二人の関係の決戦開始
飛び掛かってきたデュマリオへ三屋は自慢の黒いオーラで作った盾で迎え撃つ。
錬自身きっとこれならいけると思っていた。
だが、デュマリオからありえない言葉が聞こえた。
「はぁ、君は飽きないね。同じ技を使って。」
そう言いて、黒盾を貫いた。
さらに貫いた方法が錬にとって衝撃的だった。
デュマリオは黒盾を素手の拳のみで貫いたのだ。
「う、嘘だよな・・・おい、三屋。」
錬の絶望しきった声にデュマリオが楽しそうに笑いながら返答する。
「これは事実だよ。目をそらしてはいけないよ。」
殴られた三屋は起き上がる気配が無い。
デュマリオは念のため三屋の事を蹴っ飛ばす。
三屋は蹴られた方向へ転がるだけで何もしない。
「ん~、やっぱり面白くないよ君。」
それだけを告げ三屋の方を向くのを止めた。
「お前。」
錬は怒りが抑えることが限界を超えていた。
「フフフ、錬は俺の事を楽しませてくれていることを知っているよ。」
「風刃」
錬の魔法はデュマリオへ襲い掛かるが見えない刃を軽々と止めた。
「俺は話し合いをしたいんだ。攻撃を止めてくれないか。」
「信じれるはずないだろ。」
「分かった、あの少年に勝った理由を教えてやるからさ。」
「時間稼ぎか。」
「どう思ってくれてもいいよ。あの少年に勝ったのはこれのおかげさ。」
そう言ってデュマリオは自らの腰についていたポーチから多数の魔石を取り出した。
多種多様の色の光を放っている。
「この魔石は全て起動している。これがないと俺はあの少年に何も出来ず肉片にされていただろうね。」
自虐のように笑う男に錬は苛立ちが隠せない。
なぜなら、あの量の魔石を持っているという事は三屋が来ることを予測していたからだ。
きっと何か三屋に細工したのだろう。
その事が錬にとって癪に障った。
「黙れよ。」
「はぁ、黙らないよ。君と話すために呼んだのだから。」
「要求は何だ。」
「ん~、素直でいいね。では、一つ問おうか。」
「何だ。」
「どうして、君はジェグを立ち直すことが出来たのかな。俺が何も出来ないようにしたはずなのに。」
「人間やろうと思えば何でも出来るんだよ。」
「もっとしっかり返答してくれないのか。まぁ、いいけど。では、二つ目だ。君はジェグのスキルを狙っていたんじゃないのか。」
「は、何の事だ。」
「俺の家に来ただろう。その時に俺と同じ野望を抱いてると思たんだが。」
「あのスキルがあってはいけないという事でしょう。」
「あぁ、そうだ。」
「僕は無くすつもりで動いていたんだ。」
「そうだったのか、俺と同じであのスキルが羨ましくて奪おうとしていたわけじゃないんだな。」
「そんな事を考えていたのか。」
「君は気づいていなかったのか。あのぶっ倒れている少年でも気が付いたのに。」
「三屋が気づいた。」
錬は驚きつつも目の前の男から目を離さない。
錬の後ろでソワソワしている男は何か言いたげだった。
「ジェグさん言ってやってください。」
錬がそう言うと後ろの男は恨みがある男に暴言を放った。