暴走
錬は元の大きさに戻っているティオを見て騒然とする。
メリアは前見た時とはかけ離れた姿におののいていた。
(どうしてこうなったんだ。)
錬が問うとティオは申し訳なさそうに
『すまぬ、我が失態。』
ティオは収まりきっていない体を無理やり動かしうな垂れている。
うな垂れるのはいいのだが、部屋がきしむ。
(動くな。部屋が壊れる。)
『すまぬ。』
(で、どうしてこうなったんだ。)
『この部屋は分かりにくくなっているのだが、我が主の部屋なのだぞ』
ティオに言われ部屋を見渡すと自分自身の荷物とフィーネの荷物が置いてあった。
錬は数秒何も言えず硬直してしまった。
(おい、何してくれてんだ。)
『いえ、不可抗力で。』
(本当か~)
錬が疑いの眼差しでティオを見つめるとティオは首を振った。
そのせいで近くにあったベットが『バッキ』と音を立てて壊れた。
「はぁ~」
錬はテレパシー関係なくため息をついた。
「錬兄ちゃんどうしてため息ついたの。それにどうしてさっきまで黙ってたの。」
「ベットをティオに壊されたからだよ。後、黙っていたわけじゃない。」
「そうなの、黙っているようにしか見えなかったけど。」
「ティオと話していたんだ。」
「え、どうやって。」
「テレパシーだよ。」
「凄いね。」
「まぁね。」
そう言ってメリアに返答しながらティオに聞く。
(どうしてそうなったんだ。)
『我がこの部屋で寝ていると見知らぬ男が入ってきたのだ。』
(それは興味深いな。それで。)
『追撃しようとしたのだが、何かを体に打たれたのだ。すると、体内の調子がおかしくなり魔法が暴走したのだ。』
(それで元の大きさに戻ったと。)
『そうだ。』
その事を聞き錬は手を顎に当て考え出した。
それと同時にメリアが錬の体を揺さぶる。
「どうやったらティオと話せるの。」
「やる気だよ。」
そっけない答えを返し錬はもう一度考え出す。
(ティオ~)
『なんだ、メリア殿。』
(やった~、話せれた。)
錬が考えをまとめている最中にメリアは難なくティオと話せるようになっていた。