奇妙な振動
錬たちは夕食を食べ終わりペンションに戻って来る。
「美味しかったな。」
ガルディナが意気揚々と楽しそうに腹を叩きながら玄関を開けた。
それと同時にペンションが大きく揺れた。
皆は顔を見合わせる。
この後も経営方針について話そうと思っていたのだが、皆は手分けしてペンション内を探索することにした。
大体は二人一組でペンション内の部屋の扉を開けて行く。
「ここもいないか~」
錬はそう言いながら頭を掻く。
「そうだね。でも、何がいるのかな。」
メリアが錬の後ろで首を傾げている。
「ん~、どうだろうね。」
錬自身も何がいるのか分かっておらず何とも言えない。
二人は扉を閉めて次の部屋に向かう。
「錬兄ちゃんはどんなのがいると思う。」
「う~ん、あんまりヒントが無いから何とも言えないけど、大きいと思うよ。」
「どうしてそう思うの。」
「だってこのペンションが揺れただろ。」
「うんうん。揺れたね。」
「このペンションはかなり大きいだろ。だから揺れるためには強烈な力を使うか大きく体で振動が起きるかって感じだからね。」
「じゃあ、強烈な力の方が考えられるんじゃないのかな。」
「それはないよ。」
錬は堂々とその意見を切り捨てた。
「どうして。」
メリアは錬がすぐにメリアの意見を切り捨てたのをとても気になる。
「まだ、全体を見ていないけど、あんなにも揺れる力を使ったらペンションが壊れるだろ。」
「そう言われるとそうだね。」
メリアは錬の意見に頷く。
そして、二人は次に部屋の扉を開けると、縮小化していたはずのティオが元の大きさに戻っていた。