人は気づかなかった。